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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
武道館に響いた来日第一声の「ロック・アンド・ロール・ミュージック」
ビートルズの日本デビューは、イギリスに遅れること約1年、
64年2月だが、アメリカでも、マイナーレーベルでヒットせず、
キャピトルから仕切り直しとなる、「ミート・ザ・ビートルズ」が、
発売されたのが、1月だから、そう乗り遅れたわけでもない。

アメリカでは、64年1月に発売予定していた先行シングル盤、
「抱きしめたい」を、ラジオでリクエストが殺到するのを受けて、
12月に前倒し、日本でも、当初予定していたデビュー作の、
「プリーズ・プリーズ・ミー」を、「抱きしめたい」に変更している。

その後、日本もアメリカも、イギリスで既発のシングル、LPを、
独自に編集して発売し、ビートルズ旋風が吹き荒れるのだが、
アメリカには、64年2月に、ビートルズの4人が早々に上陸し、
伝説となった、テレビ「エド・サリバン・ショー」に出演している。

同時に、ワシントン・コロシアム、カーネギー・ホールでライブ、
さらに、8月にも渡米し、ハリウッド・ボウルなどで全30公演、
翌65年8月には、これも伝説の、シェア・スタジアムでライブ、
ことコンサートとなったら、日本は、大きく水をあけられた形に。

待ちに待ったと言える、ビートルズ日本公演が実現したのは、
66年6月で、リアルタイム世代の人たちは、待望のライブで、
その感激も半端ないくらいだろうが、後追いの自分からすると、
ライブに接するのは、遅きに失したという感がぬぐえずにいる。

初期の大ヒット曲、「抱きしめたい」や「シー・ラヴズ・ユー」は、
演奏曲目、セットリストから消えているし、使用するギターも、
ジョンのトレードマークの、リッケンバッカー325ではなくなり、
ジョージもグレッチをやめ、二人揃って、エピフォンのカジノに。

何より、歓声にうんざりして、ライブへの情熱をなくしてしまって、
アイドルでいるいことへの葛藤が続く中、スタジオ録音としては、
すでに「リボルバー」を完成させていた、ビートルズにとっては、
やっつけ仕事と言ったら失礼だが、苦痛だったのではないか。

そのうえ、この夏以降は、すべてのコンサート活動を中止して、
解散するまで、二度とコンサート会場に4人で立つことがなく、
たった一度だけの来日となってしまったので、もっと早い時期、
何度か公演をしてくれていたらと、無理な注文をつけたくなる。

ただ、そうしたことを考えると、たった一度でも、よく来てくれた、
それだけでも、ありがたかったと、言えないこともなく、複雑で、
ないものねだりをしても、仕方ないから、武道館のステージに、
カジノをかかえたジョンを始め、4人が降臨した姿を眺めよう。

66年6月30日、初来日のビートルズの記念すべき第一声は、
ジョンが一人で歌う、「ロック・アンド・ロール・ミュージック」で、
これは、64年末に出た「ビートルズ・フォー・セール」に収録の、
チャック・ベリーのカバー曲で、アマ時代から演奏していた曲。

年末商戦に間に合うように、アルバムを完成させる必要から、
「フォー・セール」には、昔から演奏していた得意なカバー曲を、
6曲入れることにして、しかも5曲は同じ日に一気に録音して、
「ロック・アンド・ロール~」は、1テイクのみ、たった1回で終了。

一発録音なので、ポールがピアノを弾き、ジョージがベースと、
エンジニアの回想もあるが、通説としては、マーティンが加わり、
ピアノを弾いたとされていて、CD解説などにある、マーティン、
ポール、ジョンの3人でピアノを弾いたなる珍説は、却下だろう。

3人説は、よくブギウギピアノで、1人がベースのフレーズを弾き、
もう1人がコードやアドリブを弾くという、連弾のパターンがあり、
このピアノがそれに似た雰囲気のうえ、曲の最後、5番になると、
高音の3連符も鳴るから、そこで、もう1人加わったと思ったのか。

ポールがピアノを弾くとか、3人で弾くとか、本人たちに聞けば、
すぐにわかりそうなことまで、謎のまま残っていることが多くて、
マーティン、ポールが健在なうちに、演奏、録音に関することを、
もっともっと聞き出しておいて欲しいが、マニアックすぎるのか。

使用したギターも、来日公演では、見た目のとおりにカジノだが、
レコードは、ジョージはグレッチで間違いないが、ジョンとなると、
リッケンバッカー、ギブソンJ160Eに、ジョージのグレッチだの、
イントロはリッケン12弦だの、これまた諸説あり、決め手がない。

「全曲バイブル」では、ジョンのギターは、ほとんど音が消され、
イントロ、エンディングのみ残し、リズムギターはジョージの音、
そのイントロも、ギブソンか12弦とされるが、確かにこの音色は、
自分のリッケンバッカーでトーンをいじっても、なかなか出ない。

12弦とするには、3弦のオクターブ上の音が聴こえてこないし、
ギブソンなのだろうか、J160Eはアコギでも、マイク付なので、
自分のモーリス・エレアコで試すと、似ても似つかない音になり、
手持ちのストラトの音とも違うから、とりあえず、リッケンで弾く。

リズムギターは、バンドスコアでは、コード進行のA・D・Eに沿い、
ルート音の5弦・4弦・6弦の開放弦に、5度、6度の音を加えて、
2音で弾いているが、他の和音もするから、一緒に鳴らすのか、
あるいは、ジョンの音は消されずにいたのか、ここも悩むところ。

日本公演では、ジョンは、5フレット中心のバレーコードを押さえ、
5度、6度の音を加えて、ジョージも同様のポジションを中心に、
コードを弾いているから、レコードで、メインで鳴っているリフは、
ジョンかと思えて、ジョージとする「全曲バイブル」と意見の相違。

ただ、前年のパリのライブでは、ジョンはリッケンバッカーを弾き、
5フレットでなく、開放弦を使っていて、それでも、薬指を使って、
リフを弾くから、メインのリフはジョンのはずだが、曲の後半では、
日本公演のように5フレットで弾いて、気づくとジョージも同様に。

ドイツ公演などの映像を見ても、けっこう2人とも、押さえるのを、
開放弦と、10~12フレットのハイポジションを、行き来していて、
これが、ハンブルグ時代から、ライブのレパートリーにしている、
底力というか、その場の感じで、伴奏も自在にできるということ。

自分の場合は、バンドスコアに沿って、1~5番でも変更はせず、
開放弦主体のリフを弾き、もう1本をミュート気味のコードにして、
2本のギターにするが、これも、音がきちんと取れる人だったら、
原曲を聴き、途中から変える部分があれば、完コピできるのに。

それよりも問題は、歌の方で、ポールの曲よりは、キーが低いが、
高音で、ジョンのようなシャウト気味に歌うのは、自分は無理で、
とりあえず、かすれながらも高い音で歌うのが、精一杯のうえに、
ブレイクで入る英語の歌詞が早口で、ほとんどろれつが回らない。

そのうえ、歌詞カードが、CDになっても、明らかな間違いが残り、
歌詞カード、楽譜、ネットの歌詞、YouTubeの歌詞付き映像など、
見比べながら覚えていくので、余計に、早口についていけなくて、
何だか、自分が聞いても、何を言っているか、わからない結果に。

66年6月30日、初来日したビートルズの武道館公演の初日に、
ジョンの声が響き渡った、「ロック・アンド・ロール・ミュージック」を、
先日のポールの武道館では、残念ながら演奏されなかったので、
いつもながら、ジョンになりきって、喉をやられながら歌いました。



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武道館オープニング曲
ギターマジシャンさん こんばんは。

渋い選曲ですね。ビートルズを聞き始めた頃、“ロック・アンド・ロール・ミュージック”のシングル、日本盤を聞いていたのを思い出しました。この曲は、日本人には親しみがありますね。演奏はいつものごとく素晴らしく、ピアノがよく聞えます。ボーカルは歌いっぱなしの休み無しで難しいところですね。
マサジョン | URL | 2015/06/29/Mon 22:24 [編集]
Re: 武道館オープニング曲
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
渋い選曲ですね。ビートルズを聞き始めた頃、“ロック・アンド・ロール・ミュージック”のシングル、日本盤を聞いていたのを思い出しました。この曲は、日本人には親しみがありますね。演奏はいつものごとく素晴らしく、ピアノがよく聞えます。ボーカルは歌いっぱなしの休み無しで難しいところですね。



武道館で演奏されたギターのみのバージョンが、すぐに浮かぶので、
レコードでは、ピアノが入っていたことに、改めて気づきましたし、
おそらくマーティンと思われるピアノは、すごく格好良いですね。

歌は、本当、休みなく続くので、途中で完全に息切れしてしまって、
ジョンも、それがきつく、ライブは2番でやめたのかもしれません。
ギターマジシャン | URL | 2015/06/29/Mon 22:32 [編集]
こんにちは~^^

いや~ よく纏めましたね♪ 力作です☆

この楽曲は譜面のわりには、難易度が高いですよね。
特に歌が! 
おいらも酔った勢いで弾き語ってみることがあるのですが、
ギターのリフで小指が引きつり、早口でシャウトしながらの歌は
1コーラスがやっとですもの^^>

>ただ、前年のパリのライブでは、ジョンはリッケンバッカーを弾き、
 5フレットでなく、開放弦を使っていて・・・

そして、ギターマジャシャンさん、見逃しませんね!
おいらもこれに気づいたのですけど、やっぱり歌がネックでした><;
Mr・へぼい | URL | 2015/06/30/Tue 19:22 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> こんにちは~^^
いや~ よく纏めましたね♪ 力作です☆



後期の曲のような多重録音やエフェクトは、この頃はないのですが、
マーティンのピアノが入るような曲は、なかなか再現しにくいです。




> この楽曲は譜面のわりには、難易度が高いですよね。
特に歌が! 
おいらも酔った勢いで弾き語ってみることがあるのですが、
ギターのリフで小指が引きつり、早口でシャウトしながらの歌は
1コーラスがやっとですもの^^>



自分は、ギターと歌とを別々に録音していますが、へぼいさんは、
いつも弾き語りですし、そのうえこのリフでは、すごく大変です。




> >ただ、前年のパリのライブでは、ジョンはリッケンバッカーを弾き、
 5フレットでなく、開放弦を使っていて・・・

そして、ギターマジャシャンさん、見逃しませんね!
おいらもこれに気づいたのですけど、やっぱり歌がネックでした><;




開放弦を使えば、ギターの方は多少楽になりますが、おっしゃるとおり、
5番までも延々と歌うのは、かなりきつくて、自分は後半が息切れです。

ギターマジシャン | URL | 2015/06/30/Tue 21:26 [編集]



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