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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
若き達郎が単身ニューヨークへ乗り込んだ「ウインディ・レディ」
先日買った山下達郎のオフィシャル・バンドスコアは、達郎本人が、
選曲したそうだが、実際のスコアを監修したかどうかまでは不明で、
それでもオフィシャルの名にふさわしいくらい、丁寧に採譜してあり、
全2巻のうち、第1巻だけ買ったが、もう一冊も買おうか迷っている。

第2巻は「メロディーズ」以降の曲が中心で、自分が演奏したい曲は、
初期の曲に集中しているから、どうしても欲しいというほどではなく、
Amazonの「あとで買う」に入れて、売り切れそうになったらクリック、
今はまず、持っている楽譜を活用して、好きな曲を演奏しようと思う。

達郎のソロデビューLP「サーカス・タウン」からは、全6曲のうち1曲、
「ウインディ・レディ」が載っていて、昔買った24曲入りのスコアでも、
デビュー作からは、この1曲のみだから、これが代表作になるのか、
自分も、この曲と、「サーカス・タウン」、「夏の陽」が気に入っている。

「ウインディレディ」は、ウィル・リーのチョッパーベースから始まって、
ジョン・トロペイとジェフ・ミロノフという、フュージョンの有名どころの、
2人のリズムギターが加わり、当時のクロスオーバーの曲に近いし、
何よりも、このメンバーが演奏していると知った時には、すごく驚いた。

シュガー・ベイブで「ダウン・タウン」のスマッシュヒットはあったものの、
一部のマニアに受け入れられただけで、バンドは解散することになり、
ソロ活動をすることになった達郎が、ほとんど無名に近い状態なのに、
海外でデビュー作を録音し、面子もすごいというのは期待されたのか。

そうは言っても、金銭的な余裕がなくて、予定したニューヨーク録音は、
レコードのA面の4曲のみで、残りをロスアンジェルスで録音したそうで、
ロスの方がNYより安上がりですむのか、確かに演奏した人を見ると、
誰一人自分は知らないし、今、ウィキで見ても、ピンとくる人はいない。

ただ、自分の知っているミュージシャンは、フュージョン系が中心だから、
そもそも、山下達郎が指名したというアレンジャー、チャーリー・カレロも、
今でもよく知らなくて、彼が手がけ、ビートルズより前に全米でヒットした、
フォー・シーズンズも知らないから、ロス録音も有名人なのかもしれない。

ベースのウィル・リーは達郎が希望したそうだが、「何でまた二流の彼を。
俺ならゴードン・エドワーズを連れてきてやるのに」と、カレロが言ったと、
ウィキか何かで見たが、ウィル・リーは、24丁目バンドでも活躍していて、
ブレッカー・ブラザーズにも在籍したり、若手ナンバーワンと思っていた。

自分は、職人集団のスタッフは好きだし、そのリーダー兼ベースである
ゴードンの実力も認めるが、ウィルは下に見られてるのかとびっくりで、
これは、自分が演奏するから、ギターにしてもベースにしても、派手で、
テクニカルな面に注目しがちで、本質を見ていなかったのかと反省した。

山下達郎を聴いたのは、マクセルのCMの「ライド・オン・タイム」だから、
当然に、このアルバムは遡って聴いて、もうフュージョン全盛期なので、
このメンバーに感動したものの、トロペイにもっとソロを弾かせてくれと、
不満だったのも事実で、この点でも、自分の音楽性のいびつさを感じる。

ウィル・リーが24丁目バンドで来日した時、雑誌「アドリブ」だと思うが、
インタビュアーが達郎のことを尋ねると、「ああ、彼は覚えているよ。」と、
語っていて、ほとんど無名のまま、自分の曲を携え、単身渡米してきた、
日本の若者は、現地の有名ミュージシャンらに、どう映ったのだろうか。

アレンジャーのカレロは、達郎の才能を認めたというまではいかないが、
貪欲にアメリカの音楽シーンを吸収しようとする若者に、この録音での、
編曲の楽譜を渡してくれたそうで、達郎は日本に持ち帰ると、徹底的に、
そのスコアを研究して、セカンド「スペイシー」に生かしていったそうだ。

それだけ、達郎が参考にした編曲譜面で、オフィシャルバンドスコアも、
ストリングス、ホーンセクションまできちんと採譜しているので、自分も、
ギターシンセではあるが、ストリングスは4回、ホーンは5回も重ねて、
なるべく原曲に近づくようにしつつ、これまたシンセ音の限界も感じた。

山下達郎のデビュー作「サーカス・タウン」から、AOR、フュージョンの、
スタジオミュージシャンが演奏し、それっぽい音の「ウインディレディ」は、
珍しくコーラスがないので、バッキングにMTRのトラックを多く使えたが、
逆に、メインボーカルが目立ち、相変わらずの歌唱力無さに反省です。



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まいどです
たぶんこの曲で自分は、マイナー9thを覚えたんじゃないかな?
って気がします。この曲はシュガーベイブ後期の頃からの
演目だったし、サーカスタウンのアルバムが出る前の
達郎さんのライヴハウス時代も、必ずやってた曲でしたから、
自然に覚えてしまってて、まあ隠し録りもしてたもので、
コピーもとっくに完了!って思ってたんですが、
当初はマイナー7thだと思って弾いてたわけで、
何かしっくり来ない?? あれえ?なんだこの変なコード?...
で、全く自己流ながら行き着いたのが、普通にマイナー9thコード。
以後は何かって言うとこのコードを多用したオリジナル曲を
いったい何曲作ったことか!!。

そんなわけで、正式なレコードヴァージョンを聴いた時は、
シンプルなライヴヴァージョンばかり聴いてきた耳には、
いろいろと余計な音が多すぎて、最初は全然馴染めなかったんです。
まあ御本人もそれは自覚されてるようで、名盤PoppingTime
以降、この曲は、極力シンプルな構成で演奏されるようになってる様子です。

ギターは、いかにもなミュージシャンが、日本の
高額ギャランティにつられ、ま競って足跡残しますって感じで、
ヤッパリ多過ぎますよね。

他にオケも要らない…。エレピも音が多すぎる。

勿論ギターマジシャンさんのせいじゃないですよ。
ただ、作品性を考えて敢えて意見させてもらえるならば、
この譜面をベースに、ライブヴァージョン起こしなんて簡単ですから、
一番良いテイクを再現、コピーなどされるのが、
今後の方向性としてどんなもんだろうって、ご提案ですね…。

例えば達郎さんのPaper Dollなんて、スタジオ版よりPoppin'の
Live版の方が、遥かに素晴らしいテイクだと思うんですよ!
勿論、コードとか元のところは殆ど同じ。
楽器の間合いとソロが違うだけ…。どうです?
pipco1980 | URL | 2017/10/08/Sun 00:29 [編集]
この曲も好きです
この曲は達郎の中でも私のお気に入りの曲です。レコーディングの面子は私も知っていましたが、このテンポのこのリズムは、当時の日本では中々出せない音ですね。
流石にロスのスタジオ・ミュージシャンの音ですよね。
その後の達郎サウンドとは、一味違った音で私は好きですね。

ギターマジシャンさんのヴォーカル・・・いい味出てますよ。この曲に凄くマッチしていると思います。

当時のサウンドは何時聴いても安心できますね。やっぱり私達世代には当時の音が刷り込まれているのでしょうかね。

今回は気分良く聴かせて頂きました(いつもですが)。お疲れ様でした。
いつか”恋のブギウギトレイン”なんか聴けたら幸せです。
kamiyo.m | URL | 2017/10/08/Sun 00:30 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。



> たぶんこの曲で自分は、マイナー9thを覚えたんじゃないかな?
って気がします。この曲はシュガーベイブ後期の頃からの
演目だったし、サーカスタウンのアルバムが出る前の
達郎さんのライヴハウス時代も、必ずやってた曲でしたから、
自然に覚えてしまってて、まあ隠し録りもしてたもので、
コピーもとっくに完了!って思ってたんですが、
当初はマイナー7thだと思って弾いてたわけで、
何かしっくり来ない?? あれえ?なんだこの変なコード?...
で、全く自己流ながら行き着いたのが、普通にマイナー9thコード。
以後は何かって言うとこのコードを多用したオリジナル曲を
いったい何曲作ったことか!!。



おっしゃるとおり、シュガーベイブ時代から演奏していたそうで、
自分は、最近YouTubeで聴いて、ギターのカッティングから入り、
そのギターもベースラインもレコードと別物なので、驚きました。

当時から、メジャー7thや9thを達郎は効果的に使っていて、
自分はあとから知ったのですが、すごく新鮮だったと思います。


> そんなわけで、正式なレコードヴァージョンを聴いた時は、
シンプルなライヴヴァージョンばかり聴いてきた耳には、
いろいろと余計な音が多すぎて、最初は全然馴染めなかったんです。
まあ御本人もそれは自覚されてるようで、名盤PoppingTime
以降、この曲は、極力シンプルな構成で演奏されるようになってる様子です。


自分もカシオペアですが、4人で演奏した曲が、デビュー作では、
ストリングスやホーンが入っていて、すごく違和感を感じました。
達郎本人も、近年のライブでは、シュガーベイブ風にしていて、
YouTubeでカバーする人たちも、ほとんど、それに即してますね。


> ギターは、いかにもなミュージシャンが、日本の
高額ギャランティにつられ、ま競って足跡残しますって感じで、
ヤッパリ多過ぎますよね。
他にオケも要らない…。エレピも音が多すぎる。




左右にギターを分け、2人で弾かなくてもって感じはしますし、
ストリングス、ホーンと音が多すぎるのも、ご指摘のとおりで、
達郎が師と仰ぐカレロの編曲を、一応は尊重してやっています。


> 勿論ギターマジシャンさんのせいじゃないですよ。
ただ、作品性を考えて敢えて意見させてもらえるならば、
この譜面をベースに、ライブヴァージョン起こしなんて簡単ですから、
一番良いテイクを再現、コピーなどされるのが、
今後の方向性としてどんなもんだろうって、ご提案ですね…。

例えば達郎さんのPaper Dollなんて、スタジオ版よりPoppin'の
Live版の方が、遥かに素晴らしいテイクだと思うんですよ!
勿論、コードとか元のところは殆ど同じ。
楽器の間合いとソロが違うだけ…。どうです?




ポッピンタイムは、どの曲もスタジオ版を超える出来でして、
アレンジ自体はシンプルですが、演奏のレベルがかなり高く、
おそらくリズムセクションの再現が、すごく難しい気がします。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/10/08/Sun 01:50 [編集]
Re: この曲も好きです
いつも、コメントありがとうございます。



> この曲は達郎の中でも私のお気に入りの曲です。レコーディングの面子は私も知っていましたが、このテンポのこのリズムは、当時の日本では中々出せない音ですね。
流石にロスのスタジオ・ミュージシャンの音ですよね。
その後の達郎サウンドとは、一味違った音で私は好きですね。


確かに、このテンポでこのリズム、微妙に跳ねるノリのあたりは、
向こうの腕利きミュージシャンゆえに、出せた音だと言えますし、
このアルバムだけは、編曲も含めて、その後と違っていますよね。



> ギターマジシャンさんのヴォーカル・・・いい味出てますよ。この曲に凄くマッチしていると思います。


達郎のような張りのある声が出ないうえ、かすれていますが・・・。



> 当時のサウンドは何時聴いても安心できますね。やっぱり私達世代には当時の音が刷り込まれているのでしょうかね。


打ち込みのドラムに、MTRでデジタル録音している自分が言うのも、
何なのですが、生の楽器でテープにアナログ録音していた時代の音が、
一番しっくりきますし、楽曲のクオリティ自体も高かったと思います。



> 今回は気分良く聴かせて頂きました(いつもですが)。お疲れ様でした。
いつか”恋のブギウギトレイン”なんか聴けたら幸せです。


「ブギウギ・トレイン」は2巻収録ですので、やはり必携ですね。
お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/10/08/Sun 01:58 [編集]
1stの傑作
初期の曲が続くと思ったら、第1巻、第2巻とそういう割り振りだったのですね。私もギターマジシャンさんとまったく同じで、山下達郎なら圧倒的に初期のアルバムが好きです。
紙やすりで耳が削られるようなサウンドは、これが日本人の感覚か?と当時思いました。
さすがに、1st,2ndは遡って聞きましたが、IT'S A POPPIN' TIMEは日本人のライブアルバムの最高傑作じゃないかとずっと思っていました。
WINDY LADYは、なんといってもファンキーなベースラインですね。ナイスプレイです。

コメントでpipco1980 さんもおっしゃってますが、達郎のアルバム群で、この1stだけが、他人のアレンジという感じがするのですね。私も最初に遡って聴いた時は、違和感がありました。おそらくレコード会社のセッッティングで、USA録音出来るだけでも感謝しろという時代だったのでしょう。
1stの(多分、必ずしも満足していない)経験をばねに、2nd以降、自分のサウンドを徹底的に追及したのは、さすが山下達郎だと思っています。
AKISSH | URL | 2017/10/08/Sun 23:44 [編集]
Re: 1stの傑作
いつも、コメントありがとうございます。



> 初期の曲が続くと思ったら、第1巻、第2巻とそういう割り振りだったのですね。私もギターマジシャンさんとまったく同じで、山下達郎なら圧倒的に初期のアルバムが好きです。


LPで買っていた頃が、その時代への郷愁もあって、すごく好きです。


> 紙やすりで耳が削られるようなサウンドは、これが日本人の感覚か?と当時思いました。


海外録音とはいえ、当時の日本にはなかったサウンドでしたよね。


> さすがに、1st,2ndは遡って聞きましたが、IT'S A POPPIN' TIMEは日本人のライブアルバムの最高傑作じゃないかとずっと思っていました。


クロスオーバー、フュージョンの聖地、六本木ピットインでの録音、
メンバーも後にフュージョンの大御所となる人たちを率いていて、
今にして思えば奇跡のようなライブを、よく音に残してくれました。


> WINDY LADYは、なんといってもファンキーなベースラインですね。ナイスプレイです。


イントロのウィルリーのベースが、自分はすごく好きです。


> コメントでpipco1980 さんもおっしゃってますが、達郎のアルバム群で、この1stだけが、他人のアレンジという感じがするのですね。私も最初に遡って聴いた時は、違和感がありました。おそらくレコード会社のセッッティングで、USA録音出来るだけでも感謝しろという時代だったのでしょう。


シュガーベイブを解散して、一度、編曲や演奏を他人に委ねてみたい、
それなら、いっそ海外でと思ったようですが、現実は厳しいですよね。


> 1stの(多分、必ずしも満足していない)経験をばねに、2nd以降、自分のサウンドを徹底的に追及したのは、さすが山下達郎だと思っています。


山下達郎のサウンドは、職人なみのこだわりになっていますね。
お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/10/09/Mon 10:22 [編集]



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