僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
竹内まりやもカバーした達郎の傑作バラード「ユア・アイズ」
山下達郎の曲を最初に聴いたのは、マクセルのカセットCMの、
「ライド・オン・タイム」や、テレビ番組「オレたちひょうきん族」の、
エンディングテーマとして、EPOがカバーした「ダウンタウン」で、
やはりお茶の間にとっては、テレビ主題歌やCMソングが身近。

83年、「メロディーズ」発売に伴う、達郎のコンサートに行った時、
「次の新曲は何のタイアップもないので、よろしく。」みたいに言い、
「スプリンクラー」を演奏したので、売り上げに貢献しようと思って、
コンサート終了後、ロビーの販売コーナーでドーナツ盤を買った。

昔はこうして、コンサートの余韻を楽しみながら、グッズを買ったり、
喫茶店や居酒屋に行き、何曲目の何が良かったと友人と語ったが、
最近のコンサート事情はどうなのだろう、自分が最後に行ったのは、
30年近く前のマイケルやポールで、その時点でかなり様子が違う。

外タレの場合は特に、開演が遅れて、コンサートは3時間以上もの、
長丁場で、終わる頃には、疲れるし、眠いし、ドームなどの大会場は、
退場規制もあって、出てくるのに小一時間かかることもあったりして、
終電を気にし駅に向かい、余韻を楽しむ余裕がないことも多かった。

国立代々木の浜田省吾や、横浜アリーナの角松敏生も似た感じで、
ハコが大きくなり、コンサートも長くなってしまい、自分も年を取って、
ついていけなくなったのか、ライブハウスとまでいうと極端になるが、
厚生年金や渋谷公会堂とかで、こじんまりとしたのが良いなんて思う。

それだけに、83年9月と85年2月ともに、神奈川県民ホールで見た、
山下達郎のライブは、ノスタルジアもあり、すごく良かった思い出で、
あいにく同姓の友人とだったが、終演後のロビーから見える夜景も、
山下公園から駅へと戻る風景も、達郎の曲にぴったりに感じたほど。

どちらも最後の曲は、バラードの名曲「ユア・アイズ」で、ファンにとり、
外せない定番曲となっていて、ずっとシングルカットされなかったが、
公認ベスト「グレイテスト・ヒッツ」や、サントラ「ビッグ・ウェイブ」にも、
収録されているので、本人にとっても、自信作、大切な曲なのだろう。

シングルカットされないと、ラジオでも、そう流れることもないだろうし、
CMやテレビとのタイアップがなければ、お茶の間とは無縁になって、
ファンだけ知る名曲みたいになっていたのか、例えばビートルズでも、
お茶の間には、「イエスタデイ」で、ジョンは「イマジン」となってしまう。

発表後20年たって、「ラブランド・アイランド」がドラマ主題歌になり、
シングルカットされると、そのB面に「ユア・アイズ」が収録されたり、
さらに、そこから10年以上たってから、竹内まりやがカバーして、
ドラマ「安堂ロイド」のエンディングテーマとなり、世間に浸透する。

何の番組だったか、山下達郎と竹内まりやが歌っている波形が、
ほぼ一致するとかで、音程、速度を合わせると区別ができないと、
分析していて、YouTubeで、うまく調整して交互に流しているのは、
どっちがどっちというくらいで、似たもの夫婦とでもいうのか面白い。

山下達郎と竹内まりやが結婚したのは、篠山紀信と南沙織くらい、
びっくりしたというと、どちらにも失礼になるが、男は顔じゃないと、
自分には音楽も写真も才能がないのはさておき、どこかホッとし、
でも自分がもてないのは、身長がないほうが致命傷だと気づく。

それで、友人たちがよく口にしたのは、達郎の発音が良くなって、
英文科出身のまりやに教わったのだろうという説で、半信半疑で、
聞いていたが、波形が一致するなんて言われると、まりや直伝で、
発音を直されたので、同じようになったのかと、妙に納得してしまう。

ただ、達郎の発音に関しては、「ユア・アイズ」の作詞を担当した、
アラン・オデイに、「ビッグウェイブ」で作詞作曲を共同作業した際、
徹底的に矯正されたと本人が語っているので、まりやではなくて、
外人さんに教わっているが、この曲は、その前なので、まりや説か。

「ユアアイズ」は、達郎の一人多重録音のバックコーラスがすごく、
もともと、アカペラの曲をアルバムに1曲くらいは、やっていたのを、
「オン・ザ・ストリート・コーナー」という、全曲アカペラのLPを出して、
その成功を受けて、曲中でも、多重録音コーラスをやるようになる。

「オレたちひょうきん族」のベストテンコーナーに、達郎の曲が入り、
さんまが達郎に扮して出てきたが、当然、さんまの歌は音痴なので、
「あれ、達郎さん、ちょっと歌が」と突っ込まれて、「何を言うんですか、
私はアカペラの達郎と言われてるんですよ」と返すのに、大笑い。

これまた、お茶の間が、アカペラを知っていたか、微妙なところだが、
この場面は、達郎も見ていたようで、ライブのMCで、話題に挙げて、
「スタッフがすごいね、ちゃんと、こういう、いつもライブで着るような、
ジャケットをさんまさんが着ていてね。」と、楽しそうに、語っていた。

「ユアアイズ」に話を戻すと、そのアカペラというか、1人多重録音は、
オフィシャルバンドスコアによれば、5声のハーモニーで、昔買った、
バンドスコアは3声なので、さすがはオフィシャルで、さらに実際には、
それぞれを数回は重ねて、何重にも達郎は歌っているのだと思う。

自分のMTRは24トラックで、この曲は、伴奏も、エレキ、アコギから、
エレキシタール、タンバリンと楽器も多いから、ハモリだけにトラックを、
使えないので、5声のハモリをピンポン録音して、1トラックにまとめて、
それをコピーし左右に配置、さらに各パートを別々に5トラックに録音。

ベースは、伊藤広規なので、指弾きでなく、チョッパーかと思うのだが、
本人がこの曲を弾く映像は見つからず、YouTubeのカバー演奏でも、
ほぼ全員、指弾きにしていて、さすがにピック弾きはないが、自分は、
チョッパーの方が、リズムもノリが出るので、ほぼ全部チョッパーに。

間奏のサックスは、いかにもという、歌い上げるフレーズで奏でるが、
ギタリストの自分としては、最初に聴いた時に、何でサックスなんだよ、
曲が盛り上がったら、感動のギターソロだろうに、なんて思っていて、
松原正樹や今剛あたりなら、いい感じで、弾いたんじゃないかと思う。

ユーミンだったら、間違いなく、そうしたギターソロだろうが、達郎では、
スローな曲は、土岐とかのサックスが多用され、アップテンポの曲は、
達郎のカッティング、椎名和夫のやや歪ませたギターソロというのが、
定番なアレンジで、まあ、決してギターを疎んじているわけではない。

山下達郎のバラードの傑作、自分の中では「潮騒」と1・2を争う曲の、
「ユアアイズ」は、コーラスがかなり難しいうえ、そのせいでトラックが、
なくなり、いつものダブル・トリプルでごまかすメインボーカル部分も、
シングルトラックなので、名曲を台無しにしてしまったか気にしてます。






若き達郎が単身ニューヨークへ乗り込んだ「ウインディ・レディ」
先日買った山下達郎のオフィシャル・バンドスコアは、達郎本人が、
選曲したそうだが、実際のスコアを監修したかどうかまでは不明で、
それでもオフィシャルの名にふさわしいくらい、丁寧に採譜してあり、
全2巻のうち、第1巻だけ買ったが、もう一冊も買おうか迷っている。

第2巻は「メロディーズ」以降の曲が中心で、自分が演奏したい曲は、
初期の曲に集中しているから、どうしても欲しいというほどではなく、
Amazonの「あとで買う」に入れて、売り切れそうになったらクリック、
今はまず、持っている楽譜を活用して、好きな曲を演奏しようと思う。

達郎のソロデビューLP「サーカス・タウン」からは、全6曲のうち1曲、
「ウインディ・レディ」が載っていて、昔買った24曲入りのスコアでも、
デビュー作からは、この1曲のみだから、これが代表作になるのか、
自分も、この曲と、「サーカス・タウン」、「夏の陽」が気に入っている。

「ウインディレディ」は、ウィル・リーのチョッパーベースから始まって、
ジョン・トロペイとジェフ・ミロノフという、フュージョンの有名どころの、
2人のリズムギターが加わり、当時のクロスオーバーの曲に近いし、
何よりも、このメンバーが演奏していると知った時には、すごく驚いた。

シュガー・ベイブで「ダウン・タウン」のスマッシュヒットはあったものの、
一部のマニアに受け入れられただけで、バンドは解散することになり、
ソロ活動をすることになった達郎が、ほとんど無名に近い状態なのに、
海外でデビュー作を録音し、面子もすごいというのは期待されたのか。

そうは言っても、金銭的な余裕がなくて、予定したニューヨーク録音は、
レコードのA面の4曲のみで、残りをロスアンジェルスで録音したそうで、
ロスの方がNYより安上がりですむのか、確かに演奏した人を見ると、
誰一人自分は知らないし、今、ウィキで見ても、ピンとくる人はいない。

ただ、自分の知っているミュージシャンは、フュージョン系が中心だから、
そもそも、山下達郎が指名したというアレンジャー、チャーリー・カレロも、
今でもよく知らなくて、彼が手がけ、ビートルズより前に全米でヒットした、
フォー・シーズンズも知らないから、ロス録音も有名人なのかもしれない。

ベースのウィル・リーは達郎が希望したそうだが、「何でまた二流の彼を。
俺ならゴードン・エドワーズを連れてきてやるのに」と、カレロが言ったと、
ウィキか何かで見たが、ウィル・リーは、24丁目バンドでも活躍していて、
ブレッカー・ブラザーズにも在籍したり、若手ナンバーワンと思っていた。

自分は、職人集団のスタッフは好きだし、そのリーダー兼ベースである
ゴードンの実力も認めるが、ウィルは下に見られてるのかとびっくりで、
これは、自分が演奏するから、ギターにしてもベースにしても、派手で、
テクニカルな面に注目しがちで、本質を見ていなかったのかと反省した。

山下達郎を聴いたのは、マクセルのCMの「ライド・オン・タイム」だから、
当然に、このアルバムは遡って聴いて、もうフュージョン全盛期なので、
このメンバーに感動したものの、トロペイにもっとソロを弾かせてくれと、
不満だったのも事実で、この点でも、自分の音楽性のいびつさを感じる。

ウィル・リーが24丁目バンドで来日した時、雑誌「アドリブ」だと思うが、
インタビュアーが達郎のことを尋ねると、「ああ、彼は覚えているよ。」と、
語っていて、ほとんど無名のまま、自分の曲を携え、単身渡米してきた、
日本の若者は、現地の有名ミュージシャンらに、どう映ったのだろうか。

アレンジャーのカレロは、達郎の才能を認めたというまではいかないが、
貪欲にアメリカの音楽シーンを吸収しようとする若者に、この録音での、
編曲の楽譜を渡してくれたそうで、達郎は日本に持ち帰ると、徹底的に、
そのスコアを研究して、セカンド「スペイシー」に生かしていったそうだ。

それだけ、達郎が参考にした編曲譜面で、オフィシャルバンドスコアも、
ストリングス、ホーンセクションまできちんと採譜しているので、自分も、
ギターシンセではあるが、ストリングスは4回、ホーンは5回も重ねて、
なるべく原曲に近づくようにしつつ、これまたシンセ音の限界も感じた。

山下達郎のデビュー作「サーカス・タウン」から、AOR、フュージョンの、
スタジオミュージシャンが演奏し、それっぽい音の「ウインディレディ」は、
珍しくコーラスがないので、バッキングにMTRのトラックを多く使えたが、
逆に、メインボーカルが目立ち、相変わらずの歌唱力無さに反省です。





ひょうきん族のテーマでも有名なシュガーベイブ「ダウンタウン」
自分の場合、楽譜のコレクターというつもりは毛頭ないのだが、
昨今の出版事情を考えると、目ぼしい楽譜は見つけたときに、
すぐに買っておかないと、絶版になり入手困難になることが多く、
結果的に弾けもしない楽譜が、どんどんたまっていくことになる。

クラシックギターの難曲は、さわりくらい弾けて楽しめれば良いと、
半ば開き直っていて、長年、絶版で入手困難だった山下和仁の、
「アロンソの結婚」が再発され、これは、すぐ買っておこうとすると、
2千円以下なので、単品では、Amazonで送料がかかってしまう。

他に何を買おうか検索していて、山下つながりで達郎にしようか、
ちょうど今、古いバンドスコアで練習しているが、不備が多いから、
「オフィシャル・バンドスコア」なら、細かい部分も採譜してあるかと、
当たりをつけて、いろいろと調べるが、中身までは全然わからない。

ほとんどの曲が手持ちの2冊とだぶっていて、2冊で省略された、
ピアノソロとサックスソロが出ているか、現物で確認したいのだが、
渋谷のヤマハも河合楽器もなくなってから、お茶の水まで出るか、
銀座の山野楽器でも行かないと、楽譜が豊富な店など近くにない。

1曲当たりのページ数が、手持ちの楽譜より多いから、それだけ、
リピート記号だらけの手抜きはないだろうし、シュガーベイブの曲、
「ダウンタウン」も収録されているので、最悪、この1曲さえあれば、
十分元が取れる、そうだ、「ダウンタウン」を演奏しようと短絡的に。

9月22日に届いたスコアは、感動するくらい丁寧に採譜してあり、
もともとの目的だった、「ソリッド・スライダー」のサックスは完コピ、
エレピソロは一部だが、コード記号のみの手持ち譜よりはまとも、
ほとんどの曲が、鍵盤の左手部分も採譜してあるのが嬉しくなる。

「ダウンタウン」は、2本のギターがしっかりと採譜してあるうえに、
鍵盤も、曲全体を引っ張るクラビネットは左手部分も2段書きだし、
別のページに、エレピとオルガン、ドラムとは別にダビングされた、
ハイハットまで出ていて、これこそオフィシャルなんだと、大感激。

もう、ここは、「ダウンタウン」をやるしかないでしょうと、これまで、
エポのバージョンに親しんで、多少口ずさんだことがあるだけで、
シュガーベイブの方は、レコードこそあるものの、そんなに聴かず、
まして弾いたこともないが、1週間、この曲だけ、とにかく聴きこむ。

この「ダウンタウン」をシュガーベイブの曲として、リアルタイムで、
聴いた人はどれくらいいたのだろう、はっぴいえんどを中心にした、
元祖シティポップスに興味のあった、ごくごく一部の人たちくらいで、
自分や世間一般、お茶の間の人々は、エポのカバーで知ったはず。

テレビ「オレたちひょうきん族」の、エンディングテーマとして流れて、
「土曜日の夜は賑やか」と、番組の放送時間とぴったりな歌詞から、
この番組に書いた曲だと当初は思っていたら、山下達郎の曲であり、
しかも、幻のバンド、シュガーベイブ時代の曲だと、あとから知った。

その後、テーマ曲は、山下達郎の「パレード」、「土曜日の恋人」や、
ユーミン「土曜日は大キライ」など流れるが、ひょうきん族と言えば、
エポの「ダウンタウン」というくらい、自分には、すごく親しんだ曲で、
今でも、この曲を聴くと、エンディングのハイライトシーンが浮かぶ。

ゲラゲラ笑う番組だけに、その終わった後は、どこかもの悲しくなり、
それだけに、エポが「ダウンタウンに繰り出そう」と歌うと、これから、
駅の方にでも行けば、まだ賑やかなんだろうか、テレビも終わって、
静まり返った住宅街と違い、華やかな世界なんだろうと思っていた。

最終回というわけでもなく、次回があるのに番組が終わる寂しさは、
幼い頃に、毎日の「ロンパールーム」で感じていて、うつみみどりの、
鏡ごしに名前を呼ぶエンディングに続き、本当、もの悲しい響きで、
オルゴールが流れて、何だか泣きたくなるような思いにとらわれた。

これは、中学生になっても、土曜夜放送の「刑事コロンボ」で感じて、
中学1・2年の8時過ぎに寝ていた自分は、深夜番組を見るようで、
犯人が捕まり、ハイライトシーンとスタッフロールに流れるテーマは、
やはり寂しい思いで聴き、そのまま布団に入り、眠りについていた。

高校の頃、デパートでさえ6時過ぎには閉店していた時代だったが、
渋谷駅前に9時近くまで営業する旭屋書店ができて、夕食の後でも、
「今から行っても、まだ本屋さんが開いている。」なんて、出かけたし、
出かけない日も、9時近くになると、いても立ってもいられない気分。

その「ロンパールーム」、「刑事コロンボ」のエンディングのもの悲しさ、
今からでも走っていけば、まだ本屋は開いているんだという思いとが、
見事すぎるくらい、ひょうきん族の最後にエポが歌う「ダウンタウン」に、
つながっていて、自分にとっては、かなり思い入れのある曲となった。

エポの演奏は、16ビートの軽やかなカッティングのギターで始まって、
ベースが曲を引っ張っていて、サビのチョッパーはすごく格好良いし、
オリジナルのシュガーベイブは、クラビネットと、それに見事に呼応し、
コードとリフを自在に弾き分けるギターが特徴的で、気に入っている。

シュガーベイブの名前は山下達郎を知る以前、高校に入ったあたりか、
ヤマハの「ロックサウンド」という本で、エフェクター紹介のコーナーに、
伊藤銀次と村松邦男が試奏している写真があっていて、確か2人とも、
シュガーベイブの肩書きなので、ツインギターのバンドなんだと思った。

さらに、79年3月、渋谷河合楽器のジャズギター教室に通い始める時、
ロックギター教室の先生は村松で、どちらにするかレッスンを見学すると、
生徒たちがメトロノームに合わせ、クロマチックスケールを練習していて、
これなら家でもできるとジャズにしたが、せっかくの縁をふいにした気分。

もしロックギター教室にしていたら、基礎からやり直させられただろうが、
今よりもチョーキングやビブラートが上手くなったり、バッキングにしても、
16ビートパターンやオブリガードに精通できたり、何より、何かの機会に、
伊藤銀次や山下達郎と会わせてもらい、プロへのチャンスもあったかと。

そんな妄想に浸りながら、「ダウンタウン」をバンドスコアに沿って弾くが、
本当に、村松のギターは見事で、右チャンのワウをチャカポコ踏みながら、
16ビートを刻むギターも、山下でなく村松が弾いたと思うし、左チャンの、
コードリフ、2音スライド、単音フレーズと自在なバッキングはため息もの。

アドリブソロも、当時のクロスオーバー創成期のインストに匹敵するソロで、
エンディングも同様に弾きまくっていて、ストラト特有のキンキンした音が、
気にもなるが、クラビネット、エレピ、オルガンとコード楽器が多く鳴るので、
音が埋もれないようハイゲインにしたのだろうし、それが特徴も出している。

楽譜を買ったからと、にわか仕込みのシュガーベイブ版「ダウンタウン」は、
ギターシンセでは、クラビネットのはねるような演奏は再現できなかったし、
いつもの山下達郎よりはキーも低く、ハモリの最高音もそう高くないものの、
歌唱力のなさが目立って、トリプルトラックにして、かなりごまかしています。









ピーター・フォンダの呟きからの「シー・セッド・シー・セッド」
何度も書いていることだが、自分がビートルズを聴き始めたのは、
74年、中2の夏からで、すでにビートルズは解散した後追い世代、
すでに赤盤・青盤も発売されていたので、「ペパーズ」から後期で、
サウンドも見た目も一気に変化したという、刷り込みができている。

今日では、「ペパーズ」の前作の「リボルバー」への評価も高くなり、
スタジオ作業による実験的、革新的サウンドに、ブラスセクション、
オーケストラの導入と、レコーディングバンドへ変貌していった作品、
ライブの再現が不可能となり、ツアー中止の一因になったとされる。

このアルバムの最終録音日が66年6月21日で、その3日後には、
ドイツ公演、そして、6月29日に来日し、武道館公演となるわけで、
かなりのハードスケジュールだし、このアルバムを完成させながら、
ライブでは古い曲を、歓声にかき消され、演奏していたことになる。

日本にとって、ちょっと名誉なことが、このアルバムの題名である、
「リボルバー」は、来日時、厳戒態勢ともとれる過剰な警備の中で、
やたらと目にした警官の拳銃から、ポールがタイトルを思いついて、
7月2日イギリスへ電報を打ち、発売に間に合わせたとされること。

ただ、普通に考えれば、日本は確かに4人が身動きできないくらい、
厳重な警備だったが、警官や拳銃はどこの国でも見かけたはずで、
しかも、レコードのタイトルと拳銃とに、どんな因果関係があるのか、
「よし、これだ」と4人が納得するには、あまりに理由づけが弱い気が。

そもそも拳銃を見たら、「あ、リボルバーだ。」という名称が出るのか、
自分がガンマニアでないからか、西部劇ならば二丁拳銃のコルト45、
ルパン三世ならワルサーP38、ダーティー・ハリーは44マグナムと、
いくつか名前はうかんでくるが、リボルバーというのは馴染みがない。

中山泰樹の「ビートルズの謎」には、ジャケットのデザインを担当した、
ハンブルグ時代の友人クラウスに、ジョンがタイトルを伝えていたとか、
逆回転やテープループのサウンドから、「回転」を意味する単語にした、
ウィキは「レコードは回転する」から、タイトルになったとも書いてある。

こういうのが、ビートルズの面白いところで、都市伝説までいかずとも、
いまだに、ちょっとしたことでも、いろいろな説があり、調べて楽しいし、
サウンドの分析も、誰がどの楽器を弾いたか、ダビング作業はどうか、
ハモリは誰が上で誰が下かと、自分の勘違いも含めて、新発見だらけ。

「リボルバー」の録音でも、エピソードは欠かせず、最後に録音した曲、
ジョン作の「シー・セッド・シー・セッド」は、ジョンとポールが口論になり、
ポールが出て行ってしまったが、3日後にはドイツ公演へ出かけるので、
今夜中に仕上げないと間に合わないと、ジョージがベースを弾いたとか。

マーク・ルゥイソーン「レコーディング・セッション」には、特に記述はなく、
ドラム、ベース、ギター2本のベーシックトラックを先に録音して、そこへ、
ボーカルとハモリのダビング、オルガンとリードギターを重ねたとあって、
最初に4人揃って演奏した感じで、ポールが出て行ったとの記述もない。

藤本国彦「213曲全ガイド」には、ポールが「僕は録音に一切参加せず、
ベースはジョージが弾いたと思う。」とコメントし、日経「全曲バイブル」は、
「メンバーで口論が起き、~、ポールが怒ってスタジオから出て行った。」
「ジョージがベースを弾いた可能性が、非常に高くなる。」と推測している。

ベースの録音がすんでから、ポールが出ていき、それでコーラスだけは、
ポールが参加していない、というのが、一番素直な解釈だと思うのだが、
当のポール本人が参加していないと公言しているから、いつ語ったのか、
原典を知らないが、ベースは別人、ジョンよりはジョージが自然な流れか。

来日時、ジョージとリンゴはホテルに缶詰めだったが、ジョンは抜け出し、
骨董品を買いに行き、ポールは、当初の目的地に行く前に見つかって、
皇居周辺を散歩しただけで戻ってきていて、2人が別行動になったのは、
スタジオの口論が多少尾を引いていたのかと、いろいろ想像したくなる。

「リボルバー」セッションの最後の曲となった、「シー・セッド・シーセッド」は、
ジョンがホームパーティーに参加した際、居合わせたピーター・フォンダが、
麻薬でおかしくなり、「自分は死の意味を知っている。」と繰り返し呟いて、
「そんなことは知りたくない、こいつを追い出せ」となった実体験に基づく。

ピーターは、まだ映画「イージー・ライダー」で世に出る前で、多少なりとも、
俳優活動はしていたろうが、飛ぶ鳥を落とす勢いのビートルズに比べると、
単なる二世タレントで、下手したら、貴花田が「うんとねえ、うんとねえ。」と、
得意気にしゃべっていたようなもので、それをジョンは歌詞にするだろうか。

ジョンの場合、辻褄が合うようにとか、みんなが期待する流れになるように、
後付けで理由をつけることがあって、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」にしても、
「チベット死者の書」の影響を受けたとか、そんなの読んだこともないだとか、
真逆のことだし、ピーターが有名になったから、とってつけた可能性もある。

この曲では、ジョージらしきリードギターは、ハンマリングを効果的に使って、
ポールに「タックスマン」でお株を奪われた、シタール風のフレーズにして、
ジョンは、まだスリーフィンガーを教わる前だが、コードをアルペジオ風にし、
さらに、リンゴのドラムは、これでもかというくらい、フィルインを叩いている。

ベースはジョージ担当ということだが、フレーズは単純ながら音圧もあるし、
ところどころ、ポールが弾くようにアクセントやミュートも見事に決めていて、
やはり、最初の段階でポールが弾いたのではと思いたくなるが、それならば、
「レイン」でやったように、リンゴのドラムに、もっと食らいつくかもしれない。

アルバムタイトルの「リボルバー」、ピーターフォンダが関わったという歌詞、
ポールが不参加で、ジョージがベースを弾いたと、謎を謎を呼んだような、
「シー・セッド・シー・セッド」は、ジョンの曲なので、高音はハモリも大丈夫で、
そうは言っても、逆にジョンのニュアンスが難しく、なかなかうまくいきません。







まだまだ夏日が続くから、夏だ、達郎だ「ラブランド・アイランド」
このところ、朝晩は、めっきり冷え込むようになったとはいえ、
日中には30度を超える夏日も何度かあって、残暑というより、
まだまだ夏じゃないのかと思うほどで、それで、夏と言ったら、
山下達郎だよなと、安直に今週演奏する曲を物色してみる。

シンコーのディスク・ガイド、「ジャパニーズ・シティ・ポップ」の、
「フォー・ユー」の解説で、「『夏だ、海だ、タツローだ!』という、
標語まで生んだほど世間に浸透した大ヒット作」と書いてあり、
もちろん、そんな標語などなくても、当時の達郎は夏の代名詞。

ちなみに、自分は、当時、リアルタイムで聴いていたわりには、
その標語は、どうも記憶になく、そのディスクガイドで知ったが、
山下達郎に限らず、好きでレコードを集めていたにも拘わらず、
世間一般の情報に疎かったりすることが多く、どうも中途半端。

その「フォー・ユー」の1曲目、印象的なギターのカッティングで、
アルバム全体を引っ張っる、「スパークル」の歌詞についても、
「七つの海から集まってくる」を、つい最近まで「真夏の海」だと、
勘違いして、夏全開の歌詞だと感心していたという、お粗末さ。

ギター雑誌で名前くらいは知っていた、達郎の曲を聴いたのは、
マクセル・カセットテープのCMで流れた、「ライド・オン・タイム」で、
達郎自身が、膝まで海の中に入って、水平線から登る太陽を、
背にしている姿で、もう夏のイメージが、お茶の間にも浸透する。

やはりテレビのCM、JR東海のCMで「クリスマス・イブ」が流れると、
今度は一転して、達郎は冬・クリスマスの代名詞になってしまうが、
その「クリスマス・イブ」を収録した、「メロディーズ」も発売当時は、
「高気圧ガール」をはじめに、夏のイメージばかりが先行していた。

サーフィン映画のサントラ盤「ビッグ・ウェイブ」など、まんま夏だし、
ベスト盤「カム・アロング」のジャケットも、夏を思わせるイラストで、
タイトルや歌詞に、夏の文字が出ようが出まいが、曲が流れれば、
夏を思い浮かべるという、自分はパブロフの犬状態になっていた。

「フォー・ユー」収録の「ラブランド・アイランド」は、歌詞に夏もあり、
サントリービールのCMとして流れた映像は、海辺のリゾート地で、
サンバのように踊りながら、市場を歩く女性、その女性を思い出し、
海が見下ろせる場所でビールを飲む男性という、夏の日の構図。

実は、このCMも記憶になく、YouTubeで見ても、ピンとこなくって、
幼い頃からのテレビっ子なのだが、ほとんどテレビを見ない時期、
毎日ギターを練習していた学生の頃や、TVゲームばかりした頃は、
ドラマもCMも、たまに見た時のわずかな記憶しかなかったりする。

それで、サントリーCM集として出ている、YouTubeでわかるのが、
CMでは、「あの人きっと夏の女神さ」が、「僕の女神」になったり、
最後の「アイ・ラブ・ユー」と歌うのが、どうも「サントリー」に聴こえ、
杉真理「バカンスはいつも雨」同様、CM用に歌詞が変わっている。

この曲そのものが、CM用に作られ、歌詞も映像と関連したのか、
さらに、タイトルも決まっていたのか、そのあたりは不明なのだが、
「ラブランド・アイランド」と言われると、「ふたりの愛ランド」みたいで、
達郎の方が先だが、多少はダジャレの意味合いもあっただろうか。

この曲のイントロは、「スパークル」と同様、2本のギターの絡みが、
すごく見事で、片方がコードカッティング、片方が単音リフというのは、
ポピュラー音楽から、フュージョン、AORにもある、王道パターンで、
達郎フォロワー(?)の角松も、自身の曲や杏里の曲で多用している。

その左右のチャンネルから聴こえるギターは、両方とも達郎自身が、
弾いているとばかり思っていたら、単音リフの方は椎名和夫だそうで、
一発録音でないとしても、ライブを意識し、レコードでも多重録音せず、
バンドとしての音を追求したのか、録音のメンバーも固定されていく。

特にリズム隊、ベースとドラムは、前作の「ライド・オン・タイム」から、
長年に渡り、達郎のレコーディングとライブを支えることになっていく、
伊藤広規と青山純で、ボトムがきっちりしたことで、サウンドも決まり、
まさに全盛期、黄金期となる演奏が、繰り広げられたと思っている。

自分が演奏するにあたり、ドラムは、MTR内蔵のドラムマシンだから、
ロックをやるにしてもフュージョンにしても、かなり無理があるのだが、
青山純は、プリズムでの変拍子ビシバシ、フィルイン全開とは違って、
タイトに叩くので、アクセントに気をつけて、マニュアル入力で叩いた。

伊藤のベースは、時に重く、ずっしりとしたベースで、ほとんどの曲が、
チョッパー奏法、スラップで、プリングの引っかけや3連は少ないが、
指弾きでやるようなフレーズも、親指で叩くことが多くて、右の手首が、
腱鞘炎にならない程度に、同じようなノリが出るまで、何度もやり直す。

バンドスコアは丁寧に採譜してくれていて、イントロのハープの部分も、
1拍6音で記譜されているので、コードのアルペジオでごまかさないで、
実音どおりにギターシンセで弾くが、ハープらしい残響も出したいので、
1・3拍、2・4拍と分け音を伸ばしてみたが、これが6弦ギターの限界。

コーラスは、3声で採譜してあり、達郎の場合、アカペラでもなければ、
コードに沿った3声が主で、まれにベースの低音が加わるくらいだから、
そのまま3声で歌うが、当然、歌唱力のなさもあり、本物よりすかすか、
それぞれ3回、音を重ねて、声の出ない高音はシンセも小さく弾いた。

メロディーはテンションコードが多いせいか、どうも音程が取れなくて、
ガイドボーカルというか、メロディーを別トラックにギターで弾いておき、
それを聴きながら歌えば、少しはましになるかと思うが、やはり音痴で、
音程のひどさは、ダブルトラックでもごまかせず、今後の課題とする。

台風が近づいているとはいえ、まだ夏のような暑い日もあることから、
無理やりという感もありますが、まだまだ夏だ、タツローだという具合で、
「ラブランド・アイランド」を演奏しましたが、いつも以上に歌がひどくて、
インストにした方が良かったか、ちょっとお粗末な出来ですみません。






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