僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
オーディションに落ちたカバー曲が、最高によみがえった「マネー」
デビュー当時のビートルズは、自分たちのオリジナル曲が、
少ないせいもあって、1・2枚目のアルバムは、カバー曲が、
14曲のうち6曲と半数近いが、どれもが見事なカバー演奏、
持ち歌と呼んで良いほどで、原曲以上の出来の曲まである。

2枚目のLP「ウィズ・ザ・ビートルズ」の最後は、前作と同様、
ジョンが叫ぶ、ロックンロールのカバー曲で締めくくられるが、
前の「ツイスト&シャウト」が、録音当日の最後の最後になり、
ジョンが声をふりしぼった1テイクに対して、今回は7回演奏。

スタジオの閉まる時間を過ぎ、ジョンの声も限界になった中、
全員一丸となった迫力の「ツイスト&~」も、見事な演奏だし、
繰り返し演奏した「マネー」も、基本は全員での一発録音で、
採用されたテイク5に、あとから、ピアノを何度かやり直した。

そのジョージ・マーティンの弾くピアノが、イントロから目立ち、
BBCライブやテレビ出演での、ギターだけの演奏と比べると、
アマ時代からのレパートリーだから、手馴れたものであるが、
ピアノが入った方が、よりヘビーな感じが出て、はるかに良い。

ビートルズはデッカのオーディションの際、この曲を演奏して、
YouTubeで聴くと、バックの音は、まるでベンチャーズのよう、
真偽のほどは不明だが、「シャドウズのようなギターバンドは、
もう流行らない」が、落選の理由とされるのも、妙にうなづける。

「歴史に、『もしも』はない」とは、言い古された言葉だが、もし、
デッカのオーディションに合格したら、EMIのプロデューサーの、
マーティンと出会うこともなく、ドラムはピート・ベストのままで、
その後の音楽スタイルは、かなり変わっていたかと思えてくる。

もちろん、ジョンとポールがいるから、2人で、「抱きしめたい」、
「シー・ラブズ・ユー」のヒット曲は、世に出せたろうし、ドラムも、
遅かれ早かれ、3人との人間関係で、ピートは首だったろうが、
マーティンなくして、初期のピアノが入ったサウンドはなかった。

さらに、ヒットするように、テンポの変更、サビから始めるなどの、
編曲のアドバイスはもとより、「イエスタデイ」での弦楽四重奏に、
「イン・マイ・ライフ」のピアノ間奏、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の、
壮大なオーケストラといい、マーティンの貢献は計り知れない。

「マネー」のピアノは、原曲でも、イントロから演奏されているが、
マーティンは、コード進行を無視するかのように、同じパターンを、
繰り返し、ブルースやロックンロールの典型的スリーコードとは、
ところどころ、音がぶつかってしまい、奇妙な響きになっている。

キーがEで、E7、A7、B7とコードが動く際、ピアノのリフは同一、
それも、左手がE、右手がGから始まり、G#でないから、E7は、
Emのよう、A7では、EとGは構成音だが、主たる1・3度でなく、
B7ではEもGも不協和音で、右手のリフで途中にBが出る程度。

自分の演奏を聴くと、ギターのチューニングが合っていないのか、
コードを間違えているのかと思って、何度もギターをやり直したが、
バンドスコアのとおりに、音を追っているし、ピアノの音を消したら、
ちゃんとベース、ギターは、コード進行に沿って、音も合っている。

音楽理論に詳しい人、音感が鋭い人には、何でもないのだろうが、
キーがEなので、E音からのリフで続けるのは、ペダルノートとか、
分数コードになっているから、それで良いのか、フリージャズとか、
現代音楽の範疇でなく、ブルースでも常套手段なのか、混乱する。

さらに、やっかいなのが、マーティンは、モノミックスを終えてから、
ステレオミックスのために、トラックを変えて、ピアノを録音し直し、
その際、ピアノのフレーズを微妙に変えたようで、間奏の前では、
ギュイーンとグリッサンドを入れたり、ブレイクでコードを鳴らした。

通説では、モノとステレオの違いは、イントロのピアノのエコーが、
深くかかったり、ドラムのリムショットらしき、ガイド音が聴こえるか、
さらに、リードギターが弱起で、スライドして入ってくるかの差だが、
「全曲バイブル」では、「イントロのピアノが全く違う。」と断定する。

ステレオ版では、ベースとギターの入るタイミングも違うこともあり、
ピアノのフレーズは、オクターブ違ったり、オクターブ加えたように、
聴こえるのだが、音感のない自分は、高くしたのか、低くしたのか,
わからなくて、いわゆる「オクターブ等価性」よりは、単なる音痴。

ジョンとジョージの使ったギターは、これまた、いくつか説が分かれ、
ジョンがアコギのJ160Eで、ジョージがエレキのグレッチが主だが、
ジョンがリッケンバッカー325で、ジョージがJ160Eという説もあり、
自分は、ライブ映像と同じ、ジョンが325、ジョージがグレッチかと。

歌詞を間違える常習犯のジョンが、今回は意識して、歌詞を変更、
原曲の「I Need Money」を、アマ時代は、「I Want Money」に、
レコードでは、「Now Give Me Money」になり、「金が要る」から、
「金が欲しい」、さらには、「今すぐ、金をよこせ」と、ドスをきかせる。

エンディングのアドリブに近いシャウトでは、「自由になりたい!」と、
ジョンは叫んでいて、すでに、アイドルに窮屈さを感じていたのか、
冒頭の歌詞、「人生で大切なのは、自由だって言うが、そんなもの、
鳥か蜂にくれてやれ」に呼応するよう、ジョンの詩人らしさが出たか。

最初の「Free」のところは、訳詩によっては、「ただ、無料」とされて、
「人生のうち、ただで手に入るものも良いだろうが~」と訳されるが、
「ただより金」でなく、「自由より金」の意味の方が、インパクトがあり、
売れっ子となったジョンが、「金をくれ」「自由だって欲しい」と皮肉る。

最初に書いたように、この曲は、アルバムの最後をしめくくる曲で、
ジョンの叫びで終わるところ、当時はイギリス以外は勝手に編集、
日米とも、セカンドアルバムには入れたが、米盤ではA面4曲目で、
日本盤はB面6曲目で、最後は「ティル・ゼア・ワズ・ユー」に交代。

ビートルズがアマ時代から得意としたカバー曲、結果的に落選の、
デッカのオーディションで演奏した「マネー」は、リンゴのドラムで、
重いリズムになったうえ、マーティンのピアノでグレードアップして、
ジョンのシャウトもさえ渡りますが、それだけに歌うのはきついです。



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完璧ですね
ギターマジシャンさん こんばんは。

前回に続き私の好きな“ウィズ・ザ・ビートルズ”からで有難いです。
仰る通りこれはもうジョンの歌だと思います。
カバー曲を聞くとハンブルグ、キャバーンの活気ある情景が浮かんで来て好きです。
いつもありがとうございます。
マサジョン | URL | 2015/08/15/Sat 20:19 [編集]
Re: 完璧ですね
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
前回に続き私の好きな“ウィズ・ザ・ビートルズ”からで有難いです。


中学時代、日本編集盤で聴いていた頃は、セカンドアルバムは地味な印象でしたが、
本来のセカンド「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、カバー曲も含めて名曲揃いですね。



> 仰る通りこれはもうジョンの歌だと思います。


ジョンは、「ツイスト&シャウト」「プリーズ・ミスターポストマン」など、
カバー曲を自分の持ち歌にしてしまう、歌手としての天賦の才がありますね。


> カバー曲を聞くとハンブルグ、キャバーンの活気ある情景が浮かんで来て好きです。


BBCライブもそうですが、ライブバンドの実力が発揮される曲たちです。


> いつもありがとうございます。


こちらこそ、おつきあいいただき、ありがとうございます。
ギターマジシャン | URL | 2015/08/15/Sat 20:54 [編集]
デビュー当時のBEATLES・・・全然聴いたことがありません^^;カバー曲が多かったとしても、そのカバー曲が誰のものかも分からないんでBEATLESの曲と思ってしまってるものもあるかもしれませんが^^;
マジシャンさんの声にはEがベース・キーになるのが合ってるのかな?
マジェ | URL | 2015/08/16/Sun 11:44 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> デビュー当時のBEATLES・・・全然聴いたことがありません^^;カバー曲が多かったとしても、そのカバー曲が誰のものかも分からないんでBEATLESの曲と思ってしまってるものもあるかもしれませんが^^;


自分も、クレジットで確認しないと、オリジナルかカバーか区別できず、
BBCライブのような未発表音源は、さらにわからないことがあります。


> マジシャンさんの声にはEがベース・キーになるのが合ってるのかな?


キーがEというよりも、メロディがE、ミの音までになると、
しぼり出さなくても歌える音域で、合っているのでしょうね。

マジェさんのPCが不調だそうで、その最中のコメントに感謝です。
ギターマジシャン | URL | 2015/08/16/Sun 17:49 [編集]
こんにちは^^

イントロ部分で『瞬殺』されました☆
いつも関心するのですが、多重録音なのにグルーブ感が出ていて
気が付くといつの間にか体が動いています。

>ビートルズはデッカのオーディションの際・・・

その後の歴史をみると落選して良かったのでしょうが、
このプロデューサ「見る目ないよな」って、つくづく思います!
いくらエプスタインが『無難路線』で選曲したからといって
デッカでの演奏は卓越していたし、すでに、人を惹きつける『何か』が備わっていたと思います。「デッカでのオーディションテープ」は隠れた『名盤』ですよ☆(とくにジョージが良かった) あっ! 脱線してスイマセン^^>
Mr・へぼい | URL | 2015/08/17/Mon 18:43 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> こんにちは^^
イントロ部分で『瞬殺』されました☆
いつも関心するのですが、多重録音なのにグルーブ感が出ていて
気が付くといつの間にか体が動いています。


この曲は、イントロのマーティンのピアノが決め手なので、
ピアノの音が入れば、かなり似て、良い感じになりますね。

グルーブ感を出すのは、リズム音痴の自分は苦手なのですが、
一定のテンポのリズムマシンと、前後に揺れがちなギターが、
うまい具合に合わさると、ノリっぽく聴こえてくるようです。




> >ビートルズはデッカのオーディションの際・・・

> その後の歴史をみると落選して良かったのでしょうが、
このプロデューサ「見る目ないよな」って、つくづく思います!
いくらエプスタインが『無難路線』で選曲したからといって
デッカでの演奏は卓越していたし、すでに、人を惹きつける『何か』が備わっていたと思います。「デッカでのオーディションテープ」は隠れた『名盤』ですよ☆(とくにジョージが良かった) あっ! 脱線してスイマセン^^>



おっしゃるとおり、当時の水準としては、バンド演奏も見事だし、
ジョージは、カバー曲だと、メインボーカルとなる曲も多くて、
けっこう良い感じに歌ったり、ギターも冴え渡っていますよね。
ギターマジシャン | URL | 2015/08/17/Mon 19:54 [編集]



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