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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
和泉のメロディを安藤のギターが歌い上げるスクエア「トラベラーズ」
自分にとって日本の三大フュージョンバンドは、
プリズム、カシオペア、スクエアだといつも書き、
一番好きなのはプリズムだが、一般知名度は、
断トツでスクエアというか、スクエア一択だろう。

プリズムは、ちょっとマニアックになるだろうから、
そもそも、三大とした場合、入れない人もいるし、
カシオペアにしても、お茶の間の浸透度は低く、
スクエアに匹敵する他のバンドは思いつかない。

それは何と言っても、F1のテーマ曲でもあった、
「トゥルース」が大ヒットして、テレビでも流れて、
ニュースからバラエティまで、レースの場面では、
BGMに使われ、誰もが聴いたことがあるだろう。

ただ、スクエアは一気に爆発的ヒットというより、
その下地となるような、スマッシュヒットも数多く、
お茶の間進出のきっかけは、サックスの伊東が、
画面に登場するサントリーホワイトのCMだろう。

伊東は体格が良いというか、どちらかと言えば、
太っている見た目だったのが、このCMの前に、
今でいうライザップでもしたのか、スリムになり、
頬もやせダンディで、お茶の間の心を鷲掴みに。

この頃のスクエアは、ビジュアルも重視したか、
何せドラムの長谷部はジャニーズ出身だったし、
安藤や田中も端正な顔立ちだったから、それで、
一般受けを狙い、けっこうOL層には受けたかと。

YouTubeを見ると、CMで使われた曲は2曲で、
同じ「アドベンチャー」のLPから、「トラベラーズ」
「オール・アバウト・ユー」のようだが、自分では、
「トラベラーズ」の方が、すごく記憶に残っている。

37年前で記憶も曖昧だが、この曲が気に入り、
アルバムを買ったように思うし、今聴き返しても、
捨て曲なしの全曲名曲だと思いつつ、この曲と、
「ナイト・ドリーマー」は、その中でも際立っている。

前回の記事にも書いたが、「トラベラーズ」では、
ギターがメロディを弾くので、安藤が作った曲で、
ピアノがメロディの「ナイト・ドリーマー」が和泉と、
思い込んでいたら、それが逆だったと後で知る。

2016年同窓会ライブで、ギャグ満載のMCで、
和泉が会場を盛り上げてから、この曲を紹介し、
「人はみな旅人という、あたくしの曲~」と述べ、
今となっては、このセリフが悲しすぎて泣ける。

和泉、本当に旅立ってしまうことはないだろう、
それもあまりに唐突すぎたし、62歳だなんて、
まだまだ若造だし、あっちに逝った連中からは、
鼻たれ小僧扱いだ、早すぎる、本当早すぎだ。

この曲は、例によって、10年前に演奏したが、
下手くそだったので、今回、追悼をこめて再演、
少しでもクオリティを上げようと、トライアングル、
鈴、ビブラスラップを加えて、本物に近づける。

84年のアルバム発売後のコンサートの段階で、
もう安藤はメロディを崩して、アームにスライド、
チョーキングなど加えているが、とにかく自分は、
和泉のメロディを大切に、レコードに忠実に弾く。

間奏で一ヶ所、エンディングで数回、アームを、
使っているので、当初はストラトで録音したが、
自分のストラトは音がか細く音抜けも悪いので、
全部レスポールでやり直し、アームはダビング。

最初に同じフレーズを4回繰り返すメロディでは、
単純なようでいて、裏拍の引っかけが続くので、
早まったり、もたったり安定せず、ピッキングを、
アップにしたり、戻したり、1週間以上やり直す。

ドレミ楽譜のバンドスコアは、エンディング部を、
省略することが多く、フェイドアウトしていくまで、
ギターとリリコンが掛け合って、22小節続くが、
4小節しかないので、雰囲気コピーでごまかす。

その分、これも、いつものように1分程長くして、
好き勝手にアドリブして、安藤がムキになって、
怒涛の16分音符を弾くのを意識してはみたが、
自分の指癖、和田アキラっぽいフレーズになる。

スクエアお茶の間快進撃、フュージョンバンド、
断トツ1位となっていくきっかけのCM曲であり、
ピアノの和泉が作り、ギターの安藤が奏でた、
「トラベラーズ」を、和泉の追悼で演奏しました。




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和泉のバラードの名曲、スクエア「トワイライト・イン・アッパー・ウエスト」
先日、職場の通帳の手続きで信用金庫に行き、
何だかんだで、1時間以上待たされることになり、
暇つぶしでもないが、スマホでニュースを見ると、
スクエアの和泉宏隆の訃報を見て愕然となった。

途中で、書類の一部に日付がもれていますよと、
行員さんに声をかけられたが、気づかないくらい、
思考回路が固まっていて、62歳という若さにも、
驚くばかりで、いったい何がどうなっているのか。

ただ、皮肉なことに世間の流れは早すぎるのか、
職場に戻った後、昼休みにじっくり読み返そうと、
再度ヤフーニュースを見ると、新着記事だらけで、
いくらスクロールしても、和泉の件は出てこない。

帰宅してからパソコンで検索すると、今度は逆に、
多くのファンからの追悼のブログ記事がヒットして、
YouTubeのスクエアの演奏にも、追悼コメントが、
数多く書き込まれていて、ファンの思いが伝わる。

和泉には病気療養中とか持病の話も聞かないし、
亡くなる2日前にもコロナ禍の中ライブを敢行して、
健在ぶりを披露していたそうだから、あまりにも、
突然のことすぎて、心不全とはそういうものなのか。

ここからは想像にすぎないが、もしコロナにより、
医療崩壊に近く、病院での対応が遅れたために、
和泉が帰らぬ人となったのなら、自粛疲れだと、
人混みを煽るようなマスコミの報道は許しがたい。

和泉は長年在籍したスクエアを、98年に脱退し、
ニュースでの肩書は「元T-SQUARE」となるが、
自分にとっては、リアルタイムで新譜を購入した、
ザ・スクエアのキーボードで、今も「元」ではない。

76年に学生バンドとして結成されたスクエアが、
78年にレコードデビューするが、自分の印象は、
サックスがメインのジャズ寄りクロスオーバーで、
多少はエアチェックしたが、ほとんどスルーした。

安藤のギターがロック系になり、泣きのギターを、
聴かせる「トゥモロー」で、俄かファンになったが、
「うち水にレインボー」、「アドベンチャー」からが、
本格的なファンの始まりでLP、CDと買い続けた。

そうした時期に、スクエアの音楽的屋台骨として、
和泉はサウンド面を支えながら、今も演奏される、
名曲をいくつも作曲したり、安藤の作った曲でも、
これしかないだろうという、絶妙なアドリブを披露。

リズム隊が入れ替えになった時も、和泉は残り、
さらに名曲・名演を残してくれて、本当スクエアは、
和泉がいたからこそ、今日の成功があったのだ、
そう言っても過言でないくらい最大功労者だろう。

和泉の作った曲には、吹奏楽の編曲でも有名な、
「オーメンズ・オブ・ラブ」や「宝島」をはじめとして、
CMで起用され、スクエアがお茶の間に浸透する、
きっかけとなった「トラベラーズ」も欠かせない。

実は、「トラベラーズ」はギターがメロディなので、
自分はずっと安藤の曲だと思いこんでいて、逆に、
ピアノがメロディを担当する「ナイト・ドリーマー」が、
和泉の曲だと思っていたら、こちらは安藤の作曲。

アルバムのラストを飾るバラードは大半が和泉で、
「遠雷」「フォーゴットン・サガ」「トワイライト・イン・
アッパーウエスト」など、和泉のリリカルなピアノと、
伊東毅の歌い上げるサックスが定番となっている。

今回、そうしたバラードに取組むことにしてみたが、
ピアノは右手・左手パートにわけて多重録音して、
ギターシンセのグランドピアノのサンプリング音で、
それらしい音にできるが、サックスの再現は難しい。

リリコンで演奏する曲は、もともとがシンセなので、
同じような音色をギターシンセで弾いたら似るが、
生のサックスの音は、シンセだと陳腐に聴こえて、
そのうえ、こうした曲での伊東の演奏は半端ない。

情感たっぷりに歌い上げるサックスの音は見事で、
何でまたリリコンを使うのか、ロック系の曲にしても、
サックスでブローした方が格好良くて、シンセ音は、
キーボードに任せれば良いと思うが、曲にもよるか。

和泉が同窓会ライブで、これまでは一人で全部の、
キーボードを弾いたが、サポートがいてくれるので、
両手でピアノを弾けると冗談交じりに語っていたが、
リリコンもそうした負担解消に一役買ったのだろう。

それで伊東の、時に神がかったようなサックスでの、
バラードの歌い上げは本当に見事なので、自分は、
ギターシンセで中途半端に弾くよりは、思い切って、
エレキギターで、サックスのパートを弾くことにした。

実は、自分は一時期サックスへの劣等感が強くて、
大ヒットしたグローバー・ワシントンJrのアルバムで、
時に囁くよう、時にすすり泣くように吹くサックスに、
ああ、これにはギターは太刀打ちできないと感じた。

豪放なテナーには、歪ませたギターで対抗できるし、
泣きのギターもお手のものだが、囁くように弾いたり、
すすり泣くのは自分には無理で、表現力に欠ける、
そもそも、ジャズにはギターなんていらないのでは。
.
一人でクラシックギターでも弾いていれば良いか、
ジャズやフュージョンはやめてヘビメタでもやるか、
そんな時に原点回帰とでもいうか、ロックギターに、
傾倒するきっかけとなったジェフ・ベックを聴き返す。

泣きのギターの「哀しみの恋人たち」は、昔から、
完コピで弾けたつもりではいたが、こと音作りでは、
全然ベックには似ていなくて、久々にじっくり聴くと、
ベックは囁いたり、すすり泣いたり自在に弾いてる。

指を早く動かすことばかり考えて、練習していたが、
チョーキングやビブラートもきちんと身につけないと、
表現力の大切さに気づくと同時に、やたら歪ませて、
満足していた音も、軽く歪ませてコントロールする。

それがわかったところで、極めるのは今も難しくて、
チョーキングは音が外れたり、ビブラートは弱くて、
音色も、ついついディストーションをマックスにして、
ディレイをかけまくって、何を弾いてもグチャグチャ。

そうした過去の反省をふまえて、和泉のメロディを、
伊東とは別の形、エレキギターで歌い上げようと、
アドリブなしでメロディだけ忠実に弾いたつもりが、
弾き癖というか、リズムをひっかける悪癖だらけに。

オケの方では、イントロのストリングスは普通だが、
オートアルペジオのようなキラキラするサウンドは、
同じ音色もなければ、スコアもコード表記なので、
雰囲気だけギターの6本の弦でアルペジオする。

生ピアノに途中からかぶってくるストリングスでは、
フェイザーかフランジャーで音を揺らすが、これは、
自分のMTRはシュワシュワとノイズだらけになり、
使えないので、シンセ側で少し揺れのある音を。

YouTubeには、自作オケが本物そっくりな人とか、
エレクトーンでサックスとピアノの音色を切り替え、
メロディもアドリブも見事に弾くうえに、伴奏の音も
忠実に再現できる達人だらけで、いつも感心する。

この連休は暦どおり、土曜日からの五連休となり、
時間もあったはずだが、結局ゴロゴロしてばかり、
ただ、今の自分は時間をかけても、これが限界で、
スクエア「トワイライト・イン・アッパー・ウエスト」です。








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