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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
武満徹のギター編曲集「12の歌」より、「ロンドンデリーの歌」
何度となく、自分のクラシックギターの原点、と書いている、
NHK「ギターをひこう」だが、さらに最初に見た74年度に、
講師の荘村清志が、毎週最後に弾いた、ミニミニコンサート、
卒業発表会での、タレガ、ソルの曲が、自分の定番となる。

その荘村清志の為に、武満徹が、ポピュラーソング12曲を、
ギターに編曲したのが、77年で、「弦は生きている!」と、
キャッチコピーがつき、「12の歌/地球は歌っている」として、
献呈された荘村が初演、レコードと楽譜が同時発売された。

自分が、この編曲を知ったのは、やはり「ギターをひこう」で、
78年度テキストに広告が出ていて、CM放送しないNHKが、
雑誌扱いのテキストだからか、基礎英語でも、市民講座でも、
関連した広告が掲載されて、何となく、不思議な気分である。

これまたブログに書いている、ポピュラーギターに夢中になり、
楽譜を集めたのは、数年後だから、当時は、あまり興味もなく、
実際、このレコードの演奏は、まったく聴いたことがないままで、
荘村が96年に、数曲を再演したCDを、さらにあとで聴いた。

この広告が載った、78年度前期は、アントニオ古賀が講師で、
おそらく、「ギターをひこう」で、初めてポピュラー曲を扱ったが、
「追憶」や「ロミオとジュリエット」などは、見事なギター編曲で、
ミニミニコンサードで聴いて感動し、テキストで取り組んでみた。

武満徹の「12の歌」の、冒頭を飾る、「ロンドンデリーの歌」も、
79年度後期テキストに載り、もちろん、武満編曲ではないが、
あるいは、このときに初めて、この曲を聴いたり、解説文から、
「ダニー・ボーイ」という別名があることも、知ったんじゃないか。

ところで、「ギターをひこう」は、年度を通し、同じ講師のところ、
アントニオ古賀の場合、78年度前期のみ、後期は小原聖子、
79年度前期が芳志戸幹雄で、後期に、再度アントニオ古賀と、
変則的だったが、自分が見始める前も、半年交代だったようだ。

もう大半が劣化し、駄目になってしまった、カセットテープだが、
「ギターをひこう」の、卒業発表会のテープを、見つけ出したら、
アントニオ古賀の年度から、講師が半年交代になっていたので、
裏表を間違えて録音したり、日付を書き間違えたと思っていた。

武満徹の「12の歌」は、発表当時は、全音ギターピースとして、
1曲ずつ出ていたので、ポピュラーギターに取り組んだ時期に、
難易度Dという、見栄心をくすぐる理由だけで、2曲を買ったが、
すっきりした楽譜の見た目に比べ、やたら難しくて、投げ出した。

今年になって、数年ぶりに、クラシックギターに気合が入ったうえ、
楽譜をネットで探して、買うことを覚えたので、いろいろ見ていて、
「12の歌」が1冊になっているのに気づいて、早速買ったのだが、
難易度は変わらないから、早々に、CDの鑑賞用楽譜と相成る。

NHK「らららクラシック」で、鈴木大介が、この中から1曲を演奏し、
鈴木の表現力もあるが、やはり、武満徹の編曲は素晴らしいと、
再認識し、そうなると、気に入ったら弾きたくなる、恒例パターン、
買ったままになっていた楽譜と、じっくりと、向き合う気になった。

手始めに、鈴木大介の演奏した、「オーバー・ザ・レインボー」を、
練習したが、1曲だけに、じっくりと取り組むというのは、苦手で、
あちこちと、弾けそうなところを、手当たり次第に、つまみ食いして、
そのうちに仕上がってきた曲に、取り組むのが、昔からのやり方。

それは、「12の歌」に限らず、タレガ、ソル、バッハの曲だったり、
ヴィラ・ロボスやバリオス、さらには江部賢一の編曲集だったりし、
レパートリーとは呼べない、中途半端な状態で止まっているが、
こうして毎週アップするから、そこそこには、仕上げるようになる。

「ロンドンデリーの歌(ロンドンデリー・エアー)」は、別の曲名の、
「ダニー・ボーイ」で呼ばれることも多いが、その経緯を調べると、
アイルランド民謡を、ロンドンデリーに住んでいた人が採取して、
原題となるが、のちについた歌詞から、「ダニーボーイ」だそうだ。

映画音楽に使われて、その題名のほうが、定着するのも多いが、
この例だと、ベートーベンの「エリーゼのために」に、歌詞をつけた、
「情熱の花」や、「キッスは目にして」が、併記されるようになって、
さらには、本家をこえてしまったようで、何だか複雑な気分になる。

映画「メンフィス・ベル」の中で、ハリー・コニックJr.扮する兵士が、
出陣のパーティで、「ダニー・ボーイ」を歌うのだが、ついた歌詞が、
別れを惜しむ内容なので、やがて、戦地へ赴く息子を送る歌とされ、
なるほど、あの場面にふさわしい曲だったのかと、今ようやく知る。
 
武満の楽譜には、テンポの指定があるのだが、演奏者の解釈か、
ルバートやリタルダンドの取り方も、まちまちならば、インテンポも、
倍くらい違っていて、再録音時の荘村の演奏は、5分近くなのに、
村治佳織だと、ほぼ4分、福田進一にいたっては、3分と段違い。

ここは、この編曲を献呈された本人、荘村のテンポを尊重しようと、
ゆっくりと弾いたが、そういう時に、思い入れが過剰となる悪癖で、
さらに遅くなったり、リタルダンドが、ただ、つっかえたようになり、
もっと楽譜を読み込んで、テンポの変化を、解釈する必要がある。

武満徹編曲の特徴というか、一般ギタリストが根をあげる要因が、
ジャズの複雑なコードを使うので、慣れない押さえ方を強いられ、
指がこんがらがったり、かなり左手を広げないと、届かないような、
運指も多くて、手の小さい自分などは、物理的に不可能だと憤慨。

3弦2フレットに、4弦7フレットを押さえ、同じラの音を鳴らしてから、
4弦を半音ずつ下げる運指は、最初だけ、気合を入れて広げるが、
1弦9フレット、2弦10フレットと同時に、6弦の5フレットで低音を、
鳴らすにいたっては、アルペジオ気味にずらして押さえても、無理。

手の小さい村治佳織など、どうしているのか、和音を変えるのかと、
Youtubeで探したところ、プロギタリストの動画は見当たらないが、
みんな何事もないように、押さえていて、フォームの違いだろうかと、
椅子と足台を使うと、ギリギリではあるが、嘘みたいに押さえられる。

面倒だからと、いつも畳に座り、右足にギターを乗せているのだが、
これだと、右手の爪の当たる角度も良くないし、手首にも負担が大、
左手も十分広げられないわけで、いかに正しいフォームが大切かを、
実感はしたが、ちょっとした練習で、足台を出すのは、やはり面倒。

クラシックというか、現代音楽の作曲家、武満徹が、荘村清志へと、
ギター曲を書き下ろしたのに続き、ポピュラー曲をギターへと編曲し、
「12の歌」として献呈したが、その冒頭を飾る「ロンドンデリーの歌」、
「ダニー・ボーイ」としても有名な曲を、かなり遅くなってる演奏です。

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とってもいい演奏です。
この曲も、すごく難しいフォームなんですか!
クラシックギターは又にはさんで弾くので、
左手への負担が全然違うんですね?
意味は違いますが、フライングVを家では椅子に座って弾くのと似てますね♪
リッチーエリックボーン・ペイジリックス | URL | 2013/08/18/Sun 20:00 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> とってもいい演奏です。
この曲も、すごく難しいフォームなんですか!
クラシックギターは又にはさんで弾くので、
左手への負担が全然違うんですね?
意味は違いますが、フライングVを家では椅子に座って弾くのと似てますね♪



慣れなのでしょうが、たった3つの和音でも、指がこんがらがったり、
なかなか届かなくて、必死になるような箇所があり、苦労してますが、
正しい構えにすると、左の肘の位置が変わるのか、少し楽になります。


フライングVは、座っても、立ってストラップをしても、大変そうで、
自分に合ったポジションを見つけるまでは、かなり弾きにくいのでは。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/18/Sun 22:24 [編集]
丁寧にみるって 弾くって 大切なんだけど ・・面倒くさいのも事実で・・・
あのぅ コンテストは どうなりましたか あれだけ弾かれていらっしゃるんだかr入賞されたかしら ???なんて 思っていました。

>武満徹編曲の特徴というか、一般ギタリストが根をあげる要因

そうなんです。
私も いくつも ついばんでみては 投げ出しているのが武満。
不良少年というのがあって こも 監督 羽仁進だったか  好きなんですけど変調6拍子にフリマふりまわされて 弾けずじまい。

ロンドンデリーならと 意気込んだけど・・・むずかしいのよ。簡単そうで・・・・
だから ゆっくり 弾いてみるのも 武満の 一音一音の意味が 理解してくるのではないでしょうか?
※足台やら 肘の位置やら 押さえる前に 目線を移動など 
基礎の基礎を振り返ると なんだ 届くじゃないかなんてことも 多いのも 
面倒くさがり屋の私には ほんとうに 痛いほどわかります。

今日こそ、短い曲で 音を選びながら 弾きなさいと もう何度も師匠から言われていることをまた いわれ、そろそろ 覚悟せねばと思っています。
kao | URL | 2013/08/19/Mon 18:23 [編集]
Re: 丁寧にみるって 弾くって 大切なんだけど ・・面倒くさいのも事実で・・・
いつも、コメントありがとうございます。


> あのぅ コンテストは どうなりましたか あれだけ弾かれていらっしゃるんだかr入賞されたかしら ???なんて 思っていました。


9月発売のギターマガジンに、第一次審査の結果が載りますが、
200名以上から、30名に絞られるので、かなり難しいです。



> >武満徹編曲の特徴というか、一般ギタリストが根をあげる要因
> そうなんです。
私も いくつも ついばんでみては 投げ出しているのが武満。
不良少年というのがあって こも 監督 羽仁進だったか  好きなんですけど変調6拍子にフリマふりまわされて 弾けずじまい。



不良少年は、ただでさえ難しいうえに、あのリズムで合奏するわけで、
自分のテンポではなく、お互いに合わせる必要があり、やっかいです。


> ロンドンデリーならと 意気込んだけど・・・むずかしいのよ。簡単そうで・・・・
だから ゆっくり 弾いてみるのも 武満の 一音一音の意味が 理解してくるのではないでしょうか?
※足台やら 肘の位置やら 押さえる前に 目線を移動など 
基礎の基礎を振り返ると なんだ 届くじゃないかなんてことも 多いのも 
面倒くさがり屋の私には ほんとうに 痛いほどわかります。



「12の歌」は、聴くと、やるとでは大違いというか、すごくシンプルで、
流れるようメロディでも、右手、左手とも、どえらいことになっています。



> 今日こそ、短い曲で 音を選びながら 弾きなさいと もう何度も師匠から言われていることをまた いわれ、そろそろ 覚悟せねばと思っています。



kaoさんは、演奏する前に楽曲を分析され、一つ一つの音の流れを納得し、
さらに、自分とギターの構え、音色にも気配りされて、曲を完成させるから、
時間もかかるでしょうが、粗製乱造の自分と違い、完成度も増すと思います。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/19/Mon 20:44 [編集]



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