僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
野呂一生が泣きのギターを弾きまくるカシオペア「迷夢」
何度も書いているが、ビートルズばかりを聴いていた自分は、
高校の同級生が弾く、パープルやツェッペリンに刺激されて、
ギター中心のアルバムを買い、練習しようと目をつけたのが、
その前年、75年に出たジェフ・ベック「ギター殺人者の凱旋」。

これこそ、自分のギターの音楽性を方向づけたと思っていて、
77年にクロスオーバーギターがブームになった時、抵抗なく、
ロックギターから乗り換えるように、夢中になれた下地だろうし、
自分と同世代のギターキッズにとって、かなり共通すると思う。

さらに、自分より少し上の世代にも、同じ影響を与えたはずで、
日本のクロスオーバー、フュージョンの黎明期、ロック畑から、
多くのバンド、ギタリストが輩出したのは、ベックの影響ありき、
自分の好きな和田アキラ、野呂一生、安藤正容も同様だろう。

自分が日本の三大フュージョンバンドと勝手にランキングする、
プリズム、カシオペア、スクエアは、どれもギタリストがリーダー、
というより、ギタリストがリーダーゆえ、ギターが中心になるから、
自分のお気に入りで、渡辺貞夫やマルタよりも聴き込んでいる。

ベックの影響が一番なのは和田で、早弾きはアル・ディメオラや、
アラン・ホールズワースの影響もあるが、スリリングに食い込み、
チョーキングを多用するフレーズは、もろにベックを感じさせるし、
レスポール、ストラトと使うのも、そうじゃないかと、こじつけたい。

野呂はジャズギタリストのジョー・パスを研究し、コードソロも弾き、
安藤は大学ではジャズ研に在籍と、ジャズのアプローチもあるが、
渡辺香津美に比べると、ロック色が強いし、泣きのギターの曲を、
2人とも披露しているのは、ベックの影響じゃないかと思えてくる。

ベックの「ギター殺人者の凱旋」の国内盤は、解説ブックレットに、
「スキャッターブレイン」と「哀しみの恋人たち」の楽譜が掲載され、
これが、変拍子のリフに早弾きの曲に、泣きのギターの曲という、
ギタリストなら、どちらにも魅力を感じる2曲で自分も必死に練習。

プリズムのデビュー作は、早弾きのリフの曲から泣きのギター曲と、
まさにその二大路線を踏襲していたし、こと泣きのギターとなると、
野呂や安藤に限らず、さらに海外の誰もがベックに憧れたのでは、
特に、ゲイリー・ムーアの「パリの散歩道」は、そんな気がしてくる。

もちろん、ベックがこの曲で、「ロイ・ブキャナンに捧ぐ」としたように、
ブキャナンの「メシアが再び」は、さらに元祖の泣きのギターだろうし、
サンタナ「哀愁のヨーロッパ」、それ以前の「君に捧げるサンバ」と、
ギターインストの名曲は数多いが、自分にとってはベックが最高峰。

プロである以上、そうそう完コピしたりカバーはやりにくいだろうから、
「メシアが再び」をカバーしたゲイリーも、「哀しみ~」はやってないし、
ベックのトリビュートアルバムでは、デフ・レパートのフィル・コリンが、
ほぼ完コピで演奏し、これは例外だろうが、皆うらやんだ気もする。

野呂は、「哀しみの恋人たち」のカバーに、以前関係したことがあり、
毒蛾というギタートリオのロックバンドが、ZEROと改名してデビュー、
ギターの鎌田ジョージは、ベックのようなギターを弾いていたからか、
デビューアルバムでは、「哀しみ~」のカバーを演奏し、野呂も参加。

ギタートリオだからキーボードが必要で、カシオペアの向谷が参加、
それはわかるが、なぜかサイドギターで野呂も参加し、原曲にない、
ギターのカッティングをずっと刻んでいて、完コピが好きな自分には、
イージーリスニングっぽく、曲を台無しにされたような気分になった。

カシオペアは、76・77年とヤマハのコンテスト、イーストウエストで、
ベストギタリスト賞・優秀賞を取るが、レコードデビューは79年と遅く、
その間、セッションにも数多く参加し、「東京フュージョンナイト」という、
その名もずばりのポンタのアルバムで、野呂は和田とギターバトル。

そうした演奏能力を買われて、ZEROのサポートだったのだろうが、
まさか、レコード全部カシオペアが演奏したのではと疑いたくもなり、
大っぴらにできないが、せめて一部の曲だけはクレジットしておこう、
カシオペアのレコードデビュー前の知名度アップと、大人の事情か。

ただ、ZERO自体が、アマチュア時代の毒蛾の頃テレビで見ていて、
すごく演奏能力は高かったし、鎌田のレスポールはとても良い音で、
ギタートリオだけにBBAを思わせ、もろベック風フレーズも格好良く、
逆に、デビューアルバムは、こじんまりとしてしまいがっかりしたほど。

デビューシングル「センチメンタルリーフ」は、日本のロックというより、
シティポップやニューミュージックも通り越した、単なる歌謡曲であり、
ディープパープルやレインボーを完コピするレイジーがデビューして、
「赤ずきんちゃんご用心」という、アイドル路線になったのとも近いか。

ラウドネスのボーカル・二井原が、自身も高校の頃レイジーについて、
「同世代のくせに凄腕の本格的ハードロックバンドだと思っていたら、
いつのまにかベイ・シティ・ローラーズのようになっていた。」と回想し、
「ああ、デビューするってこういうことなんやなと思った。」とも語った。

レイジーについては自分は逆で、銀座ナウでデビューする話を見て、
何だか大阪からベイシティみたいなバンドが出てきたと、馬鹿にして、
ラジオ番組に出た際、「挨拶代わりの1曲」と紹介され演奏したのが、
ライブ盤が出る前の、レインボーの「キル・ザ・キング」で、ぶっとんだ。

自分と同じ高校生が、すごいなあと感動し、テレビでの歌謡曲路線も、
売れるためには仕方ないのか、もっとパープルをやってくれないかと、
テレビやラジオでフォローしていたが、毒蛾がZEROになった時には、
期待してLPを買っただけに、がっかりして、その後は興味がなくなる。

実は、カシオペアがデビューした時も、渋谷ヤマハで見ていただけに、
4人であれだけの音を出しているのに、ホーンやストリングスを入れ、
必要以上に音を厚くしたり、アドリブを短くし曲をコンパクトにしていて、
これまたがっかりして、2枚目以降しばらく買わないままになっていた。

そのカシオペアは、スクエアと同様、渋谷河合楽器の発表会で演奏し、
原曲を聴くためにLPを買い、あらためて魅力に触れて集め出したが、
どちらも、レコードの演奏はエレクトーンで再現でき、やりやすいから、
発表会のレパートリーとなり、自分もギター伴奏したという皮肉なもの。

カシオペアのリズム隊が脱退するという、一大メンバーチェンジ前の、
「ユーフォニー」は、その前兆なのか、原点に帰ろうとしたサウンドだと、
何かで読んだが、ホーン、ストリングスや打ち込みもなく、4人が主体、
そのせいか、あまりやっていない泣きのギター曲がアルバムの最後。

「迷夢」は、エレピのイントロに、ボリューム奏法のギターが入ってきて、
やっぱりベックを意識かなと思えるが、途中ではピアノソロになるのは、
安藤の泣きのギター「サスピシャス・ストーリー」と同様で、バンドでは、
ベックのように全部がギターで、途中は早弾きというのは無理なのか。

野呂のギターは、76年のイーストウエストでベストギタリスト賞の際に、
賞品でヤマハSGをもらい、以降ずっと、後継機種や特注モデルを愛用、
同じSGを弾く高中正義とは当然音作りも違い、それぞれ特徴があるが、
自分のレスポールもストラトもSGとは音が違うので、多少似せる程度。

さらに、こういう泣きのギターは、ビブラートの個性が分かれるところで、
チョーキングもビブラートも苦手な自分はヌペーっとした音になってしまい、
派手にビブラートをかけたつもりでも、録音を聴くとそうでもなかったりし、
少しでもピッキングニュアンスが出るよう、エフェクトを軽めに調整した。

自分のロックギター、クロスオーバーギターの原点であるジェフ・ベックの、
泣きのギターを、たぶん野呂も意識したはずと勝手に思い込んでいる曲、
カシオペアの「迷夢」は、エレピ、シンセのテンションコードもけっこう大変、
オケにも苦労して、何よりもスローな泣きのギターは、やはり苦手でした。



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泣きのギター
ギタリストなら誰しも憧れる泣きのギター、やっぱり好きですね。
ベックのそれは本当に感動しましたね。当時のエレピサウンドに乗って弾くベック・ラインは知らないギタリストはいないのではないでしょうか?

鎌田ジョージ君とは所々で面識がありましたね。ZEROは同年代のバンドとと云う事もあって意識していましたね。当時のグレコがスポンサーで売り出したみたいですね。

レイジーはTV収録の時に高崎君が私の所に来てくれて、エフェクター・トランクについて聞かれたので2・3・分説明してお話しました。
結構興味があったみたいですね。

今回のギターマジシャンさんの演奏はいい出来だと思います。上手いですね。
次回も泣きのギターの別の曲にチャレンジして欲しいですね。

個人的にはサンバ・パ・ティが好きな曲です。

今週もお疲れさまでした。
kamiyo.m | URL | 2018/03/18/Sun 19:55 [編集]
Re: 泣きのギター
いつも、コメントありがとうございます。


> ギタリストなら誰しも憧れる泣きのギター、やっぱり好きですね。
ベックのそれは本当に感動しましたね。当時のエレピサウンドに乗って弾くベック・ラインは知らないギタリストはいないのではないでしょうか?


ギタリストの必携と言うと大げさですが、誰もが一度は聴いたし、
ほとんどのギターキッズは、必死になって練習した曲でしょうし、
今も自分は完コピを目標にしていて、アドリブも歌える感じです。



> 鎌田ジョージ君とは所々で面識がありましたね。ZEROは同年代のバンドとと云う事もあって意識していましたね。当時のグレコがスポンサーで売り出したみたいですね。


グレコが提供したロックおもしロックで出てきた縁でしょうか、
すごく良い音を出していたレスポールもグレコなのでしょうね。


> レイジーはTV収録の時に高崎君が私の所に来てくれて、エフェクター・トランクについて聞かれたので2・3・分説明してお話しました。
結構興味があったみたいですね。


あの松原正樹氏と同じ工房のエフェクタートランクですね、
高崎もロックとはいえエフェクターにこだわったようです。


> 今回のギターマジシャンさんの演奏はいい出来だと思います。上手いですね。
 次回も泣きのギターの別の曲にチャレンジして欲しいですね。


かなりビブラートをかけ忘れた個所が多くて冷や汗ものですが、
そう言っていただけると、次回へのモチベーションが上がります。


> 個人的にはサンバ・パ・ティが好きな曲です。


昔、小林克己のギターカラオケを買って練習した曲ですし、
江部賢一のソロギターでも練習した馴染みのある曲なので、
伴奏を作る目途がたったら、是非とも演奏してみたいです。
サンタナというとkamiyo.mさんがYouTubeに残されている、
哀愁のヨーロッパは、これぞプロなんだと思う演奏ですね。


> 今週もお疲れさまでした。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2018/03/18/Sun 21:34 [編集]
こんばんは。以前も時々のぞかせていただいていました。
「迷夢」は野呂さんのバラードの中でも5本指に入る大好きな曲で
楽しませていただきました。ありがとうございます。
自分実は寝つきの悪い病気持っていまして、眠るときのための
BGM集に、この曲入れていて、毎晩聴いています。
他もなんかかぶる曲の話題が多くびっくりします。
そのBGM集には「ジムノペディ」も安藤さんのソロも入っています(笑)
またお邪魔させていただきます。
SMO | URL | 2018/03/28/Wed 22:31 [編集]
Re: タイトルなし
コメントいただき、ありがとうございます。


> こんばんは。以前も時々のぞかせていただいていました。
「迷夢」は野呂さんのバラードの中でも5本指に入る大好きな曲で
楽しませていただきました。ありがとうございます。
自分実は寝つきの悪い病気持っていまして、眠るときのための
BGM集に、この曲入れていて、毎晩聴いています。
他もなんかかぶる曲の話題が多くびっくりします。
そのBGM集には「ジムノペディ」も安藤さんのソロも入っています(笑)
またお邪魔させていただきます。



自分もSMOさんのスタジオを覗かせていただいては、
音楽や映画などの記事を楽しく拝見しておりました。

自分の演奏は、ロックから、ジャズ、クラシックと、
けっこうバラバラでして、同じような曲を聴かれて、
BGM集まで作られているとは、すごい偶然ですが、
嗜好が近い方と出会えることはブログならではです。

これからも、よろしくお願いいたします。
お聴きいただき、ありがとうございました。





ギターマジシャン | URL | 2018/03/29/Thu 00:12 [編集]



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