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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ギター少年がこぞって練習したラリー・カールトン「ルーム335」
演奏の更新が空いてしまったが、何もしないまま、
さぼっていたわけではなく、インスト曲をやっては、
シンセ音が今一歩、オケの簡単な歌ものにすると、
声枯れで歌が録音できないと、いつものパターン。

それで、70年代のインスト曲にすれば、シンセは、
DX7の音色も、複雑なシーケンサーのフレーズも、
出てこなくて、エレピとストリングスくらいで大丈夫、
当時の曲なら、ギターだって目をつぶっても弾ける。

一度やった曲なら、なおさら弾けるし、オケの方も、
以前の8トラックのMTRのお粗末な演奏に比べて、
格段の進歩となるリベンジだと捕らぬ狸の皮算用、
どれにしようか楽譜を眺め、「ルーム335」にする。

「ルーム335」は、ラリー・カールトンの78年発売、
3枚目のソロアルバム「夜の彷徨」の冒頭の曲で、
ギター少年にとり、パープル「ハイウェイ・スター」、
ツェッペリン「天国への階段」のような存在になる。

この前年、77年10~11月にかけて立て続けに、
フュージョン、当時クロスオーバーと呼ばれていた、
ジャンルの双璧となるギタリスト、リー・リトナーと、
ラリー・カールトンが来日して一大ブームとなった。

リトナーは渡辺貞夫のバックバンド、ラリーの方は、
五輪真弓のバックバンドとしてコンサートに出演し、
それぞれFMで放送され、リトナーは自己のバンド、
ジェントル・ソウツでも生放送ライブなどに登場した。

自分がラリーの演奏を聴いたのは、年末になって、
FMゴールデン・ライブステージのハイライト特集で、
五輪真弓のライブでのバンド演奏として、2曲だけ、
「サマー・サン」と「ナイト・クローラー」がオンエア。

その「サマー・サン」が、後に「ルーム335」として、
アルバムに収録されるのだが、最初に聴いた時、
軽く歪ませたギターの伸びやかなフレーズに続き、
めくるめく早弾きへと展開し、ものすごく感動した。

もうそのカセットテープは、古くて聴けないのだが、
120分テープのその箇所だけ何度も繰り返したし、
どのLPに入っているのか、ラリーのソロLPだとか、
クルセイダーズを探しても、そんな曲は入ってない。

そもそも、ラリーがそんなに歪ませたギターの音で、
弾いている演奏は少なく、「南から来た十字軍」の、
「スパイラル」が近く、この頃からギタースタイルが、
大幅に変わったようで、早く新譜が出ないかと待つ。

たぶん、「サマー・サン」を聴いた人はみんな同じで、
待望の「夜の彷徨」に飛びつき、他の曲も見事だが、
何よりも「ルーム335」として、「サマー・サン」より、
コンパクトになったスタジオ録音を必死でコピーした。

自分は今も昔も耳コピが苦手なので、楽譜頼りだが、
シンコーミュージックは月刊ヤングギターに掲載して、
リットーミュージックは「ラリー・カールトン奏法」を出し、
シンコーも対抗したのか、「奏法」のタイトルでも出版。

練習用カラオケレコードまで出て、どれだけこの曲が、
人気だったかが判るし、78年10~11月にラリーは、
自己のバンドのライブのため再来日して、日曜の午後、
生放送のFM番組に出て、レコード以上の演奏を披露。

それだけ、自分も練習した曲だが、10年前の演奏を、
聴いてみると、オケが貧弱な以上に、肝心のギターが、
全然弾けていなくて、最初のテーマから裏拍が甘いし、
間奏の16分音符のフレーズが指がもつれている始末。

おそらく高校の頃も、弾けたつもりになっていただけで、
社会人になっても、河合楽器の発表会で得意になって、
プリズムやカシオペア、スクエアを下手なくせに弾いて、
自己満足の世界だったと、今さらながら反省している。

「ルーム335」は、YouTubeで話題になったジェス嬢の、
原曲のフレーズを活かしつつ、個性豊かなカバー演奏、
そこに加わるアレックス・ハッチングは今風の演奏だし、
ブログ仲間のAKISSHさんはカントリー調へとアレンジ。

ただ、自分は完コピ好きというか、憧れのギタリストと、
同じフレーズが弾けることこそ何よりという性格なので、
ここは、原曲をじっくり聴き込んで、楽譜ともにらめっこ、
なるべくニュアンスも似せようと、3週間近く練習した。

昔の楽譜に加え、シンコーのバンドスコア、リットーの、
「ギターマガジンレイドバック」の第2号に載ったスコア、
さらに今回、シンコーのギタースコアも買い、見比べて、
YouTubeの完コピ演奏も参考に、ポジションを決める。

ギターはレスポールで録音するが、セミアコに比べて、
出力が大きいのか、音が歪みすぎるので、MTR側で、
アンプシミュレーターのブギーを選ぶがゲインは下げ、
ナチュラルに近い歪みをピッキングの強弱で調整する。

最初のメロディのみ、左右から聴こえて、ディレイの、
ダブリングかもしれないが、自分は別トラックで弾き、
リズムギターは、エレピのバッキングの際、明らかに、
パターンが異なるので、本物でも別々に弾いたはず。

アドリブは和音のチョーキングから始まるが、これが、
歪ませているはずなのに、あまり音が濁っていなくて、
フレーズのニュアンスも含めて、なかなか再現できず、
何せゲインをゼロにしても、原曲よりも和音が汚く響く。

それでいて、ゲインがゼロでは、他のフレーズの際に、
まったく伸びのない音になるので、最初のフレーズが、
原曲と似ていない歪みすぎた和音になるのは妥協し、
ゲインは30にして、いわゆるクランチサウンド程度に。

ロックで使うゲイン100までいかずとも、60くらいには、
歪ませた方が16分音符での粗がごまかせるのだが、
この曲のラリーは軽く歪ませる程度で、曲名の由来の、
ギブソン335のセミアコ特有の箱鳴りの響きもわかる。

ごまかしがきかないだけに、本当にちょっとしたミスが、
気になって録音し直して、楽譜を比較するとわかるが、
同じフレーズでも小節の頭だったり、その前の裏拍と、
採譜者によって違い、微妙なニュアンスで弾いている。

このあたり、かなり間違えて覚えていて、癖が抜けず、
何度も原曲を聴いては、楽譜とにらめっこで覚えたり、
自分はフルピッキングする癖だが、ラリーはプリング、
ハンマリングを多用するので、そこも意識して弾いた。

オケは、いつものようにMTR内蔵のドラムマシンから、
バスドラ、スネア、ハイハットなどトラックを分け入力、
次にベースで、チョッパーがないのでピックで楽して、
ギターシンセは、エレピとストリングスの音色のみで。

エレピはバンドスコアでは、右手パートの1段のみで、
イントロの和音も音がスカスカで、キーボードの人なら、
左手はルート音のオクターブや、そこへ1・2音足すが、
耳コピも編曲も苦手なので、1オクターブ下をダビング。

ストリングスのパートは、単音フレーズのみの採譜で、
おそらく原曲は、実際のオーケストラの演奏したもの、
シンセによるストリングスが混在している気がするが、
スコアの単音を左右に同じシンセ音で重ねておいた。

トラックに余裕があるので、かすかに原曲で聴こえる、
パーカッションを加えることにし、コンガ、シェイカーは、
ドラムマシンで入力、ウッドブロック、ツリーチャイムは、
木片を叩いたり、水族館みやげの風鈴で代用したり。

オケ作りが二転三転し、ようやく曲を決定したものの、
ギターが下手すぎて練習したり、いざ録音してみると、
歪み具合で、これまたやり直したり、きりがないので、
この辺で妥協し、「ルーム335」のリベンジ演奏です。







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