fc2ブログ
僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
杉真理の曲で佐野元春がさりげなくハモる「内気なジュリエット」
杉真理を意識して聴いたのは、ナイアガラ・トライアングルで、
佐野元春とともに、それまでの無名に近い存在から、一気に、
お茶の間へと浸透した時ではなく、その後に、グリコのCMで、
「バカンスはいつも雨」が流れて、シングルヒットした時だった。

ビートルズを思わせるCMソングに、まだあか抜けない感じで、
とても可愛らしかった堀ちえみの映像は、すごく印象に残って、
後に、佐野元春が気に入って、ナイアガラのLPも買ったときに、
杉真理の曲もいいなあと、当時出ていた3枚のLPを全部買う。

その杉が、ソロデビューする前にも、バンド形式でアルバムを、
2枚出していたとは知らなくて、大学のサークルで頭角を表し、
「マリ&レッド・ストライプス」として、77~78年活動したようで、
雑誌「ヤングギター」を引っ張り出すと、レビューや広告がある。

このアルバムの録音には、大学のサークルの後輩でもあった、
竹内まりやがコーラスで参加しているが、バイト代をもらったと、
述懐するのを読んだ記憶があり、正式なバンドメンバーでなく、
そもそもバンド自体が流動的で、その時々で集められた模様。

その頃、喫茶店で竹内が杉に、「レコードが出たら、杉さんとは、
こんな風に、お茶したりできなくなるのねえ。」としみじみ語って、
「スターになる杉さんへ」という曲をプレゼントしてくれたそうだが、
彼女の方が売れるわ、達郎と結婚するわ、罪作りな女性だなと。

もちろん、杉も芸能人だから、いろいろと噂はあったのだろうし、
女の子にふられたとき、竹内がヤケ酒につきあってあげたとか、
別れた子の歌を作ってライブで歌ったら、その子が会場にいて、
気まずかったとか、エピソードには事欠かないので、お互い様。

レッド・ストライプスが、2枚目のアルバムを出した直後、杉は、
風邪が悪化し急性髄膜炎となり、入院に自宅療養で引退同然、
しばらく表舞台から消えるが、他者への楽曲提供はしたそうで、
再デビューのLPタイトルが「ソングライター」なのは、そこから。

大瀧詠一のナイアガラ・トライアングルに、佐野と抜擢されると、
その経験を元に、ソロ2枚目の「オーバーラップ」を作り上げて、
CM曲の「バカンスはいつも雨」がヒットして、3枚目のアルバム、
「スターゲイザー」が出るという、このあたりが全盛期だと思う。

同じ頃に、佐野元春も3枚目の「サムデイ」までが出ていたので、
ちょうど自分がファンになったこともあって、勝手に3部作として、
佐野も含めて総括し、その頃が自分にとっての2人の全盛期で、
その後でもLPやCDを買ったが、聴き込んだのは3枚目に集中。

杉真理のソロ1作目「ソングライター」が、他人へ提供した曲や、
沈黙期に書きためた曲の集まりで、次の「オーバーラップ」では、
宝石箱のように煌めく小品に満ちていて、「スターゲイザー」は、
コンセプトアルバムのように、1つのショーの構成になっている。

舞台の幕が開くのをイメージしたと杉が語った、冒頭の曲名は、
「ショー・ゴーズ・オン」で、ジャニーズ事務所のモットーでもある、
「ショー・マスト・ゴー・オン」に似ているが、座右の銘ではなくて、
「これから始まるよ」程度で、ペパーズを意識している気がする。

話は飛ぶが、ビートルズの「サージェント・ペパーズ~」について、
コンセプトアルバムと呼ばれることに対し、ジョンは、解散直後、
「『ショーが始まる』と言ったのはポールで、自分は単に、『今朝、
新聞を読んだよ』と言っただけだ。」と冷めたような意見を述べた。

杉真理の場合は、本人が「物語は始まる」という歌詞を書いたり、
「どの曲が欠けても、バランスが崩れてしまう、そういう意味では、
初めてのトータルアルバムだと思います。」と、語っていたので、
間違いないが、1曲くらい欠けても大丈夫な気もしないことはない。

「バカンスはいつも雨」は、CMでヒットしていた、先行シングルで、
トータルアルバムと考えると、入れても大丈夫なのかは微妙だが、
特に違和感はないし、アルバムと同時発売の形となるシングルの、
「内気なジュリエット」もビートルズ風の曲だから、逆に良いくらい。

「バカンス」では、いかにもビートルズというハーモニカで始まるし、
「内気な~」は、ジョージ・ハリソンがソロになってから得意とした、
スライドギターのツインリードで始まり、ディミニッシュのハモリは、
ジョージの代表曲の「マイ・スイート・ロード」に、かなり似ている。

ただ、ジョージのスライドギターについて言うと、ビートルズ時代、
ほとんど弾いていなくて、アンソロジー・プロジェクトの新曲の際、
ジョージのスライドを入れることには、ビートルズらしくなくなると、
ポールが反対したという説もあり、スライド=ビートルズは微妙。

「内気な~」がビートルズっぽいのは、何よりも佐野元春を呼び、
ジョンとポールのハモリを意識して、2人でハモっているところで、
「彼と僕がハモると、どっちが誰の声だかわからなくなるんで」と、
杉が語っていて、自分も、ほとんどの部分が杉のみに聴こえる。

前回の佐野元春「シュガータイム」は、全部、佐野の声に聴こえ、
杉真理「内気なジュリエット」は、杉の声で、それこそ、友人から、
こんなにわかりやすいのに、区別できないなんて信じられないと、
非難されても仕方ないが、杉本人もわからなくなると言うことだし。

エンディングで、メロディにかけ合うように、セリフっぽく入るのは、
佐野がジョンっぽく歌っているので、はっきりと区別でき、ここは、
2人でビートルズっぽくしようとしたそうで、フェイドアウト寸前は、
「If I fell in love with you 」と、まんまビートルズの歌詞まで入る。

ビートルズ好きの杉に、佐野がつき合ってくれた形でのハモリは、
本当にジョンとポールのように溶け合い、それを自分が歌ったら、
単なる一人二重唱なので、せめて演奏は、本物に近づくようにと、
細かい音も意識して、「内気なジュリエット」を何とか歌いました。








スポンサーサイト





佐野元春と杉真理が楽しそうにハモリを重ねた「シュガータイム」
先月発売の竹内まりやのニューアルバムは、3枚組で、
全62曲というボリュームたっぷりで、値段は4千円だと、
話題になり、ものすごい作曲能力だなと驚いていたが、
ベスト盤、セルフカバー、洋楽カバーの3枚と判明する。

これまでのベスト盤に未収録の曲を集めたとは言うが、
勅撰和歌集の拾遺集じゃあるまいし、セルフカバーは、
他人へ提供した楽曲で、名曲とされるものやヒット曲を、
作曲者本人の歌声で聴いてみたいのは、すごくわかる。

洋楽カバーは、その曲名を見ると、半分がビートルズで、
これは、ものすごい興味があるし、そのうえ、弾き語りか、
山下達朗とのデュエット、よくても達郎バンドの演奏だと、
思っていたら、杉真理や松尾清憲を迎え完コピしたとか。

どうしようか迷っていると、Amazonで一時品切れになり、
初回プレスのみ限定ブックレットがつくとか、Amazonの、
限定版はLPサイズに近い大判ジャケットだとか出ていて、
限定の文字に弱い自分は、再入荷を待ちわびてクリック。

楽しみにしていたビートルズのカバーは予想以上に良く、
竹内まりやと杉真理は、もともと大学の音楽サークルで、
先輩後輩だったから、息もぴったりで、素晴らしいのだが、
自分には、杉真理となると、佐野元春に登場してほしい。

杉と佐野とは、大瀧詠一の「ナイアガラ・トライングル」に、
参加していて、その際、杉の「ノーバディ」で佐野が共演、
その後、それぞれのアルバムでも1曲ずつ共演していて、
これが、レノン=マッカートニーを思わせる見事なハモリ。

特に、「ノーバディ」は、ジョンへ捧げたような歌詞だから、
演奏もビートルズを意識していて、ポールのような杉と、
ジョンのような佐野の声が見事にはまっていて、いつか、
2人でビートルズを歌ってほしいと思いつつ、37年たつ。

「ナイアガラ・トライアングル」での大瀧詠一との出会いは、
2人にとり、音楽に対する姿勢や、作り上げていく手法を、
目の前で経験する良い機会だったし、レコードのヒットが、
あまり有名でなかった2人を、お茶の間にまで浸透させた。

それ以上に自分が思うのは、同世代の杉と佐野が出会い、
互いの音楽ルーツを再確認できたのでは、特に佐野には、
ビートルズが大好きです、ポールみたいになりたいですと、
公言してはばからないような杉の存在は大きいのではと。

佐野は、幼い頃、ビートルズのファンだった年上の従姉に、
ビートルズの曲を歌って、すごく喜んでもらえたというのが、
自身のロックンローラー、パフォーマーとしての原体験だと、
語っているが、そのわりにビートルズを避けたところもある。

デビューに際し、疾走するサウンドで街の風景を歌ったと、
ブルース・スプリングスティーンになぞられて紹介されたり、
佐野本人も意識してか、自己のバックバンドをブルースの、
Eストリートバンドのような編成にし、影響をうかがわせる。

さらに、好きなミュージシャンに挙げたのは、バディ・ホリー、
マンフレッド・マンで、ビートルズに触れることは少ないが、
バディ・ホリーは、ジョンがアマ時代に憧れていた存在で、
黒縁メガネを真似たらしいし、カバー曲の録音までしている。

マンフレッドマンは、ビートルズのハンブルグでの友人で、
「リボルバー」のLPジャケットをデザインしたり、ジョンの、
プラスティック・オノ・バンドに入るクラウス・フォアマンが、
在籍したバンドで、どちらもビートルズを遠巻きにした感じ。

アマチュアの中高生じゃあるまいし、ビートルズが好きとか
今さら言ってられないとまで、佐野が思ったかは不明だが、
あえて、ビートルズに言及しないところへ、ファンを公言し、
ビートルズ風の曲まで作った杉を、新鮮に感じたのでは。

ジョンとポールのように、「ノーバディ」でハモったことから、
そうか、ビートルズをやっても良いのかと、目からうろこで、
次回作「サムデイ」では、もろにビートルズを思わせる曲を、
解禁とばかりに作り、ビートルズ本のインタビューも受ける。

これは、何でもかんでも、ビートルズに結びつけたくなる、
自分の勝手な妄想・思い込みなので、佐野のファンからも、
杉のファンからも、猛反発をくらうかもしれないが、2人が、
ナイアガラ以降、ビートルズ色が濃くなるのは事実と思う。

佐野の「サムデイ」収録の「シュガータイム」のコーラスは、
杉が参加しているが、あいにく、この曲は、それほどには、
ビートルズ風ではなく、これまでの説が崩れていくようで、
ただ、2人のハモリは、確かにジョンとポールを思わせる。

最初にこの曲を聴いた時、佐野の声が大きすぎるのか、
ハモリも全部佐野に聴こえて、杉の大ファンの友人から、
2人の声が聴き分けられないのが、不思議だと言われて、
ジョンとポールのように溶け合うからではと、言い訳した。

今聴き返しても、一部の高音は杉だろうと推測できるが、
佐野のメロディに2声のバックコーラスがつくと、片方の、
佐野の怒鳴り声が大きくて、杉の声がかき消されるのか、
今でもメインもハモリも、全部佐野の声に聴こえてしまう。

お互いに、2人でのレコーディングはすごく楽しかったと、
述懐するくらいだから、佐野のテンションもあがりまくって、
大声になったのだろうし、わりと暗いイメージの佐野には、
明るくあったかい杉の存在は、良い方向に作用したはず。

2人はナイアガラ以前、アマチュアコンテストで知り合い、
黒ずくめの服装で、世間に拗ねていたような佐野に対し、
「さっきの曲、すごく良かったよ。」と握手してきた杉には、
懐かしいものに出会ったようだったと佐野は語っている。

そんな2人が楽しく歌う「シュガータイム」を、自分の場合、
1人で歌うわけだから、声が大きかろうが、小さかろうが、
同じ声のダビングで溶け合って当たり前のところ、なぜか、
音程のずれや、リズムの悪さで、ぐちゃぐちゃになりがち。

演奏は、昔買ったセカンドアルバム「ハートビート」準拠の、
バンドスコアに、いくつかのシングルヒット曲、「サムデイ」、
「シュガータイム」や「スターダストキッズ」が出ているので、
多少の不備もあるが、特に考えず、スコアどおりに録音。

サビのあと「アイ・ラブ・ユー」と囁く部分が、シングル盤と、
LPでは違っていて、LPの場合は「アイ・ニード・ユー」だと、
今回初めて気づくが、ずっと「ラブ」で覚え歌っていたから、
シングル収録のベスト盤の方を、聴き込んでいたのだろう。

竹内まりやの新譜から、山下達郎ではなく佐野元春へと、
しりとりか連想ゲームのようだが、昔、20代前半の頃に、
かなり佐野に心酔した自分なので、すごく懐かしかったし、
2人と同様に楽しんで、「シュガータイム」を歌いました。










シャカタクやフルーツケーキのようなスクエア「チャンス」
何度となくこのブログに書いていることだが、自分にとって、
日本の三大フュージョンバンドは、プリズムに、カシオペア、
スクエアで、プリズムはプログレで、カシオペアはディスコ、
スクエアはニューミュージックだと、勝手に分類している。

プリズムは、プログレ風の変拍子もあり、何よりテクニカル、
カシオペアは、本人たちも踊るくらいダンサンブルなビート、
スクエアは、口ずさめるような親しみやすいメロディに加え、
間奏のギターやサックスと、まるでニューミュージックのよう。

まるで歌もののようなスクエアは、実際歌入りの曲も出して、
さらにニューミュージックの御大ユーミンのバックを務めたり、
楽曲提供を受けたりして、歌番組によく出たカシオペアとは、
別の形で、お茶の間へと浸透していく基盤があったと思う。

そうした彼らにとり、シャカタクの「ナイト・バーズ」のヒットは、
自分たちの目指していたところは間違っていなかったという、
確信につながり、「トラベラーズ」や「オーメンズ・オブ・ラブ」、
さらに、F1テーマ曲「トゥルース」のヒットへと至ったと思う。

シャカタクがヒットしたときに、二匹目のドジョウというのか、
それに続けとばかりに、日本の各レコード会社がこぞって、
海外のフュージョンバンドを発掘して、アイスランドからの、
メゾフォルテ、オランダのフルーツケーキなどのLPを出す。

それらは面白いくらいヒットして、自分も嫌いじゃないから、
どちらもLPを買ったし、単に国内盤が出てなかっただけで、
「幻のファースト」と銘打ったシャカタクのデビュー作だとか、
すぐに消えてしまったキリマンジャロというバンドも買った。

そうしたフュージョンバンドの流行には、当然にスクエアも、
意識しただろうし、パクリ寸前と言ったら語弊もあるのだが、
ボーカルこそ入っていないものの、まんまシャカタク路線の、
生ピアノでの、わかりやすく繰り返すメロディの曲を出した。

シャカタクのヒットが82年で、海外バンドのラッシュが83年、
そのブームを受けて84年、スクエアの「アドベンチャー」が、
録音、発売となり、そこに収録された「ナイト・ドリーマー」は、
前述のように、和泉のピアノをフィーチャーしたシャカタク風。

てっきりピアノの和泉が作曲だと思っていたら、リーダーで、
ギターの安藤の曲で、もともとはサックスがメロディのところ、
伊東が遅刻して、代理でピアノが弾いたら、これがはまって、
ピアノにしたそうで、「おお、シャカタクじゃん」となったのか。

もともと、ピアノメインの曲は、アルバムには必ずあったが、
「ナイト・ドリーマー」に気をよくしたのか、この路線が続き、
次の「スターズ・アンド~」は、「クライ・フォー・ザ・ムーン」、
さらに「リゾート」には、フルーツケーキっぽい「チャンス」が。

フルーツケーキは、シャカタクよりもイージーリスニングに、
近いサウンドで、より単純なメロディとアレンジで聴きやすく、
番組のテーマ曲や天気予報などのBGMに重宝がられて、
誰の曲だとか題名はわからなくても、お茶の間に浸透した。

スクエアの場合、メロディや雰囲気とかは似ているものの、
サックスやピアノのアドリブは、さすがジャズ研出身という、
ビバップフレーズが散りばめられ、ギターのバッキングも、
ジャズのテンションコードで、演奏している分にも楽しめる。

この曲は、ギターのアドリブはなく、もっぱらバッキングで、
それでも、コードが複雑だったり、単音リフも出てきたりと、
けっこう一筋縄ではいかなくて、昔、リズムギターなんて、
フォークの初心者がやることだよと、なめていたのを反省。

それでも、ちょっとはリードギターを弾きたいと、欲が出て、
エンディングで、サックスがアドリブしてのフェイドアウトを、
途中からギターのアドリブにして、今回、本当のアドリブ、
一発録音というか、ギターのダビングはテイク1のみに。

スクエアが、売れ線フュージョンで、どんどんと突き進み、
シャカタクやフルーツケーキっぽい、いかにのもピアノ曲、
「チャンス」は、シンセの音の再現は、かなり微妙ですが、
生ピアノはそれっぽくできたのではと思って、アップです。







おどけた曲調でドラムソロもあるスクエア「オーバーナイト・センセーション」
前回、オフコースの曲を何とかアップしたのだが、翌朝、
そんなに喉は痛くないものの、ほとんど声が出なくって、
職場では、いつもよりオクターブ低い声で、ぼそぼそと、
相づちを打つのがやっとという、ポリープかと思う状態。

これは、出にくい高音で無理やり歌っているのは危険と、
体が悲鳴を上げたのか、調子づいて小田の真似なんて、
いい加減にしろという天の声か、どちらにしても、当分は、
まともに会話もできないから、鼻歌を歌うのもやめておく。

そうなると、ブログで演奏するのは歌なし、インストとなり、
とりあえず、プリズムやカシオペアよりは、ドラム入力が、
多少は楽ですむスクエアをやることにして、この際だから、
昨年、ドラム入力を間違え、放りっぱなしにしていた曲に。

スクエアの「スターズ・アンド・ザ・ムーン」から、何曲かを、
立て続けに演奏し、「オーバーナイト・センセーション」に、
取りかかり、まずはドラム入力を完了し、いつものように、
ギターで借メロから録音すると、どうも小節数がおかしい。

バンドスコアのとおりに、Aメロは何小節目、サビは~と、
小節を数えたメモと照合しても合っているが、CDをかけ、
チェックすると、スコアのダルセーニョ記号の位置が違い、
何十小節も余分にドラム入力して、曲が長くなっていた。

これが、DAWなら、その部分を削除するだけのことだが、
自分のは、MTR内蔵のドラムマシンで、編集機能はなく、
そのうえ、スネア、タム、ハイハット、シンバルと別々にし、
各トラックへ割り振っているので、どれも直す必要がある。

再度、ドラム入力し直すのは、かなりのモチベーションが、
必要となるから、昨年はもう後回しにして、別の曲を演奏、
その後、取り組むことはなかったので、今回がよい機会、
それも以前の修正でなく、まったく最初から入力し直した。

バンドスコアは、リットーミュージックのアルバム準拠版と、
ドレミ楽譜出版社の復刻版ベストの2冊を持っているので、
ドラムは、途中のドラムソロまで採譜しているドレミの方で、
入力したところ、反復記号の間違いで、えらい目にあった。

キーボードは、リットーがピアノが2段書きで、左手も採譜、
シンセには、どの音色かの注意書きもあって、それを参考、
ギターはドレミがリードのハモリまで採譜、逆にサックスは、
リットーがハモリを採譜と、こうも一長一短あるのには驚き。

そのうえ、イントロからしてベースのフレーズは微妙に違い、
リズムギターは、リットーが単音リフやアルペジオに対して、
ドレミはコード主体、キーボードの和音構成が違っていたり、
ドラムは、片方はシンバル、もう一方はハイハットだったり。

いいとこ取りでもないが、両方を比較しながら、できるだけ、
原曲に近づくように演奏したが、耳コピの苦手な自分には、
2冊の完コピ譜があるのはありがたいものの、楽器ごとに、
取り換えながら演奏するのは面倒だという、贅沢な悩みも。

ドラムソロは、リットーは「16小節」とだけ書いてある省略、
ドレミは、ドラムと、そこにかぶるパーカッションも採譜して、
そのまま入力するが、リットーは、シモンズの電子ドラムを、
使っていると注釈があり、タムとかは、それっぽい音がする。

YouTubeでライブ映像を見ると、シモンズのドラムセットを、
ベースの田中が叩いて、長谷部とドラム合戦をするのだが、
アルバムの演奏は、スクエアの初期メンバーの仙波清彦が、
クレジットされているので、長谷部と仙波とのバトルと思う。

シモンズの音は、イントロのブレイクでタムの音がしていて、
ドラムソロでも、そのタムが鳴っていて、こちらが長谷部で、
ウッドブロックか、単なる木片という感じのが、仙波の担当、
自分は、ハイタムとコンガの高音を使い分けて、ごまかす。

シンセドラムというと、ピンクレディやYMOで有名になった、
ピューン、ピューンと鳴る電子音がすごく印象的なのだが、
ここでは、そんな派手な音でなく、どちらにしても、MTRの、
内蔵ドラムにはないので、卓上電子ドラムをつないで叩く。

この曲は、ちょっとコミカルというか、おどけたような曲調で、
ピアノとギターのからんだリフから始まり、こういうところは、
初期のスクエアではよくあったパターンで、サビになったら、
嬉しくなるようなメロディアスにサックスが歌い上げる定番。

伊東はリリコンではなく、普通のサックスで、生楽器の音は、
やっぱり電子楽器より良いと感じる、堂々たる演奏ぶりで、
シンセ音は鍵盤奏者に任せて、全部サックスでいいのにと、
いつも思うが、そういう自分はそのサックスをギターシンセ。

自分のギターシンセは、23年前に買ったローランドGR33、
モデルとしては、77年の最初の製品から第三世代くらいで、
専用ギターは不要になり、ピックアップ形式のドライバーを、
ギターに取り付けるのだが、感度や変換の遅れが気になる。

自分のピッキングが弱いとか、粒が揃わないせいもあるが、
ちょっと早いフレーズになると、トラッキングの遅れで、音を、
拾わなかったり、逆に、弦のこすれる音などのノイズを拾い、
とんでもない音程の音が鳴ったりと、何度もやり直すことに。

ピアノやストリングスの簡単な和音を弾く時でも、ノイズや、
音を伸ばしたいのに途切れたりと、かなり使い勝手が悪く、
現行機種なら、もっとましなのか、もう少しピアノを練習して、
普通のシンセを買って弾いた方が楽だろうかと迷っている。

エンディングはサックスが延々とアドリブして、リットー版は、
フェイドアウトの寸前くらいまで、採譜してくれているので、
せっかくだから、そのままギターシンセで弾いて、できれば、
ギターソロも追加したかったが、ドラム小節数の限界で没。

間奏のギターソロは、安藤の定番ともいえる3連フレーズ、
そこへハモリも加わるが、本人の指癖か、あえてやるのか、
単純なペンタトニックやスケールでも、運指やポジションが、
ちょっとひねっていて、さらにスライドも拍の頭とずらしたり。

スピード的にもフレーズ的にも初見で十分なレベルなのに、
同じようなニュアンスを出そうとすると、かなり練習が必要、
指に覚えこませないと、流れるようなフレーズが途切れたり、
ガチガチのピッキングになってしまい、一筋縄ではいかない。

スクエアの84年に出た「スターズ・アンド・ザ・ムーン」から、
一度ドラムで挫折した「オーバーナイ・トセンセーション」を、
声が出なくて歌えない分、サックスやギターに歌わせようと、
約1年ぶりに演奏するスクエアは、歌よりはましな演奏です。











Copyright © 僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ. all rights reserved.