僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ギタリストが好んで編曲する、ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」
先日、ドビュッシー「月の光」を、ギター版で演奏したが、
同じく、ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」も、ピアノ曲で、
和音の響きが美しいうえに、旋律も、わかりやすいからか、
多くの人が、ギターに編曲しているし、録音も数多くある。

ドビュッシーは、ギターを「表情豊かなクラヴサン」と呼び、
ギターのために作曲をしようとしたが、ギターの奏法など、
ギタリストのリョベートに相談するも、多忙だと、断られて、
果たせなかったそうで、ギター界にとり、ものすごい損失。

ドビュッシーに捧げる形で、これも大作曲家のファリヤが、
「ドビュッシーの墓」という、ギター曲を書いているのだが、
これが、ファリヤの唯一のギター曲というのも、興味深いし、
ロドリゴは「祈りと踊り」を、ファリヤに捧げ、しりとりのよう。

「亜麻色の髪の乙女」のギター譜は、手元にあるだけでも、
全音ギターピースの東条俊明、「ギターをひこう」の鈴木巌、
「クリストファー・パークニング曲集」のジョン・マーシャルや、
「現代ギター」のホセ・ルイス・ゴンザレスと、人気が伺える。

原曲のキーはG♭で、五線譜には♭記号が、6個もつくが、
ギター編曲では、半音上げたGにして、演奏することが多く、
ギターの音域に合わせ、ピアノの和音を、どう省略するか、
旋律をオクターブ変えるか、の違い程度で、似通った編曲。

おそらく、かなり早い時点で、演奏したのは、セゴビアだが、
珍しく、キーはEとなっていて、原曲の最高音C♭の音程を、
オクターブ下げずに演奏するため、FかEへ移調するところ、
ギター特有の開放弦の響きが活かせる、Eにしたと思える。

現代のクラシックギターを確立した、アンドレス・セゴビアは、
新しいレパートリー作成に意欲的で、作曲家に依頼したり、
自ら編曲を手がけたのだが、おなじみのバッハの曲以外に、
ドビュッシーやムソルグスキーの曲も、ギター編曲している。

絶対音感のある人は、移調だと、曲自体が変わってしまう、
色彩が、まったく異なり、何のために、作曲者がその音を、
選んだのかが、ないがしろにされると、感じているそうだが、
ピアノや、オーケストラのギター編曲には、移調がつきもの。

自分は、幸か不幸か、絶対音感どころか、相対音感もなく、
セゴビアの演奏を聴いても、何だか、編曲が違うようだなと、
思ったものの、キーが低いとは、ギターで合わせてみるまで
気づきもしないほどで、移調などは、まったく、気にもしない。

ただ、手元にある編曲のうち、和音の構成が、ピアノに近く、
メロディーも、途中から、オクターブ下がったりしてない方が、
原曲に忠実な気がして、現代ギター増刊に収録されている、
ホセ・ルイス・ゴンザレスの編曲を、今回は挑戦することに。

冒頭の旋律が印象的なので、昔から、弾いたりしていたが、
その部分だけで満足してしまい、その先をやらなかったから、
曲自体も、ピアノやギター、フルートと、様々に聴いてたのに、
テーマ以外のフレーズは、鼻歌レベルでも、覚えていない。

ピアノ譜を見て、ピアノ演奏を聴き、曲を覚えることから始め、
テンポの取り方、歌わせ方を学んだが、実際演奏となったら、
指板や、右手をにらみながら、和音を押さえるのに、必死で、
3分前後の曲が、4分にもなる、ゆっくりすぎる演奏となった。

旋律が、オクターブ下がらないよう、18フレット以上の音程は、
ハーモニクスで出す編曲だが、和音と一緒に、鳴らそうにも、
同時には難しくて、ずらして音を出すから、旋律が途切れて、
それならば、下げた実音で弾くほうが、流れ的には良いのか。

実際、現代ギターの準拠CDでの演奏でも、一部のところは、
オクターブ下げた実音で、聴いた限り、何の違和感もないが、
クラシックは楽譜に忠実という、変なこだわりが、自分にあり、
たとえ編曲でも、変更するなら、別の版に、変える方が良い。

そんなこだわりで、結局のところは、弾けない部分だらけだし、
リタルダンドや休符と関係なく、演奏が止まりがちになったり、
まだまだ、左右のコントロールができず、爪のあたるノイズや、
左指が開放弦を引っ掛けたりと、自己嫌悪になる、実力不足。

トヨタCMで、おなじみ、ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」を、
現代ギター増刊、「名曲演奏の手びきパート2」に掲載された、
ホセ・ルイス・ゴンザレスによる編曲で、少しでも良い音色をと、
探りつつ弾いている、今の自分にできる、精一杯の演奏です。


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只今、一仕事(録音/笑)を終え聴かさせて頂いてます…
すごく繊細で細部まで想いが込められた演奏をされていますね。
す〜っと心に入ってきます…
mar | URL | 2013/02/09/Sat 21:38 [編集]
今回も琴線に触れる音色と丁寧な演奏で凄く心地よいです。
ただでさえ運指が大変なのにハーモニックスも凄く大変そうですね!?
高い次元で悩まれておられるので、本当に頭が下がります。
くまねねク~(よねちゃん) | URL | 2013/02/09/Sat 23:01 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。

> 只今、一仕事(録音/笑)を終え聴かさせて頂いてます…
すごく繊細で細部まで想いが込められた演奏をされていますね。
す〜っと心に入ってきます…



ピック弾きと違い、まだ、指が早く動かせないので、
おのずと、一球入魂みたいな、演奏となってますが、
marさんの弾く、超絶ベースの半分でも良いから、
粒が揃い、雑音のない指弾きを、身につけたいです。

録音を終えられたということは、その超絶ベースの、
新曲が、もうすぐ、ブログで拝聴できるのですね!
ギターマジシャン | URL | 2013/02/09/Sat 23:21 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。

> 今回も琴線に触れる音色と丁寧な演奏で凄く心地よいです。
ただでさえ運指が大変なのにハーモニックスも凄く大変そうですね!?
高い次元で悩まれておられるので、本当に頭が下がります。



ハーモニクスは、きれいに音が出なくて、ヒットポイントを、
きちんと把握するよう、ドレミファから、練習し直さないと…。

理論というか、解説書とか読むのが好きで、演奏とは別もので、
いろいろ考えては、悩んでいて、「習うより慣れろ」というか、
ひたすら、練習するべきなのでしょうが、空回りしています…。
ギターマジシャン | URL | 2013/02/09/Sat 23:26 [編集]
ドビュッシー
これは、何かで聞いた事があります。CMでしょうか?あっ!トヨタでしたか。
いい響きですね~。
私も、こんな演奏が出来たら家族に支持されるんですが・・・^^;
リッチーエリックボーン | URL | 2013/02/10/Sun 02:15 [編集]
Re: ドビュッシー
いつも、コメントありがとうございます。


> これは、何かで聞いた事があります。CMでしょうか?あっ!トヨタでしたか。
いい響きですね~。
私も、こんな演奏が出来たら家族に支持されるんですが・・・^^;



CMには、昔のロックや、クラシックの名曲など使われて、
フュージョンやアコギは、天気予報とかでも流れてるから、
もともと知らなかった曲でも、かなり耳になじんできます。

演奏は、まだまだのレベルですし、仮に、うまくなっても、
おそらく自分の家族からは、うるさいだけじゃないかと…。
ギターマジシャン | URL | 2013/02/10/Sun 10:04 [編集]
やはり弦の響きはえぇ~なぁ~
何故だろう?間の置き方なのでしょうか?楽譜の内容で?
ギターと言うよりは、私の中ではリュートって気色なんですよね。
記事の中に、そうかもという部分はあるんですけど、何せ雰囲気聴きしかしていない私には解答に辿り着けない部分です。

思わずですが、Las , je m'y plains を思い出して聴いたのですが、私的にはムード系で流れるものとは違った古典楽器的な味わいを感じました。

そういうとこ、好きなんですよね!
ロッシー | URL | 2013/02/10/Sun 15:17 [編集]
Re: やはり弦の響きはえぇ~なぁ~
いつも、コメントありがとうございます。


> 何故だろう?間の置き方なのでしょうか?楽譜の内容で?
ギターと言うよりは、私の中ではリュートって気色なんですよね。
記事の中に、そうかもという部分はあるんですけど、何せ雰囲気聴きしかしていない私には解答に辿り着けない部分です。



ギターらしい、アルペジオがなく、高音をメインで弾くので、
音域的にも、和音としても、リュートに近いかもしれません。

さらにエレガットの演奏で、音色も、ガットの太い音よりは、
金属的な細い響きなので、さらにリュートの音になりますね。



> 思わずですが、Las , je m'y plains を思い出して聴いたのですが、私的にはムード系で流れるものとは違った古典楽器的な味わいを感じました。

> そういうとこ、好きなんですよね!



ルネッサンス、バロックのリュート曲は、ギター編曲も多いし、
ピアノとハープシコードとの関係に、似ていると思っています。
ギターマジシャン | URL | 2013/02/10/Sun 17:46 [編集]
響き
ドビュッシーといえば音の響きが大変美しいわけで、音と音の切れ間の音の響きを強調するような曲が多いと感じます。

この曲、原曲はG♭(F#)なんですが、このキーちょっと特殊じゃないかと昔から思っていました。
私が感じるのはF#とD…この二つは和音の響きが、ほかのキーと全く違う気がしています。
CとかGとかF…この辺は和音の響きが太くて、わずかに濁りが感じられるのですが、DとF#は音の濁りがまったくない感じがします。
実際、私もバンドなどでやってるときに、別のコードを弾いているときにDやF#のコードを弾く場合はタッチをゆるくしています。
これ普通のタッチで弾くと音が響きすぎて、明らかに音量が上がっていると感じるのです。
この現象はまったく科学的な根拠の裏付けも取っていないのですが、ピアノではそういうことをよく感じますね。
ひょい。 | URL | 2013/02/10/Sun 22:59 [編集]
Re: 響き
いつも、コメントありがとうございます。


> ドビュッシーといえば音の響きが大変美しいわけで、音と音の切れ間の音の響きを強調するような曲が多いと感じます。


印象派と呼ばれる所以か、和音の響きが、美しく特徴的であり、
選び抜かれた音が、余韻の中、つながるように旋律を構成して、
「亜麻色の~」のような、旋律がはっきり出るのは珍しいとか。


> この曲、原曲はG♭(F#)なんですが、このキーちょっと特殊じゃないかと昔から思っていました。
私が感じるのはF#とD…この二つは和音の響きが、ほかのキーと全く違う気がしています。
CとかGとかF…この辺は和音の響きが太くて、わずかに濁りが感じられるのですが、DとF#は音の濁りがまったくない感じがします。
実際、私もバンドなどでやってるときに、別のコードを弾いているときにDやF#のコードを弾く場合はタッチをゆるくしています。
これ普通のタッチで弾くと音が響きすぎて、明らかに音量が上がっていると感じるのです。
この現象はまったく科学的な根拠の裏付けも取っていないのですが、ピアノではそういうことをよく感じますね。




自分が本で読んだのは、それぞれのキーによる、色彩の変化ですが、
ひょい。さんの場合は、音の濁り、音量の変化として、感じられて、
やはり移調することで、いろいろなことが、変わってくるのですね。

単純に、メジャーコードは明るく、マイナーコードは暗い感じとか、
和音の響きによる、感覚の違いがあるのも、よくよく考えてみると、
不思議な話で、感性の部分も、今は科学で解明できるのでしょうか。
ギターマジシャン | URL | 2013/02/11/Mon 08:41 [編集]
興味深いです
ギターマジシャンさん
おはようございます。
最近、クラシックのお話や、ピアノとギターの関係のお話をされていて、大変興味深く拝見しています。
なかなかこのような視点で書いたものを見たことがないので、興味深いです。
そしてそれを実際に弾いてみせてくれるところがすごいですね。
今回の曲もじっくり聴かせていただきました。
ST Rocker | URL | 2013/02/11/Mon 09:48 [編集]
Re: 興味深いです
いつも、コメントありがとうございます。


> ギターマジシャンさん
おはようございます。
最近、クラシックのお話や、ピアノとギターの関係のお話をされていて、大変興味深く拝見しています。
なかなかこのような視点で書いたものを見たことがないので、興味深いです。
そしてそれを実際に弾いてみせてくれるところがすごいですね。
今回の曲もじっくり聴かせていただきました。



昔から、調べ物が好きなので、偏向的な耳学問の癖があり、
あれこれと知識だけ膨らんで、消化不良になったりします。

クラシックギターも、いろいろ能書きだけは並べてますが、
まだまだ実力が伴わず、理想だけが空回りする感じです…。

それでも、毎日練習していれば、そのうち何とかなるかと、
いつもの安直な発想で、しばらく不安定な演奏が続きます。
ギターマジシャン | URL | 2013/02/11/Mon 12:08 [編集]



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