僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
サントラ盤に収録なのに、映画からはカットされた「ヘイ・ブルドッグ」
ビートルズに限ったことではないが、一番好きな曲は何か、
一番好きなアルバムは?、といった質問は、よくあることで、
自分の場合、なかなか順位はつけにくくて、即答できないし、
実際、その時の気分で、好きな曲など、けっこう入れ替わる。

中学時代から、ビートルズに捨て曲なし、という持論なので、
「一番嫌いな」という言い方になると、ちょっと語弊があるが、
一番聴かないアルバムはと、問われたら、何も迷うことなく、
「イエロー・サブマリン」と答えて、大半のファンも同様だろう。

これは、アニメ映画の「イエロー・サブマリン」のサントラ盤で、
「ビートルズがやってくる」や「ヘルプ」の、米国編集盤と同様、
B面はオーケストラ演奏だし、A面の6曲のうち、新曲は4曲、
残り2曲は既発売曲で、正規アルバムよりは企画ものに近い。

87年のCD化に伴って、各国が勝手に編集して出したLPを、
世界統一にする際、このアルバムも、公式15枚に加わるが、
そのボックスセットを買ってなければ、自分は、B面の演奏は、
一生聴かなかったかもしれず、もちろんLPでも聴いていない。

ビートルズに夢中だった中学時代でさえ、友人から借りたり、
テープに録ることはなく、4曲は、バラバラにラジオから録音、
今聴いたら、マーティンのオーケストラは、まさに映画音楽で、
ジブリやディズニーを彷彿させ、悪くはないなと反省するが。

ビートルズ本人たちも、アニメーション映画には興味がなくて、
ペパーズで没になった曲を渡し、お茶を濁したようなのだが、
その中にあっても、「ヘイ・ブルドッグ」1曲だけは、光っていて、
この1曲のために、アルバムを買う価値があるという人もいる。

「ヘイ・ブルドッグ」は、数奇な運命の曲と呼ぶと、大げさだが、
サントラ盤に収録されているのに、映画からはカットされるし、
録音風景の映像は、「レディ・マドンナ」のフィルムに使われて、
アニメ、ミュージックフィルムともに、この曲が流れてはこない。

もともと、「レディ・マドンナ」の撮影のため、4人が集まった際、
どうせ、全員揃って、スタジオで演奏するなら、当て振りでなく、
新曲を録音してしまおう、その風景をテレビ用に使えばよいと、
「レディ・マドンナ」と関係なく、ジョンの曲をみんなで仕上げた。

ジョンお得意の無意味な単語を並べた歌詞で、1番に出てくる、
「Bullfrog(ウシガエル)」から、「ヘイ・ブルフロッグ」の題名で、
ポールが犬の遠吠えを真似したことから、ブルドッグに変わり、
エンディングでは、2人仲良く、犬の声と笑い声とで掛け合いを。

たった10時間で完成させた曲は、こうして歌詞を変えてみたり、
ピアノやギターをどうするか、リハーサルしつつ、固めていって、
これこそ、作曲がジョンであろうと、ポールであろうと、4人の曲、
ビートルズの楽曲として成立する姿で、解散後ではありえない。

この録音風景は、「レディ・マドンナ」のフィルムに使われたので、
長らく、「レディ・マドンナ」のリハーサル、当て振りだと思われて、
後になって、「ヘイ・ブルドッグ」だったと判明したと、本にあるが、
自分は、「レディ・マドンナ」のフィルムの存在さえ知らなかった。

中2の74年発売、バイブルのように読んだ「ビートルズ事典」も、
プロモーション・フィルムの欄に、「レディ・マドンナ」は載ってなく、
95年末に「アンソロジー」のテレビ放映で見た時も、もともとある、
フィルムではなく、番組用に編集した映像だとばかり思っていた。

「ヘイ・ブルドッグ」の全フィルムが、99年に見つかって、新たに、
PVを作ったそうだが、それも知らなくって、「ビートルズ1+」が、
昨年末に華々しく発売されたので、やっと、「レディ・マドンナ」と、
「ヘイ・ブルドッグ」の映像を、2つとも、じっくり見ることができた。

「レディ・マドンナ」については、この曲を演奏する際、語るとして、
「ヘイ・ブルドッグ」は、全部のフィルムが見つかったという割に、
演奏とシンクロしていない部分ばかりで、リハーサルの風景や、
ダビングの風景をランダムに撮影して、通しでは撮ってない感じ。

ピアノを弾くジョンの後ろで、ポールがベースを弾いてはいるが、
この曲のピアノは、ポールじゃないのか、ベースにしても、当時、
あとからポールが1人で、ダビングしていたんじゃないか、特に、
この曲みたいにベースラインが目立つ曲は、余計、そんな気が。

リンゴが、ドラムに布を載せて叩いているのは、昔から言われた、
バスドラムに毛布を詰め込む以外に、こんな工夫もと感心するし、
ポールはタンバリンを2個持って、間に布切れをはさんで叩いて、
これまた感心する場面で、これは、実際の録音中の映像だろう。

ギターに関しては、ジョンはカジノを弾き、ジョージに借りたのか、
ギブソンSGを弾く場面もあり、ジョージも、SGでリフを弾いたり、
ハイポジションで、リードらしきフレーズを弾くが、音と合わないし、
コードを弾く場面も多いが、この曲で、コードが鳴る箇所はない。

編集していない映像があり、その際に音声も録音していたなら、
全部を公開して欲しいと思うが、他のフィルムでも小出ししたり、
だいたい、レコーディングの未発表音源も、出し惜しみされるし、
ゲットバックセッションの全貌もつかめない現在、夢のまた夢か。

この映像で、ジョージが弾いたワインレッドのSGは、それ以前の、
「レイン」や、「ペーパーバック・ライター」のフィルムでも使われて、
ビートルズ大会などで、映像を見ることはなかったが、写真集に、
鮮やかなカラー写真が出ていて、中学生にはため息ものだった。

自分が高校入学祝に、リッケンバッカー325を買ってもらった時、
二人きりのビートルズコピーバンドで、ジョージ役だった同級生は、
本物のギブソンで、ワインレッドのSGを買って、音もすごく良くて、
高校でのバンド活動を考えると、グレッチにしなくて、正解だろう。

今は、ジョージ役とは、年賀状のやりとりをするだけの間柄だが、
今年の年賀状には、SGを抱えて、親父バンドでステージに立つ、
ジョージ役の勇姿が出ていて、SGは処分せずに持っていたんだ、
演奏を続けていたんだなと、何だか、すごく嬉しく、幸せな気分に。

本物の(?)ジョージが、SGで弾いたとされる、間奏のリードには、
「タックスマン」などと同様に、ポールが弾いた説があるそうだが、
ポールならば、もっと音色をウーマントーンのように、こもらせたり、
チョーキングを多用したり、ピッキングのアタックも強いように思う。

フレーズから言うと、和音が混ざり、「ユー・キャン・ドゥ・ザット」の、
ジョンのリードギターに近くて、音をよく聴くと、2本のギターの音で、
ところどころ、ずれているから、「ひとりぼっちのあいつ」のように、
ジョンとジョージでユニゾンとか、これまた謎が膨らんでいくばかり。

ポールのベースは、スタッカート気味のうえに、モコモコした音色で、
リッケンバッカーベースは、ゴリゴリした音というイメージがあるので、
冗談半分で、ネックにタオルでも挟むかと考えるが、YouTubeでは、
達人の模範演奏に、「右手のブリッジミュート」の解説が書いてある。

さらに、サビの部分、バンドスコアで、スタッカートとビブラートとの、
指示があるところは、同じ弦の2フレットから7フレットを行き来して、
ビブラートをかけているのがわかって、普通に弾いて録音したのを、
全部をミュートしたり、ポジション移動を再現して、やり直すはめに。

イントロの、低音を強調したピアノは、原曲のような迫力が出なくて、
ギターシンセの音色のせいなのかと、イコライザーなどをいじっても、
なかなか上手くいかず、左手のパートのみ、2回重ねて演奏したが、
やはり音が丸くなってしまって、シンセでは本物のピアノに勝てない。

最後のジョンとポールの掛け合いは、フィルムと声が一致していて、
こんな風に2人仲良く並んで、マイクに向かってやりとりしたのかと、
見ているだけで嬉しく、悪ノリしつつ、ちょっと照れたようなポールに、
とにかく、はじけまくるジョンのどちらも、本当に楽しそうにしている。

それを、雨戸を閉めた部屋で、一人きりで多重録音するというのは、
何とも、むなしい作業で、掛け合いになるように、各台詞の出だしを、
楽譜に起こして、何度も交互に録音し直しては、調節していったが、
犬の遠吠えはともかく、ジョンの狂喜の高笑いは、再現できなかった。

主旋律のハモリは、ジョンとポールのどちらが上か、説が分かれて、
普通はポールが上で間違いないが、上はジョンのトッポジージョ声、
下はポールのバリトン声に聴こえて、YouTubeの達人、ビートルズ・
ヴォーカル・ハーモニーでも、「Hi」と「Low」の表記で、特定してない。

自分の場合、ジョンとポールのどっちが上だろうと、1人で歌うが、
確実にジョンが歌う、ハモっていない部分を、上に続けて歌うのか、
下に続けるのかで、録音するトラックは変わるから、上のパートが、
ジョンだと判断して録音して、定位も上と下とで、多少ずらしている。

映画からカットされて、「行方不明になった曲」という呼ばれ方もした、
「ヘイ・ブルドッグ」は、まだ4人が結束し、作り上げていた頃の曲で、
ジョンとポールの息もぴったり、自分はラップ風掛け合いも苦手なら、
ハモリも今一歩で、ギターとベースは何とか似たかと、アップします。



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毎度です
いやはや、会心作ですね!
この曲の(ビートルズ的には久しぶりに)溌剌として
涙が出るほど和気藹々とした雰囲気が、とても心地良く
聴こえました。

やっぱポイントはミュート&ピッキングベースとSG独特の
立ち上がりの早い音色の再現でしょう。
どちらもさすがの仕上がりで驚いてます。私など、まあずーっと、
リッケンのベースって、ミューター付いてたかなあ?
ヘフナーなら付いてるんだけど…ううむ、謎だあ!?
なんて思いながら聴いてたのと、
SGのクセ(まあ好みが分かれる部分だけど私は好き!)
も、うまくでっち上げちゃってるし、文句なしです!

ソロはやっぱジョージですね!

取りあえずお疲れさまでした。

なんか急にBaby You're Richmanが聴きたくなってきました…。
pipco1980 | URL | 2016/01/16/Sat 22:23 [編集]
Re: 毎度です
いつも、コメントありがとうございます。


> いやはや、会心作ですね!
この曲の(ビートルズ的には久しぶりに)溌剌として
涙が出るほど和気藹々とした雰囲気が、とても心地良く
聴こえました。


映像で見ると、本当ジョンとポールは和気藹々として、
ずっと、こうあってくれたら良かったのにと思います。



> やっぱポイントはミュート&ピッキングベースとSG独特の
立ち上がりの早い音色の再現でしょう。
どちらもさすがの仕上がりで驚いてます。私など、まあずーっと、
リッケンのベースって、ミューター付いてたかなあ?
ヘフナーなら付いてるんだけど…ううむ、謎だあ!?
なんて思いながら聴いてたのと、
SGのクセ(まあ好みが分かれる部分だけど私は好き!)
も、うまくでっち上げちゃってるし、文句なしです!



ベースのミュートについては、YouTubeさまさまで、
それこそ、タオルかバンダナでもネックに巻こうかと、
あれこれ悩んだのも一発解消、すごく助かりましたし、
SGの音は、レスポールで歪みを軽めにしてみました。



> ソロはやっぱジョージですね!


ソリッドな感じが、ジョージの弾き方でしょうね。



> 取りあえずお疲れさまでした。


お聴きいただき、ありがとうございます。


> なんか急にBaby You're Richmanが聴きたくなってきました…。


この曲は、「ヘイ・ブルドッグ」とは逆で、映画で流れたのに、
サントラ盤には未収録、米盤マジカルでB面採用となりましたね。
ギターマジシャン | URL | 2016/01/17/Sun 00:18 [編集]
最高です
ギターマジシャンさん こんばんは。

“ヘイ・ブルドッグ”が聞きたいばかりに購入した口です。
この曲はそれだけ魅力がありましたね。
残念ながらケルベロスのシーンはカットされましたが近年公開されてましたね。
お疲れ様でした。
いつもの完コピに驚きです。
マサジョン | URL | 2016/01/17/Sun 17:52 [編集]
Re: 最高です
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん こんばんは。
“ヘイ・ブルドッグ”が聞きたいばかりに購入した口です。
この曲はそれだけ魅力がありましたね。


「ヘイブルドッグ」は、このサントラ盤にしか収録されていないので、
やはり、この1曲のためだけに購入される人も、いらっしゃるのですね。


> 残念ながらケルベロスのシーンはカットされましたが近年公開されてましたね。


カットされたシーンはDVDで復活したそうですが、そうなると逆に、
カットしたバージョンと見比べたくなり、両方を収録してほしいです。



> お疲れ様でした。
いつもの完コピに驚きです。


YouTubeの達人たちの完コピレベルには、まだまだですが、
歌以外は、少しずつ原曲に近づくコツをつかんできました。
ギターマジシャン | URL | 2016/01/17/Sun 19:53 [編集]
昔、マルコシアス・バンプでしたっけ?ベースの人が手袋つけて弾いてましたよね?あれって音をミュートさせるためなのか?指を保護するためなのか?
もしかしたら手袋つけて弾いたら近い音が出たりして^^;
マジェ | URL | 2016/01/23/Sat 22:11 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> 昔、マルコシアス・バンプでしたっけ?ベースの人が手袋つけて弾いてましたよね?あれって音をミュートさせるためなのか?指を保護するためなのか?
もしかしたら手袋つけて弾いたら近い音が出たりして^^;



マルコシアスの場合は、衣装も含めて、ルックス重視なのでしょうが、
指弾きなのに右手も手袋で、逆によく弾けると、その実力に脱帽です。

友人が、左手にタオルを巻けば、通常のベースでも、フレットレスの、
こもった音を出せると言い、発表会で演奏していて、びっくりでした。
ギターマジシャン | URL | 2016/01/23/Sat 23:14 [編集]



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