僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ブラスロックの先駆け「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」
ポール・マッカートニーが、昨年のリベンジで再来日して、
そのうえ、ビートルズとして初来日した、66年以来となる、
武道館のステージに立ち、今も続くアウト・ゼア・ツアーの、
セットリストを特別に変更し、別の5曲まで演奏してくれた。

その1曲、「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、
ビートルズ来日の66年発売の、「リボルバー」に収録され、
ビートルズで、初めてホーン・セクションが導入された曲で、
後のブラス・ロック、シカゴやBS&Tの先駆けとも言われる。

何でもかんでもビートルズが元祖だと、言うつもりはないし、
ポールにしても、何か革新的な事をしようとしたわけでなく、
モータウンやソウルでは、ごく普通に使われているホーンを、
この曲で使ってみたかっただけで、このあたり天才たる所以。

アンソロジーで聴ける初期テイクは、マーティンが弾いたか、
オルガンが鳴り続けて、リズムギターはシャッフルを刻むと、
時折、ジョンとジョージがハモり、ホーンのあるなしではなく、
まったく別物の演奏で、ここから、どう作り上げたのかと驚く。

完成形は、ホーンセクションがメイン、ポールの歌とベース、
ドラムという編曲で、ジョンとジョージのコーラスはカットされ、
オルガンもエンディングのみと変化して、ポールの頭の中は、
どんな音が鳴っていて、どう再現したのかは、想像を超える。

フェイドアウトしていく部分で、ポールはアドリブのように歌い、
このあたりは、R&Bやソウルのようで、ホーンを使ったのも、
そうした路線を意識したのだろうし、ライブを前提としなくなり、
自分の理想の音を目指し、外部ミュージシャンも起用していく。

この「リボルバー」あたりから、本当ポールの才能が爆発して、
ソロでも成立しそうな曲が増えて、ポールの独壇場となったし、
ベース以外に、ギター、ピアノ、ドラムもこなすから、1人でも、
多重録音ですんでしまい、「ホワイト・アルバム」では顕著に。

それでも、解散後、本当の1人きり、ソロになってからの曲と、
ジョン、ジョージ、リンゴと一緒にいた頃とでは、気持ちの面、
刺激という点でも違ったし、アドバイスや意見を取り入れて、
それゆえに、ビートルズの作品として、成立したのだと思う。

解散後のジョンが、他のメンバーからアイデアをもらわずに、
1人で曲を作るのが困難で、ショックだったと、語ったそうで、
ビートルズでは、ごく僅かの曲だけが、すべて1人で作られ、
ほとんどは、残りのメンバーが手を加え、完成したものだと。

そのジョンとジョージが、この曲の作詞に関わったともされ、
真偽は不明なのだが、めったにポールをほめないジョンが、
「あいつも気合を入れれば、こんな良い詞が書けるんだ」と、
言ったらしく、もし自分が関わったら、こうは言わないかと。

それにしても、ポールをほめつつも、明らかに上から目線で、
作詞については、一家言のあった、ジョンならではの言い方、
ポールには、歌詞を忘れないよう、書きとめるよう指示したり、
メロディの才能を認めつつ、詞は、相当、自信があった模様。

演奏をよく聴くと、ホーンと同じフレーズの、歪んだギターや、
初期テイクでアコギが刻んだ、ゆるい感じのシャッフルでなく、
歯切れ良いエレキのカッティングが、左チャンネルから鳴り、
ギターもやり直しているようだが、なぜか、かなり音が小さい。

エンディングの前の数小節だけ、ギターがフューチャーされ、
オルガンにも聴こえる和音に続いて、ツインギターのリフで、
これは、ジョンもジョージも、エピフォン・カジノで弾いたそうで、
同時期の「ペーパー・バック・ライター」とも、かなり似た音色。

バンドスコアでは、左チャンネルのギターは、リズムもリフも、
載っていないうえ、最後のギターも、どうも音が違って聴こえ、
YouTubeで、ポールのライブや、ギターの解説を見てみたが、
レコードと微妙に違い、これまた、自分にとって謎が増える。

ホーンセクションは、レコーディング記録で、サックスが2人、
トランペットが3人とあるので、スコアでは3~4声だったが、
何箇所かをユニゾンにし、つねに5本のホーンが鳴るように、
ギターシンセで、音色を選んで、5回のダビングで再現した。

歌はポール1人なので、ハモリがない分、音は取りやすいが、
独唱ゆえに、自分の歌唱力のなさが、もろに目立ってしまい、
ポールがダブルトラックで2回歌って、声を重ねているところ、
自分は3回も歌って、音を厚くしたうえに、エコーも深くかけた。

ジョンは自分の声が嫌いらしく、加工したり、ダブルトラックも、
多用していくが、2回歌うのは面倒だと、エンジニアに相談し、
ADT・人工的ダブルトラックが開発されると、ポールも使うが、
この曲では、センターと左チャンネルの歌声は別録音らしい。

そんなに早口で歌うわけではないが、ジョンの曲とは違って、
自分は、あまり歌っていないから、ろれつが回らずに遅れたり、
逆に、早く歌いすぎて字余りになって、何回も録音し直したり、
通勤時も、歌詞カード片手に、こっそりと口ずさんでは覚えた。

ポールが武道館のために、セットリストを変更してくれた曲から、
「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、中期の曲で、
ライブを中止して、スタジオ作業中心に移行していく頃の名曲、
やはり、ポールの高音はきつく、いつもの息絶え絶え状態です。



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武道館を思い出します
ギターマジシャンさん
“ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ”を演奏されるとは凄いです。
武道館の興奮冷めやらず、当日を思い出します。
前前回中止になった武道館のオープニングに予定されていた曲だったので
思い入れのある曲です。
次回も楽しみにしております。
マサジョン | URL | 2015/05/16/Sat 17:00 [編集]
Re: 武道館を思い出します
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん
“ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ”を演奏されるとは凄いです。
武道館の興奮冷めやらず、当日を思い出します。
前前回中止になった武道館のオープニングに予定されていた曲だったので
思い入れのある曲です。
次回も楽しみにしております。




75年の入国禁止に続き、80年は、ポールが空港で逮捕されてしまい、
2度目の幻のウィングス公演になったとき、武道館のオープニング曲は、
この曲が予定されていたそうで、ポールにとっても、特別な曲ですね。

マサジョンさんは、今回の武道館公演に参加されて、この曲を始めとし、
特別なセットリストを体験されたのが、ものすごいことだと思います。

もう何曲か、武道館にちなんだ曲を取り上げるので、お聴きください。
ギターマジシャン | URL | 2015/05/16/Sat 18:06 [編集]
おお~☆

イントロ聴いただけで『鳥肌』モノですよ。
感激です☆

楽器の定位も本物っぽいですね。
ギターとのアンサンブルもバッチリですし、
Voもスイングしていると思います。
(シャウト部分は誰がやっても出ませんからね^^;)

>後のブラス・ロック、シカゴやBS&Tの先駆けとも・・・

おいらもビートルズ命で、かなりバイアス架かってますが、
ブラスロック云々というより、もはや『芸術品』の領域だと思います。

コラムも充実していて、何度も曲を聴きながら拝読させて頂きました。
Mr・へぼい | URL | 2015/05/16/Sat 18:47 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> おお~☆
イントロ聴いただけで『鳥肌』モノですよ。
感激です☆
楽器の定位も本物っぽいですね。
ギターとのアンサンブルもバッチリですし、
Voもスイングしていると思います。
(シャウト部分は誰がやっても出ませんからね^^;)



ビートルズの曲では、イントロのつかみが大きいので、
いかにそこに近づけるかが、かなりのハードルですが、
楽器だけだと、時間をかければ、多少似せられますね。

ただし、そこからの、自分の歌声とのギャップが大きく、
この曲でも、高音が出ないし、発音もひどすぎました。



> >後のブラス・ロック、シカゴやBS&Tの先駆けとも・・・

おいらもビートルズ命で、かなりバイアス架かってますが、
ブラスロック云々というより、もはや『芸術品』の領域だと思います。


おっしゃるとおり、ブラスロックというカテゴリーではなく、
ビートルズというジャンル、しかも芸術の域に達しています。



> コラムも充実していて、何度も曲を聴きながら拝読させて頂きました。


昔からの思い込みの激しさで、自分勝手な解釈も多いのですが、
ビートルズ本やネットを参考にし、記事をまとめあげています。
ギターマジシャン | URL | 2015/05/16/Sat 19:22 [編集]
ホーンセクションの再現にかなりの苦労があったみたいですが、その分なかなかの仕上がりですね^^
BEATLESはいろんなロックの革命をしてますが、ホーン・セクションを入れるのもそうだったんですね~( ゚д゚ )
これからの武道館演奏曲シリーズ続編、楽しみにしてます^^
マジェ | URL | 2015/05/17/Sun 14:42 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> ホーンセクションの再現にかなりの苦労があったみたいですが、その分なかなかの仕上がりですね^^
BEATLESはいろんなロックの革命をしてますが、ホーン・セクションを入れるのもそうだったんですね~( ゚д゚ )
これからの武道館演奏曲シリーズ続編、楽しみにしてます^^



バンドスコアを参考に、ギターシンセを使って時間をかけていけば、
逆回転やテープ編集のない曲は、何とか演奏の方だけは近づけます。

武道館どころか、東京ドームにも行っていないのに、刺激を受けて、
ビートルズ熱が再燃してしまい、しばらくは、CDも聴きまくるし、
ビートルズ本も図書館で借りまくって、さらに演奏にも挑戦します。

ギターマジシャン | URL | 2015/05/17/Sun 19:18 [編集]
おはようございます。
ついにこの曲に来ましたか!
しかもほとんどポール色のこの曲をマジシャンさんがやるというのも、時代が変わりましたね(笑)
さて、拝聴しました。ブラスとベースの感じが特に気に入りました。毎度のことながら本物、あるいはそれを上回る感じを出すのがとても素晴らしいですね。

一昨年のコンサートの記事を書いた際、オリジナルのベースとは違う運びなのがイカしていると書きました。一度そのベースも機会あれば聴いてみてください。

オブラディの多重録音、拙録ですが、もしお時間あるようでしたらおいでくださいませ。
ST Rocker | URL | 2015/05/19/Tue 07:13 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> おはようございます。
ついにこの曲に来ましたか!
しかもほとんどポール色のこの曲をマジシャンさんがやるというのも、時代が変わりましたね(笑)
さて、拝聴しました。ブラスとベースの感じが特に気に入りました。毎度のことながら本物、あるいはそれを上回る感じを出すのがとても素晴らしいですね。



中学時代、自分のジョンと友人のジョージの二人で演奏していたので、
ポールの曲も歌いましたが、今回は、武道館に便乗して歌っています。

演奏に際しては、この曲の特徴である、ブラスの迫力ある音の再現と、
ポールのベースの音ガが目立つようになったのを、意識しています。



> 一昨年のコンサートの記事を書いた際、オリジナルのベースとは違う運びなのがイカしていると書きました。一度そのベースも機会あれば聴いてみてください。


ST Rockerさんの記事のリンクから、ニューヨークライブを見ましたが、
単にフレーズを変えるだけでなく、リズムの取り方も微妙に変えてますね。




> オブラディの多重録音、拙録ですが、もしお時間あるようでしたらおいでくださいませ。



シンセを使って、ドラム入りで、コーラスや手拍子までダビングされて、
すごく楽しさが伝わる演奏ですし、何よりも高音ボーカルがすごいです。
ギターマジシャン | URL | 2015/05/19/Tue 19:59 [編集]



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