僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
村治佳織のCMが印象的だった、レニャーニ「カプリス第7番」
もはや若手と言うよりも、ベテランのクラシック・ギタリスト、
村治佳織が、療養のために、しばらく活動休止するそうで、
二度目の右手神経麻痺からも復帰し、そろそろ新譜かと、
期待していただけに、なんて不運が続くのかと、心が痛む。

ネットには、励ましコメント以外に、心ないコメントも散見し、
かつての陰口が、堂々と表に出る風潮に、嫌悪しつつも、
この曲が好きだ、嫌いだ、あの演奏は良い、悪いだのと、
知った風な記事を書いてる自分も、似たりよったりと自戒。

村治佳織はデビューした、高校生の頃から、すごく丁寧、
端正な演奏をしていて、まるで教則本のお手本のような、
それでいて、単調にならず、しっかりと聴かせる表現力も、
持ち合わせた、類まれなギタリストと、自分は思っている。

師匠の福田進一が、あまり演奏されていない、古典の曲、
海外の新進ギタリストの曲を、CD録音や公演で紹介して、
クラシックギター界の、裾野を広げようと、活動しているが、
そこに一役買うと言うより、村治佳織が広めた曲は数多い。

テレビ、何よりCMでの演奏は、お茶の間へとダイレクトで、
ヤングギターの記事で、高校生ギタリストがデビューしたと、
知ってはいたものの、実際に演奏を聴いたのは、数年後の、
CMや情熱大陸であって、それをきっかけに、CDも買った。

伊藤園のCMでの、わずか15秒の中、圧倒的な早弾きを、
さらっと弾いてのけた、「はちすずめ」の実力には、驚いたし、
トヨタのCMでも、早弾きを披露した、「カプリス第7番」は、
クラシックをかじった自分でさえ、聴いたことのない曲だった。

バイオリンの鬼才、パガニーニと同時代、というだけではなく、
コンビとして演奏もしていたという、ルイジ・レニャーニの曲で、
パガニーニの「24のカプリス」に対抗してか、数を増やした、
「36のカプリス」があり、その中から、第7番をCMで起用。

そもそも、レニャーニなど、曲どころか、名前も知らなかったが、
そう言えば、パガニーニが、数少ないギターの曲を書いたとき、
一緒に演奏しているギタリストとの、エピソードがあったっけと、
現代ギター増刊「名演奏の手引き」を探すと、その名があった。

パガニーニとレニャーニは、演奏旅行もするほど、共演したが、
いつもギターは伴奏役だと、不満を言うと、それならば新曲は、
ギターが活躍する曲にするよと、なったものの、いざ本番では、
パガニーニがギターを弾き始め、やはり目立っていたという話。

レニャーニが、たまには自分にバイオリンをやらせろと言って、
楽器を持ち替えたところが、さて渡された楽譜を見てみると、
ギターが目立つ曲だったという説もあって、この方が面白いが、
どちらにしても、おかげで、パガニーニがギターの曲を作った。

こうした逸話も、あとから、レニャーニだったと、気づいたわけで、
手持ち資料で探してみても、現代ギター「ギター音楽ガイド」の、
楽譜リストには、「36のカプリス」のみで、レコード目録の欄も、
輸入盤で、ガヨールという人が、カプリスから2曲を弾いた程度。

鈴木巌が、「ラ・マズルカ」なる曲を、教則LPで録音したようで、
手元にある「クラシックギター教室3」には、「スケルツォ」が載り、
この曲は、16分音符も多く、技巧派だったのが、うかがえるが、
おそらくは、ほとんど知られていない、ギタリストだったと思える。

村治佳織が15歳で出した、デビュー作「エスプレッシーヴォ」で、
パガニーニ「カプリス24番」と合わせて、レニャーニの曲からも、
6曲を弾いたが、たぶん、これだけでは、一部のファンしか知らず、
印象的な早弾きの部分が、CMで流れたことで、広まったと思う。

「クラシックギターのしらべ」には、「タンゴ・アン・スカイ」とともに、
村治佳織がCMで弾いた曲として、「第7番」のみが掲載されたし、
「名曲てんこもり2」での「第7番」には、村治が運指をつけていて、
村治佳織の曲集2には、6曲収録と、まるでレニャーニの伝道師。

自身の名を冠した曲集より、「てんこもり」の方が、運指の指定は、
多いうえに、右手も細かく書いてあるので、自分にはありがたくて、
ピック弾きと違い、指弾きでは、いまだに苦手なままの早弾きも、
指定された指使いだと、わりとスムーズに、弦をとらえて弾ける。

何をおいても、早弾きが大好きで、いい歳をして、困ったもんだが、
クラシックギターでは、情けないくらいに、右手が動かないうえに、
左手とのコンビネーションも今一歩だから、ちょっと早くするだけで、
音色が汚くなるし、開放弦が鳴ったり、雑音が多くなったりする。

毎日、スケール練習をしてはいるが、規則的な指の動きだけでは、
実際の曲の演奏中には、対応しきれないことが多く、あらためて、
運指の大切さを痛感するわけで、いかに効率良く、指を交互にし、
弦の移動にもついていくよう、きちんと考えて弾かないといけない。

今の自分の実力からすると、この曲は、普通の速度でも難しくて、
まして、若さの勢いもあってか、ものすごいスピードで弾ききった、
村治佳織のデビューアルバムでの速さには、まったく追いつけず、
それでも、遅すぎると、曲のイメージを損なうので、必死で弾いた。

クラシックギターの早弾きというと、かつては山下和仁が傑出して、
最近では、イングヴェイのファンを公言する、木村大が目につくが、
村治佳織も、負けず劣らず、早弾きなど、楽々とこなしてしまうし、
若き日のセゴビアも、神がかっていて、これがクラシック界の底力。

そんなクラシックギターの魅力を、一般、お茶の間へ広めてくれた、
村治佳織の休養は寂しく、一日も早く復帰して欲しいと願いつつ、
ここは、じっくりと静養してください、いつか、目新しい曲を引きつれ、
戻ってくるまで、自分は、これまでの曲に、じっくりと取り組みます。

村治佳織がCMでも演奏した、レニャーニの「カプリス第7番」を、
本物の速さには、とうてい追いつけないものの、かなり無理して、
今の自分が弾ける限界スピードにし、以前の「はちすずめ」同様、
気ばかりあせって、音が粗くて、雑音だらけの演奏となっています。
 


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いい感じです。
ギターマジシャンさん
こんばんは。最近はわりと過ごしやすいですね。
村治佳織さんは僕は残念ながらほとんど知りませんので、コメントできないのが残念です。
おそらくあのCMだ、というのは容易に想像つきますが。
あの素晴らしい演奏の背景にはこのような背景があったのですね。
ゆっくり静養していただきたい一方、次が待ち遠しいですね。
そんななか、ギターマジシャンさんの演奏も早いし、味が出ていてとってもいいですよ。
クラシックギターの早弾きというのが実際はどんなテクニックなのか、興味あります。
ST Rocker | URL | 2013/08/03/Sat 17:34 [編集]
Re: いい感じです。
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん
こんばんは。最近はわりと過ごしやすいですね。



一時の猛暑がおさまったようで、風の心地よい時もあります。



> 村治佳織さんは僕は残念ながらほとんど知りませんので、コメントできないのが残念です。
おそらくあのCMだ、というのは容易に想像つきますが。



CMでギターを弾いた女性は、かつてボサノバを歌った小野リサと、
村治佳織くらいだと思うので、想像されてるCMに間違いないかと。



> あの素晴らしい演奏の背景にはこのような背景があったのですね。
ゆっくり静養していただきたい一方、次が待ち遠しいですね。



これまで、クラシックギター界を引っ張るくらい、がんばったので、
しばらくは療養に専念されて、満を持しての復帰を期待しています。



> そんななか、ギターマジシャンさんの演奏も早いし、味が出ていてとってもいいですよ。
クラシックギターの早弾きというのが実際はどんなテクニックなのか、興味あります。



自分の演奏は、いつもながらの初級~中級レベルの演奏と比べても、
ちょっとお粗末過ぎて、難易度が高い曲を弾きたがる、悪い癖です。

クラシックの早弾きだと、右手は、主に人差し指、中指を交互に弾き、
親指、薬指も使いますが、1弦が親指、6弦薬指だと弾きにくいので、
組み合わせを事前に考えたり、瞬時に判断して弾くのが、難しいです。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/03/Sat 18:39 [編集]
落して弾いても
ギターマジシャンさん こんばんは

病気というものは、表面だけみると 「- 」イメージですが、それをクリアした後に残る財産って すごいもののような気がしています。
命をもう一度 授けられた後は 生かされた意味を考えるようになるし、ほんとうの自分の役割というものを自分の才能と合わせて自然体に 生かしていけるような気がしています。香織さんにとって そうであってほしいと思います。


年を重ねると というか 私の場合は もともと テクニック基礎がないからしかたないのですが、右手と左手が思うように合致しずらくなるような気がします。
走ることでいえば、足がもつれるっていうあれです。
早い曲になると 指がもつれ、気ばかりが先に・・・

楽譜上の速さの指定はあっても、少しゆっくりでいいのではと思う最近
なぜなら、なぜなら・・・ パガニーニが生きたころ、レニアーニが生きた時代は
今より、もっとゆっくり時間が流れていたと思うから。

いつも 拝読しながら いろんな話題に富み とっても楽しいです。ありがとうございます。♪
kao | URL | 2013/08/03/Sat 21:40 [編集]
Re: 落して弾いても
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん こんばんは
> 病気というものは、表面だけみると 「- 」イメージですが、それをクリアした後に残る財産って すごいもののような気がしています。
命をもう一度 授けられた後は 生かされた意味を考えるようになるし、ほんとうの自分の役割というものを自分の才能と合わせて自然体に 生かしていけるような気がしています。香織さんにとって そうであってほしいと思います。



病気になったからこそ、健康のありがたさ、命の大切さが、実感でき、
それを良い方向へ生かすことで、意味のあるものと、考えたいですね。


> 年を重ねると というか 私の場合は もともと テクニック基礎がないからしかたないのですが、右手と左手が思うように合致しずらくなるような気がします。
走ることでいえば、足がもつれるっていうあれです。
早い曲になると 指がもつれ、気ばかりが先に・・・



今の自分が、まさに、指がもつれている状態でして、
左右のコンビネーションが、思うようにいきません。


> 楽譜上の速さの指定はあっても、少しゆっくりでいいのではと思う最近
なぜなら、なぜなら・・・ パガニーニが生きたころ、レニアーニが生きた時代は
今より、もっとゆっくり時間が流れていたと思うから。



作曲時、速度のとらえ方が、今より、ゆっくりだったかもしれませんし、
交響曲やピアノ曲でも、そのテンポは、奏者によって、まちまちなので、
無理しない速度で演奏し、表現に重みを置く方が、良いかもしれません。


> いつも 拝読しながら いろんな話題に富み とっても楽しいです。ありがとうございます。♪


かなり思いつきで書いていて、ひとりよがりの内容が多いですが、
いつも読んでいただいて、こちらこそ、ありがとうございます。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/03/Sat 23:47 [編集]
村治佳織さん、早く復帰され、
また素晴らしいギターを聴かせて欲しいですね!
ギターマジシャンさんを手こずらす速弾きとは凄いですね。
最近ビルボードライブにも出られてたので、一度生で観たい人です。
リッチーエリックボーン・ペイジリックス | URL | 2013/08/06/Tue 22:51 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。


> 村治佳織さん、早く復帰され、
また素晴らしいギターを聴かせて欲しいですね!
ギターマジシャンさんを手こずらす速弾きとは凄いですね。
最近ビルボードライブにも出られてたので、一度生で観たい人です。
 

回復されて、新譜を出したり、コンサート活動や、
テレビ出演されるのを、楽しみに待つこととします。

自分のクラシックギターでの早弾きは、お粗末で、
せいぜい初級の上、きちんと学んでいる高校生、
あるいは中学生以下ですが、必ず追いつきます。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/06/Tue 23:21 [編集]
びっくりしました・・・
村上佳織さん、舌癌で活動休止とは・・・
正直あまり聴いたことはないのですが、美しい方ですよね~
神経麻痺なども患っていたのは知りませんでした
何とか克服して復帰を願いたいですね
マジェ | URL | 2013/08/06/Tue 23:50 [編集]
Re: びっくりしました・・・
いつも、コメントありがとうございます。


> 村上佳織さん、舌癌で活動休止とは・・・
正直あまり聴いたことはないのですが、美しい方ですよね~
神経麻痺なども患っていたのは知りませんでした
何とか克服して復帰を願いたいですね


よりによって、なぜこの人なんだ、というのは、
こうしたニュースの度に、感じることなのですが、
とにかく、今は回復を信じて、ずっと待ちます。
ギターマジシャン | URL | 2013/08/07/Wed 02:01 [編集]



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