僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
映画「黒いオルフェ」のエンディングを飾る「オルフェのサンバ」
先日、映画「黒いオルフェ」のテーマ曲を、演奏した際、
映画そのものは、見たことがない旨を、記事に書いたら、
ブログ「夢中・熱中・ボサノバギター」を、運営されている、
Estruchさんから、YouTubeにあると、情報をいただいた。

公開された映画は、フランス語と、ポルトガル語なので、
YouTubeには、英語字幕の、本編全部がアップされて、
英語をヒヤリングして、字幕なしで見るのは、きついが、
文字が出ていれば、何となく、意味はつかめるので良い。

たぶん、自分と同世代で、英語が苦手な人のほとんどは、
同じような経験のはずで、中学、高校、大学と、約10年、
英語の授業を受けたが、英会話、カンバセーションよりも、
リーダーとグラマーが中心だから、読み書きは、そこそこ。

知っている単語をつないで、読みとばしたり、辞書を引き、
英文を読むのは、それなりにできるが、書くとなってくると、
文法でつまづきがち、英会話となると、ヒヤリングも厳しく、
自分の考えを英訳し、さらに発音するのは、ほぼ不可能。

何年かに一度、やっぱり英会話を覚えたいと、一念発起、
NHK基礎英語を、4月号から始めるが、ラジオもテレビも、
録音、録画がたまって、6月号あたりから、買わなくなるし、
本屋で手にした、「すぐできる英会話」なども、たまる一方。

かつて、自分も、クラシックギターの通信教育を受講した、
東京音楽アカデミーが、アカデミー出版となり、大流行の、
「家出のドリッピー」を取り寄せたり、ディズニーの映画で、
魔法のように学べるという、CD全集を買っては、積ん読。

いずれ老後に活用しようと、処分せずに、残してはいるが、
そんなわけで、英語のみの映画は、いまだ、理解が不能、
そんな自分でも、字幕つき「黒いオルフェ」は、画面を止め、
辞書を引くことなく、とばしとばしだが、最後まで鑑賞した。

昔からの癖で、映画館に行ったら、まずはパンフを買って、
あらすじや、登場人物を把握しておいて、映画を観るのを、
友人からは、それじゃ、つまらないだろうと、よく言われるが、
そうしないと、誰が誰だか、わからないうちに、ラストになる。

それで、「黒いオルフェ」も、ウィキペディア、映画レビュー、
ブログなどで、あらすじを確認すると、主人公のオルフェは、
歌とギターが得意な若者で、カーニバル見物にやってきた、
ユーリディスとの出会い、その悲恋と別れをつづった物語。

それをふまえて観ると、自分を付け回す謎の男から、逃れ、
電車によじ登ったユーリディスは、高圧線に触れ、亡くなり、
それを信じたくないオルフェは、彼女を探して、街を彷徨い、
祈祷師と出会い、彼女を声を聞くが、ただのまやかしだった。

彼女の遺体を引き取り、抱きかかえながら、自宅へ戻ると、
嫉妬した婚約者により、家は燃やされ、さらに、怒りをこめ、
投げつけられた石で、よろけたオルフェは、崖から転落して、
ユーリディスと、死によって、ようやく結びついたような結末。

あまりに唐突な、2人の死は、これこそが、ギリシャ悲劇から、
脈打つ文学性なのか、一般人に、よく理解できないことこそ、
純文学たるゆえんか、時代を象徴するヌーベルバーグなのか、
自分には、どうもわからない世界で、そういった名作が数多い。

元ネタというか、ストーリーのモチーフとなる、ギリシャ神話を、
知らないから、そこに込められた、意味が理解できないのかと、
本棚を探すと、20年以上前、「新潮文庫の100冊」で買った、
阿刀田高「ギリシャ神話を知っていますか」が、捨てずにある。

ギリシャ神話は、小学生の頃に、渋谷東急文化会館にあった、
五島プラネタリウムで、星座にまつわる話を聞き、気に入って、
「星座と伝説」の本をねだると、児童向けの「ギリシャ神話」を、
母が買ってきて、それじゃないと文句を言いつつ、読んでいた。

映画「黒いオルフェ」は、オルペウスの伝説に、基づくのだが、
オルペウスとエウリュディケと聞いても、何も思い出さないし、
オルペウスが竪琴の名手なので、琴座になったと言われると、
少し記憶がよみがえり、冥府へ下る話は、確かに覚えていた。

冥界の王ハーデスに、得意の竪琴と歌で、せつせつと訴えて、
亡き妻を連れ帰ることになったが、地上に戻るまでまでの間は、
決して振り返ってはいけない、という約束を破ってしまったため、
妻は闇の底へ消えていく、このくだりは、はっきりと思い出す。

古事記のイザナギ・イザナミの話にも、同じようなのがあったと、
昔も思ったし、阿刀田の本でも、触れているが、部屋を覗いて、
イザナミのおぞましい姿を見てしまうのを、オルフェと混同して、
どちらも、振り返って、死者の姿を見て、逃げ帰ると思っていた。

阿刀田は、オルフェの映画や音楽についても、書いているが、
まったく読んだ記憶がなくて、夏休みとかに旅行へ出かける際、
列車の中や宿で読もうと、とりあえず、文庫本を買っておくのに、
「新潮文庫の100冊」を手に取り、読みかけたままなのだろう。

映画の最後は、オルフェの歌で、太陽が昇ったと信じる少年が、
遺品のギターを手に、何か弾かねばと、即興で演奏始めるのが、
「オルフェのサンバ」で、音楽を聴きつけ、近づいてきた少女が、
「オルフェみたいね」と言って、サンバに合わせて、踊り始める。

このあたり、幼児・子供の持つ、純粋無垢な側面を強調しつつ、
太陽に向かって、音楽を奏でることで、仏教の輪廻とは違った、
魂の再生を表しているように思うし、何よりも、口伝というのか、
こうして音楽が伝承される、フォルクローレの原点を垣間見る。

映画では、子供が弾く設定なので、単音のメロディを弾いたら、
最後に、ジャカジャカと、かき鳴らすし、みんなで踊るときには、
コードだけ鳴らして、メロディを口ずさんで、テーマ曲と同様に、
イージーリスニングやジャズで聴くのとは、だいぶ違っている。

いつも愛用の江部賢一の、「華麗なるギターソロアルバム」に、
ソロギターに編曲した、「オルフェのサンバ」が載っているので、
楽譜に沿って弾くが、5・6弦のベース音が、小節の頭だったり、
前の小節の裏から、くって入ったりと、その使い分けが難しい。

和音を交え、メロディも弾くのに、コードチェンジが追いつかず、
iTuneにある江部の演奏は、テンポ90くらいだが、とても無理、
82に落としても、つっかつっかえで、ミスだらけとなってしまい、
ただ、さらに落とすと、サンバのノリを感じなくなるので、妥協。

結局、きちんと弾けないのを、無理やりテンポを上げてるから、
弾いているうちに、つっかえては、どんどん、ゆっくりになって、
これじゃ、いかんと、メトロノームを鳴らすと、あまりに機械的で、
いっそのこと、MTR内蔵のリズムマシンで、サンバを選択する。

おまけでついているリズムマシンだから、サンバ、ボサノバは、
2小節の繰り返しパターンで、各2種類しか入っていないので、
打楽器が派手すぎない方を選び、どうせ、リズムが入るならば、
ベースも録音して、ギターのベース音のミスを、ごまかすことに。

映画「黒いオルフェ」のラストシーン、子供たちが演奏していた、
「オルフェのサンバ」を、江部賢一の、見事なソロギター編曲で、
楽譜どおりに弾いていますが、テンポを落とし、リズム隊を加え、
ごまかしつつ、ジャズで演奏される雰囲気も、少し感じるかと。



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僕は一曲マスターするのにまだまだ半年ぐらいかかるので、
いつもながら一週間のペースでこういった曲をマスターされる
その実力に感心しきりです。

さて、wikipediaで、「黒いオルフェ」と、後に作られた「オルフェ」の説明を読むと、
フランス人監督の目線で作られた映画ゆえに、
ブラジルでは評価されていないようですね。

物語の背景(ギリシャ神話やヴィニシウスさんが書いた戯曲)はよく知りませんが、
こちらのブログの説明がもしかしたら的確かもしれません。
http://blog.goo.ne.jp/leatitia55/e/492de8368826e148c5d09774216d1443

エンディングに出てくるこの「オルフェのサンバ」ですが、
夜が明けて太陽(sol)が昇るシーンで使われています。

たしか映画の前半のほうで、子供達の凧が揚がらないシーンがあって、
凧が揚がらない=太陽が昇らない=暗闇(死)を暗喩するように
描かれていたと記憶しています。

それを伏線にしながら、ラストでは日が昇り、
新しいなにかが再生されることが暗喩されます。
その象徴として明るい雰囲気のこの曲が使われていて、
とても印象的に感じたことを思い出しました。
Estrucn | URL | 2014/08/23/Sat 16:29 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> 僕は一曲マスターするのにまだまだ半年ぐらいかかるので、
いつもながら一週間のペースでこういった曲をマスターされる
その実力に感心しきりです。



かれこれ、40年もギターを弾いているので、その間にかじった曲を、
少しずつアップしている状態で、そろそろ、ストックも尽きそうです。



> さて、wikipediaで、「黒いオルフェ」と、後に作られた「オルフェ」の説明を読むと、
フランス人監督の目線で作られた映画ゆえに、
ブラジルでは評価されていないようですね。


自分らが、ハリウッド版ゴジラ(特に前作)に違和感を抱くより、
奥が深いところで、民族性の違いも関係するかもしれませんね。



> 物語の背景(ギリシャ神話やヴィニシウスさんが書いた戯曲)はよく知りませんが、
こちらのブログの説明がもしかしたら的確かもしれません。
http://blog.goo.ne.jp/leatitia55/e/492de8368826e148c5d09774216d1443



早速、ブログを拝見してきましたが、「すべては運命」という説明、
なるほどと納得でき、純文学に感じる疑問も、説明がつく感じです。



> エンディングに出てくるこの「オルフェのサンバ」ですが、
夜が明けて太陽(sol)が昇るシーンで使われています。
たしか映画の前半のほうで、子供達の凧が揚がらないシーンがあって、
凧が揚がらない=太陽が昇らない=暗闇(死)を暗喩するように
描かれていたと記憶しています。
それを伏線にしながら、ラストでは日が昇り、
新しいなにかが再生されることが暗喩されます。
その象徴として明るい雰囲気のこの曲が使われていて、
とても印象的に感じたことを思い出しました。



凧のシーンの伏線もあって、死からの再生ということが暗喩され、
あの子供達の、どこかほっとする場面に、繋がっていくのですね。
ギターマジシャン | URL | 2014/08/23/Sat 20:26 [編集]



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