僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。 旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
64年のLP「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」は、
翌年発売の「ヘルプ!」と同様に、ビートルズの主演映画の、
サウンドトラック盤という性格で、A面には映画で使用した曲、
B面は、アルバム用の新曲や、映画未使用曲で占められた。
悪名高き(?)米盤では、イギリスで発売されたアルバムから、
勝手に曲数を減らしては、浮いた分で、別のアルバムを出す、
それが慣例だったし、映画のサントラ盤は、映画の曲のみに、
オーケストラの演奏を加えて、アルバムの形に仕上げていた。
さらに、「ハード・デイズ・ナイト」として、サントラを出したのに、
「サムシング・ニュー」という、映画の曲を含んだアルバムだの、
なぜか「恋におちたら」と、「キャント・バイ・ミー・ラブ」の2曲を、
シングル主体の編集盤「ヘイ・ジュード」にまで、収録していた。
日本編集盤は、デビューからの1・2枚目は、ジャケット写真が、
ほぼ米盤と同じだが、曲目は全く違って、その際に漏れた曲を、
「ビートルズNo.5」として出す以外、「ヤァ!ヤァ!~」からは、
基本的には、本国イギリス盤と、同じ曲目で出すようになった。
B面の5曲目となる、ジョンの曲「ユー・キャント・ドゥ・ザット」は、
もともとは、映画に使われる予定で、最後のコンサート場面で、
撮影もされたのだが、没になったようで、ジョンは自信作なのに、
シングル盤でも、ポールの曲がA面にされ、どう感じていたか。
シングルA面は、ポールの歌う「キャント・バイ・ミー・ラブ」だが、
この場合、A面・B面ともに、「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」に収録の曲、
シングル盤をアルバムに入れないという、ビートルズの主義は、
どこへ行ったのか、サントラ盤は例外なのか、これもまた謎に。
パリで録音済みの、「キャント・バイ・ミー・ラブ」へのダビングと、
「ユー・キャント・ドゥ・ザット」の録音は、ジョージ21歳の誕生日、
64年2月25日で、その記念でもないが、同月プレゼントされた、
リッケンバッカー12弦ギターを、その日に、初めて使ったらしい。
そのサウンドが余程気に入ったのか、LPの大半の曲で使って、
次の「フォー・セール」でも多用、「ヘルプ」以降は、飽きたのか、
ほとんど弾かず、「ラバーソウル」収録、日本公演でも演奏した、
「恋をするなら」が、ビートルズ時代で、12弦を使った最後の曲。
そもそも、前期なら、ジョンがリッケン325で、ポールはヘフナー、
後期なら、カジノにリッケンベースと、トレードマークとなるような、
同じ楽器を使い続けるのに比べ、ジョージは、昔から、けっこう、
ギターを持ち替えていて、ギタリストとしてのこだわりだったのか。
「ユー・キャント・ドゥ・ザット」では、ジョージが12弦ギターを使い、
リフを弾き続けることもあってか、リードギターはジョンが弾いて、
「涙の乗車券」や、「タックスマン」で、ポールがリードを弾く前に、
ジョンもリードを弾いたわけで、ジョージの立場は、ちょっと微妙。
解散後の回想で、「ゲット・バック」でリードギターを弾いたことを、
「ポールは、人に親切にしたくなると、いつでも、ソロのパートを、
くれました。」と語って、「A面の大部分を、自分が取ってしまって、
申し訳なく思っているとか、そんなようなときに~。」と、続けた。
ポールの曲が大半で、その分、ジョンがリードギターを弾くとは、
そんな曲が、あったろうかと思いつつ、ジョンが牽引していた頃、
このアルバムは、A面どころか、大半の曲がジョンの作った曲で、
しかも、リードギターとは、ジョンとポールの性格の違いだろうか。
この曲での、リードギターは、コードを主体に、弦をかき鳴らして、
2本の弦をチョーキングしたり、ワイルドというか、泥臭いというか、
ジョージとは違った独特の味わいがあるが、自分の演奏となると、
微妙な音程、ニュアンスが出ないし、こじんまり、こぎれいになる。
YouTubeには、ライブ映像があり、ジョンが珍しくリードを弾くのに、
なぜカメラマンが写していないと、さかんに怒りのコメンがあるが、
当時は、ギターソロだから、ギタリストの手元をアップにするとか、
楽器をやる人向けの発想が、そもそも、なかったのではと思える。
70年代の、レッド・ツェッペリンや、ディープパープルの映像でも、
アドリブを弾きまくる、ジミー・ペイジや、リッチー・ブラックモアより、
体を揺すっているヴォーカリストを、カメラが追っていることがあり、
がっかりするが、世間一般では、ヴォーカルが主人公ということ。
この曲でも、リードを弾くジョンの手元よりは、コーラスをしている、
ポールとジョージを写すほうが、当然のカメラワークなのだろうし、
さらに、映画での未公開映像となると、あて振り、口パクだろうが、
演奏する4人より、歓声をあげる客席がメインとなり、何ともはや。
バンドスコアは、サビで、「green」と、一部だけ3声になるところで、
ジョージのパートが省略されているので、いつものYouTubeにある、
ビートルズ・ヴォーカル・ハーモニーを見ると、ポールのハモリでも、
ライブの方が見事だからと、そちらも解説していて、すごく為になる。
本当に、この人はビートルズが好きなんだというのが、すごくわかり、
どの曲でも、アメイジング、フェイバリットと、嬉しそうに連発しながら、
いかに、このハモリが素晴らしいか、節回しが見事なのかと語って、
自分の英語力では、細かい部分までわからないが、熱さは伝わる。
ジョンの真似をする人には、「ユー・キャント~」は良い教材になると、
ライブ映像のジョンの顔のアップを写し、ジョンの口の開け方とかを、
解説してくれるのだが、あいにく、よく聞き取れなくて、どうせだから、
放り出したままの英会話教材、「家出のドリッピー」でも出してくるか。
ジョンの口の開け方は、映画「ヘルプ」の、「悲しみをぶっとばせ」を、
自分は、昔から参考にしていて、口を横一文字に引っ張ったようにし、
舌を前歯の裏につけるのが特徴だと思っているが、だからといって、
いまだにジョンの声にはならないし、発音にしても、勉強不足のまま。
ジョンが映画用に書き下ろしながら、没になったうえ、シングル盤も、
B面の地位に甘んじたものの、ジョン自らが、リードギターも弾いた、
「ユー・キャント・ドゥー・ザット」を、ドスの効いた声は無理としても、
ちょっと風邪気味で、しゃがれた分、少しはましかと、歌っています。
翌年発売の「ヘルプ!」と同様に、ビートルズの主演映画の、
サウンドトラック盤という性格で、A面には映画で使用した曲、
B面は、アルバム用の新曲や、映画未使用曲で占められた。
悪名高き(?)米盤では、イギリスで発売されたアルバムから、
勝手に曲数を減らしては、浮いた分で、別のアルバムを出す、
それが慣例だったし、映画のサントラ盤は、映画の曲のみに、
オーケストラの演奏を加えて、アルバムの形に仕上げていた。
さらに、「ハード・デイズ・ナイト」として、サントラを出したのに、
「サムシング・ニュー」という、映画の曲を含んだアルバムだの、
なぜか「恋におちたら」と、「キャント・バイ・ミー・ラブ」の2曲を、
シングル主体の編集盤「ヘイ・ジュード」にまで、収録していた。
日本編集盤は、デビューからの1・2枚目は、ジャケット写真が、
ほぼ米盤と同じだが、曲目は全く違って、その際に漏れた曲を、
「ビートルズNo.5」として出す以外、「ヤァ!ヤァ!~」からは、
基本的には、本国イギリス盤と、同じ曲目で出すようになった。
B面の5曲目となる、ジョンの曲「ユー・キャント・ドゥ・ザット」は、
もともとは、映画に使われる予定で、最後のコンサート場面で、
撮影もされたのだが、没になったようで、ジョンは自信作なのに、
シングル盤でも、ポールの曲がA面にされ、どう感じていたか。
シングルA面は、ポールの歌う「キャント・バイ・ミー・ラブ」だが、
この場合、A面・B面ともに、「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」に収録の曲、
シングル盤をアルバムに入れないという、ビートルズの主義は、
どこへ行ったのか、サントラ盤は例外なのか、これもまた謎に。
パリで録音済みの、「キャント・バイ・ミー・ラブ」へのダビングと、
「ユー・キャント・ドゥ・ザット」の録音は、ジョージ21歳の誕生日、
64年2月25日で、その記念でもないが、同月プレゼントされた、
リッケンバッカー12弦ギターを、その日に、初めて使ったらしい。
そのサウンドが余程気に入ったのか、LPの大半の曲で使って、
次の「フォー・セール」でも多用、「ヘルプ」以降は、飽きたのか、
ほとんど弾かず、「ラバーソウル」収録、日本公演でも演奏した、
「恋をするなら」が、ビートルズ時代で、12弦を使った最後の曲。
そもそも、前期なら、ジョンがリッケン325で、ポールはヘフナー、
後期なら、カジノにリッケンベースと、トレードマークとなるような、
同じ楽器を使い続けるのに比べ、ジョージは、昔から、けっこう、
ギターを持ち替えていて、ギタリストとしてのこだわりだったのか。
「ユー・キャント・ドゥ・ザット」では、ジョージが12弦ギターを使い、
リフを弾き続けることもあってか、リードギターはジョンが弾いて、
「涙の乗車券」や、「タックスマン」で、ポールがリードを弾く前に、
ジョンもリードを弾いたわけで、ジョージの立場は、ちょっと微妙。
解散後の回想で、「ゲット・バック」でリードギターを弾いたことを、
「ポールは、人に親切にしたくなると、いつでも、ソロのパートを、
くれました。」と語って、「A面の大部分を、自分が取ってしまって、
申し訳なく思っているとか、そんなようなときに~。」と、続けた。
ポールの曲が大半で、その分、ジョンがリードギターを弾くとは、
そんな曲が、あったろうかと思いつつ、ジョンが牽引していた頃、
このアルバムは、A面どころか、大半の曲がジョンの作った曲で、
しかも、リードギターとは、ジョンとポールの性格の違いだろうか。
この曲での、リードギターは、コードを主体に、弦をかき鳴らして、
2本の弦をチョーキングしたり、ワイルドというか、泥臭いというか、
ジョージとは違った独特の味わいがあるが、自分の演奏となると、
微妙な音程、ニュアンスが出ないし、こじんまり、こぎれいになる。
YouTubeには、ライブ映像があり、ジョンが珍しくリードを弾くのに、
なぜカメラマンが写していないと、さかんに怒りのコメンがあるが、
当時は、ギターソロだから、ギタリストの手元をアップにするとか、
楽器をやる人向けの発想が、そもそも、なかったのではと思える。
70年代の、レッド・ツェッペリンや、ディープパープルの映像でも、
アドリブを弾きまくる、ジミー・ペイジや、リッチー・ブラックモアより、
体を揺すっているヴォーカリストを、カメラが追っていることがあり、
がっかりするが、世間一般では、ヴォーカルが主人公ということ。
この曲でも、リードを弾くジョンの手元よりは、コーラスをしている、
ポールとジョージを写すほうが、当然のカメラワークなのだろうし、
さらに、映画での未公開映像となると、あて振り、口パクだろうが、
演奏する4人より、歓声をあげる客席がメインとなり、何ともはや。
バンドスコアは、サビで、「green」と、一部だけ3声になるところで、
ジョージのパートが省略されているので、いつものYouTubeにある、
ビートルズ・ヴォーカル・ハーモニーを見ると、ポールのハモリでも、
ライブの方が見事だからと、そちらも解説していて、すごく為になる。
本当に、この人はビートルズが好きなんだというのが、すごくわかり、
どの曲でも、アメイジング、フェイバリットと、嬉しそうに連発しながら、
いかに、このハモリが素晴らしいか、節回しが見事なのかと語って、
自分の英語力では、細かい部分までわからないが、熱さは伝わる。
ジョンの真似をする人には、「ユー・キャント~」は良い教材になると、
ライブ映像のジョンの顔のアップを写し、ジョンの口の開け方とかを、
解説してくれるのだが、あいにく、よく聞き取れなくて、どうせだから、
放り出したままの英会話教材、「家出のドリッピー」でも出してくるか。
ジョンの口の開け方は、映画「ヘルプ」の、「悲しみをぶっとばせ」を、
自分は、昔から参考にしていて、口を横一文字に引っ張ったようにし、
舌を前歯の裏につけるのが特徴だと思っているが、だからといって、
いまだにジョンの声にはならないし、発音にしても、勉強不足のまま。
ジョンが映画用に書き下ろしながら、没になったうえ、シングル盤も、
B面の地位に甘んじたものの、ジョン自らが、リードギターも弾いた、
「ユー・キャント・ドゥー・ザット」を、ドスの効いた声は無理としても、
ちょっと風邪気味で、しゃがれた分、少しはましかと、歌っています。
スポンサーサイト


![]() |
|
![]() 実を云うと自分の中のビートルズベスト1かもしれないのが
この曲なんです。昔は新しい楽器を購入すると、 何故だが、この曲をアレンジして演奏したりがとても多かった ように思います。例えばギターシンセを買ったら、シタール風 音色とアレンジでこの曲!って感じ。唄ってても意外に気持ち 良いんですよねこの曲…。ジョンっぽいイントネーションや シャクリをデフォルメしたりしてね…。 また演りたいナアって思いました。 pipco1980 | URL | 2015/09/06/Sun 16:15 [編集]
![]() ギターマジシャンさん こんばんは。
ジョンの傑作の一つですね。 カットはされましたが、ビートルズスーツでスカラシアターで 歌ってますからもう映画収録曲だと私は思ってます。 歌詞の内容もさることながら、他にカットするものがなかった のでしょうね。 いつもながらの完コピでさすがです。 マサジョン | URL | 2015/09/06/Sun 18:30 [編集]
![]() いつも、コメントありがとうございます。
> 実を云うと自分の中のビートルズベスト1かもしれないのが この曲なんです。昔は新しい楽器を購入すると、 何故だが、この曲をアレンジして演奏したりがとても多かった ように思います。例えばギターシンセを買ったら、シタール風 音色とアレンジでこの曲!って感じ。唄ってても意外に気持ち 良いんですよねこの曲…。ジョンっぽいイントネーションや シャクリをデフォルメしたりしてね…。 また演りたいナアって思いました。 中山康樹も「これがビートルズだ」の中で、アルバムのベストナンバー、 ジョンの全作品中でも高位置だと、辛口の著者に珍しく絶賛してますね。 pipco1980さんは、プログレからAORと幅広く精通されていますが、 地元ブルースバンドとの交流などを拝見すると、ビートルズの中でも、 こうした曲がお気に入りなんだなあと、妙に納得してしまいました。 それにしても、新しい楽器でアレンジを変えてとは、すごい入れ込みです。 ギターマジシャン | URL | 2015/09/06/Sun 18:53 [編集]
![]() いつも、コメントありがとうございます。
> ギターマジシャンさん こんばんは。 ジョンの傑作の一つですね。 カットはされましたが、ビートルズスーツでスカラシアターで 歌ってますからもう映画収録曲だと私は思ってます。 この曲を演奏する未公開映像は、そのまま映画に挿入しても違和感ないし、 何より、スカラシアターのノーカット映像が、いずれ出てほしいですよね。 > 歌詞の内容もさることながら、他にカットするものがなかった のでしょうね。 最後の演奏シーン自体が、曲をぶち切って、メドレーっぽくしているし、 嫉妬だらけの過激な歌詞は、アイドルらしくないと思われたのでしょうか。 > いつもながらの完コピでさすがです。 この曲は、バンドスコアが両方のギターをきちんと採譜してあったので、 演奏は、そこそこ再現できましたが、歌との落差だけは、まだまだです。 ギターマジシャン | URL | 2015/09/06/Sun 19:01 [編集]
|

| ホーム |