僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ポールの弾き語りに延々とジョンが木片でつきあった「アイ・ウィル」
ビートルズの「ホワイト・アルバム」では、レコーディング中に、
ちょうど、機材が4トラックレコーダーから8トラックへになり、
単純でも倍の回数分、ダビングしやすくなったこともあって、
メンバーが別々に録音、演奏し、顔を合わせないこともある。

特にポールの場合は、担当のベースに加え、ギターも名手、
そのうえ、ピアノやドラムもこなせるマルチプレイヤーだから、
自分の思い描いた音を、ジョージやリンゴが出せずにいると、
自分でやったほうが早いとばかりに、多重録音で完成させる。

そうしたなか、弾き語りだけで成立しそうな、「アイ・ウィル」で、
ポールが、ギターやハモリをダビングするのは、ありとしても、
最初の弾き語りの際、リンゴのドラム以外に、ジョンがギター、
ハモリでなく、パーカッションで加わったのが、何とも不思議。

そのうえ、67回もやり直すのに、金属片と木片を叩くのみで、
つきあったそうで、中山康夫は「これがビートルズだ」の中で、
「仲がいいのか、悪いのか」、藤本国彦「213曲全ガイド」は、
「このセッションが良かったのは、ジョンが参加していること」。

自分も含めて、ファンの心理で、ポールが1人ですむところを、
ジョンは、歌でもギターでもないのに、ずっとつきあっていたし、
「1人でやるからいいよ」と、ポールが断ることもなく、やっぱり、
2人は仲良しじゃないかと、勝手に推察して、安堵したくなる。

未発表テイクでは、ポールが鼻歌まじりや、でたらめの歌詞、
「クライ・ベイビー・クライ」の、エンディングに付け加えられた、
「キャン・ユー・テイク・ミー・バック」も歌われ、ジョンのお題に、
ポールが即興で歌詞をつけるという、遊び半分の曲まである。

温厚なリンゴが脱退しかけ、エンジニアが辞めてしまったりと、
険悪な中、この曲は、和気あいあいとしていたと、思いたいが、
映画「レット・イット・ビー」の、「トゥー・オブ・アス」でのジョンの、
しかめっ面のように、黙々と叩いている光景も浮かんだりする。

「ホワイト・アルバム」の頃は、聖域であるスタジオの中にまで、
ジョンがヨーコを招き入れて、他のメンバーは閉口したようだが、
この時は、ヨーコに用事でもあり、ジョンは、帰っても1人ならば、
ポールにでも付き合うかと、スタジオ内にこもった気もしてくる。

ジョンが延々と叩いたパーカッションでも、これまた諸説あって、
「全曲バイブル」では、ジョンのウッドブロック、リンゴのマラカス、
シンバルとあり、「バンドスコア」には、担当まで書いていないが、
パーカッション、シェイカー、ボンゴの3段の楽譜になっている。

ネットの「ビートルズ・データベース」では、使用楽器の項目が、
リンゴが、ラディック(ドラムセット)、マラカス、ボンゴ、ジョンは、
パーカッションとあるが、解説本文では、ジョンは金属片と木片、
リンゴは、「マラカス、ウッドブロック?とシンバル」と書いている。

「レコーディング・セッション」では、リンゴのシンバル、マラカス、
ジョンの金属片、木片とあり、「真実のビートルズサウンド」では、
ジョンがウッドブロックで、リンゴはドラムセットで、リムショットに、
トップシンバル、バスドラム、タムのフィル、マラカスのダビング。

左チャンネルから聴こえるシンバルと、サビから入る右チャンの、
マラカスは間違いないが、叩き続ける「タン・タン・タタ・タン」は、
リムショットか、木片か、ウッドブロックか、微妙なところ、さらに、
サビから16分音符で叩くのは、ウッドブロックか木魚のような。

木魚と言っても、「帰ってきたヨッパライ」の最後の念仏で流れる、
お坊さんの叩くような音より、「魚屋のオッサンの唄」で叩く音で、
一般のウッドブロックより軽い音で、パッパカ・パッカのリズムが、
馬の蹄の音にも聴こえてきて、これが金属片と木片の音なのか。

MTR内蔵のドラムマシンには、ウッドブロックも木魚もないから、
身の回りにあるものを、あれこれ叩いて、かなり昔テレビ番組で、
砂で波の音を出したり、湯飲みで、馬の足音など出していたのを、
思い出し、コップやフタで木片を叩いたら、わりと近い音になった。

ジョンが付き合った67テイクでは、ダビングはしていないはずで、
翌日のポールのダビングも、ギター、ハモリ、スキャットベースで、
特にパーカッションは記録にないのだが、右のマラカスは、いつ、
ダビングしたのか、リンゴだけは、翌日にも、参加したのだろうか。

「全曲バイブル」のトラック記録は、最初は4トラックテープに録音、
①ボーカル、②ギター、③シンバル・ウッドブロック、④マラカスで、
その4トラを、8トラックにコピーして、⑤ハモリ、⑥口真似ベース、
⑦⑧リードギターとなり、パーカッションのダビングの余地はない。

鼻歌まじりの没テイクでも、マラカスが鳴っているものがあって、
基本的に、リンゴが、片手でシンバル、片手でリムショットなのか、
ウッドブロック、時折、バスドラムを鳴らしたり、タムを加えていて、
ジョンが金属片となるはずで、もう1人いないと、マラカスは無理。

しかも、マラカスはリンゴだと、どの本にも断定的に書いてあって、
いつの段階で、リンゴがダビングしたか、シンバルを叩きながら、
マラカスを振るのも、できなくはないが、そうなると、ジョンの方が、
木片と金属片に、リムショットの音まで出すことになって、不可能。

いつも書いているが、ポールに聞ければ、何も悩む必要などなく、
「ああ、あとでダビングしたよ。」とか、「スタッフのマルだよ。」とか、
納得の説明が得られる気がして、奏法解説となると、夢物語だが、
ポールによる全曲解説なんて、本人にとっては、うんざりだろうか。

この曲は、中学時代、愛用していた「ビートルズひき語り」にあり、
途中のオブリガードまで交えた編曲で、かなり原曲に近かったし、
赤青黒の表紙で出ていたバンドスコアの、青表紙にも載っていて、
どちらも、バレーのFコードから始めて、ローコードで弾いていた。

YouTubeで、ポール本人の演奏を見ると、最初、ローコードだが、
すぐハイポジションへと移ったり、C7の押さえ方が変だなと思って、
よく確認すると、全部が半音低いコード、開放弦Eコードから始め、
C7の部分も、B7だから、2弦が開放弦で、フォームが違って当然。

「レコードと違うコードで弾いている、偽物のポール。Paulではなく、
Faulだ。」と、ポール死亡説をむし返す、冗談半分のコメントもあり、
いつも弾き語りのコードを解説してくれるサイトでは、カポを使うと、
前置きして、ポールの弾いたポジション通り、解説してくれている。

「イエスタデイ」が、Fのバレーで始まって、初心者が苦労したのに、
実際は、1音下げチューニングにし、Gを押さえていたのと同様に、
「アイ・ウィル」は、カポタストを使うか、半音上げチューニングにし、 
Fのバレーでなく、開放弦中心のEだったという、これまた変則技。

自分は耳コピが苦手で、ハーモニー感覚もないから、曲の暗譜は、
コードフォームの移動で覚えていて、譜面を見ないでも弾き語れる、
数少ない曲の1つの「アイ・ウィル」が、ポジションを変えた途端に、
全然弾けなくなり、それこそ67テイクですまないくらい、やり直す。

ポールの弾くマーチンD28に比べ、自分のオベイションタイプの、
モーリスのアコギは、何とも音がしょぼく、ライン録音のせいかと、
ボーカル用マイクで録音しても、変わらずガチンガチンの硬い音、
さらに、ピッキングのノイズや、ボディに触れる音まで拾ってしまう。

自分は、ピックを握る形は、親指と人差し指以外は伸ばしていて、
手首をブリッジに乗せるよりも、小指をボディに付けて支えるから、
コードストロークの際、伸ばした小指で、カチャカチャ触る癖があり、
これが、すごい雑音を出していたと、今さらながら、気づいて反省。

リードギターというか、歌の合間に、絶妙なオブリガードが入って、
ずっと12弦ギターだと思っていたら、2本のギターを重ねたそうで、
確かに、ユニゾン音のみで、オクターブ音はまったくしていないが、
ただ2本という以上に、コーラスをかけたように、音が揺れている。

12弦ギターをチューニングする時、ユニゾン弦となる1弦2弦でも、
きっちり合わせず、音程をずらした方が、音が広がるよう感じるが、
ポールも、ずらしたのか、チェンバロ、ホンキートンクピアノのよう、
さらに、弦がびびったような響きもして、カポをずらし気味にしたか。

自分も真似して、カポをつけて、1本目は、正しいチューニングにし、
2本目は、ややピッチを上げ録音するが、不協和音になってしまい、
自分の思い込みの説は却下し、MTR内蔵エフェクトで、コーラスと、
ダブリングを使うが、音が素直すぎて、ポールの出す音には程遠い。

また、リードもコードのストロークも、ポールのノリ、タイム感は見事、
何となく、もたったような感じだが、小節の頭はちゃんと合っていて、
自分が真似すると、リズム音痴で、走ったり、遅くなったりするので、
ジャストのノリで演奏したが、ジャストかどうかも、自分のは危ない。

コードストロークは、メロディが弱起で、前の小節から、くっていても、
普通に頭で刻むようで、ついつい、裏拍から弾いては、やり直すが、
この伴奏は、重ねていないはずなのに、ときおり、裏拍や低音のみ、
アクセントのように入ってきて、リズムギターも、2本重ねた気もする。

どうせだから、覚えたてで、何度もやり直した、ポールの1音下げて、
ハイポジも使うコードで弾いたの加えて、昔から、ずっと弾いてきた、
カポなし、Fコードから始まる、ローコードのフォームでダビングして、
自分の貧弱なコードストロークを、少しは分厚い音にごまかしておく。

基本は、ポールの弾き語りながら、ジョンとリンゴが打楽器で参加し、
ギターとハモリが、ジョンでは駄目だったのか、ポールが多重録音の、
「アイ・ウィル」は、短い小品ながら珠玉の名曲で、昔から好きな曲、
ギターもかなり難しく、何よりポールの歌声は、自分にはきついです。



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まいどです
まずはおつかれでした!

この曲は私も好きでよく唄いましたけど、ツボはやはり
リップベースですかね。
私にはメインヴォーカルはむしろ抑え気味のシングルトラック
なのに、このリップベが、ダブルノートで曲の外形を
象ってるように聴こえてました。
しかもダブルリップ(?)の片割れが、バスドラ代わりの
木魚にシンクして、サウンドに膨よかな安定感をもたらして
ますから、ナカナカ巧妙な仕掛けが設えてあって、実になんとも
ポールマッカートニーはあざとい!...なんて思ってましたね(笑。
そういうわけで、いつも通りとても品良く仕上がっており、
その点はさすがだな!と思うんですが、マッカの曲はむしろ
エゲツナイくらいのリップベースのフラム感というかユラギ感
の表現や、低音部保全が、逆に似せるのには効果があるように
思いました。

何はともあれ今回も楽しませていただきました!
ありがとうございました。

pipco1980 | URL | 2016/02/14/Sun 01:23 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。


> まずはおつかれでした!


ありがとうございます。


> この曲は私も好きでよく唄いましたけど、ツボはやはり
リップベースですかね。
私にはメインヴォーカルはむしろ抑え気味のシングルトラック
なのに、このリップベが、ダブルノートで曲の外形を
象ってるように聴こえてました。
しかもダブルリップ(?)の片割れが、バスドラ代わりの
木魚にシンクして、サウンドに膨よかな安定感をもたらして
ますから、ナカナカ巧妙な仕掛けが設えてあって、実になんとも
ポールマッカートニーはあざとい!...なんて思ってましたね(笑。
そういうわけで、いつも通りとても品良く仕上がっており、
その点はさすがだな!と思うんですが、マッカの曲はむしろ
エゲツナイくらいのリップベースのフラム感というかユラギ感
の表現や、低音部保全が、逆に似せるのには効果があるように
思いました。




おっしゃるとおり、ほとんどのビートルズ本の解説でも、
リップベースがすごいと、口をそろえて絶賛しています。

右チャンネルから、低音の音圧を上げたかのような音で、
「ドゥン、ドゥーン」と、派手にタンギングするように、
響いてくるリップベースが、この曲を左右していますね。



> 何はともあれ今回も楽しませていただきました!
ありがとうございました。


こちらこそ、お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/02/14/Sun 07:35 [編集]
またまた完璧です
ギターマジシャンさん こんばんは。

まさに、ポール節炸裂の曲ですね。
私もこの曲は大好きです。
「ビートルズ弾き語り」で弾いていた記憶はありますがオブリガードが弾けなかったと記憶しています。また、ジョンは金属片を木片で叩いていたとか。
67Takeもやっていたとはやはり仲が良かったとしか考えられませんね。
またまた完璧の歌と演奏を聞かせていただきありがとうございました。
マサジョン | URL | 2016/02/14/Sun 21:09 [編集]
Re: またまた完璧です
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん こんばんは。
まさに、ポール節炸裂の曲ですね。
私もこの曲は大好きです。


ポールのメロディメイカーとしての本領発揮ともいえる、
本当に見事なメロディで、そのうえアレンジも秀逸です。



> 「ビートルズ弾き語り」で弾いていた記憶はありますがオブリガードが弾けなかったと記憶しています。また、ジョンは金属片を木片で叩いていたとか。
67Takeもやっていたとはやはり仲が良かったとしか考えられませんね。


オブリガードは、ゆっくりのようで素早い装飾音もあり、
弾き語りでは無理で、別録音でも、何度もやり直しです。

ジョンとポールは、何だかんだ言っても仲良いですよね。



> またまた完璧の歌と演奏を聞かせていただきありがとうございました。


まだミスも多い演奏ですが、お聞きいただきありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2016/02/14/Sun 23:02 [編集]



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