僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
メンバーは演奏せず、弦楽四重奏が2組の「エリナー・リグビー」
ライブでの再現を考慮せず、スタジオ技術を駆使したアルバム、
「リボルバー」は、テープ操作や、ダビングを重ねた曲もあるが、
ストリングス、ブラスセクションと、外部ミュージシャンを起用し、
単に実験性の追及ではなく、より完成された楽曲を、目指した。

2曲目の「エリナー・リグビー」は、前年のLP「ヘルプ!」の中の、
「イエスタデイ」で、おそらく、ロックバンドの作品として、初めて、
弦楽四重奏を導入したのに続き、四重奏を2組、倍の8名にして、
ビートルズのメンバーは、誰も楽器を弾かない、最初の曲となる。

「イエスタデイ」は、印象的なイントロを始め、ポールがギターを、
弾いていたが、「エリナー・リグビー」は、ポールが弾き語りして、
曲を聴かせると、ジョージ・マーティンが、弦楽八重奏を提案して、
そのスコアも書き上げ、「5人目のビートルズ」として、本領発揮。

ポールが、ロックバンドらしい過激な音にしたいと、要求したので、
これまた、サウンド作りで、ビートルズを支えた、スタジオの技師、
ジェフ・エメリックが、弦楽器にマイクを近づけ、弦のこすれる音、
弓の当たる音まで聴こえそうなくらい、迫力ある音色に仕上げた。

ジャズやポピュラー曲にも精通し、オールラウンドなポールだが、
ビートルズはロックバンドなのだと、自負があったようで、本国で、
「イエスタデイ」をシングル盤で出さず、LPのB面に入れたことを、
「だって、僕らはロックバンドだよ。」と、当然のように答えていた。

こういうところ、ポールの優等生ぶり、ええかっこしい、なのだが、
これに限っては、ジョン派の自分から見ても、実に、潔い発言で、
本当に格好良く、そうなんだ、ビートルズは、ポピュラー曲でなく、
ロックなんだよなと、改めて、自分とビートルズのスタンスを確認。

「エリナー・リグビー」で、メンバー誰一人として、演奏しないから、
ポールが気を使ったのだろうか、歌詞については、他の3人から、
アイデアを出してもらって、冒頭の「孤独な人々を見てごらん」は、
ジョージが、2番の神父が靴下を繕う話は、リンゴの発案らしい。

ジョンにいたっては、「自分が歌詞の7割を書いた。」と豪語して、
「少し手伝ってもらった。」と語るポールと、意見が違っているが、
この歌で語られる物語性、さらに、救いようのない悲しい世界観、
これは、ジョンに特有のものではないかと、自分は感じてしまう。

自分は紛れもない、ジョン派であるし、自分の知っていることに、
勝手な思い込みで、結びつける癖があって、ジョンの詩について、
イギリスと日本という風土の違いを超えて、中原中也に似ている、
人生観、言葉の選択や遊ばせ方が同じではと、決めつけている。

この「エリナーリグビー」が、聴くものに突きつけてくる、孤独感を、
弱冠24才のポールが書いたとはと、ほめている記事があったが、
「臨終」という詩で、ひっそりと亡くなった女性と、何事もないように、
にぎやかな街を対比させた、19才の中也のリリシズムに通じる。

一説には、ジョンが、リーダーシップを発揮するポールを皮肉って、
「はいはい、神父様、仰せに従います。」とばかり、歌詞の神父を、
「マッカートニー神父」と命名、「ファーザー・マッカートニーなんて、
僕の父じゃあるまいし。」と、ポールが、似た響きを電話帳で探す。

こうした話からも、ジョンが、かなり歌詞に貢献したと思っているし、
全体のイメージは、ジョンのアイデアが占めている、と思いつつも、
それでも、「ほとんど自分が書いた。」「7割は書いた。」となると、
ちょっと、サバをよみすぎじゃないかと、ポールに味方したくなる。

歌詞や作曲について、ジョンとポールの見解が、食い違うのが、
「イン・マイ・ライフ」と、「エリナー・リグビー」の2曲で、ジョンなら、
「ほら、また、ポールにおいしいところを、持っていかれたよ。」と、
皮肉るところ、ポールだと、「たった2曲だけとは、すごいよね。」

歌の主人公となるエリナー・リグビーの名は、映画「ヘルプ!」で、
共演したエリナー・ブロンと、街で見たリグビー&エヴァンズ社から、
つけた名前だとポールは言っていたが、近年、ジョンとポールが、
初めて会った教会で、エリナー・リグビーと彫られた墓が見つかる。

写真で見ると、当主だったと思われる、ジョン・リグビーの墓石に、
子孫らの名前が次々と彫られて、その中に、「1939年没」として、
エリナーとあり、これは偶然の一致なのか、ポール死亡説と同様、
あちこちに、謎のピースがばらまかれ、どこまでが意図的なのか。

そのうち、「そうだよ、ジョンと出会った、記念すべき教会にあるよ。
もともと、親父が神父の真似事をしていてね。幼い頃に、あそこの、
墓掃除をよくやらされて、時々さぼって、墓の間で寝ていたのさ。」
なんてことを、ポールが言い出したりするか、いや、ないだろうな。

この曲は、中2の74年、友人に借り、最初に聴いたビートルズの、
ベスト盤の「オールディーズ」に入っていたから、親しんだ曲であり、
エリナーとマッケンジー神父の間に、少しは心の交流があったか、
それさえなく、誰一人救われることないのかと、物語に魅かれた。

そのせいで、マッケンジー神父の存在が、どこか心に引っかかり、
中学の卒業文集に書いた寓話で、ジョンと同じギターが売切れて、
自分はジョンになれないと嘆く主人公に、「君こそがジョンだ。」と、
励ます役柄で登場させ、これ以上ない、自己満足の世界を描いた。

鍵盤は苦手なので、ギターシンセで、弦楽八重奏を再現しようとし、
8回弾いたが、最初、よくあるストリングスの音にして、録音すると、
ソフトな感じの、アタックがない、フワーッとした立ち上げの音色で、
原曲の、ザッザッザツとリズミカルに弾く部分が、バラバラになる。

実際に、ポールが過激な音を求めたのだから、何も加工してない、
サンプリングの生音で、バイオリン、チェロの単独の音だけにして、
なるべく、ゴリゴリした感じになるように、イコライザーで調整したり、
リバーブも録音時はカットし、ミックスダウンでのみ、かけることに。

CDの解説には、「録音に携わったのはポールだけ。」と書かれて、
ビートルズ本でも、コーラスも全部ポールではないかと、されるが、
ハモリの低いパートは、明らかにジョージの声で、真ん中のハモは、
ポールが出す低い声より、ジョンに聴こえて、2人は参加したと思う。

サビでポールの声が、左右から聴こえてくるのは、ジョンが好んだ、
1人で2回歌うダブルトラック方式を、面倒だから1回でやれないか、
アビーロード・スタジオの技師、ケン・タウンゼントに相談したところ、
歌声をダビングして、少し遅らせて再生することで、歌声を厚くした。

自分の歌声に合わせて、もう一度歌うのは、特にジョンの場合には、
独特の節回しが違ったり、歌詞を間違えたり、やっかいだったから、
このADT方式(人工的ダブルトラッキング)を、ジョンは多用したが、
ポールは、この曲のサビで使っても、Aメロでは、声を重ねていない。

1番の「エリナー」の箇所だけ、左チャンネルからも、歌が聴こえて、
当初、全部をADTにして、あとでサビだけ残す際、消し忘れたのか、
その「エリナー」も、いつも発音で悩むように、ローマ字読みのまま、
「エレノー」と歌う方が、ポールに近いだろうかと、あれこれと考える。

自分の歌が悪声の音痴だと、いつも愚痴っているが、発音も苦手、
この曲でも、「Peaple」が、「ピーポー」「ピープルゥ」、毎回変わって、
ハモリがずれてしまうし、どれが正しい発音かも、つかめないまま、
「抱きしめたい」や「シー・ラブズ・ユー」は、発音ができず、没のまま。

得意なつもりの、ジョンの曲でさえ、YouTubeでの低評価が続くのに、
「エリナー・リグビー」は、歌い慣れない、ポールの曲という暴挙だが、
最近、問題視される孤独死を、50年近く前に、歌詞に見据えていた、
その世界観に魅かれて、オケを気合で作って、懲りずに歌いました。





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素晴らしい
見事に再現されていて素晴らしいです。
私も「オールディーズ」でよく聞きました。
これは、ベスト盤ですがそんな気のしない不思議な盤でした。
そんな昔を思い出させてもらいました。
いつもありがとうございます。
マサジョン | URL | 2014/10/05/Sun 11:07 [編集]
こんな詞の駆け引きが
ギターマジシャンさん
こんにちは。
確かに、ポールの曲とは珍しいですね!
しかし、詞の部分ではそんな駆け引きがあったのですね。
ちょっとか7割か。なかなか考えさせられますね。
そして、5人目ビートルのジョージ・マーティンが本領発揮ですね。

今回も音作り、さすがですね。
弦楽器の数々の音を作るのも大変だと思います。
素晴らしいです。
ST Rocker | URL | 2014/10/05/Sun 13:37 [編集]
Re: 素晴らしい
いつも、コメントありがとうございます。


> 見事に再現されていて素晴らしいです。
私も「オールディーズ」でよく聞きました。
これは、ベスト盤ですがそんな気のしない不思議な盤でした。
そんな昔を思い出させてもらいました。
いつもありがとうございます。



「オールディーズ」は、単にシングルヒットのベスト盤でもないし、
アルバムの名曲や、逆にアルバム未収録の「バッドボーイ」もあり、
すごく不思議な1枚ですが、赤盤とは違った魅力がいっぱいでした。

マサジョンさんのバンド映像をブログで拝見し、今後も楽しみです。
ギターマジシャン | URL | 2014/10/05/Sun 14:03 [編集]
Re: こんな詞の駆け引きが
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん
こんにちは。
確かに、ポールの曲とは珍しいですね!
しかし、詞の部分ではそんな駆け引きがあったのですね。
ちょっとか7割か。なかなか考えさせられますね。
そして、5人目ビートルのジョージ・マーティンが本領発揮ですね。



ジョン派の自分ですが、ポールの曲も、当然気に入って、演奏していて、
おそらく、ジョン7割、ポール3割と、まるで、誰かの歌詞のようです。

この曲の歌詞は、ビートルズの前身、クオリーメンにいたショットンや、
ジョンにスリーフィンガー奏法を伝授した、ドノヴァンも関わったりと、
他の曲に比べても、登場人物が多く出てきて、謎が深まる製作過程です。



> 今回も音作り、さすがですね。
弦楽器の数々の音を作るのも大変だと思います。
素晴らしいです。


この曲の演奏は、ギターシンセと、バンドスコアに助けられてますが、
いつものように、歌だけは、ごまかしようがなくて、困ったものです。
ギターマジシャン | URL | 2014/10/05/Sun 14:15 [編集]
BEATLESって、これはロックじゃないよな・・・と感じる曲がいろいろありますが、この曲は最たるものですね。
弦楽器の再現、よくここまで出来るものだと感心しました。ギターシンセだけ使ったんですか?
マジェ | URL | 2014/10/11/Sat 01:49 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> BEATLESって、これはロックじゃないよな・・・と感じる曲がいろいろありますが、この曲は最たるものですね。


伴奏はオーケストラだけで、ポピュラー曲や、ジャズボーカルでも、
他の楽器がはいっていたから、クラシックに接近した曲ですよね。


> 弦楽器の再現、よくここまで出来るものだと感心しました。ギターシンセだけ使ったんですか?


ギターシンセで、バイオリンとチェロの音色で、8回重ねていて、
打ち込みに比べて、ギターで弾くから、強弱をつけやすいです。

マジェさんが、DTMソフトやPC録音環境を整えられたので、
これから、いろいろな音源が出てくるのかと、楽しみです。
ギターマジシャン | URL | 2014/10/11/Sat 06:09 [編集]



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