僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ゲイリーがブルースに回帰した「スティル・ゴット・ザ・ブルース」
年末に駅前の楽器店で、絶版の楽譜が売れ残っていないか、
棚を探したときに、ゲイリー・ムーアのバンドスコアを見つけて、
これは出版元のシンコーでも在庫なしだったと、慌てて買うが、
この2月に、1曲を追加した新装版が発売と知り、損した気分。

シンコーでは、人気がある楽譜は、何年かすると再発するが、
曲を入れ替えたり追加するので、もう持っている楽譜の場合、
曲が増えると待てばよかったと後悔し、持っていない楽譜から、
好きな曲が変更になると、早く買えばよかったと地団太を踏む。

普通に耳コピできる人や、あまり楽譜を買わない人からしたら、
何をそんな悩むのかと思われそうだが、楽譜頼みの自分には、
けっこう一喜一憂することだし、それはCDや書籍類でも同様で、
何だかんだ言って、ちょっとしたコレクターのようなところもある。

ゲイリー・ムーアの命日が2月6日で、そのあたりも意識したか、
シンコーからは2月5日に、ゲイリーのDVD付教則本まで出るし、
バンドスコアは2月16日とやや遅く、それなら、発売になる前に、
手持ち楽譜から演奏すれば、先に買った甲斐があるというもの。

昨年バンドスコアを活用し、「スパニッシュ・ギター」を演奏したが、
たて続けに演奏しようとした、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、
もともとCDもテープも持っていなくて、ほとんど聴いたことがなく、
スコアに出ている曲を聴こうと買ったベスト盤で、一番気に入る。

ゲイリーが亡くなった時、kamiyo.mさんが追悼記事で紹介され、
泣きのギターですごく良い曲だと思ったが、CDを買うこともなく、
YouTubeで、「パリの散歩道」などと一緒にライブ映像を見ては、
それで満足して、レンタルすることもないままスルーしていた曲。

それだけに、さあスコアと音源を手にしましたと言ったところで、
メロディも、うろ覚えで、ただでさえ下手な歌は音程を外しまくり、
ギターにしても、昔のように初見はできず、ゆっくりから練習して、
少しずつ形になったが、週末の更新には時間切れで没になる。

伴奏はほぼ完成しているので、今回のリベンジで1週間あれば、
メロディも把握でき、ギターも暗譜できるくらいに弾けてしまうさと、
これまた、いつもの安直な考えで、今週の曲に決めてしまったが、
いざ取り組むと、歌も難しければ、ギターもニュアンスが出ない。

8分の6拍子でリズムをとるか、1拍3連ととるか、どちらにしても、
ワルツっぽいノリで、その裏からイントロのギターは始まっていて、
間奏やエンディングのソロも同じパターンだから、出だしからして、
タイミングを外してしまうし、裏の食い方も毎回違って覚えにくい。

それでも、ギターは弾けば弾くだけ上手くなるというか、指が覚え、
今日の本番の録音も、イントロだけで、1時間以上は繰り返したが、
少しずつ良い感じになるのがわかり、さすがに最後は煮詰まるが、
同様に間奏も仕上がって、まあ、エンディングは完コピは断念した。

歌の方は、原曲を繰り返し聴いて、メロディを把握するも、実際に、
マイクに向かうとメロディは伴奏につられたり、何より高音が出ず、
こればっかりは、やればやるだけとはいかず、3回歌ったあたりで、
声が枯れてきてしまい、犬のケンケンのような無声音になってくる。

ゲイリーが最初のソロLP「バック・オン・ザ・ストリート」を出した時、
レビューで、朗々と歌い上げる「ドナの歌」に触れて、このあたりが、
ギタリストの歌の限界だみたいに書かれて、高音域が辛そうだが、
けっこう聴かせると思ったし、チャーや山本恭司よりは上手いはず。

産業ロックとまではいかないが、売れ線が多い「大いなる野望」は、
キャッチーなギターソロはあるが、歌がメインの曲が多くなったし、
かなりの高音域も歌い上げて、さらに、ブルースに回帰してからは、
間奏ギターソロも延々と弾くが、インストは少なくボーカリスト並み。

そのゲイリーのブルース回帰時代の一番のレパートリーでもある、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を歌うのは、素人ギタリストである、
自分には荷が重いというか、まさにギタリストの歌の限界となって、
ダブルトラックどころか3回歌を重ねたが、下手の3乗になっただけ。

リバーブを深くしたり、イコライザーでトーンをいじっても下手くそで、
3声のバランスをいじったりしても同様、どうせ聞き苦しいのだから、
厚化粧は気味悪いだけだと、一番ましそうな歌のトラック1個にして、
リバーブも適度にとどめて、その分、伴奏をあげて、ごまかしておく。

ギターは、ゲイリーと同じレスポールにして、やはりストラトに比べて、
音がガツンと出る分、上手くなったような錯覚になるが、ストラトより、
ビブラートやチョーキングがやりにくいし、何よりハイポジションでは、
左手が不安定なので、かなりガチガチの音でリズムもよれてしまった。

エンディングのギターソロは、途中ピックアップがフロントからリアに、
切り替わって、音色が変化するので、最初は別々のトラックに録音し、
イコライザーでも調整するつもりでいたが、音を伸ばしている段階で、
セレクターをいじっているので、同じようにするしかなく、同一トラック。

ゲイリーの指癖で、ペンタトニックの早弾きが、チョーキングと交互で、
しかも、リズムの切れ目でないところで、急に早くしたり、伸ばしたりで、
そのタイミングも難しければ、ペンタトニックも、自分の指癖と違うから、
完コピできなくて、忠実に弾くよりは、勢いで弾いてしまえと開き直る。

ミキシングして気づくのは、チョーキングの音程がかなり甘かったり、
ビブラートを自分では派手にかけたつもりでも、思ったほどでないし、
イントロ、間奏とも、後半になると、ビブラートを忘れてしまっていて、
音がぬぺーっと無機質に伸びているのが顕著で、まだまだ練習不足。

高校の頃、ロックギターをマスターしないまま、クロスオーバーに走り、
さらに、ジャズギターまで学んだから、無意識にビブラートするとか、
自在にチョーキングするのは、今も不得手で、その点、プロとはいえ、
ジャズ・ロック路線のゲイリーなのに、見事すぎるビブラートの達人。

だいたい、ロック畑からのクロスオーバー・フュージョンのギタリストは、
ジェフ・ベックにしても、ルーツはブルースで、ビブラートはお手の物で、
日本でも、和田アキラ、森園勝敏、高中正義と、チョーキングがうまく、
自分は、ベック命といいつつ、表面だけ、コピーしていたのかなと反省。

ジェフ・ベックのフォロワーと言われ、ジャズロック路線のバンドにいた、
ゲイリー・ムーアが「大いなる野望」以降は、ハードロック路線だったが、
突然、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を出して、ブルース回帰となって、
自分は、ジャズロック路線に回帰してほしいと、だんだん聴かなくなる。

そもそも「回帰」と言うが、アマチュアのギター少年だった頃はともかく、
プロとしてデビューしたバンド「スキッド・ロウ」は、ブルースではないし、
その後は、コロシアムⅡやシン・リジイへの参加、そしてハードロック、
いったい、いつに回帰するのかと、突っ込みをいれたいくらいだった。

そのタイトル曲、「スティル~」は、すごく好きだし、こうして演奏するが、
これは、ブルースのコード進行ではなく、マイナーブルースとも違って、
2小節ずらすと、「パリの散歩道」と同じになる、いわゆる循環コードで、
決してブルースではないが、回帰する決意と捉えれば良いのだろうか。

ところで、この曲、自分は「ブルース」と表記し、昔もそうだったのだが、
ベスト盤では「ブルーズ」で、アルバムもリマスターあたりから同様で、
ベスト盤に関わった伊藤政則らロック評論家は、それが正しいのだと、
解説文でもしつこいくらい多用して、どうも強引すぎて引いてしまうが。

ゲイリーが亡くなって、もう7年もたってしまったのかと、今さらながら、
月日の経つのは早いものだと実感するし、自分が夢中になったのは、
もっと昔の35年前、当時ほどではないが、CDをAmazonで買ったり、
図書館で借りて、自分には新譜扱いのブルースアルバムも聴き込む。

ブルースを聴くと、やはりクラプトンは神だったなあと、これまた古い、
ブルースブレイカーズ時代の曲が聴きたくなるし、ロイ・ブキャナン、
ジョニー・ウィンター、マイク・ブルームフィールドと高校の頃聴いた、
ブルース系のギタリストのLPまで、CDで買い直したくなったりする。

それこそ、自分には、回帰するブルースの土壌なんてないのだし、
純粋なブルースより、ロベン・フォードみたいな方が好きだったりで、
ゲイリーのブルースは自分にも良いのかなと、買った「スティル」に、
借りた「アフター・アワーズ」、「ブルース・アライブ」が愛聴盤になる。

ゲイリー・ムーアの追悼というより、持っているバンドスコアの活用、
新装版が出る前に1曲演奏しておこうと、罰当たりな発想のアップ、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、いつもの歌は勘弁してもらい、
イントロと間奏は、けっこういい感じで、エンディングはすみません。







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歪の音いいです
今回は難曲にチャレンジされましたね・・・。
この曲は本当に難しいと思いますが、ギターはかなり雰囲気が出ていますね。
特に歪み具合とエフェクトが凄く良い音しています。
レスポールのリアで弾いているのでしょうか?

ゲイリーは映像を見るとフロントとリアをフレーズによって変えていますが、ゲイリーのリアの音は凄いの一言ですね。ギターマジシャンさんの音、かなり近いと思います。

私はゲイリーの小指をあまり使わない速弾きが苦手で、全然雰囲気が出せません。ゲイリー独特の指癖が苦手ですね。今回のギターマジシャンさんの演奏はソロパートもかなり良いですが・・・バッキングのアルペジオ素晴らしいです。

この曲はゲイリー本人もアルペジオに相当気を使って弾いていますね。それを見事に再現しているのには脱帽です。

晩年はさすがにゲイリーも腕が落ちたのかあまりいい演奏はしていませんが、全盛期の頃の演奏は鳥肌が立つくらい凄いですよね。

バッキング・トラックの作りも良いですね。MTR初心者の私にはマネが出来ません。勉強します。

明日ストラトが届くので楽しみにで仕方がないです。
kamiyo.m | URL | 2018/02/11/Sun 00:41 [編集]
追記
この手のスローの3連は8・6ではないです。
グレッグ・リーと二人で演奏した時に、8・6と3連の違いを指摘されました。
やはりスローの4拍でリズムキープが基本です。
kamiyo.m | URL | 2018/02/11/Sun 00:48 [編集]
Re: 歪の音いいです
いつも、コメントありがとうございます。

> 今回は難曲にチャレンジされましたね・・・。
この曲は本当に難しいと思いますが、ギターはかなり雰囲気が出ていますね。
特に歪み具合とエフェクトが凄く良い音しています。
レスポールのリアで弾いているのでしょうか?


イントロと間奏はレスポールのフロントで、エンディングは、
途中からリアで、どちらもトーンを4くらいに下げていて、
エフェクトは、MTR内蔵のマーシャルモデリングをかけて、
ミキシングの段階で、リバーブ、ディレイをかけています。



> ゲイリーは映像を見るとフロントとリアをフレーズによって変えていますが、ゲイリーのリアの音は凄いの一言ですね。ギターマジシャンさんの音、かなり近いと思います。


リアも含めて、やはり自分のレスポールとは段違いの音で、
機材の違いよりは、生で弾く出音が全然違うのでしょうね。


> 私はゲイリーの小指をあまり使わない速弾きが苦手で、全然雰囲気が出せません。ゲイリー独特の指癖が苦手ですね。今回のギターマジシャンさんの演奏はソロパートもかなり良いですが・・・バッキングのアルペジオ素晴らしいです。
この曲はゲイリー本人もアルペジオに相当気を使って弾いていますね。それを見事に再現しているのには脱帽です。


外人さんは手が大きいから、場合によっては薬指も使わずに、
ストレッチでペンタフレーズを弾ききって、そのせいもあり、
自分の覚えているフレーズとは、かなり違うことが多いです。

アルペジオはリズムがずれないように気をつけて弾きました。


> 晩年はさすがにゲイリーも腕が落ちたのかあまりいい演奏はしていませんが、全盛期の頃の演奏は鳥肌が立つくらい凄いですよね。


YouTubeには、モントルーを含めて数多くのライブ映像があるので、
見比べてしまうと、やはり全盛期の頃の演奏は全然違いますよね。



> バッキング・トラックの作りも良いですね。MTR初心者の私にはマネが出来ません。勉強します。


最初にMTRを始めたころは、単に録音だけしてアップしていましたが、
ミキシングで各トラックのイコライジングや定位をいじるようになって、
こんなに仕上がりが違うのかと驚き、昔の録音は全部やり直したいです。
(メモリ不足で消してしまったので、いちからやり直しになりますが・・・)


> 明日ストラトが届くので楽しみにで仕方がないです。


音源はまだ先になるのでしょうが、ネックの感覚だとか、
P-90の音とか、記事にしていただければと思います。
お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2018/02/11/Sun 09:44 [編集]
Re: 追記
追加のコメントもありがとうございます。


> この手のスローの3連は8・6ではないです。
グレッグ・リーと二人で演奏した時に、8・6と3連の違いを指摘されました。
やはりスローの4拍でリズムキープが基本です。


おっしゃるように、8・6のノリではジャズの感じになるというか、
ロッカバラードのように4拍のリズムキープが基本になるのですね。
アルペジオにしても、フォークで、この手の3連、6連を弾くとき、
8・6でやるはずもなくて、曲調が全然変わってしまうところです。

それにしても、過去記事でグレッグ・リーとの写真もありましたし、
松原正樹氏との会話といい、プロの方なんだなあと尊敬しています。
ギターマジシャン | URL | 2018/02/11/Sun 09:52 [編集]
伸びやかな良い音ですね。
ちょくちょくお邪魔させて戴いております、コタパパと申します。
私の様な親父のブログを覗いて戴き有難う御座いました。
今回初めてコメントさせて戴きます。

伸びやかな良い音ですね。
彼の熱い演奏が思い出せて、グッと来ました。
有難う御座います。

英ロックは殆ど聴かない私でも、彼とロリーギャラガーさんは
「他の英ロックギタリストと違う」と思って聴いていました。
ゲイリーさん、お国では"英雄"的な方として、ファンの方々が
想いを大切にされていますね。
「彼が使ったディーンマークレーの10〜52セットは無くさない」
メーカーのそんな話も聞きました。
そしてスティル・・・での、B.B.やAlbart King Albert Collinsとの
共演は、全ての世代にブルーズを再認識させるに十分な演奏でした。
個人的には彼のブルーズは、ちょっと前に突っ込み的で雄弁すぎる所が、
「お腹いっぱい」なのですが..... (あくまでもブルーズのみですが...)

また、お邪魔させて戴きます。
kotapapa | URL | 2018/02/16/Fri 10:16 [編集]
Re: 伸びやかな良い音ですね。
コメントいただき、ありがとうございます。


> ちょくちょくお邪魔させて戴いております、コタパパと申します。
私の様な親父のブログを覗いて戴き有難う御座いました。
今回初めてコメントさせて戴きます。



コタパパさんのブログは、ロック、ブルース、ジャズと幅広いうえに、
自分の知らないミュージシャンも多く、よく覗かせてもらっています。



> 伸びやかな良い音ですね。
彼の熱い演奏が思い出せて、グッと来ました。
有難う御座います。


なかなかゲイリーの音は出せませんが、雰囲気だけでも、
感じていただけたのでしたら、すごく嬉しいところです。


>
> 英ロックは殆ど聴かない私でも、彼とロリーギャラガーさんは
「他の英ロックギタリストと違う」と思って聴いていました。
ゲイリーさん、お国では"英雄"的な方として、ファンの方々が
想いを大切にされていますね。
「彼が使ったディーンマークレーの10〜52セットは無くさない」
メーカーのそんな話も聞きました。
そしてスティル・・・での、B.B.やAlbart King Albert Collinsとの
共演は、全ての世代にブルーズを再認識させるに十分な演奏でした。
個人的には彼のブルーズは、ちょっと前に突っ込み的で雄弁すぎる所が、
「お腹いっぱい」なのですが..... (あくまでもブルーズのみですが...)



ロリー・ギャラガーもゲイリー・ムーアもアイルランドでは英雄でしょうし、
それぞれスタイルは違いますが、ブルースをルーツに持つのは共通してますね。

おっしゃるとおり、自分もゲイリーの演奏するブルースは、御大と比べても、
やりすぎ、弾きすぎのところがあり、どうなんだろうと思ったりしています。



> また、お邪魔させて戴きます。


お聴きいただき、ありがとうございました。
これからも、よろしくお願いいたします。
ギターマジシャン | URL | 2018/02/16/Fri 19:06 [編集]



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