僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ポールとジョージのハモがジョンを盛り上げる「ソルジャー・オブ・ラヴ」
アマ時代のビートルズは、当然ながら、自分たちで作った曲、
オリジナル曲は少なくて、一説には、デビューする頃までに、
100曲は作ったと豪語したらしいが、仮にそうだったとしても、
人前で演奏できるレベルの曲は、そうそうは、なかったと思う。

ハンブルクなどの酔客にしてみれば、無名バンドの新曲よりも、
ラジオかかるヒット曲やなじんだ曲、時には、ロック以外の曲を、
聴きたがったろうし、地元リバプールのキャバーンの常連でも、
事情は同じ、カバー曲のほうが、食いつきが良かった気がする。

デビューLPで、「蜜の味」という、毛色の違う曲を演奏したのも、
ライブハウスでは、映画音楽やスタンダード曲に、ムード音楽と、
ロックに疎い客層をも喜ばせるように、幅広くカバーしたからで、
「ティル・ゼア・ワズ・ユー」での名演も、下積時代があってこそ。

オリジナル曲が足りないことよりも、ライブバンドとしての実力を、
嫌というほど演奏してきたカバーで、聴かせようという目論見で、
デビュー作と2枚目は、どちらも全14曲のうち、約半分の6曲が、
カバー曲で占められて、オリジナルより演奏が安定しているほど。

正式レコーディングされなかったカバー曲は、BBC音源を始め、
デッカのオーディションテープ、ハンブルグのスタークラブ実況と、
数多くあり、ライブ録音の残っていない曲や、リハのみの曲まで、
合わせれば、それこそ、カバー曲も100曲以上はあったのでは。

そうしたレパートリーの大半は、主にBBCライブで聴けるのだが、
94年に出た最初の2枚組の解説には、BBCラジオでの演奏は、
延べ270曲以上で、曲目としては92曲、さらに、レコードにない、
未発表曲は40曲あって、そのうちカバー曲が38曲と書かれる。

その最初のCDには、未発表のカバー曲が29曲収録されていて、
海賊盤やラジオの特集でも聴いていない曲が、大半だったので、
「つのる想い」や「ア・ショット・オブ・リズム・アンド・ブルース」など、
聴き慣れた曲に比べると、当初は、違和感があり、とばしていた。

やがて、ビートルズ本で、BBCライブは、ビートルズの演奏能力、
ライブバンドとしての実力が、いかんなく発揮されていると読んで、
すぐに感化される自分は、かなり真剣に全曲を聴き込むわけで、
実際に、迫力ある演奏も多いし、コーラスが見事な曲も多かった。

そうやって聴いた、新曲ともいえるカバー曲は、これまでの持論の、
「ビートルズに捨て曲なし」が、ぶれることなく、どれも気に入るが、
自分が、ジョン派ということもあり、ジョンのボーカル曲は特に良く、
初期のビートルズは、ジョンの歌唱力だけでも、充分もったと実感。

ジョンが歌う、「ソルジャー・オブ・ラヴ」は、ジョンが敬愛する歌手、
アーサー・アレクサンダーによる曲で、彼の曲は、デビューLPでも、
アーサーの自作曲「アンナ」をカバーしているし、BBCライブでも、
「ア・ショット・オブ・リズム・アンド・ブルース」を歌うほど、力が入る。

デビュー前後のビートルズは、典型的な4人編成のギターバンドで、
BBCでも、マーティンのピアノや、他の楽器のダビングは行わずに、
ギター2本にベース、ドラムの編成で、ボーカルもメインボーカルに、
あとの2人がハモリをつけるという、初期の鉄板アレンジ曲が多い。

カバー曲も、原曲の大半が、ホーンセクションやピアノが入ったり、
何人もの女性コーラスが加わるような曲を、ギターで再現するよう、
見事にアレンジし、3人のコーラスでも、ハーモニーが厚くなるよう、
低音・中音・高音をうまく使い分け、原曲以上の出来栄えを聴かす。

10時間に及ぶ録音の最後、ジョンが声を振り絞って歌った伝説の、
「ツイスト・アンド・シャウト」の名演は、ジョンのシャウトも見事だが、
間奏のホーンセクションを、トリプルリードと言うと大げさすぎるが、
ギター2本とベースでハモって再現していて、アレンジも見事すぎる。

「ソルジャー・オブ・ラブ」も、イントロは、原曲のホーンセクションを、
ジョージとポールのリフから始めて、ジョンが途中から加わるという、
うまくギターで再現していて、歌の部分も、ジョンのメロディを挟み、
2人が、3度から6度と変化して、スカスカにならない厚みをつける。

この歌詞は、恋愛を争いに例えて、「振り上げた腕を下ろしてくれ」、
「降伏して穏やかに愛してくれ」と歌うが、、実際の戦場・戦争をも、
暗喩しているとも解釈でき、人類みな兄弟でもないが、武器を捨て、
平和のうちに愛し合おうという、メッセージが隠されているようにも。

ただ、ジョンが書いた歌詞ならともかく、原曲を歌うアーサーによる、
自作曲でもなく、いわゆる分業体制の職業作家が書いた曲だから、
恋愛にまつわる諍いを、愛の戦士になぞらえたというところだろうが、
いつもの悪い癖で、ついつい、想像が膨らみ、物語を作ってしまう。

愛し合った彼女が、実はスパイだったとか、それぞれの祖国同士が、
戦争状態となってしまい、偶然、戦場で2人が出会ってしまったとか、
漫画や映画の見すぎじゃないかというほど、陳腐な話を思いつくが、
こういうのは、小学生の頃、落語家や漫画家を目指した名残だろう。

石森章太郎が、まだ石ノ森ではない頃、マンガ家入門を2冊出して、
台詞のない漫画の例で、戦場で銃を向けあう兵士の漫画があって、
いつ撃ち合ってもおかしくない状態で、互いに、幼い頃の出来事や、
故郷の恋人を思い出すうちに、銃を置いて、少しずつ近寄っていく。

戦場の兵士であっても、帰るべき故郷があり、待ってくれている恋人、
家族があるんだ、俺もそうだし、敵のあいつだって、そうじゃないか、
そんな気持ちが互いに芽生えて、手を差し伸べあうと、爆弾が投下、
おそらく2人とも助かるまいと、何とも皮肉な結末を突きつけてくる。

「夜は千の目を持っている」という漫画も、マンガ家入門に出ていて、
「サウンド・オブ・ミュージック」をモチーフにしたようだが、もっと重く、
歌の好きな家庭教師と、兄弟姉妹とが交流していく中、その父親は、
スナイパーの過去を持ち、昔の仲間に脅されるという社会派物語。

ついつい、この曲の歌詞で想像が広がるが、バンドスコアの解説に、
「歌詞がイカしているこのナンバーを、ジョンが誠実に情感を込めて、
歌っているのが伝わって~」とあり、それだけ、歌詞が大切な曲らしく、
恋愛と、戦場と、どちらの意味もくみつつ、自分も歌詞を覚えこんだ。

ただし、ビートルズの歌詞カードは、初期の曲、それもカバー曲では、
いまだに間違いが多くて、ましてBBCライブだと、かなりいい加減で、
CDブックレットの最後には、「ライブ録音のため、歌詞及び対訳に、
一部異なる箇所があります。ご了承下さい。」と、開き直りの一言が。

もちろん、ジョンが誠実に歌ったというこの曲も、歌詞の順番とかが、
原曲と変わっているが、それ以上に、単語の聞き取り間違いが多く、
歌詞カード、バンドスコアの歌詞、YouTubeの歌詞つきの動画と、
それぞれ見比べ、聴き比べして、何とか正しい歌詞に近づける次第。

書き取った歌詞を必死で見るが、センテンスの切れ目でない部分で、
メロディが切れたり、裏拍から入って、早口になったり、難しいうえに、
さらに、この曲でも、ジョン節という、こぶしに近い独特の歌い回しが、
ところどころ出てきたり、40年前から歌っている曲でもないから大変。

何度も出てくる、「レイ・ダウン・ユア・アームズ」の「ア~ア・ム~ズ」と、
原曲のメロディにもある抑揚を、ついつい、ジョン節を意識し過ぎて、
さらにひねったこぶしを加える癖が出て、バックコーラスに紛れるから、
歌っているときは気づかないが、再生すると、ひどくて、録音し直した。

BBCライブから、ジョンの名演と言われる「ソルジャー・オブ・ラヴ」は、
ポールとジョージのコーラスは、高音が少なく、いつもよりましだが、
やはり、ジョンの歌いまわしが難しすぎて、音程が危なっかしいうえに、
最後のシャウトも、声がひっくり返り、まだまだジョンには近づけません。



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見事です。
ギターマジシャンさん こんばんは。

いつものように完コピで見事です。
音もクリアで最高です。

やはり、初期のカバーはジョンのボーカルと
ポール、ジョージのコーラスで自分達の曲に
なってしまうのが凄いところですね。

ジョンは、カバーでシャウトしていましたが、
そんなところも伝わってきました。
凄くいいです。
マサジョン | URL | 2016/09/18/Sun 22:16 [編集]
Re: 見事です。
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
いつものように完コピで見事です。
音もクリアで最高です。


BBCライブのバンドスコアは、かなり正確な採譜なので、
かなり近づけるし、元々の音質よりクリアになりますね。



> やはり、初期のカバーはジョンのボーカルと
ポール、ジョージのコーラスで自分達の曲に
なってしまうのが凄いところですね。


ビートルズマジックの一言で、片付けてもよいのか、
自分達の持ち歌になってしまうのが、すごいですし、
コーラスグループとしても、一流だった証明ですね。


> ジョンは、カバーでシャウトしていましたが、
そんなところも伝わってきました。
凄くいいです。


ジョンのシャウトは、本当に難しいです。
ギターマジシャン | URL | 2016/09/18/Sun 22:58 [編集]
まいどです
この曲、全くノーマ−クでした!そう云うわけで、まずはBBCを
引っ張りだしてから…ああ、こんなの確かにありましたね。

ティンパンアレイの作品らしくアレンジがイマイチ
熟れてなくて既にリズムが古い感じ。
そうしたわけで、リズムが引っかかってツンノメルような所があって、
ビートルズの時点でとても気になりました。

これって良くあることで、時間があれば徐々に修正して
ノリを良くするのですが、たぶん緻密なコーラスワークに
気を取られて、リンゴのリズムパートは見直されることが
なかったのかなーと思いますし、まあその辺りが、
アウトテイクに甘んじる原因でもあると思います。

で、ギターマジシャンさんのテイクは、なんと、その不安定な
ビート感を何とかしようと悪戦苦闘してる痕跡が見えて、
それがとってもギターマジシャンさんらしい誠実さだなあと
感心しました。微妙にスネアのポイントをずらしたりして、
少しでもノリをキープしようと…
ホンチャンを良く聴くと、リンゴもどうやらこれに気づいていて、
後半は相当修正してノリが良くなっています…面白いですね。

何しろ珍しい曲をありがとうございました。
pipco1980 | URL | 2016/09/19/Mon 19:16 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。



> この曲、全くノーマ−クでした!そう云うわけで、まずはBBCを
引っ張りだしてから…ああ、こんなの確かにありましたね。


BBCは、聴き飛ばしてしまったり、印象に残らない曲も多く、
わざわざ、元の演奏を確認いただいて、ありがとうございます。


> ティンパンアレイの作品らしくアレンジがイマイチ
熟れてなくて既にリズムが古い感じ。
そうしたわけで、リズムが引っかかってツンノメルような所があって、
ビートルズの時点でとても気になりました。


ビートルズも、ほぼ原曲のアレンジを踏襲していますね。


> これって良くあることで、時間があれば徐々に修正して
ノリを良くするのですが、たぶん緻密なコーラスワークに
気を取られて、リンゴのリズムパートは見直されることが
なかったのかなーと思いますし、まあその辺りが、
アウトテイクに甘んじる原因でもあると思います。



ライブのレパートリーとして、長年やっていると、こなれたり、
自分たちらしさが出るのでしょうが、ラジオ用に演奏した程度、
反応が良ければ、練り上げて、レコードに入れたのでしょうね。


> で、ギターマジシャンさんのテイクは、なんと、その不安定な
ビート感を何とかしようと悪戦苦闘してる痕跡が見えて、
それがとってもギターマジシャンさんらしい誠実さだなあと
感心しました。微妙にスネアのポイントをずらしたりして、
少しでもノリをキープしようと…
ホンチャンを良く聴くと、リンゴもどうやらこれに気づいていて、
後半は相当修正してノリが良くなっています…面白いですね。


自分の場合、聴こえにくい部分だったり、何か変な感じがすると、
基本パターンでドラム入力するので、それも良し悪しですが・・・。



> 何しろ珍しい曲をありがとうございました。


体調をくずされている中、お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/09/19/Mon 20:14 [編集]



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