僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
マイルスの名演とは、また違った、ウエスが弾く「ラウンド・ミッドナイト」
高2の77年に、リー・リトナーやラリー・カールトンが来日して、
クロスオーバー音楽、それもギターが、一大ブームになると、
自分も、雑誌ヤングギターとかの記事を見て、興味がわいて、
FMの「アスペクト・イン・クロスオーバー」を、毎週、聴くように。

当時、その番組は、深夜2時からだったので、その前の番組、
「ジェット・ストリーム」や、「アスペクト・イン・ジャズ」を、自然と、
つけっ放しのラジオから聴くことになり、イージーリスニングや、
ジャズにも親しんでいき、聴く音楽のジャンルが広がっていく。

ギター中心、それも早弾きばかり聴く癖は、今も昔も変わらず、
たまたまラジオから流れた、早弾きのジャズギターに感動して、
それが、ジョー・パスとハーブ・エリスの、ギターバトルだと知り、
ちょうど前後して、別々に来日した、二人のライブ放送も録音。

そんなギター中心の自分も、トランペットのマイルス・デイビス、
サックスでは、チャーリー・パーカーや、ジョン・コルトレーンに、
ピアノのオスカー・ピーターソン、ハービー・ハンコックあたりは、
FMの特集番組を録音し、多少は、他の楽器も聴くようにした。

ジャズ評論家の油井正一の、FM「アスペクト・イン・ジャズ」は、
かけてくれる曲よりも、その語り口や、豊富な知識に魅かれて、
そこで紹介された演奏家の、プロフィールなどを調べてみたり、
油井の名著「ジャズの歴史物語」まで、その後、買ったりもした。

別の番組だったが、マイルスとセロニアス・モンクの因縁の話、
「自分のアドリブのバックでは、ピアノを弾かないでほしい。」と、
マイルスが注文をつけ、怒ったモンクは、ピアノのアドリブでも、
演奏をやめてしまったのを、かなり衝撃的な事件だと紹介した。

「モンクのピアノソロになっても、彼は弾かないままだった!」と、
叫ぶように語ると同時に、曲が始まったので、その話ばかりが、
印象に残ってしまい、何の曲をかけたかは、記憶になく、ずっと、
モンクが作曲した、「ラウンド・ミッドナイト」だと、思い込んでいた。

その「ラウンド・ミッドナイト」を聴いたのは、マイルス特集でなく、
コルトレーンの特集で、マイルスに抜擢されたばかりの新人で、
なぜあんな下手なサックスを入れたのかと、批判されていたと、
才能が開花する前のコルトレーンの演奏だと、ラジオで流れた。

マイルスの、ミュートしたトランペットから始まった、この演奏は、
まさに真夜中の、薄暗い大都会の片隅を、想像させる音色だし、
突然、激しいリフが合奏され、また、テーマをゆっくりと繰り返し、
テーマの後は、延々とアドリブというジャズのイメージと違った。

エピソードを勘違いしたことと、想像していたジャズとは異なる、
緻密なアレンジで、このマイルスの演奏が、強く印象に残って
作曲者本人の、セロニアス・モンクのピアノソロ、コンボ演奏も、
カバー演奏かと思うくらいで、最初に聴いたものを引きずる癖。

ウエス・モンゴメリーも、ソロデビュー作の1曲目で、演奏して、
これは、渋谷河合楽器のジャズギター教室で、テキストにした、
渡辺香津美の教本の第2巻にも出ていたが、マイルスの方を、
先に聴いていたから、ギター好きの自分でも、違和感があった。

ウエスのイントロは、E♭m7から始まって、G♭M7も出てきて、
えっ、この曲って、こんなに明るくて、さわやかな曲調だっけと、
戸惑うような出だしで、テーマ部は、聴きなじんだメロディだが、
バックのコードが、かなり、リハーモナイズされて、違っている。

こういうところが、ジャズの面白さで、演奏する楽器の違いとか、
編曲の違いで、別の曲のようになるわけで、スタンダード自体、
映画音楽やミュージカルの曲を、そのハーモニーを変えたりし、
ジャズっぽくなって、多くのジャズマンが、演奏していったもの。

話がとぶが、ハービー・ハンコックが、マイルス時代のトリオに、
ランディブレッカーを従え、サントリーホールで公演したときに、
「枯葉」を演奏したが、テーマの途中から、もう別の曲のようで、
アドリブになると、コードチェンジさえ不明で、圧倒されて見た。

複雑なコードチェンジ、コード進行から開放されたモード奏法、
分数コードのアッパーストラクチャードに、調性無視のフリーと、
それぞれに進化したジャズは、どれも魅力があり、ギターでも、
取り組んできたが、この歳になると、メロディを重視したくなる。

ウエスの場合は、晩年、イージーリスニング路線で演奏したが、
これは、不本意な売れ線狙い、強引なプロデュースではなくて、
歌心あふれる演奏を、デビュー当時から、好んでいた証であり、
スリリングなアドリブと同様に、メロディックな演奏も得意だった。

「ラウンド・ミッドナイト」は、まさにそうした演奏で、このLP自体、
オルガン・トリオで、小粋なギターを聴かせつつ、曲によっては、
アドリブがさえわたり、オクターブ奏法も、メロディックに奏でて、
やはりオルガン・トリオのLP、「ボスギター」と共に、聴きやすい。

ウェス自身、この曲が気に入っていたのか、オルガンの大御所、
ジミー・スミスと共演したアルバムでも演奏したし、YouTubeには、
TV番組で、ピアノトリオをバックに、生演奏した映像も出ていて、
アドリブの途中で、倍テンになって、すごくいかしたソロを弾いた。

セロニアス・モンクの作曲、マイルス・デイビスの名演で知られる、
「ラウンド・ミッドナイト」を、ウエスのデビュー作の、フルコーラスを、
香津美が教本に採譜したので、コードソロも含め、完コピを目指し、
オルガンとベース、ドラムは、手抜きで、雰囲気程度の演奏です。



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渡辺香津美インプロビゼーションNo.2シリーズ、
あと何曲でコンプリートなんでしょうか。

原曲のモンクらしいテンション感と、ウェスのムーディな演奏と、
改めて聞くとずいぶん感じが異なりますね。
完コピをうたうだけあってお見事なギターワークです。
私など譜面があっても、ここまで練習するのはなかなか根気が続きません。
AKI | URL | 2014/10/13/Mon 22:53 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> 渡辺香津美インプロビゼーションNo.2シリーズ、
あと何曲でコンプリートなんでしょうか。


教本の1・2巻ともに、ギター教室で、ざっとは弾かされたましたが、
途中で挫折した曲が大半で、ジム・ホール&ロン・カーターの曲だと、
譜面にないベースを、多少でも耳コピしないと、様にならないですね。



> 原曲のモンクらしいテンション感と、ウェスのムーディな演奏と、
改めて聞くとずいぶん感じが異なりますね。
完コピをうたうだけあってお見事なギターワークです。
私など譜面があっても、ここまで練習するのはなかなか根気が続きません。



とりあえず、譜面に沿って、やっとこ弾いているのが実情でして、
ウエスのノリは無理でも、もう少しビートにのれないと駄目です。
ギターマジシャン | URL | 2014/10/13/Mon 23:57 [編集]
いい感じです。

私のウエス好きは知識も理解もなくの好きなのですが、「歌心あふれる演奏」
という部分に共鳴したように「そうなのか、、」と思うところです。
単純にオクターブ奏法のところだけではない気がして安心します。

オケは手抜きと云われましたが、雰囲気だけで十分で、ライブ通いで思うのは
歌が上手いと伴奏がほとんどいらなんだということで、ウエスの魅力あふれる
演奏の再現には、この抑えたバックがまたたまらなくいい感じです。

愛しい彼女との会話に、バーのグラスの氷の音、そして人々のどこか騒がし
くも静かな感じ、それがいいんですよね。

やはりウエスは私のジャズ・ギターのイメージそのものです。なんだか
ボーナス月間のように続きで聴けて最高ですよ。





ロッシー | URL | 2014/10/15/Wed 22:16 [編集]
Re: いい感じです。
いつも、コメントありがとうございます。



> 私のウエス好きは知識も理解もなくの好きなのですが、「歌心あふれる演奏」
という部分に共鳴したように「そうなのか、、」と思うところです。
単純にオクターブ奏法のところだけではない気がして安心します。


ウエスといえば、オクターブ奏法が何よりも特徴的ですが、
単音のライン、コードソロと、どれをとっても素晴らしく、
さらに歌心もあふれる名演が多くて、愛聴盤ばかりですね。




> オケは手抜きと云われましたが、雰囲気だけで十分で、ライブ通いで思うのは
歌が上手いと伴奏がほとんどいらなんだということで、ウエスの魅力あふれる
演奏の再現には、この抑えたバックがまたたまらなくいい感じです。



ウエスの演奏したアドリブは、伴奏なしでも、コードを感じさせ、
おっしゃるとおり、ソロギターでも通用するような演奏ばかりです。


> 愛しい彼女との会話に、バーのグラスの氷の音、そして人々のどこか騒がし
くも静かな感じ、それがいいんですよね。



しゃれた感じのバーとかで、小粋に流れるBGMにもぴったりです。



> やはりウエスは私のジャズ・ギターのイメージそのものです。なんだか
ボーナス月間のように続きで聴けて最高ですよ。



自分にとっても、ジャズギターと言ったら、ウエス、ジョー・パスに、
ジム・ホール、ケニー・バレルとなり、特にウエスは王道でしょうね。
ギターマジシャン | URL | 2014/10/16/Thu 04:48 [編集]



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