僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
マーティン以外の人に編曲を依頼した「シーズ・リービング・ホーム」
ジョンが、古いサーカスのポスターからヒントを得て作った曲、
「ミスター・カイト」、交通事故の新聞記事を読んだと歌った曲、
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の話は有名だが、ポールの場合も、
家出少女の記事を元に、「シーズ・リービング・ホーム」を作る。

大学入学資格Aレベルの少女が、車を置いたまま消えたという
見出しの記事は、いわゆる尋ね人ではなく、事件の扱いなのか、
車に鍵はかけられず、、ワードローブいっぱいの服はそのまま、
小切手帳も残され、使われた形跡もない、などと書かれている。

その新聞記事は、ネットのおかげで、画像検索して見られるが、
切り抜きだけなので、それ以上の記述があったのか、不明だし、
題字部分がないから、そもそも何新聞なのか、ビートルズ本も、
「デイリー・メイル」と「デイリー・ミラー」に、完全に分かれている。

両親が仕事に行っている日中に、少女はいなくなったようだが、
ポールは、2人が寝静まった早朝に、書置きを残して出て行く、
そんな設定に変え、目覚めた母親が、泣きながら父親を起こし、
「どうしてこんなひどい仕打ちを。」と、途方にくれる物語にした。

少女は、10日ほどして、自宅に戻ったようだが、作曲段階では、
まだ不明だから、水曜に家出した彼女は、約束しておいたとおり、
車のディーラーをしている彼と、金曜、家から遠く離れた場所で、
待ち合わせるという、少女の立場のハッピーエンドを歌っている。

「何てことを」と嘆く両親にとっては、最悪にも近い結末だろうか、
サビの部分でジョンの歌う、「自分の人生まで犠牲にしたのに」、
「自分たちのことなど、考えもしなかったのに」、という恨み節は、
この歳になると、すごく自分にも切実に感じられ、胸を打たれる。

この部分は、ジョンが歌っていること、歌詞が皮肉なこともあり、
ジョンの作詞と言われていたが、「全部新聞からの引用だ」と、
ポールが語ったらしく、実際のインタビューを読んでいないが、
この曲へのジョンの功績を否定するような発言で、カチンとくる。

もちろん、切抜きの新聞記事には、残された父親の発言として、
「ここには何でもあるのに、なぜ家出するのか、わからない。」、
「服に目がないのに、毛皮のコートから何から置いていった。」と、
親子の意識のギャップをうかがわせる内容は、十分感じられる。

そうだとしても、「金で買えるものは、何でも与えたのに。」とか、
「楽しさだけは、金で買えなかったが。」など、新聞記者に向い、
言うはずもなく、これは、ジョンの作詞、しかも、「買う」「buy」と、
「何とかする」「get by」と、「バイバイ」とで韻を踏むという見事さ。

シンコー「ビートルズの軌跡」の、72年のジョンのインタビューで、
「底を流れるテーマはポールのものです。でも、次の様な歌詞は、
僕が書いた。」と、サビの部分をあげ、「これは、ミミ伯母さんが、
いつも言っていたようなことなので、簡単に言葉にできました。」

ミミ伯母さんというと、有名な台詞「ジョン、ギターもいいけれど、
それじゃ食べていけないのよ。」が浮かび、厳しく叱りながらも、
愛情を持ってジョンを育てたとされるが、認めてほしいジョンを、
否定することも多かったとか、サビはミミへの皮肉も込めたか。

藤本国彦「213曲全ガイド」に載っている、ポールのコメントに、
「ジョンが、音を長く伸ばしたギリシャ風コーラスを加えてくれた」、
これは、サビの部分をさすことは間違いないが、何がどうして、
「ギリシャ風」なのか、自分にはさっぱりで、よけいに混乱する。

ギリシャ悲劇のような演劇の合唱、ギリシャ正教会の賛美歌か、
あるいは、グレゴリア聖歌の教会旋法、ジャズのモード奏法を、
どこか応用したのか、そもそも、ジョンが歌う合いの手の部分は、
音を長く伸ばしていないが、「She~」と伸ばすのはジョンなのか。

それにしても、この両親は、愛情を伝えるのが不器用だったか、
洋服や車も買い与えて、お金の不自由こそ、させなかったが、
当の娘は、自宅での暮らしに孤独を感じて、愛情に飢えていた、
ポールとジョンの作り出した物語は、本当に、考えさせられる。

実際の少女は、10日後には帰宅したそうで、この件に関して、
「あの人は今」というのか、数年前に新聞やTVに出たらしいし、
驚くのが、事件の4年前、素人参加のダンスコンテストで優勝、
ポールが表彰する写真もあり、そんなことって、あるのだろうか。

この曲は、オーケストラの伴奏のみで、ギターもドラムもなくて、
メンバーの4人が誰一人、楽器を演奏しない数少ない曲の1つ、
ポールとジョンは歌っているが、ジョージとリンゴは不参加だし、
このあたりから、だんだん、結束が弱まり、亀裂が生じる感じ。

しかも、オーケストラの編曲は、ジョージ・マーティンではなく、
フリーのアレンジャー、マイク・リーンダーという人のスコアで、
何でも、マーティンが、シラ・ブラックのレコーディングなどあり、
少し待ってくれと言ったら、ポールは、とっとと他人に依頼した。

これまで、全面的にビートルズをプロデュースし、演奏も参加、
オケの編曲までしてきたマーティンは、プライドが傷ついたが、
それを知ったポールは、逆に驚いたそうで、忙しいようだから、
悪いと思って、他の人に頼んだのに、何で?という感覚のよう。

こういうところが、ポールの天然と、微笑ましく語る人もいるが、
夢中になると、周りが見えず、相手の気持ちも読めない性格、
こと音楽に関しては、ポールはエゴの塊で、自己主張が強く、
自分の求める音に関しては、シビアで、決して天然ではない。

ジョージができないと思えば、自分がリードギターを弾いたり、
リンゴがいなくなれば、自分がドラムを叩き、今回の編曲でも、
たとえ恩師のマーティンでも、すぐにやってくれないのならば、
いくらでも代りはいるとばかりに、一事が万事で、理想の音を。

それでも、マーティンは大人の対応で、他人の編曲した譜面で、
オーケストラを指揮し、レコーディングするが、ポールのほうは、
立ち会わなかったそうで、いち早く、録音したいから、別の人に、
依頼したのに、ばつが悪く、ほとぼりが冷めるのを待ったのか。

ただ、これも諸説あり、マークの「レコーディング・セッション」は、
「(マーティンが)、指揮することに同意したのは、彼の人徳~」、
「オリジナルテープには、ポールが関わった形跡が見られない」、
「ポールは、このセッションには来なかったようだ。」と書かれる。

川瀬泰雄の「真実のビートルズサウンド」は、「(マーティンは)、
録音のときはコンダクターとして~、指揮棒を振った。そのとき、
ポールはコントロールルームで、レコーディングを聴いていた。」
「全曲バイブル」は、マーティンの指揮のみ、ポールに言及せず。

まったく逆なのが、里中哲彦・遠山修司「ビートルズを聴こう」で、
「ジョージマーティンもレコーディングに立ち会っていません。」
「ポールは、曲が完成すると、 ~、マイク・リーンダーを呼んで、
レコーディングを始めてしまった。」とあって、どれが真実なのか。

重箱の隅でもつつくように、ビートルズ本のあら捜しをするようで、
どうでも良いと言えば、どうでも良いのかも知れないが、自分は、
ビートルズの曲作りに、レコーディングの使用楽器、どのパートを、
誰が演奏したかについては、40年たった今も、興味が尽きない。

バンドスコアは、オーケストラのみだから、ストリングスパートを、
バイオリンが2声、チェロも2声にし、ハープは別に書いてあって、
何ヶ所かバイオリンが4声なので、実際の編成はどうか調べたら、
バイオリンが4人、ヴィオラ2人、チェロ2人に、コントラバスが1人。

ギターシンセで、バイオリンの音色で4回、チェロの音で3回重ね、
ストリングス系の音で、小さめの音でコードを弾き、厚みをつけて、
ハープも、実際に演奏した女性のインタビューを見ると、当然に、
両手で8~10音を奏でているから、オクターブ下の音を追加する。

オーケストラをバックに、ほぼ独唱のようにポールが歌う部分が、
大半な「シーズ・リービング・ホーム」は、自分の歌唱力の限界を、
感じつつも、ダブルにせず原曲のシングル、風呂場エコーもやめ、
サビのジョンは、ダブルトラックで、気合を入れて、歌っています。








いつも、動画(静止画音声)のアップは、ブログの更新に先立ち、
ウィンドウズのLiveムービーメーカーでやるところ、何度やっても、
エラーになってしまい、YouTubeのホーム画面からアップロードし、
何とか週末更新を続けることができ、土曜出勤なら危ないところ。

今週くらいから、YouTubeの画面上部に、Chromeを使うように、
しつこく出ていて、IEやウィンドウズLiveと相性が悪くなるように、
どこか設定を変えているんじゃと、勘ぐりたくなってくるが、さらに、
このFC2でも、さかんにChromeを推奨していて、いずれ降参か。
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またまた素晴らしい
ギターマジシャンさん こんにちは。

オーケストラだけの楽曲に挑むとは驚きです。
またこれが完璧で素晴らしい。

ポールの美しい曲でハープが印象的です。
私には、マイク・リーンダーとジョージ・マーティンとの違いは
わかりませんが、ビートルズ本によるとあるようで、
ジョージ・マーティンは1ケ所変更しているようですね。

ボーカルは、ポールはシングルなのに対して、ジョンは
やはりダブルがしっくりきますね。
マサジョン | URL | 2016/11/06/Sun 11:32 [編集]
Re: またまた素晴らしい
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんにちは。
オーケストラだけの楽曲に挑むとは驚きです。
またこれが完璧で素晴らしい。


このオケは、バンドスコアがかなり正確に採譜されているうえに、
ギターシンセが、ストリングス系の良い音が入っているおかげで、
アップとは別に、クラシックの曲まで試してみたくなってきます。



> ポールの美しい曲でハープが印象的です。
私には、マイク・リーンダーとジョージ・マーティンとの違いは
わかりませんが、ビートルズ本によるとあるようで、
ジョージ・マーティンは1ケ所変更しているようですね。


自分も2人の編曲の違いは不明ですが、ビートルズ本によると、
甘すぎる、きらびやかでやりすぎと、批判的なものが多いです。

サビの小節が奇数になっていて半端で、不思議に思っていたら、
Aメロに戻る前、ブレイクでチェロだけになる1小節の部分を、
カットしたそうで、変更はそのことを指すのか、気になります。
(YouTubeには、カットする前のオケがありました)



> ボーカルは、ポールはシングルなのに対して、ジョンは
やはりダブルがしっくりきますね。



サビの部分は、いかにもジョンという声、歌い方で、
それが、ダブルトラックで、すごく効果的ですよね。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/11/06/Sun 13:05 [編集]
まいどです
これに手え出しましたか…って、私も以前手え出しました(笑。

実はエリナリグビーを宅録でやってみると、音数がとっても
少なくて薄いんですが、弦の音質が太くて力強く、
演奏力も凄まじいのだと思います。
だからサンプリングやシンセでは表現がとても
難しかったんですが、こっちは、あれっ?って感じで、
良く云えば繊細、悪く云えば楽器の鳴りが悪いので、
シンセでも近い再現が可能となり、
果たして元来がそういう作りのスコアだったのか、指揮した
マーティンの悪意だったのか謎ですけど、そう云った聴き方も
一興の曲だったなあと、ギターマジシャンさんの見事なテイクを
聴きながら思い出したわけです。

ヴォーカルが何だか突然圧倒的に良くなりましたね!
とても説得力ある、真に迫った唄いっぷり、見事です!。
何段階にも使い分けたエコー処理もお見事でした!

しかしギターシンセは私も昔GR...購入して研究しましたけど、
今やここまで出来るとは驚きです!。

なにしろおつかれさまでした。
pipco1980 | URL | 2016/11/07/Mon 01:36 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。



> これに手え出しましたか…って、私も以前手え出しました(笑。


カセットのMTRでオケを作られたのでしょうか?



> 実はエリナリグビーを宅録でやってみると、音数がとっても
少なくて薄いんですが、弦の音質が太くて力強く、
演奏力も凄まじいのだと思います。
だからサンプリングやシンセでは表現がとても
難しかったんですが、こっちは、あれっ?って感じで、
良く云えば繊細、悪く云えば楽器の鳴りが悪いので、
シンセでも近い再現が可能となり、
果たして元来がそういう作りのスコアだったのか、指揮した
マーティンの悪意だったのか謎ですけど、そう云った聴き方も
一興の曲だったなあと、ギターマジシャンさんの見事なテイクを
聴きながら思い出したわけです。


エリナリグビーは、エメリックがマイクを楽器にかなり近づけて、
弦のこすれる音まで録音して、迫力ある演奏になったようですが、
この曲では普通に録音し、さらに編曲の違いもあるのでしょうね。



> ヴォーカルが何だか突然圧倒的に良くなりましたね!
とても説得力ある、真に迫った唄いっぷり、見事です!。
何段階にも使い分けたエコー処理もお見事でした!



「気取って唄えば、何となくそれらしくなるポールの歌」と、
pipco1980さんが、以前おっしゃっていたのを思い出して、
試してみたのと、キーがあまり高くないのが良かったようです。




> しかしギターシンセは私も昔GR...購入して研究しましたけど、
今やここまで出来るとは驚きです!。


自分のギターシンセは、20年前のGRで第三世代くらいですが、
その前に使ったカシオよりも音色がリアルになり、驚きましたし、
最新機種は、鍵盤の音もすごく、レスポンスも快適なようです。



> なにしろおつかれさまでした。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/11/07/Mon 04:47 [編集]



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