僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
2年前のジョンの未完の曲にリンゴが歌詞を付け足した「消えた恋」
6枚目のLP「ラバー・ソウル」は、「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」以来、
3作ぶりとなる、全曲がオリジナル曲を収録したアルバムだが、
スタート段階で、新曲のストックがなく、作曲しながらの録音で、
曲作りに追われたジョンは、昔の作りかけの曲まで持ち出した。

前作「ヘルプ」のレコーディングセッションで、没にしたテイクの、
「ウェイト」の録音テープにダビングしたり、さらに、デビュー時、
「フロム・ミー・トゥー・ユー」と同じ頃に、未完成で没にした曲に
サビや歌詞を追加したのが、リンゴの歌う「消えた恋」だそうだ。

ビートルズ本には、「消えた恋」は、63年3月5日にも試みたが、
うまくいかなかったと書いてあって、「昔作った曲」ですませずに、
その日付までも調べあげるマニアの凄さは、ビートルズ研究が、
そこまで進んでいるんだ、重箱の隅を突くようだと、驚くばかり。

「ウェイト」が、「ヘルプ」のセッションの没テイクだったというのは、
マーク・ルウィソーン著「レコーディング・セッション」で、判ったが、
「消えた恋」の件も、「フロム・ミー・トゥー・ユー」の録音をした日、
63年3月5日の記事に書いてあって、これが出典だったようだ。

シングルの、「フロム・ミー・トゥ・ユー」、「サンキュー・ガール」を、
録り終えると、続けて、「ワン・アフター・909」と「消えた恋」との、
2曲を録音しようとしたが、時間がなく「~909」だけ録音するも、
4テイクのうち3テイクは曲の途中で失敗して、そこでやめたとか。

1曲通して演奏したテイクでも、最後に、「なんてひどいソロだ」と、
ジョンの声が入っているくらいで、結局、没になり、その数年後に、
ゲットバック・セッションで再び取り上げられ、「消えた恋」の方は、
2年半後の「ラバーソウル」で、新曲が足りないからと復活する。

もともと、ジョンが作った曲へ、ポールとリンゴがサビを手伝って、
完成させたそうで、リンゴが初めて、作詞作曲に名前が載ったが、
本人は、「歌詞の一部、単語を5個程度作っただけ」と語っていて、
さらに実際は、単語は4個だったという、オチまでついてるらしい。

もともとのアレンジはどうだったのか、録音がなくて、判らないが、
「ラバーソウル」では、リンゴが歌うこともあってか、前作のカバー、
「アクト・ナチュラリー」と同様、カントリー調の曲に仕上がっていて、
リンゴのカントリー&ウエスタン好きは、「フォーセール」の頃から。

中山泰樹は、「聴きどころは、リンゴの歌でなく、正確なドラミング、
ジョンとポールのコーラス、ジョージの枯れたギターだ。」と挙げて、
それにより、「ラバーソウルな響き」となり、当初録音されていたら、
「もう1曲のアクト・ナチュラリーで終わっていた。」と、書いている。

「ウェイト」が、タンバリンとギターの要素で、「ヘルプ」だった曲を、
「ラバーソウル」のサウンドへ変質させたと、書いたのと同様だが、
自分からしたら、いやいや、「消えた恋」と「アクト・ナチュラリー」は、
ほとんど同じでしょう、ジョージのギターも似ていると言いたくなる。

このあたりは、自分が、カントリー&ウエスタンに疎いせいもあって、
全部同じに聴こえるからか、カーペンターズも、「ジャンバラヤ」と、
「トップ・オブ・ザ・ワールド」が、口ずさんでいると、ごっちゃになるし、
単に自分の注意力が散漫すぎ、同じに聴こえるだけなのだろうか。

ただ、リンゴには申し訳ないが、カントリー云々を抜きにしてみても、
リンゴは歌う曲は、カバー曲の「ボーイズ」も、ジョンが書いてくれた、
「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」も、一本調子の歌い方のせいもあり、
同じ曲に聴こえるから、「アクト~」と「消えた恋」も歌のせいもある。

ただ、そうなると、ビートルズに、あまり詳しくない人たちにとっては、
「抱きしめたい」と「シー・ラブズ・ユー」とが、同じ曲に聴こえるとか、
ロックに詳しくない人には、パープルもツェッペリンも、みんな同じと、
きりがない話だし、今でも、グラミー賞とかの洋楽は区別がつかない。

「消えた恋」は、コード進行だけ聴くと、ジョンらしさが出ているようで、
3コードが中心だった、「アクト・ナチュラリー」と違い、サビの部分で、
Ⅳmのコードになるところが肝なのだが、実はポールが手伝った際、
ここのコードをいじろうよと、アドバイスした可能性もないことはない。

ジョージのリードギターは、「アクト~」と、そう変わらないと書いたが、
こういうカントリー調の曲の、チェット・アトキンス奏法は実に見事で、
チェット自体、昔、レコード売り場で探したら、カントリー・コーナーで、
見つけたほどで、この手の曲にぴったり、伴奏の際も駆使している。

ギターは、ジョージのリード、ジョンのリズムギターの2本だと思って、
バンドスコアもそうなのだが、「全曲バイブル」だと、リードギターは、
あとから、別トラックへのダビングで、ベーシックトラックの録音では、
2人ともリズムギターも弾き、低音のリフがジョージ、コードがジョン。

モノミックスは、エンディングのリードギターが消されて、その部分も、
リズムギターが2本聴こえるし、間奏も2本聴こえると書いているが、
いくら聴いても、1本だし、サビの部分は、ジョージがオブリガードを、
コードにしているから、2本のリズムギターになっていると思うのだが。

使用ギターは、これまた諸説あり、ジョンは、いつものリッケン325、
あるいは、この頃から使い始めたエピフォンのカジノで、ジョージだと、
いつものグレッチとストラト説とに分かれ、自分は、ジョンもジョージも、
ストラトをお揃いで使ったと思うが、低音のリフはリッケンの可能性も。

「ヘルプ」の辺りから、ストラトに限らず、様々なギターを使い出すが、
マネージャーのエプスタインが、イメージを優先し、ライブの場合には、
ジョンのリッケン、ジョージのグレッチ、ポールのヘフナーという王道、
いつもの絵になるスタイルを続けたそうで、確かにストラトは違和感。

それでも、日本公演を含むツアーで、ジョンは、カジノを弾き始めるし、
これは、ジョージも一緒だが、ポールは、最後のライブまでヘフナー、
さらには、映画「レット・イット・ビー」の屋上ライブも、ヘフナーだったし、
今でも使うのは、ファンのイメージを、大切にしているのかもしれない。

ジョンの昔の曲に、リンゴが歌詞を付け足したという、「消えた恋」は、
リンゴの歌はともかく、ジョンとポールのハモリが抜群で、聴かせるし、
ジョージのカントリー調ギターも格好良く、いつものネックの歌よりも、
リードギターの間奏、オブリガードが、けっこう難しくて、苦労しました。



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まいどです
こんばんは
ギター弾きなら誰でも知ってるストラトをリアで弾くときの
ゴリゴリしたしゃくりみたいな音は、まあいわば機種特有の
欠陥みたいなものなんですが、それをあえてこれでもか!と
出し続けてる凄い曲!って言うのが、この曲の評価でも
あると思うんですけど、ここらもきっちり再現!!
素晴らしいです!!。

70年代ってのは、ビートルズ再評価は良いんですが、
分けも分からず、天才天才言い過ぎで、自分なんかは
このアルバム辺りを聴くと、もっとビートルズって、
いい加減でテキトーなところがあって、そこも愛すべきで
大好きでしたから、そんなに聖人君子みたいに扱うなよ!
って思ってました。その辺りのテキトーな部分を、
周到に再現されるギターマジシャンサンには、そういう意味で
ホントに敬意を表すわけです!。

今回もおつかれ様でした。
pipco1980 | URL | 2016/06/25/Sat 22:53 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。


> こんばんは
ギター弾きなら誰でも知ってるストラトをリアで弾くときの
ゴリゴリしたしゃくりみたいな音は、まあいわば機種特有の
欠陥みたいなものなんですが、それをあえてこれでもか!と
出し続けてる凄い曲!って言うのが、この曲の評価でも
あると思うんですけど、ここらもきっちり再現!!
素晴らしいです!!。


びっくりするくらいストラトの生音で弾いている曲なので、
自分もアンプ側のトーンをしぼらず、もろに鳴らしました。



> 70年代ってのは、ビートルズ再評価は良いんですが、
分けも分からず、天才天才言い過ぎで、自分なんかは
このアルバム辺りを聴くと、もっとビートルズって、
いい加減でテキトーなところがあって、そこも愛すべきで
大好きでしたから、そんなに聖人君子みたいに扱うなよ!
って思ってました。その辺りのテキトーな部分を、
周到に再現されるギターマジシャンサンには、そういう意味で
ホントに敬意を表すわけです!。


あまりにもビートルズを崇め奉るのは、どうかと思いますし、
演奏面以外、カルチャーや生き方まで牽引したと言われると、
リアルタイムでない分、実感もなく、逆にひいてしまいます。

音楽は、革新的なことを取り入れていき、素晴らしいですが、
本当、けっこう、いい加減にやっている部分も多いですよね。



> 今回もおつかれ様でした。


お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/06/26/Sun 00:38 [編集]
いいですよう。
ギターマジシャンさん こんばんは。

いやぁ、どう聞いてもいつもの完コピで頭が下がります。
ジョンの曲だと思いますが、リンゴが歌うとリンゴの曲に
なってしまうという不思議な曲だと思います。
「素敵なダンス」はジョージが歌ってもジョンの曲だと
断然判りますし。
「ワンアフター」をルーフトップで再演したように
この曲も演奏したら面白かったでしょうね。
お疲れ様でした。
マサジョン | URL | 2016/06/26/Sun 18:34 [編集]
Re: いいですよう。
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん こんばんは。
いやぁ、どう聞いてもいつもの完コピで頭が下がります。


実は、リズムギターの微妙に変化する部分を省略しています。



> ジョンの曲だと思いますが、リンゴが歌うとリンゴの曲に
なってしまうという不思議な曲だと思います。
「素敵なダンス」はジョージが歌ってもジョンの曲だと
断然判りますし。


ビートルズの奇跡とも言えるのが、4人の個性が際立っていて、
リンゴはリンゴで、脱力的な歌い方で、自分のものにしますね。


> 「ワンアフター」をルーフトップで再演したように
この曲も演奏したら面白かったでしょうね。


ゲットバックセッションを聴くと、ヘルプとかまでやっていて、
懐かしい曲をやる可能性もあったり、リンゴの歌もありでした。



> お疲れ様でした。

ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/06/26/Sun 19:10 [編集]



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