僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
さりげないマーティンのピアノソロが光る「ナット・ア・セカンド・タイム」
ビートルズのプロデューサーである、ジョージ・マーティン卿が、
先日亡くなり、その第一報は、リンゴによる追悼のツイッターで、
その後、ジョンとヨーコの息子、ショーンも哀悼のツイートをして、
さらには、ポールが長文のメッセージで、多くの思い出を語った。

マスコミ記事は、さかんに「5人目のビートルズ」という呼び方で、
確かにマーティンの貢献は大きくて、デビューから解散するまで、
単にプロデューサーという以上に、楽曲へのアドバイスをしたり、
ピアノを演奏し、オーケストラの導入まで提案、その編曲もした。

ビートルズの音楽的成功は、マーティンなしに、ありえなかったし、
ポールまでが、「5人目のビートルズと呼ばれる人がいるとしたら、
それはジョージだ。」」と、追悼文で語っているから、間違いないし、
本当、マーティンの貢献は、精神的な面も含めて、計り知れない。

ただ、自分は、「5人目のビートルズ」の表現が、あまり好きでなく、
ビートルズは、正式デビューから解散するまで、ジョン、ポールに、
ジョージ、リンゴという不動の4人で、それ以外でも何でもないよと、
ちょっと、ひねくれてしまい、変なところで、こだわる悪い癖が出る。

自分がビートルズに夢中だった中学時代、そんな言い方をしたか、
古いビートルズ本を出してくると、「ビートルズ事典」の人名録には、
マーティンの項に、「エプスタインが5人目のビートルズなら、彼は、
6人目のビートルズ」の記述があり、昔からあったのかと気づいた。

音楽面がマーティンなら、商業的な成功は、敏腕マネージャーの、
ブライアン・エプスタインなくしては、到底ありえなかった話だろうし、
これまた、ポールが、ジョージ・ハリスンの伝記映画の中らしいが、
「ブライアンこそ、5人目のビートルズだ。」と言ったそうで、何だか。

5人目のビートルズというのは、元メンバーをさすこともあるそうで、
デビュー直前で、リンゴと交代させられる、憂き目にあったドラマー、
ピート・ベストだったり、ジョンの大親友であり、脱退後に夭逝した、
スチュアート・サトクリフとなると、ドキュメントの邦題にも使われた。

ちょっと、言いがかりっぽいが、スチュは、アマ時代にビートルズが、
5人だった頃の、まぎれもないメンバーで、文字通り5人目なのだが、
例えば、スマップをやめた森を、一般には、6人目のスマップなどと、
呼ばないように、元メンバーは元メンバーで良いだろうと思っている。

まあ、ビートルズが不動の4人であったからこそ、逆に「5人目」なる、
準メンバーの存在が、今も昔も、取り沙汰されるのだろうし、ここは、
ビートルズのメンバーであるポールの、今現在のコメントを尊重して、
ジョージ・マーティンが、5人目のビートルズと、もやもやを解消する。

マーティンとビートルズのエピソードとして、昔から有名だったのが、
初対面の際に、マーティンが、「何か気に入らないことでもあったら、
遠慮なく言ってくれ。」と尋ねると、「そうですね、あなたのネクタイが、
気に入らない。」と、ジョージが冗談をとばしたという、鉄板ネタの話。

これは、ビートルズ事典や、ハンター・デイビスの公式伝記にもあり、
中学時代から知っていたが、いきなり初対面で、いちアマバンドが、
大物プロデューサーに、そんなこと言うだろうか、エプスタインとか、
ビートルズ伝説を作ろうとして、もっともらしく、広めたのかと疑った。

ところが、マーティンの自伝「耳こそはすべて」にも、この話があって、
マーティンは、このジョージの冗談に腹の底から笑い、4人のことを、
音楽面よりも、その人間性に魅かれたそうで、マーティンの記憶では、
初対面の6月でなく、9月の録音時になるが、やりとりは事実だった。

「レコーディング・セッション」、上林「この日のビートルズ」によれば、
マーティンに聞かれても、最初は4人とも、お互いに顔を見合わせて、
モジモジしていたが、やがて、ジョージが言ったそうで、このあたりは、
メンバーで一番年下のジョージが、末っ子キャラのまんまで頷ける。

物怖じしない性格で、さらに、ジョンやポールに、可愛がられる反面、
いじられキャラであり、「おい、ジョージ、言ってやれ、言ってやれ」と、
目配せされ、「え、言うの?」「いけ、ジョージ」みたいなやりとりがあり、
「ネクタイが気に入らないな」発言になったのではと、想像したくなる。

それから、マーティンは、編曲について、アドバイスをするだけでなく、
プロデューサーの権限を越えるというか、それ以上となる関わり方で、
デビューアルバムの、たった1日で10曲を録音した際、その数日後、
僅か2曲ではあるが、自らピアノなどを演奏して、ダビングしている。

2枚目のアルバムでも、マーティンは、ピアノの演奏で参加していて、
「マネー」の特徴あるピアノイントロ、「ナット・ア・セカンド・タイム」は、
間奏のピアノソロまで披露、よく彼らは、先生と生徒の関係のように、
たとえられるが、それ以上の信頼関係が、お互いにあったと思える。

このアルバムでは、「リトル・チャイルド」で、ポールがピアノを弾き、
それもあってか、「ナット・ア・セカンド・タイム」のピアノもポールだと、
書いているビートルズ本もあるが、間奏の淡々としたリズムのノリは、
クラシック畑の人に多い弾き方で、マーティンだろうと、自分は思う。

ポールだったら、もう少し、くったようなノリや、装飾音を使うだろうし、
「レット・イット・ビー」のイントロのような、独特の微妙なタイム感で、
もう少し違う雰囲気になると思うが、これこそは、マーティン亡き今、
ポールなのか、マーティンなのか、誰かポールに聞いてくれないか。

藤本国彦「213曲全ガイド」は、その間逆と言うか、ピアノどころか、
ポールは、ベースでも参加していなくて、ジョージも同様に不参加、
ジョンのボーカルとギター、マーティンのピアノに、リンゴのドラムで、
デモ音源、自宅録音でもしたかのような曲だと、まったく異なる見解。

モノミックスは言うに及ばず、ステレオ録音も、左チャンネルが演奏、
右チャンネルがジョンの歌だから、音が団子のようになってしまって、
ジョンとジョージが2人揃って、リズムのコードを弾いたか不明だが、
少なくとも、ベースは、ピアノの左手とは別に、ポールが弾いたはず。

いつものバンドスコアは、珍しく、リズムギターが2段に分かれていて、
ベースとピアノの左手も別のフレーズなので、それを尊重して演奏し、
ピアノは間奏以外は、和音も弾いたかもしれないが、楽譜にないから、
ベースラインだけにして、リマスターを参考に、右チャン用にも弾いた。

「全曲バイブル」には、ジョンのボーカルマイクが、ジョンの弾くアコギ、
ギブソンJ160Eの生音を拾っているとあるから、右チャンをアコギで、
左チャンのリズムギターは、アンプを通したJ160Eの音なのだろうが、
明らかにエレキの音なので、リッケンバッカーの方で、録音してみた。

この曲は、ジョンの単独曲とされ、哀愁を帯びた、いかにもジョンらしい、
メロディのうえに、ジョン得意の節回しが、さらに、せつなさを感じさせ、
2枚目の最後の曲の手前、日本編集盤のセカンドでも、B面5曲目と、
地味な位置に置かれた曲なのだが、隠れた名曲と呼んでもよいくらい。

ジョンは、ダブルトラック録音でボーカルを2回歌っていて、メロディを、
2番で変えるところは、うまく重ねたが、エンディングのフェイク部分は、
ダビングでは違う節回しで、自分が歌ったとおりに、もう一度歌うのは、
面倒だからと、後に、ADTを開発してもらったのも、こういった理由か。

ジョンの隠れた名曲で、マーティンのピアノソロが、ポール・モーリアの、
「恋は水色」とかのイージーリスニングを思わせる、名演になっている、
2枚目「ウィズ・ザ・ビートルズ」収録の、「ナット・ア・セカンド・タイム」は、
高い音程はないものの、ジョンの歌いまわしが、なかなか出せません。









ジョージ・マーティン卿の名演といえば、バロック調のピアノソロの、
「イン・マイ・ライフ」なので、2年前の拙演奏ですが、貼っておきます。



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毎度です
お帰りなさい!…と云うべきでしょうか?

他意などまったくなしに、本物以上に爽快な出来に
実は驚いています。

この曲を初めて聴いたのは、おそらく中1の頃だと思いますけど、
(たぶん「ステレオ!これがビートルズVol2」)
そんな幼い耳にも、何だかピアノが浮いちゃってて、
ギターやドラムとぶつかって聴き辛いなあと感じ、
以来、曲は好きなのに、演奏は雑で苦手っていう状態でした。
そういう理由で、華やかなテクノのロバートパーマー版の方を
好んで聴き続けたひねくれ者の私です。

ところがギターマジシャンさんのこのテイクは、ピアノも
ルート音のみで抑え気味、リズムとぶつからない配慮がされて
いて、とても聴き易くなっています!いやはや驚きましたよ!
歌も何故か?自信に満ちあふれていて、これは久しぶりに
楽しかったです!。

他でも書きましたが、ジョージマーチンの業績は、1st/2ndの
3チャンネル録音時代に、エコーを乗せずにドライで残している
事に尽きると思います。オーケストレーションとかピアノのなど
ロックバンドには無いアカデミックな多様性というのが、
果たしてビートルズにとって有用だったかどうかは、評価として
実に微妙…と、個人的には、そう思っています。
pipco1980 | URL | 2016/03/19/Sat 20:29 [編集]
Re: 毎度です
いつも、コメントありがとうございます。



> お帰りなさい!…と云うべきでしょうか?


扁桃腺の腫れが治ったので、またビートルズを歌っています。



> 他意などまったくなしに、本物以上に爽快な出来に
実は驚いています。
この曲を初めて聴いたのは、おそらく中1の頃だと思いますけど、
(たぶん「ステレオ!これがビートルズVol2」)
そんな幼い耳にも、何だかピアノが浮いちゃってて、
ギターやドラムとぶつかって聴き辛いなあと感じ、
以来、曲は好きなのに、演奏は雑で苦手っていう状態でした。
そういう理由で、華やかなテクノのロバートパーマー版の方を
好んで聴き続けたひねくれ者の私です。
ところがギターマジシャンさんのこのテイクは、ピアノも
ルート音のみで抑え気味、リズムとぶつからない配慮がされて
いて、とても聴き易くなっています!いやはや驚きましたよ!
歌も何故か?自信に満ちあふれていて、これは久しぶりに
楽しかったです!。



原曲は、モノミックスもステレオリマスターも、伴奏が団子状で、
各楽器の音がぶつかり合っていて、自分は、多少定位をずらして、
左右に広げているので、いくらかは、分かりやすいと思います。

ピアノの和音省略は記事に書きましたが、バンドスコアのままで、
もしかすると、ジョージのリズムギターとして載っている伴奏が、
ピアノが刻んだものかもしれず、それが功を奏したのでしょうね。



> 他でも書きましたが、ジョージマーチンの業績は、1st/2ndの
3チャンネル録音時代に、エコーを乗せずにドライで残している
事に尽きると思います。オーケストレーションとかピアノのなど
ロックバンドには無いアカデミックな多様性というのが、
果たしてビートルズにとって有用だったかどうかは、評価として
実に微妙…と、個人的には、そう思っています。



pipco1980さんの先日のマーティンの追悼記事で、エコーの件、
当時のショボいエコー機材を使わず、もともとの音で残したから、
今の進歩した技術でのリマスターが、可能になったというお話は、
まったく考えたこともなかったことで、なるほどなと納得でした。
(偶然か、自分も、歌やギターのリバーブはミックス時です)

あくまでもロックバンドであり続けたビートルズと、マーティンの、
ピアノ、オーケストラの導入は是か非か、すごく難しいところです。

ギターマジシャン | URL | 2016/03/19/Sat 23:28 [編集]
またもや素晴らしい
ギターマジシャンさん こんばんは。

この曲いいですよね。
ギターマジシャンさんの演奏とてもナチュラルで響いてきました。

ジョージ・マーティンとハリスンとのくだりも想像の通りだと私も
思います。リバプール訛り丸出しもマーティンに
うけたのではと想像します。
マサジョン | URL | 2016/03/20/Sun 19:24 [編集]
Re: またもや素晴らしい
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
この曲いいですよね。
ギターマジシャンさんの演奏とてもナチュラルで響いてきました。


ジョンならではのメロディに、せつない歌い方が魅力の曲ですよね。
自分の演奏は、モノミックスより、すっきりした音だと思います。



> ジョージ・マーティンとハリスンとのくだりも想像の通りだと私も
思います。リバプール訛り丸出しもマーティンに
うけたのではと想像します。


末っ子のジョージらしいエピソードだと思いますし、確かに、
ジョージが4人では一番訛っているので、それもありますね。
ギターマジシャン | URL | 2016/03/20/Sun 19:52 [編集]
こんばんは

 ジョージ・マーティン論、力作ですね。石坂敬一よりも説得力があります。

 ピアノもギターマジシャンさんが演奏されているのですか。
 もしそうなら、凄いです。

 ジョージ・マーティンの死より驚きました。
 
mikitaka08 | URL | 2016/03/21/Mon 23:31 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> こんばんは
 ジョージ・マーティン論、力作ですね。石坂敬一よりも説得力があります。



昔からの自分勝手な思い込みを、最近のビートルズ本の知識で訂正しつつ、
いろいろ考察するのが楽しく書いてますが、それでも思い込みだらけです。



>  ピアノもギターマジシャンさんが演奏されているのですか。
 もしそうなら、凄いです。



ピアノは、電子ピアノがあるのですが、バイエル途中で挫折していて、
ブログの演奏は、ギターシンセでピアノやストリングスの音を出して、
自分の演奏といえば演奏ですが、ちょっとずるをしているところです。


>  ジョージ・マーティンの死より驚きました。


いえいえ、めっそうもないです。  
ギターマジシャン | URL | 2016/03/22/Tue 02:29 [編集]



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