僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
メドレーのままカバーした「カンサス・シティ~ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ!」
「ビートルズ・フォー・セール」は、テレビ出演やコンサートで、
忙しい中、クリスマス商戦に合わせて発売する必要があり、
新曲が足りないからと、一発録音に近いカバー曲を加えて、
何とかアルバムの形にしたと言われ、評価も低いとされる。

何よりも、ジャケット写真の、疲れきったような4人の表情に、
その忙しさが現れているとも、ビートルズ本に書いてあるが、
自分は昔から好きなLPで、この10年ほど読むようになった、
数冊のビートルズ本で、そんな風に言われていたのを知る。

確かに人気の絶頂にあり、テレビ、ツアーと忙しかったろうが、
別のスナップや、同時期の雑誌などの写真では、そうでもなく、
いつもニコニコと、アイドルよろしく、撮影に臨む必要もないし、
セカンドの白黒写真だって、疲れているとも不機嫌ともとれる。

オリジナル曲が足りず、カバー曲というのは、否定できないが、
同時に録音した「アイ・フィール・ファイン」は、シングル盤にし、
LPでは、フォーク・ロック路線の曲を、ディラン好きのジョンが、
作ったこともあって、ロックンロールのカバーが似合っている。

すでに出ているシングル盤の曲に、いわゆる捨て曲を加えて、
LPを作って売ることは、当時のポップス界、さらには日本だと、
自分がアイドル歌手を聴いていた、70~80年代は常套手段、
下手すれば、今のJ-POPや洋楽でも、多少あるかもしれない。

ビートルズに捨て曲なし、というのが、昔からの自分の持論で、
やっつけのオリジナル曲よりは、アマ時代から得意にしていた、
カバー曲のほうが良いし、逆に、BBCライブの数多いカバーは、
それだけでLPを出しても良かったのではと、思えるほどの名演。

「フォー・セール」のおかげで、ジョンのすさまじい絶叫で始まる、
「ミスター・ムーンライト」から、「ロックン・ロール・ミュージック」、
ポールも負けじと、「カンサス・シティ~ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」の、
ジョンと双璧をなすシャウトの曲を、正規盤で、聴くことができた。

どれも、アマ時代のレパートリーで、ポールというと、どうしても、
初期ライブの定番、「のっぽのサリー」でのシャウトが目立つが、
「カンサス・シティ」も昔から得意な曲で、ハンブルグのライブ盤、
BBCライブにも収録され、当時から、アレンジは変えていない。

自分は、元々こういう曲で、何がメドレーなのかと思っていたら、
「KCラビン」という曲が、「カンサス・シティ」の名でカバーされて、
さらに、リトル・リチャードが、自作曲の「ヘイ・ヘイ~」とつなげて、
ヒットさせたそうで、ビートルズは、そのメドレーを踏襲したそうだ。

リトル・リチャード版をYouTubeで聴くと、1番・2番の歌詞が逆で、
「ヘイヘイ」に移ってから、サックスソロになるが、ビートルズは、
「ヘイヘイ」の前にギターソロが入って、そこで、曲が切り替わり、
アマ時代から、単なるカバーではなく、編曲していたのがわかる。

こうしたロックンロールばかり演奏していた頃、昔のリバプール、
ハンブルク時代を知る人は、ポールがステージのラストになり、
切れまくるのを見せたかったと、得意気に、懐かしく語るそうで、
優等生っぽいポールも、ジョンに劣らぬ、激しいパフォーマンス。

ジョンが、皮肉をこめ、「僕らは、ハンブルグが全盛期だった。」、
「ブライアンに綺麗なスーツを着せられて、ビックにはなったが、
売り渡してしまったんだ。」など語ったが、その全盛期に劣らず、
あるいは片鱗としても、数々のカバー曲で、熱い演奏が聴ける。

藤本国彦「213曲全ガイド」で、「のっぽのサリー」での解説だが、
「ドスの効いたジョンと対象的に高音でエネルギッシュに押し切る
ポールのロックンローラーとしての魅力」と、ジョンと双璧をなす、
ポールのシャウトをうまく表現していて、「カンサスシティ」も同様。

「カンサス・シティ~」は、「ロール・オーバー・ベートーベン」同様、
ヤマハの「ロックギター完全コピー曲集」で、必死で練習した曲で、
中学時代は、ジョージのようにリードギターが弾きたいと思ったし、
この曲は、ロック、ブルースの定番フレーズで、覚えて損はない。

どうも、ジョージのギターの腕前は、過小評価され過ぎな感じで、
「彼らは、曲を作って歌うという、あり方の道を開いてくれた。」と、
ジョンとポールを賞賛する、レッド・ツェッペリンのジミーペイジも、
ジョージとなると、「冗談で、ギターを弾いているのかと思った。」

奇しくも、ジョージの親友、エリック・クラプトンが在籍したバンド、
ヤードバーズで、クラプトンの後釜がジェフ・ベック、さらに次が、
ジミー・ペイジだが、そのジェフも、ジョージのギターについては、
「かわいそうで、代わりに弾いてやろうかと思った。」と、手厳しい。

もちろん、このジェフやジミーの発言を、直接読んだことはなくて、
ビートルズ本やブログ記事からの又聞きで、前後のニュアンスも、
はっきりしないが、どうも、ビートルズ自体、演奏が下手だったと、
言われているらしく、そのことも、ビートルズ本で知って、驚いた。

中山康樹「これがビートルズだ」で、「いまなお演奏技術に対して、
否定的な声があるが~」とか、「ビートルズは下手だった説」とか、
書いては、そんなことはないと反論するのだが、そんなこと自体、
自分は知らなかったし、中学の頃には、ビートルズが目標だった。

まあ、高校に入って、パープル、ツェッペリンなど楽々と演奏する、
同級生に刺激され、ジェフ・ベックのLPを買って、より高度な曲を、
弾けるようになりたいと、ビートルズを裏切ったような自分だから、
その負い目もあり、下手説とか、ベックの発言に過剰に反応する。

ただ、ジャズギター教室に通って、プロギタリストを目指して練習し、
ジミー・ペイジやジェフ・ベックの曲を、20歳前後には完コピしたり、
ジャズやフュージョンを演奏してきた自分でも、ビートルズの曲は、
決して下手と思わないし、今の年老いた自分には、完コピも厳しい。

「カンサス・シティ」のジョージのリードソロは、グレッチを使うから、
3弦が巻き弦の太いゲージで、チョーキングも上がりきってないが、
フレーズ自体は、ロックギター、ブルースギターの王道ともいえる、
ペンタトニックフレーズだし、それこそ、ツェッペリンにも応用できる。

別テイクや、ライブ映像で、まったく別のアドリブソロを弾いていて、
エプスタインの指示で、ビートルズのコンサートは、アドリブは禁止、
アンコールはしないなど、いくつも制限があったと聞いていたので、
ソロもレコードどおりだと思っていたら、やるじゃないか、ジョージ。

ジョンの弾くリフは、ロックンロールの定番で、Gのバレーコードで、
ルート音に対し5度、6度、7度となるよう、小指を伸ばして押さえ、
これが、「ロール・オーバー・ベートーベン」でも、同じパターンだが、
自分は指が短いので、リッケンのショートスケールでも、届かない。

ジョージが和音で弾くリフは、ヤマハの楽譜では、3フレットからの、
2弦・3弦なのに、バンドスコアでは、4フレの3弦・4弦と音が違い、
ライブ映像で見る限り、コードフォームを押さえているから、1弦は、
消音するとして、2弦~4弦をピッキングして、適当に鳴らしている。

ジョンのリフにしても、バレーコードで、1から6弦まで押さえるから、
アクセントは、音が動いていく5弦をメインにしても、他の弦も鳴り、
それも、そのときの勢いという感じで、これは、フォークギターでも、
コードストロークが、全弦、低音、高音を使い分けているのと同様。

後半の「ヘイ・ヘイ・~」で、コーラスが、「バイバイ」になったときに、
ジョージのリフが、4・5弦の低音に3弦のハンマリングをかませて、
これなんかは、音を歪ませて、ハンマリングをトリル気味にすれば、
ジミ・ヘンドリックスの得意なパターンで、思ったよりロックしている。

ギターは、こんな風に、昔から練習した曲だが、ボーカルとなると、
実は、弾き語りもしていない曲で、アルバム自体は聴きこんだから、
メロディも、およその歌詞も覚えているものの、後半の掛け合いで、
ポールが節回しを変えていくのが、何度聴いても、覚えられない。

それ以上に、「カンサス・シティ」では、主にG・ソの音で歌っていて、
ぎりぎり地声が出るが、「ヘイヘイ~」は、常にB♭・シ♭で歌うし、
裏声で、オクターブ上のGの音まで出して、パープルの超難曲の、
「チャイルド・イン・タイム」なみの高音で、どうやっても、出せない。

昨年に、「アイム・ダウン」を演奏して、もともと歌は下手だったが、
公開した曲のうち、最低最悪の歌だったことを思い出し、どうして、
学習能力がなく、ポールがシャウトする曲を選んだか、今になって、
別の曲に差し替える時間もなく、ダブルトラックと風呂場エコーに。

多忙で疲れきっていて、オリジナル曲が不足し、昔のカバー曲を、
一発録音して、LPを仕上げたと言われる、「フォー・セール」だが、
カバーも名演で、「カンサス・シティ~ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ!」は、
ギターはぎりぎり及第点でも、歌がひどすぎて、かなり反省です。




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まいどです
いやはやお疲れさまでした!

私もフォーセールは、他人がとやかく言うほどツマラナイ
アルバムだとは思いません。むしろ、熟れていてリラックスした
演奏と曲が愉しめて、とっても得した感のあるアルバムだったと
思います。

さてカンサスシティ…これと「のっぽ〜」は、やっぱり唄的に
触っちゃならない曲だと思ってましたから、殆ど「弾くため」に
耳をそばだて、聴いたことはなかったですが、
ギターのサウンドがとてもジャジーで、垢抜けています。
ギターマジシャンさん版は、ギターがよりジャジーになっていて、ジョージ版のリアピックアップのちょっと臭い感じが
キレイに抜けていて、とても気持ちがよい音!
それだけでうっとりです!。

さらにジョンもいつになく軽いストロークで良い味
出してましたが、ちょっとそっちは、一生懸命になっちゃった
みたいですね。
この辺りの余裕綽々感がフォーセールの「ノリ」だと
思いますから、次回ありましたら、抑えておくべき
ポイントでしょうね。

唄は….これはもう良く絞ったねえ!と拍手を送りたいです。
Bravo!

pipco1980 | URL | 2016/04/30/Sat 22:55 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。


> いやはやお疲れさまでした!
私もフォーセールは、他人がとやかく言うほどツマラナイ
アルバムだとは思いません。むしろ、熟れていてリラックスした
演奏と曲が愉しめて、とっても得した感のあるアルバムだったと
思います。



「ノー・リプライ」「アイム・ア・ルーザー」と、のっけから名曲で、
カバー曲も、シャウトからカントリー調と、手馴れた名演が多いです。



> さてカンサスシティ…これと「のっぽ〜」は、やっぱり唄的に
触っちゃならない曲だと思ってましたから、殆ど「弾くため」に
耳をそばだて、聴いたことはなかったですが、
ギターのサウンドがとてもジャジーで、垢抜けています。
ギターマジシャンさん版は、ギターがよりジャジーになっていて、ジョージ版のリアピックアップのちょっと臭い感じが
キレイに抜けていて、とても気持ちがよい音!
それだけでうっとりです!。


ポールのベースや、ジョージのリフは、もろに4ビートのノリで、
そこへリンゴがシャッフル系のドラムを叩き、ジャジーですよね。

MTRのデジタル録音ということもあり、すっきりした音ですが、
逆に、もっと泥臭い方が良かったのか、迷うところでもあります。



> さらにジョンもいつになく軽いストロークで良い味
出してましたが、ちょっとそっちは、一生懸命になっちゃった
みたいですね。
この辺りの余裕綽々感がフォーセールの「ノリ」だと
思いますから、次回ありましたら、抑えておくべき
ポイントでしょうね。


おっしゃるとおり、リフで小指が届かないのを必死になる分、
右手のピッキングにも力が入り、余裕のないリズムギターで、
おそらく、歌がネックで再演はないでしょうが、他の曲でも、
ジョンの軽々とした右手のスナップを思い浮かべ演奏します。




> 唄は….これはもう良く絞ったねえ!と拍手を送りたいです。
Bravo!


お恥ずかしい限りで、あたたかいコメントに感謝します。
ギターマジシャン | URL | 2016/04/30/Sat 23:34 [編集]
とてもいいです
ギターマジシャンさん お疲れ様です。

フォーセルは、ハンブルグ時代で演奏されていた曲が
公式盤で綺麗な音源で聞けるという大変貴重な盤
だと思います。カットされた曲もすごくいいですよね。

いつもの完コピでいうことなしですね。
すごくうらやましい。

ポールのツアーで、カンサス公演の時に
この曲を演奏したのを思いだしました。
マサジョン | URL | 2016/05/01/Sun 17:50 [編集]
Re: とてもいいです
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん お疲れ様です。
フォーセルは、ハンブルグ時代で演奏されていた曲が
公式盤で綺麗な音源で聞けるという大変貴重な盤
だと思います。カットされた曲もすごくいいですよね。


BBCライブも良いですが、やはり公式盤の音質が勝っていて、
没になったのものの、「アンソロジー1」でやっと公開された、
「リーブ・マイ・キトゥン~」も、すごく良い演奏ですよね。



> いつもの完コピでいうことなしですね。
すごくうらやましい。


細かくリフを変えていく部分は、まだまだ課題ですし、
何よりも、歌が反省することしきりで、がんばります。



> ポールのツアーで、カンサス公演の時に
この曲を演奏したのを思いだしました。


YouTubeで見ましたが、セットリストにあった曲ではなくて、
カンサスだから演奏したようで、ご当地ソングの強みですね。
ギターマジシャン | URL | 2016/05/01/Sun 19:08 [編集]



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