僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
自分たちの歌をジョンがパロディ化したような「グラス・オニオン」
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、
サイケデリック・ブームを象徴するような、派手なジャケットで、
続く「マジカル・ミステリー・ツアー」でも、カラフルだったところ、
一転して、シンプルな、真っ白いジャケットのアルバムが出る。

2枚組なので、見開きになるが、外側は、表も裏も、白一色で、
表は、刻印のように、「THE BEATLES」の文字が浮き上がり、
右下隅にシリアル番号が印刷されているのみ、裏は何もなく、
中を開いても、曲名と、4人の白黒写真が、さりげなくあるだけ。

アルバムタイトルも、まんま「ザ・ビートルズ」と単純だったから、
そのジャケットから、通称「ホワイト・アルバム」と呼ばれていて、
中身はというと、逆に、何でもかんでも、入れてやるとばかりに、
ロックやフォークにとどまらない、アバンギャルドな作品もある。

中学の頃、最初は青盤の時代、後期の曲にはなじめたかったし、
特に、このアルバムは、2枚組で曲が多すぎるのと、よく言えば、
あらゆるジャンルを網羅となるが、何だかバラバラな感じがして、
A面だけでやめたり、まして2枚目まで通して聴くことはなかった。

もちろん、今も昔も、ビートルズに捨て曲なしの持論は変わらず、
気に入っている曲も多いが、正直、「レボリューション9」となると、
一度聴いたら十分、繰り返し聴くような曲ではないと思っていて、
ただ、たまに聴きたくなる、不思議な曲というかサウンドと言える。

渋谷陽一が新潮文庫「ロック・ベスト・アルバム・セレクション」で、
「各メンバーが好きな事をやり、それをビートルズ風にアレンジし、
寄せ集めた2枚組」とか、「最後にビートルズとしてのオブラートを、
体裁的にかぶせた曲ばかり」と評しているのは、ものすごく同感。

8トラックレコーダーの導入で、今まで以上に多重録音が可能で、
全員が一緒に演奏する必要はなくなるうえに、やたら音を重ねて、
最初のテイクへ手を加えたりと、各人が好き勝手にやり始めると、
後のゲット・バック・セッション同様、険悪な雰囲気になったらしい。

これまた、近年のビートルズ本で知った話が、あまりの険悪さから、
リンゴがビートルズをやめると言って帰ってしまうが、残った3人で、
録音は継続、ポールがドラムを叩き、「バック・イン・ザ・USSR」と、
「ディア・プルーデンス」は、そのままリンゴ抜きで完成させている。

ただ、そのまま、残り全部の曲を、ポールのドラムや代役をたてて、
アルバムを完成することはしないで、ジョンが電話、ポールは電報、
ジョージがドラムに花束を飾ったりと、リンゴを呼び戻すことにして、
「ヘイ・ジュード」のプロモーションビデオの撮影から、復帰してくる。

そして、リンゴが復帰しての、最初の録音は、「グラス・オニオン」で、
あえて意識したのか、脱退騒動前に、十数曲を録音しているのに、
アルバムは、ポールがドラムを叩いた2曲で始まって、次がこの曲、
リンゴの復帰を告げるごとく、力強いスネアの音から、曲は始まる。

「君に、ストロベリー・フィールズの話をしたよね。」と、ジョンが歌い、
これまでのビートルズの曲のタイトルを、いくつか折り込んだ歌詞は、
「ルーシー」や「ウォルラス」といった、難解な詩を解読しようと試み、
そこに隠された意味を、見つけようとする風潮を、からかったらしい。

ところが、逆効果というか、「ウォルラスはポールだ。」と言ったから、
新たな憶測を呼ぶこととなり、黒い着ぐるみだから死の象徴だとか、
「ウォルラス」は、ギリシャ語で死体を意味するだとの、こじつけられ、
ポール死亡説の一つとなって、ジョンは、かえって、ほくそ笑んだか。

「マジカル」の映画で、「ウォルラス」の演奏場面を見れば一目瞭然、
ピアノの前に座ったジョンが、そのまま、セイウチの着ぐるみになり、
ポールは、手前でベースを弾くのだから、ジョンがウォルラスなので、
いったい、どんなつもりだったかと思うが、本人が経緯を語っている。

解散後の70年のインタビュー、「ビートルズ革命」の中で、ジョンは、
「ポールに対して、なにか彼をほめるようなことでも言っておこうかと、
思ったのです。この数年、私たちを一つにまとめてよくやってくれた。
このアルバムの功績は、きみのものにしてくれという感じでした。」と。

中山康樹が、「これがビートルズだ」で、「ウォルラス」を解説した際、
「セイウチになって楽しいか?」と書いたが、さらに、ポールにしても、
自分の方がセイウチと言われて、どうだったのか、ジョンから見れば、
この傑作をポールにしてやったのさ、というほど自信作だったのか。

「ねえ、ジョン、これさあ、いちご畑や、丘の上の愚者を話をしたって、
歌詞にしているけど、『フール・オン・ザ・ヒル』は、僕の書いた曲だし、
あとに出てくる、『フィキシング・ア・ホール』や、『レディ・マドンナ』も、
僕の曲じゃないか、君が作った曲みたいにしないでよ。」と、ポール。

「ああ、そのかわりにさ、セイウチはポールだよって、言っておいたし、
おあいこみたいでいいじゃないか、それに、ポールが歌う曲なのに、
俺が話したんだよなって言うのも、うるさい連中を混乱させるしね。」
とでも、勝手な理屈をつけたんじゃないかと、想像したくなってくる。

ポールにしても、ジョンがそう言うなら、まあ、いいかと気を取り直し、
それじゃあとばかり、「フール・オン・ザ・ヒル」の歌詞が出る箇所で、
原曲と同じようにリコーダーを吹いて、しかも、小学生が吹くような、
雑な音にすることで、自分で自分を茶化していますよ、とアピール。

録音は、ジョンのアコギ、ジョージのエレキギター、ポールのベース、
リンゴのドラムと、再び4人が揃ったのを祝うごとく、一緒に演奏して、
マーティンが、「ストロベリー」や「ウォルラス」の雰囲気が出るような、
ストリングスを編曲、ジョンのパロディ路線を、さらに補強してくれた。

険悪なムードだったと、今日では言われる「ホワイト・アルバム」だが、
パロディで遊ぶ、ジョンとポールのやりとりくらい、あったんじゃないか、
何曲かは、全員せーので、気の合った演奏も、していたんじゃないか、
そう思いたいのは、ファン、自分の身勝手な願望にすぎないだろうか。

「ホワイト・アルバム」から、一時脱退したリンゴが、復帰しての演奏、
「グラス・オニオン」は、ジョンのパロディ満載の歌詞が、特徴ながら、
ジョージの切り込んでくるカッティング、ポールのゴリゴリのベースに、
力強いドラムと、なりきりジョンの歌声以上に、演奏が難しい曲です。



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毎度です
うひょー!こんなに派手に滑ってたっけ!?ってくらい
華やかなストリングス(ブラスも混じってますね)のポルタメント
全く見事です!。なんだかビートルズっていうよりテイストが
後期のXTCみたいでした!。いやはやいやはや、コピー飛び越えて
面白かったです!。自分もネットリと唄いたくなっちゃいましたよ
「オウウウいえあーーーー」!。
pipco1980 | URL | 2015/10/17/Sat 21:52 [編集]
Re: 毎度です
いつも、コメントありがとうございます。


> うひょー!こんなに派手に滑ってたっけ!?ってくらい
華やかなストリングス(ブラスも混じってますね)のポルタメント
全く見事です!。なんだかビートルズっていうよりテイストが
後期のXTCみたいでした!。いやはやいやはや、コピー飛び越えて
面白かったです!。自分もネットリと唄いたくなっちゃいましたよ
「オウウウいえあーーーー」!。



ストリングスのパートは、ギターシンセを使って弾いているので、
そのままフレット上で移動すると、音程が半音階ずつになるから、
スライドバーを使って、つい、派手なポルタメントになりました。

この曲のジョンの歌声は、まさにネットリと歌うのがふさわしく、
真似てみましたが、自分がやるとひどすぎて、普通に戻しました。



ギターマジシャン | URL | 2015/10/17/Sat 22:52 [編集]
脱帽です。
ギターマジシャンさん こんばんは。

なんと、楽しく聞かせていただきました。
歌詞が面白く、演奏も見事でウキウキしてきます。
やはり、リンゴのドラムは聞けばわかりますね。

マサジョン | URL | 2015/10/17/Sat 23:14 [編集]
Re: 脱帽です。
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん こんばんは。
なんと、楽しく聞かせていただきました。
歌詞が面白く、演奏も見事でウキウキしてきます。
やはり、リンゴのドラムは聞けばわかりますね。



ジョンのパロディ精神が、見事に結実した曲の一つでしょうし、
復帰したリンゴのドラムは、スネアの独特の響いた音色といい、
ハイハットのタイミングといい、存在感がたっぷりの演奏です。
ギターマジシャン | URL | 2015/10/17/Sat 23:32 [編集]
おっ!きましたね。
私の場合、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」 を飛ばしていたアルバムで、
多分ですが、一番聴いたアルバムだと思います。特にこの曲は好き。
ライブハウスで知り合った方が「ひねくれている」と私のコード進行を
云われたのですが、このあたりにルーツがあるのかと思ったりも、、。

ギターシンセは何を使われておられますか?その使用感も触りで構わ
ないので聞きたいところです。

こういった曲までカバーが聴けるのは嬉しいです。
歌声が近く、私にはイイ感じです。


ロッシー | URL | 2015/10/19/Mon 01:52 [編集]
Re: おっ!きましたね。
いつも、コメントありがとうございます。


> 私の場合、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」 を飛ばしていたアルバムで、
多分ですが、一番聴いたアルバムだと思います。特にこの曲は好き。
ライブハウスで知り合った方が「ひねくれている」と私のコード進行を
云われたのですが、このあたりにルーツがあるのかと思ったりも、、。



おそらく、「ホワイトアルバム」を一番聴いた人というのは少ないでしょうし、
ファン離れを起こしそうな曲調の中で、「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」が、
一番大衆にヒットした作品でしょうから、確かに「ひねくれている」かもです。



> ギターシンセは何を使われておられますか?その使用感も触りで構わ
ないので聞きたいところです。



96年に買ったローランドGR-30を使っていて、手持ちギターに、
専用ピックアップをつけているせいか、かなりレスポンスは遅いです。

ピックアップ内蔵のギターにすれば、レスポンスが多少は良くなるのか、
このシンセ本体や、専用ピックアップの限界なのかは、わかりませんが、
シンセ部分も一体型になったカシオのほうが、レスポンスは良かったです。

このカシオのPG300は、電源が入らなくなり、メーカーも撤退して、
修理できないので、そのままですが、MIDIコントローラーとしても、
レスポンスはよく、ただ音源がしょぼい音ばかりで、それが難点でした。

GR-30は、当時としては、かなりリアルな音源が入っていたので、
PG300にサンプラーをつなごうか迷った末、GRを買ったのですが、
何と言っても、レスポンスの遅さと誤変換(?)がストレスの元です。




> こういった曲までカバーが聴けるのは嬉しいです。
歌声が近く、私にはイイ感じです。


中学時代に、ジョージと二人きりのビートルズコピーバンドで、
全曲コピーを目指したので、隠れた名曲にも挑戦していきます。
ギターマジシャン | URL | 2015/10/19/Mon 19:02 [編集]
つい最近?何かの記事で「ポールはずっとソックリさんの偽物だった」なんてのを見た気がしますが、この辺のBEATLESがややこしい内情を抱えていた時代の遺物だったんですね^^;
今回もGoodな仕上がりですね。特にストリングスが被さってくる辺りのMIX、お見事です!!(*´∀`*)
マジェ | URL | 2015/10/19/Mon 22:37 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> つい最近?何かの記事で「ポールはずっとソックリさんの偽物だった」なんてのを見た気がしますが、この辺のBEATLESがややこしい内情を抱えていた時代の遺物だったんですね^^;



何を今さら、という感じで出てきた、ポール死亡説の再浮上で、
しかも、リンゴの証言とあって、どこまでふざけているのだか、
もし今のポールがそっくりさんだったら、亡くなった本人より、
作曲も演奏も才能があったという、皮肉な結果になりますよね。



> 今回もGoodな仕上がりですね。特にストリングスが被さってくる辺りのMIX、お見事です!!(*´∀`*)


ビートルズの原曲は、ステレオの定位が、左右にかっちり分かれたりしますが、
自分の場合、左右に振りつつ、センターに寄せたり、ちょっと今風にしてます。
ギターマジシャン | URL | 2015/10/20/Tue 02:05 [編集]



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