僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。 旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ドビュッシーの「月の光」は、ヴェルレーヌの詩を引用して、
作曲者がつけた題名だが、ベートーベン「月光ソナタ」や、
クラシックギターの初心者が、必ず教わる、ソル「月光」は、
後でついた名で、作曲者が月光を意識していたかは不明。
クラシックに限らず、イージーリスニングのインスト曲でも、
作曲者は、どんなイメージで題名をつけたか、別の人が、
後でつけたとしても、聴く側としては、ソナタ、練習曲より、
具体的なイメージがわくし、逆に、それに囚われたりする。
ヨーコがピアノで弾く「月光ソナタ」を、聴いたとき、ジョンは、
何をイメージしたのか、「逆に弾いてくれないか。」と頼んで、
これだとばかりに、LP「アビーロード」の新曲を作るのだが、
「そのまま、歌詞をつけただけさ。」と言うものの、奥が深い。
この逆に弾いてもらったというのが、解釈が分かれていて、
曲のコード進行を逆にした、最後から反対に弾いていった、
音符の並び、アルペジオのパターンを逆にした、さらには、
楽譜を上下ひっくり返したという説まであり、どれが真実か。
YouTubeには、「月光ソナタ」を逆回転した音源があるが、
当然、そのまま「ビコーズ」にはならないし、ピアノ譜を見て、
コード進行を逆にしたり、ひっくり返しても、同じにはならず、
実際どう弾いたのか、ヨーコから、聞き出せないだろうか。
全体的な雰囲気、曲調は、そっくりと言っても良いだろうし、
ジョージ・マーティンが奏でる、イントロのハープシコードは、
「月光ソナタ」そのものにも聴こえるから、逆に弾かずとも、
「ビコーズ」を作れたろうが、ひねりをきかせたかったのか。
ビートルズのコンサートで、カバー曲だが、よく演奏した曲に、
「ロール・オーバー・ベートーベン」があり、「ベートーベンを、
ころばせろ、ひっくり返せ。」と歌っていたから、ジョン特有の、
ユーモアで、作曲した曲まで、ひっくり返したのかもしれない。
後期のジョンの歌詞には、難解なものが多く、そう評されると、
逆手に取って、無意味な単語を並べて、深読みするマニアを、
馬鹿にしては、内心ほくそ笑んでいたろうが、「ビコーズ」は、
すごくシンプルな歌詞で、それでいて、哲学的な広がりもある。
「世界が丸いから」、「風が強いから」、「空が青いから」と歌い、
肝心の「月」は、どこにも出てこないので、「月光ソナタ」から、
月のイメージを、ジョンには感じ取れなかったのか、あるいは、
あえて月を歌詞から外したのか、このあたりも興味深いところ。
まあ、この歌詞の流れからすると、月を入れたら、歌謡曲の、
「月がとっても青いから」になりそうで、やめて良かったろうし、
「空が青いから、泣きたくなる。」は、石川啄木の有名な短歌、
「空の青、海の青にも~」にも通じる叙情性を、すごく感じる。
この曲の特徴は、何と言っても、3人で3回重ねたコーラスで、
初期のビートルズは、ジョンとポールの作曲の才能に加えて、
コーラスグループとしても、抜群のハーモニーを誇っていたと、
思い出させてくれる、後期としては珍しい、3人揃ってのハモ。
ジョン、ポール、ジョージの3声で、それを、3回重ねているが、
これまた、ジョンが全パートを歌っているという説もあるようで、
一番高いパートは、確実にポールだし、サビの部分になると、
ジョージの声も、はっきり区別でき、明らかに3人で歌っている。
ドラムは聴こえないから、リンゴは参加していないかと思うと、
ガイドリズムとして、ハイハットを叩いていたそうで、最終的に、
消されてしまったが、各人が好き勝手に、録音するのではなく、
このLPは、昔のように、4人揃って演奏し、そこへ音を重ねた。
ジョンの、ハープシコードとユニゾンの、アルペジオのギターが、
本当に見事で、中学時代に愛用した、「ひき語りビートルズ」に、
ほぼ完コピで載っていたので、必死にアルペジオを練習したが、
一つのフレーズで、指を変える箇所があって、そこでつまづく。
ギターが上達すると、そこも弾けるようになるが、アルペジオで、
和音を響かせ、伴奏しているのに、指を変えると、音が途切れ、
ストレッチして、別の押さえ方ができないかと、悩んでいたのに、
バンドスコアを買うと、「ひき語り~」が、完コピでないとわかる。
自分に音感があれば、すぐに気づくことだが、イントロの部分も、
低音を強調するように変えていたり、押さえにくかったコードも、
ジョンが弾いたのは、普通に使うのコードフォームで良かったり、
40年も勘違いして、演奏一つとっても、自分には新発見だらけ。
サビで聴けるホルンのような音、最後のリコーダーのような音は、
ジョージが、前年録音した、ソロアルバム「電子音楽の世界」で、
全編に渡り使用した、ムーグ・シンセサイザーで演奏されていて、
リードギターでなくても、ジョージの貢献が大きく、一体感がある。
ちなみに、自分たちは、ムーグ・シンセサイザーと呼んでいたが、
正しい発音は、「モーグ」なので、近年は、製品名も改めたようで、
「バ」が「ヴァ」とかになる以外にも、けっこう、いろいろなところで、
カタカナ表記が変更されていて、人名だと、別人のことかと思う。
ビートルズの実質ラストアルバム、「アビーロード」に収録された、
ジョンが、「月光ソナタ」を基に作り、コーラスワークが見事な曲、
「ビコーズ」を、本物に倣って、歌を9回重ねたので、音としては、
厚みが出たものの、やはり高音がきつくて、息も絶えだえです…。
作曲者がつけた題名だが、ベートーベン「月光ソナタ」や、
クラシックギターの初心者が、必ず教わる、ソル「月光」は、
後でついた名で、作曲者が月光を意識していたかは不明。
クラシックに限らず、イージーリスニングのインスト曲でも、
作曲者は、どんなイメージで題名をつけたか、別の人が、
後でつけたとしても、聴く側としては、ソナタ、練習曲より、
具体的なイメージがわくし、逆に、それに囚われたりする。
ヨーコがピアノで弾く「月光ソナタ」を、聴いたとき、ジョンは、
何をイメージしたのか、「逆に弾いてくれないか。」と頼んで、
これだとばかりに、LP「アビーロード」の新曲を作るのだが、
「そのまま、歌詞をつけただけさ。」と言うものの、奥が深い。
この逆に弾いてもらったというのが、解釈が分かれていて、
曲のコード進行を逆にした、最後から反対に弾いていった、
音符の並び、アルペジオのパターンを逆にした、さらには、
楽譜を上下ひっくり返したという説まであり、どれが真実か。
YouTubeには、「月光ソナタ」を逆回転した音源があるが、
当然、そのまま「ビコーズ」にはならないし、ピアノ譜を見て、
コード進行を逆にしたり、ひっくり返しても、同じにはならず、
実際どう弾いたのか、ヨーコから、聞き出せないだろうか。
全体的な雰囲気、曲調は、そっくりと言っても良いだろうし、
ジョージ・マーティンが奏でる、イントロのハープシコードは、
「月光ソナタ」そのものにも聴こえるから、逆に弾かずとも、
「ビコーズ」を作れたろうが、ひねりをきかせたかったのか。
ビートルズのコンサートで、カバー曲だが、よく演奏した曲に、
「ロール・オーバー・ベートーベン」があり、「ベートーベンを、
ころばせろ、ひっくり返せ。」と歌っていたから、ジョン特有の、
ユーモアで、作曲した曲まで、ひっくり返したのかもしれない。
後期のジョンの歌詞には、難解なものが多く、そう評されると、
逆手に取って、無意味な単語を並べて、深読みするマニアを、
馬鹿にしては、内心ほくそ笑んでいたろうが、「ビコーズ」は、
すごくシンプルな歌詞で、それでいて、哲学的な広がりもある。
「世界が丸いから」、「風が強いから」、「空が青いから」と歌い、
肝心の「月」は、どこにも出てこないので、「月光ソナタ」から、
月のイメージを、ジョンには感じ取れなかったのか、あるいは、
あえて月を歌詞から外したのか、このあたりも興味深いところ。
まあ、この歌詞の流れからすると、月を入れたら、歌謡曲の、
「月がとっても青いから」になりそうで、やめて良かったろうし、
「空が青いから、泣きたくなる。」は、石川啄木の有名な短歌、
「空の青、海の青にも~」にも通じる叙情性を、すごく感じる。
この曲の特徴は、何と言っても、3人で3回重ねたコーラスで、
初期のビートルズは、ジョンとポールの作曲の才能に加えて、
コーラスグループとしても、抜群のハーモニーを誇っていたと、
思い出させてくれる、後期としては珍しい、3人揃ってのハモ。
ジョン、ポール、ジョージの3声で、それを、3回重ねているが、
これまた、ジョンが全パートを歌っているという説もあるようで、
一番高いパートは、確実にポールだし、サビの部分になると、
ジョージの声も、はっきり区別でき、明らかに3人で歌っている。
ドラムは聴こえないから、リンゴは参加していないかと思うと、
ガイドリズムとして、ハイハットを叩いていたそうで、最終的に、
消されてしまったが、各人が好き勝手に、録音するのではなく、
このLPは、昔のように、4人揃って演奏し、そこへ音を重ねた。
ジョンの、ハープシコードとユニゾンの、アルペジオのギターが、
本当に見事で、中学時代に愛用した、「ひき語りビートルズ」に、
ほぼ完コピで載っていたので、必死にアルペジオを練習したが、
一つのフレーズで、指を変える箇所があって、そこでつまづく。
ギターが上達すると、そこも弾けるようになるが、アルペジオで、
和音を響かせ、伴奏しているのに、指を変えると、音が途切れ、
ストレッチして、別の押さえ方ができないかと、悩んでいたのに、
バンドスコアを買うと、「ひき語り~」が、完コピでないとわかる。
自分に音感があれば、すぐに気づくことだが、イントロの部分も、
低音を強調するように変えていたり、押さえにくかったコードも、
ジョンが弾いたのは、普通に使うのコードフォームで良かったり、
40年も勘違いして、演奏一つとっても、自分には新発見だらけ。
サビで聴けるホルンのような音、最後のリコーダーのような音は、
ジョージが、前年録音した、ソロアルバム「電子音楽の世界」で、
全編に渡り使用した、ムーグ・シンセサイザーで演奏されていて、
リードギターでなくても、ジョージの貢献が大きく、一体感がある。
ちなみに、自分たちは、ムーグ・シンセサイザーと呼んでいたが、
正しい発音は、「モーグ」なので、近年は、製品名も改めたようで、
「バ」が「ヴァ」とかになる以外にも、けっこう、いろいろなところで、
カタカナ表記が変更されていて、人名だと、別人のことかと思う。
ビートルズの実質ラストアルバム、「アビーロード」に収録された、
ジョンが、「月光ソナタ」を基に作り、コーラスワークが見事な曲、
「ビコーズ」を、本物に倣って、歌を9回重ねたので、音としては、
厚みが出たものの、やはり高音がきつくて、息も絶えだえです…。
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![]() ギターマジシャンさん こんばんは。
“ビコーズ”いいですね。 この曲はジョンにしか書けないと思いました。 初めて聞いた時はクラシックを聞いているようだと思いましたね。 秀逸な曲をポンとアルバムに入れ込むのは凄いです。 ありがとうございました。 マサジョン | URL | 2014/09/14/Sun 20:09 [編集]
![]() いつも、コメントありがとうございます。
> ギターマジシャンさん こんばんは。 “ビコーズ”いいですね。 この曲はジョンにしか書けないと思いました。 静寂の中に広がっていくメロディに、簡潔でいて深遠な歌詞といい、 どちらも、ジョンならではの世界で、他の誰にも書けないでしょうし、 > 初めて聞いた時はクラシックを聞いているようだと思いましたね。 ベートーベンに感化されているだけに、クラシックそのものですね。 > 秀逸な曲をポンとアルバムに入れ込むのは凄いです。 ヒット狙いのシングル盤とは違った、隠れた名曲が数多く光ってます。 > ありがとうございました。 こちらこそ、いつも聴いていただき、ありがとうございます。 ギターマジシャン | URL | 2014/09/14/Sun 22:38 [編集]
![]() マジシャンさんがいっぱいだ~( ゚д゚)
逆回転といえば、BEATLESの曲で逆再生するとメッセージが再生されるものがあるという噂を聞いたことがあるような・・・知ってます? ![]() いつも、コメントありがとうございます。
> マジシャンさんがいっぱいだ~( ゚д゚) 9回、ボーカルを重ねているので、しつこいくらいですね。 > 逆回転といえば、BEATLESの曲で逆再生するとメッセージが再生されるものがあるという噂を聞いたことがあるような・・・知ってます? ポール死亡説のいくつかが、逆回転すると、ポールが死んだとか、 ポールを埋めたとか、聴こえるというのが、よく言われています。 昔、ジョージ役の友人と、レコードプレーヤーのベルトを外して、 手動で逆回転してみましたが、メッセージなんか、なかったです。 ギターマジシャン | URL | 2014/09/18/Thu 00:41 [編集]
![]() 鍵コメの方へ
いつも、コメントありがとうございます。 アカペラで、この曲を歌われること、楽しみに待っています。 ギターマジシャン | URL | 2014/09/18/Thu 00:42 [編集]
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