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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
75年ウイングス全盛期からの定番レパートリー「バンド・オン・ザ・ラン」
ビートルズに夢中になり、ビートルズがすべてだった中学時代、
75年秋に、ポールがウイングスを率いて来日するみたいだと、
友人が聞きつけてきて、コンサートへ行こうとは思わなかったが、
テレビで来日公演を放送してくれるだろうと、楽しみにしていた。

66年のビートルズの来日公演は、まだ5歳で、見てはいないが、
カーペンターズが74年に来日したとき、テレビで放送したのを、
たまたま遊びに行っていた親戚の家で見て、空港での映像や、
リハーサル、武道館公演と続くのを見ていて、急にファンになる。

まだビデオはなかったが、友人が音だけカセットに録音していて、
そのテープをダビングしてもらったり、ラジオの特集を録音したり、
さらに、LP2枚組のベストを買ったりと、テレビの影響はすごくて、
ウイングス来日でも、ポール派になるかなど、友人と話していた。

ところが、ポールの過去の麻薬所持により、入国許可が下りず、
ウイングスの公演は中止となり、ただチケット発売前だったから、
今にして思えば、80年の成田空港での逮捕劇に、一昨年前の、
体調不良のドタキャンよりは、多少はましだったのかもしれない。

もともと来日公演を放送する枠だったか、あえての特番なのか、
来日を楽しみにしていたファンの為にと、ウイングスのライブが、
来日直前のオーストラリア公演の映像で、放送されることになり、
自分としては、もともとテレビ観戦予定だったから、それで十分。

直後に出たミュージックライフの臨時増刊、ポール特集号には、
番組で解説した福田一郎の裏話が出ていて、届いたビデオは、
予想に反して50分の長さしかなく、急遽、別の映像を追加して、
ビートルズも含めた解説にして、何とか2時間番組にしたそうだ。

この時、「日本に行けなくて、ごめんよ。」と、ポールのコメントも、
放送され、長い間ずっと、「ブラックバード」をチラッと弾いてから、
話し始めたと記憶していたのだが、YouTubeで映像を探したら、
「アクロス・ザ・ユニバース」のイントロっぽいフレーズでびっくり。

放送はされなかったが、その後ウイングスのメンバーも加わり、
「ブルー・バード」を歌っていて、「ブラックバード」、「ブルー~」も、
当時のセットリストにある曲目だが、もともと「ブルーバード」には、
ギターイントロはなく、ポールは何のサワリを弾いてみせたのか。

福田一郎の解説には、ジョンとポールが険悪だった話も飛び出し、
ポールがジョンとばったり会って、「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ」を、
「ひどいじゃないか。」と言うと、「あれは悪かった。」と謝ったので、
ポールはビールをおごったとかで、聞いていてすごく嬉しくなった。

満を持して始まったコンサート映像は、当時のウイングスの新譜、
「ヴィーナス・アンド・マース」から、冒頭のメドレーの2曲に加えて、
「ジェット」までも、続けて演奏するという、怒涛のオープニングで、
この印象が強くて、今でも、この3曲は連続でないと納得できない。

裏話でライブ映像が50分しかなかったと言うが、自分にとっては、
30分のビートルズ武道館公演より、はるかに長く、曲目も充実で、
これで大満足だったから、逆に、3枚組「USAライブ」が出たときに
そんなに延々とやるのか、バングラディシュじゃあるまいしと思う。

テレビの影響は大きく、さすがに、これでジョン派からポール派に、
ならなかったが、演奏の大半を占めた「ヴィーナス・アンド・マース」、
「バンド・オン・ザ・ラン」の2枚のLPを買ったし、「ヴィーナス~」に、
ヒット曲を加えた楽譜を東横で見つけ、弾き語ったり、友人と演奏。

ただ、この歳になると記憶も曖昧になって、かつての角川映画の、
「読んでから見るか、見てから読むか」でもないが、テレビ番組を、
「見てから聴いたか、聴いてから見たか」、ラジオで曲を聴いたり、
LPを友人に借りたり、さらに、LPの1枚くらい買っていたか不明。

中学時代の2人きりのビートルズ・コピーバンドは、ジョンの自分、
ジョージの同級生だったから、その2人で、ウイングスの曲までも、
演奏するのは、何ともおかしな話だが、友人は、リッケンベースの、
コピーモデルに、ジミー・マックロウと同じギブソンSGまで買った。

この時のリードギタリスト、ジミー・マックロウは、遠い親戚なのか、
前任のヘンリー・マックロウと同じ苗字で、さらにウィキペディアで、
どちらも、「マックロウ」でなく「マカロック」と表記され、片仮名だと、
バンド名でもいつのまにか変わっていることがあり、戸惑いがち。

自分は、「マックロウ」の呼び方に親しんでいるので、そう書くが、
赤いつなぎ姿でSGを弾くのが、すごく印象に残ったし、ギターも、
「ワインカラーの少女」や「メディシン・ジャー」のリードが格好良く、
いわゆるロックギターのフレーズを、ジミーの演奏からも学んだ。

それだけに、今でも、この時のメンバーが最強布陣だと思っていて、
このセットリスト、それもテレビで放送した曲目が、何よりであって、
その後の「スピード・オブ・サウンド」の曲を含む、「USAライブ」は、
違和感を感じたし、衣装にしても、オーストラリア公演が一番良い。

ウイングスは、ポールとリンダ、デニー・レインは不動のメンバーで、
リードギタリストとドラムが、何かと入れ替わり、バンドというよりも、
ユニットにしたほうが良いのかもしれないが、この時はまさにバンド、
同一メンバーでアルバム2枚に、ライブ盤まで出す全盛期と言える。

こう書いてくると、この全盛期の怒涛のメドレーを演奏したくなるが、
先日買ったバンドスコアは、肝心の「ロック・ショー」がシングル盤の、
あちこちカットされたバージョンの楽譜で、繰り返しのカットはともかく、
「The lights go down~」の部分が丸々なく、こんなの許せるのか。

ビートルズ時代、「ヘイ・ジュード」の後半の延々と繰り返す部分まで、
カットせずに、7分にわたるシングル盤を出したのに、売れ線狙いか、
曲のメロディまでカットして良いのか、まあ、プログレの曲にしたって、
シングル盤はエディット版で短くされるから、業界の事情と諦めるか。

中学時代に買った楽譜は、カットされていないLPのバージョンだと、
家の押入れや、楽譜や雑誌を預けている近所のトランクルームに、
さらには、実家を建替える際、詰め込んだままのダンボール箱まで、
探してみたが見つからず、けっこう処分した楽譜が多いことに後悔。

シンコーのバンドスコアは、他の収録曲はかなり完コピに近いので、
気を取り直し、やはりオーストラリア公演で、ハイライトの一つだった
「バンド・オン・ザ・ラン」を演奏することにし、曲そのものからすると、
怒涛のメドレーより、こっちのほうが好きで、ジョージ役とよく弾いた。

「アビイロード」のB面メドレーほどではないが、組曲のような構成で、
スローなイントロから始まり、歪んだギターのリフになったり、オケと、
ブラスの演奏を挟み、アップテンポで、12弦ギターが鳴り響くという、
刑務所から脱獄して、外界を走る情景を、見事に音で表現している。

イントロのリフは、昔からレコードで聴くと、、同じ音を2回弾いていて、
ライブは、2回目は音程を下げているように思え、気になっていたが、
バンドスコアで確認すると、どちらにも、ラ・シ・ラのフレーズを含んで、
1回目は上にハモ、2回目は下にハモという和音だと、ようやく理解。

細かい話だが、最初は10フレットの位置で、ラ・シ・ラを2弦で弾いて、
2回目は5フレでラ・シ・ラは1弦、どちらも1・2弦の和音で弾くのだが、
1回目はダウンピッキングで2弦を強調、2回目はアップピッキングで、
1弦を強調したら、何となくレコードで聴ける音に近くなった気がする。

ビートルズの曲でもよくあることだが、この部分のメロディのハモリも、
自分は、ずっと間違えて覚えていて、3声のハモリになるところから、
下のパートと中間部を行ったり来たりしていて、YouTubeのライブで、
ポールの声が目立つものを聴いて、正しいメロディが分かった次第。

歪んだギターのリフは、右チャンと左チャンが微妙に違っているのを、
スコアがきちんと採譜してあるので、初めて知って、そう思って聴くと、
ギターの音色、歪み方も違い、片方がポール、片方はデニーなのか、
当然使ったギターも別なのだろうが、自分は、どちらもレスポールで。

ここの部分で、最後の「If we ever~」だけハモるが、ネットを見ると、
ジョンがハモッたという、都市伝説じみた話があり、ファンには夢だが、
もし、事実ならば、ポールは、嬉々として、今だから言える話だからと、
どこかで語ったろうし、ハスキーな声はデニーでもなく、ポールだろう。

オーケストラに続く、アコースティックの12弦ギターをかき鳴らす音が、
曲の後半を引っ張っていて、ただ、これは、ほとんどローポジションの、
開放弦中心のコードだから、オクターブ弦の一番高い音も、ソとラで、
自分は6弦にコーラスを軽くかけただけで、高い音のダビングは省略。

スライドギターは、右チャンの音が、やや遅れて左チャンから聴こえて、
ステレオディレイで、実音とディレイ音を、左右に振っているのだろうが、
セッティングが面倒なので、自分は、楽譜に沿って、1拍遅らせて弾き、
手動のディレイという感じで、別トラックに録音して、左にパンしておく。

このアルバムは、なぜか、アフリカのナイジェリアまで行っての録音で、
それを嫌ったわけでもないだろうが、直前でギターとドラムが脱退して、
リンダとデニー・レインの3人だから、ホワイト・アルバムの頃と同様に、
ポールがドラムまで演奏する苦肉の策だが、これがものすごい名盤。

「ジェット」「レット・ミー・ロール・イット」に「ブルーバード」と挙げていくと、
結局、全部が名曲だし、LPの帯のコピー「バンドは荒野をめざす」とは、
すごく格好良いし、俳優たちと脱走風景を演じたジャケットも見事だし、
後に、これが映像でも残っているのにびっくりで、何から何までの名盤。

中学時代、75年来日公演が中止になった代りに、テレビ放送された、
ウイングスのオーストラリア公演、この感動を今でも引きずっていて、
ジョン派の自分が「バンド・オン・ザ・ラン」に、取り組んでみたものの、
やはり、ポールの高い声がネックで、演奏と歌との落差が激しいです。




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ポールの十八番
ギターマジシャンさん こんばんは。

ポールのツアーでも、外せない曲で何度聞いても飽きません。
メドレー調で数曲分あるようだからでしょうか。
Jetは外しても、この曲はずっと長い間演奏し続けています。
十八番で、セットリストからは外さないでしょうね。

ギターマジシャンさんの演奏は、これまたレコードのままで驚かされます。
シンセサイザーを駆使されている(と思われる)のがよくわかります。

私もいずれはポールの曲も挑戦したいのですが、ビートルズ曲が
まだまだなのでずっと先になりそうです。
マサジョン | URL | 2016/08/13/Sat 19:46 [編集]
Re: ポールの十八番
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
ポールのツアーでも、外せない曲で何度聞いても飽きません。
メドレー調で数曲分あるようだからでしょうか。
Jetは外しても、この曲はずっと長い間演奏し続けています。
十八番で、セットリストからは外さないでしょうね。



おっしゃるとおり、何度聴いても飽きない曲で、CDで聴くときは、
「あれ?もう終わりか、もう一回。」と、何度もリピートしてます。

今で言う「キラーチューン」に当たるのか、ライブでも定番ですし、
ウイングス、ポールのレパートリーで、一二を争う曲だと思います。



> ギターマジシャンさんの演奏は、これまたレコードのままで驚かされます。
シンセサイザーを駆使されている(と思われる)のがよくわかります。



バンドスコアがしっかり採譜してあると、いい線までは再現できますが、
この曲では、リンダの弾くムーグシンセの音色が、なかなか出ないです。



> 私もいずれはポールの曲も挑戦したいのですが、ビートルズ曲が
まだまだなのでずっと先になりそうです。



自分も、まだビートルズの曲は残っていますが、ジョンやポールも、
演奏したい曲が多くて、どれも中途半端になりそうで、要注意です。
ギターマジシャン | URL | 2016/08/13/Sat 20:15 [編集]
毎度です
高2の時に、後輩の(お金持ち子弟の)ウィングスコピーバンドに
頼まれて、プロデュースと云うか、コーディネートみたいなことを
してたんですが、この曲とか、アビーロードのメドレーも然り
ですが、とっても複雑で、手も足も出ないような構成?のように
聴こえるわりには、意外にシンプルで、
あれあれ?出来ちゃったよ!って、そんな感じが多かったように
思います。逆にジョンの曲はシンプルなようでいて、
際限は至極困難...ですから、この前のマインドゲームスには、
とっても驚きました!!もうブラボーです!。

この曲の当時の難関はミニムーグ...。仕方なく工学少年の友人と
協力して、自作シンセをでっち上げ、完成させたんですが、
お金持ちの子弟であるウィングスバンドの彼は、
いとも簡単にパパにせがんで、ミニムーグ...買ってもらってましたね。
そんな悲喜交々が思い出されるバンドオンザラン!
何しろおつかれさまでした。

pipco1980 | URL | 2016/08/25/Thu 19:49 [編集]
Re: 毎度です
いつも、コメントありがとうございます。



> 高2の時に、後輩の(お金持ち子弟の)ウィングスコピーバンドに
頼まれて、プロデュースと云うか、コーディネートみたいなことを
してたんですが、この曲とか、アビーロードのメドレーも然り
ですが、とっても複雑で、手も足も出ないような構成?のように
聴こえるわりには、意外にシンプルで、
あれあれ?出来ちゃったよ!って、そんな感じが多かったように
思います。逆にジョンの曲はシンプルなようでいて、
際限は至極困難...ですから、この前のマインドゲームスには、
とっても驚きました!!もうブラボーです!。



ウイングスにしても、B面メドレーにしても、ポール主導の曲は、
ホーンなどの外部ミュージシャンを起用し、アレンジに凝っても、
基本的にライブで再現可能で、ベーシックは一発録りに近いのに、
ジョンのほうは、何かと複雑だし、解析不能な部分も多いですね。



> この曲の当時の難関はミニムーグ...。仕方なく工学少年の友人と
協力して、自作シンセをでっち上げ、完成させたんですが、
お金持ちの子弟であるウィングスバンドの彼は、
いとも簡単にパパにせがんで、ミニムーグ...買ってもらってましたね。
そんな悲喜交々が思い出されるバンドオンザラン!
何しろおつかれさまでした。



ミニムーグの本物があれば、何も苦労することなく、音は再現できるし、
ビートルズコピーの達人は、メロトロンまで入手した人もいて驚きです。

マインドゲームもお聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/08/25/Thu 22:17 [編集]



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