僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
歌伴だけでなく、ソロギターも名手、ポール・サイモンの「アンジー」
中2の頃、ビートルズに夢中になり、デパートの屋上などで、
日本一のビートルズ・コピーバンド、バッドボーイズの演奏を、
聴いたことはあったが、クラシック、フォーク、ロックを問わず、
いわゆるコンサートへ行くことは、高校生になってからもない。

そんな自分にとり、NHKの「ヤング・ミュージック・ショー」は、
海外のロックミュージシャンの演奏が見れる、貴重な番組で、
同様に、「世界のワンマン・ショー」も、主にポップス歌手だが、
海外のコンサートや、スタジオのショーが楽しめる番組だった。

「ヤング・ミュージック・ショー」は、毎週土曜日にやっていたと、
思い込んでいたが、せいぜい、月に一度くらいだったようだし、
「世界のワンマン・ショー」も、NHK制作の「ビッグ・ショー」が、
毎週日曜に放送したのとは違い、かなり不定期だったらしい。

カーペンターズのスタジオライブも、この番組だったかと思うし、
ジュリー・アンドリュースが、セサミ・ストリートのマペットたちと、
歌ったり、コントまでやり、ジョン・デンバーのライブもいくつか、
放送されたうち、この番組の枠でも見たように、記憶している。

サイモン&ガーファンクルを初めて聴いたのも、この番組で、
ポール・サイモンの単独による、公開収録したライブだったが、
途中の回想シーンで、以前収録した、アートをゲストで呼んで、
S&Gとして、ポールのギターだけを伴奏に2曲を歌ったもの。

S&Gは、名前こそ知っていたが、彼らが音楽を全面担当した、
映画「卒業」も、名画特集の番組で、エンディングを見た程度で、
たぶん、「ミセス・ロビンソン」も、「サウンド・オブ・サイレンス」も、
まともに流れていなかったろうし、ほとんど聴き流していたろう。

回想シーンで流れた、一晩限りの再結成、S&Gとしての曲は、
「ボクサー」、「スカボロー・フェア」で、伴奏のギターも良かったし、
アートの歌声は、すごく澄み渡り、ポールのハモリも、本当完璧、
これだけで、サイモン&ガーファンクルの、一気にファンになる。

ちょうど、友人がテープに録っていたので、ダビングしてもらい、
繰り返し聴いたし、母がS&Gのベスト「グレイテスト・ヒット」を、
東急プラザのコタニで、買ってきてくれたのは、よほど気に入り、
もっと聴きたいと、しつこく、ねだったのか、あまり覚えていない。

ベスト盤は、日本編集で2枚組のものや、何種類か出ていたが、
「グレイテスト・ヒット」は、当時唯一、S&G自ら選曲したもので、
コタニの店員さんが、そのあたりにも詳しくて、選んでくれたのか、
ただ、自分は1枚だけなのと、ライブ演奏もあるのが不満だった。

4曲がライブ音源で、マニアの人には、貴重なのかもしれないが、
入門者は、発売されたLPと同じ音をベスト盤で聴きたいわけで、
今でも、自分は、ベスト盤のリミックスとか、まして再録音とかは、
あまり好きでなく、それは、別物としてやってほしいと思っている。

それでも、このLPをかなり聴き込んだのと、最初に聴いた方が、
印象に残る癖もあって、「早く家に帰りたい」、「キャシーの歌」は、
ポール・サイモンのギター1本の伴奏による、ライブ版が好きで、
ある意味、ベスト盤に別の音源を入れる功罪を、体感したことに。

LPと同じ表紙のギター伴奏曲集が、シンコーから出ていたのを、
早速買い、ビートルズで覚えた、スリーフィンガー奏法と同じだと、
一番練習したのも、ライブ版の「早く家~」と、「キャシーの歌」で、
アコギの基礎練習にもなったのは、店員さんと母に感謝しないと。

FM東京「ソニー・ビッグ・スペシャル」だったか、76~77年頃に、
何週かに分けて、ビートルズの全曲を放送すると、話題になって、
その後に、S&Gも全部かける企画があって、テープが散逸して、
曖昧だが、ポール・サイモンの最初のLPもかけていた気がする。

S&Gのデビュー作が売れないまま、イギリスに渡ったポールが、
現地のフォークシーンで修行を積みながら、弾き語りに近い形で、
録音したLPで、後のS&Gで再演する曲もあるが、デビュー作と、
同じように、ギター伴奏がメイン、ほとんどフォークと呼んで良い。

このLPを聴くだけでも、ギターのテクニックが見事なのがわかり、
そのイギリス時代に、仲間から教わった曲だという「アンジー」は、
S&Gの2枚目に、ギター1本によるインスト曲として、収録され、
夜中のFMの全曲放送で聴いた際、その圧倒的なテクに大感激。

「グレイテスト・ヒット」の曲集の、ポール・サイモンの奏法解説で、
「"ANJI"というインストがあるが、テクニックを惜しげもなく披露し、
ギタリストの面目躍如」と書かれ、どんなすごい曲かと思っていて、
実際にラジオで聴いて、本当にすごくて、自分でも弾きたくなった。

当時は、「グレイテスト・ヒット」曲集以外に、弾き語りの楽譜とか、
ビートルズ奏法、チェット・アトキンス奏法といったシリーズものに、
S&G奏法まであったが、「アンジー」は、どれにも載っていなくて、
多少は耳コピしたが、低音が取れなくて、挫折したままになった。

「グレイテスト・ヒット」の奏法解説を書いたのは、ヤングギターや、
教則本でもおなじみ、アコギ界の若手筆頭とも言える大塚康一で、
その大塚が、雑誌「プレイヤー」連載講座で、満を持したというか、
77年11月号で、アンジーの全曲TAB譜を載せ、解説してくれた。

当時、日曜に雑誌と連動したラジオ、「ザ・プレイヤー・ショー」が、
放送されていて、プリズムのデビュー作も、ここで聴いたりしたが、
この待望の「アンジー」の講座の回は聞き逃してしまい、いったい、
どんな風に解説したり、模範演奏もあったのか、すごく残念に思う。、

その後、「アンジー」は、譜面を頼りに練習するが、音は分かっても、
なかなか、右手が追いつかなくて、これは、スリーフィンガーでなく、
カントリーブルースやラグタイム・ギターの、ベース・ランニングだと、
フォークギターの入門書を出し、復習するが、結局、挫折してしまう。

それから20年近くたち、山崎まさよしが、新曲「パッセージ」を出し、
やたらとテレビで演奏し、彼のギターは、カントリーブルースだぞと、
そのテクに感動して、急にアコギに気合が入ると、タイミングも良く、
リットーからは、「アコースティック・ギター・マガジン」が創刊となる。

もともと、年に1冊くらいで、ムック本「アコースティック・ギター」が、
出ていたようで、99年の夏から、年4回発行の季刊誌へとなって、
創刊号は、表紙が山崎まさよしで、特集記事がポール・サイモンと、
何だか出来すぎの内容で、その後、数年間は、買い続けることに。

駅前の文教堂に、なぜか、ムック本時代のバックナンバーもあり、
立ち読みしては、やっぱり買おうの繰り返しで、置いてあったもの、
5~7号を買い、古本屋でも、3号を探し出して、本当、この頃には、
アコギに夢中、その後冷めるも、02年押尾コータローで再燃する。

ムック「アコースティック・ギター7」に、「アンジー」が載っていたが、
メロディ譜は実音で、TABは、カポタストを2フレットにつけた形で、
自分は、TABよりも、譜面を読みに行く癖があるので、ものすごく、
混乱してしまい、絶対音階の人の苦労が、少しはわかったような。

その後、季刊誌の第19号は、表紙がサイモン&ガーファンクルで、
この掲載の「アンジー」は、ポール・サイモンが、つっかえたような、
微妙なタイミングも採譜している、気合のコピー譜で、脚注につく、
奏法解説も細かく書いてあり、じっくり取り組めば、完コピできそう。

自分の場合、他の曲でもよくあることで、最初のテーマの部分から、
メロディを間違えて覚えていて、シドラ・シー、ッラ・シドラ・シーと、
3連だと思っていたら、シドシラ・シー、ッラ・シドシラ・シーと4連で、
そのうえ、微妙にハネていて、5連符にも思える、何とも独特なノリ。

3連と思い込んだのは、プレイヤーの大塚康一のTABのせいだと、
珍しく捨てずに残した、「アンジー」(なぜか「Angie」表記)掲載号を、
引っ張り出すと、最初の小節だけは3連だが、次からは、きちんと、
16分音符になって、勝手に3連の繰り返しだと思った、自分のミス。

ポール・サイモンは、この曲に限らず、右親指にサムピックをはめ、
場合によっては、人差し指、中指にもフィンガーピックをするそうで、
自分もフォークギターを買ったときに、プラ製品で、薬指の分まで、
揃えたが、親指以外は、すごく引っ掛かるので、ほとんど使わない。

サムピックは、金属製のも買ったが、どちらも音が大きくなりすぎて、
低音弦ばかり目立って、高音弦のメロディが、かき消されてしまうし、
ピックなしの爪弾きにしても、親指と他の指との、音量のバランスが、
うまくコントロールできないので、親指は手の平ミュートで良いくらい。

クラシックギターなら、右手をブリッジに乗せるなど、言語同断だが、
だいたい、サムピックで弾くのと爪弾きとでは、指の角度も違うから、
クラシックとアコギは、左手も右手も、フォームは別とわりきったうえ、
さらに、自分が弾きやすいように、両方の折衷で、何とか弾ききった。

ちなみに、一発録音でないどころか、間違えたら、すぐにやり直して、
それも、間違えた手前の、キリの良いところから、また始めるという、
かなり手抜きというか、ズルした録音で、編集技術にたけていたら、
いくつも録音して、つないだり、パンチインするが、その作業は無理。

「アンジー」は、ポール・サイモンが、イギリスに渡っていた頃の仲間、
デイビー・グレアムの曲だが、同じくイギリスで活躍していたギタリスト、
バート・ヤンシュもカバーして、そちらのアレンジをポールは参考にし、
アルバムでの演奏になったそうで、ちょっと、いいとこ取りな気もする。

67年の未発表ライブ音源が、02年頃に、CDで出て、話題になって、
ポールのギター伴奏だけで、コンサートの全曲を演奏しているという、
まさに初期のフォークスタイルだし、ここで、演奏される「アンジー」は、
フレーズもどんどん変え、リズムも自由で、ただただ圧倒される演奏。

ところで、この曲は、どこかで聴いたことがあると、昔から思っていて、
それこそ、イギリス民謡、トラッドフォークかと思うが、実際の作曲者、
グレアムがいるわけで、よくあるコード進行なのか、テンポを落として、
口ずさむと、だんだん、サントリーウイスキーのCM曲になったりする。

日本人好みのAm(実音はBm)のコード主体なのも、多くのファンが、
挑戦したくなる理由で、YouTubeには、まさに完コピの演奏ばかりで、
クラシックに限らず、アコギ奏者も達人ばかりで、こういうのを見ると、
自分のレベルに落胆しつつ、少しでも近づきたいと、練習意欲がわく。

今から、40年近く前に聴いて、折に触れ、新しい楽譜を手に入れて、
練習を繰り返した、ポール・サイモンの「アンジー」は、年季の演奏と、
言いたいところが、何度やっても、弾けない部分は、弾けないままで、
歌よりは、ましのつもりのギターでも、まだまだ反省点は限りないです。



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なつかしい
ギターマジシャンさん こんばんは。

ビートルズ熱がひとしきり落着いた後、高校時代に
S&Gを聞き込みました。弾き語りに適していてコピー
するのに満足感があったように思います。“アンジー”は耳に残る曲ですね。
ギター1本のかっこ良さがあります。
完コピでさすがです。

マサジョン | URL | 2016/03/05/Sat 19:08 [編集]
Re: なつかしい
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
ビートルズ熱がひとしきり落着いた後、高校時代に
S&Gを聞き込みました。弾き語りに適していてコピー
するのに満足感があったように思います。“アンジー”は耳に残る曲ですね。
ギター1本のかっこ良さがあります。
完コピでさすがです。



自分も、ビートルズ一辺倒だった中学時代から、高校に入って、
他のロックを聞き始めた頃に、S&Gと出会ってファンになり、
「弾きがたりビートルズ」で覚えた、スリーフィンガー奏法で、
多くの曲がそれっぽくなるので、自宅で弾き語るのに最適でした。

自分のアコギは、「弾きがたりビートルズ」と、S&Gの曲集、
「グレイテスト・ヒット」の2冊が、基本の基本になっています。
(それと、かぐや姫などが載ったフォークギター入門もですが)
ギターマジシャン | URL | 2016/03/05/Sat 19:33 [編集]
まいどです
この曲、自分も何だか大昔にコピーして弾いてた記憶が
ありましたが、S&Gではなく、バートヤンシュでコピーした
ような気が…?

ポールサイモンは、私はガーファンクル抜きの仕事の方が
断然好きで、S&Gは中1の頃聴いてたベスト盤とブックエンド
だけですが、ソロは禁断の初回作以外はすべて愛聴盤です!。

英国トラッドの多くは、吟遊詩人の文化を大切にしていて、
そうした曲は、譜面に起こさない、録音しない、
口伝えのみ!っていう鉄の掟があったんですが、
彼はそれを裏切って、最初のソロ作を出しちゃったんでしたよね!。まあそれに懲りずに彼は、アンデスで仕入れ、
アフリカで仕入れ…。

ですから、私的にはやっぱりコレはバートヤンシュまたは
その系譜の楽曲として聴く。または敬意を込めて弾くべきかと
考えます。というか、ギターマジシャンさんの見事な演奏も、
「ブリティッシュトラッドを弾いているのだ!」と主張してる
ように、私にははっきり聴こえます!。

ヤングミュージックショーは、よく覚えてますけど、
中学生の頃は、精々半年に一度くらいの一大ページェントでした。
クリーム(フェアウェル)とかストーンズのハイドパーク
フロイド(ポンペイ)、EL&P、ファイセズ…貴重な番組でしたね。
何はともあれ、お疲れさまでした!
pipco1980 | URL | 2016/03/05/Sat 22:41 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。


> この曲、自分も何だか大昔にコピーして弾いてた記憶が
ありましたが、S&Gではなく、バートヤンシュでコピーした
ような気が…?


バートの演奏のほうが、コードが切り裂くように入ったり、
叩きつけるようなリフがあって、かなりスリリングですね。



> ポールサイモンは、私はガーファンクル抜きの仕事の方が
断然好きで、S&Gは中1の頃聴いてたベスト盤とブックエンド
だけですが、ソロは禁断の初回作以外はすべて愛聴盤です!。



ポールのソロ作は、「ひとりごと」「時の流れに」に始まり、
「ワントリックポニー」「グレイスランド」と名盤だらけで、
なぜか、「ソングブック」は、早い段階で、本人が廃盤にし、
CD化も、かなり長い間されないままと、異端の扱いでした。



> 英国トラッドの多くは、吟遊詩人の文化を大切にしていて、
そうした曲は、譜面に起こさない、録音しない、
口伝えのみ!っていう鉄の掟があったんですが、
彼はそれを裏切って、最初のソロ作を出しちゃったんでしたよね!。まあそれに懲りずに彼は、アンデスで仕入れ、
アフリカで仕入れ…。


ワールドミュージックというのか、民族音楽のエッセンスを取り入れ、
新境地を開くのが得意技のようですが、口承音楽を裏切りましたか。




> ですから、私的にはやっぱりコレはバートヤンシュまたは
その系譜の楽曲として聴く。または敬意を込めて弾くべきかと
考えます。というか、ギターマジシャンさんの見事な演奏も、
「ブリティッシュトラッドを弾いているのだ!」と主張してる
ように、私にははっきり聴こえます!。



この曲のベースランニングは、カントリーブルース系というより、
ブリティッシュトラッドで、アイルランドフォークのハープとか、
バロックの通奏低音だと考えるほうが、正しいのかもしれません。



> ヤングミュージックショーは、よく覚えてますけど、
中学生の頃は、精々半年に一度くらいの一大ページェントでした。
クリーム(フェアウェル)とかストーンズのハイドパーク
フロイド(ポンペイ)、EL&P、ファイセズ…貴重な番組でしたね。
何はともあれ、お疲れさまでした!


初期のヤングミュージックショーは、数ヶ月に一度くらいでしたが、
これでもか、これでもかと、伝説のライブ映像を流してくれていて、
自分が見たのは、76年からと出遅れましたが、モンタレーだけは、
再放送で見て、ものすごく興奮し、毎週やるかように錯覚してました。
ギターマジシャン | URL | 2016/03/05/Sat 23:42 [編集]



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