fc2ブログ
僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ヒーリングミュージックの元祖サティの「ジムノペディ第1番」
このところ、土曜日ギリギリで演奏を仕上げることが多いが、
今日にいたっては、夕方になって、やっと曲そのものが決定、
それから慌てての演奏、録音となったうえに、ついテレビで、
オリンピック中継を見てしまい、ますます遅れていってしまう。

いつものことだが、もともと演奏するつもりで、オケを作るが、
ギターシンセの音がうまくいかなかったり、ギターそのものが、
うまく弾けなくて二転三転、そのうえ、疲れて寝てしまったり、
ほとんど毎日、オリンピック中継や特集番組を見てばかりいた。

テレビを見ながら、ギターのスケール練習をしたり、曲を聴き、
今週はどれにしようかと、あれこれと、楽譜を眺めてもいたが、
まあ、最後は、ギターの二重奏や、ギターシンセのフルートで、
ささっと弾いてしまうさと、たかを括っていたが、このギリギリ。

とりあえず、小胎剛の編曲で、ギター版とフルート版にある曲、
共通のものを2パターンで演奏するくらい、何とかなるだろうと、
これまた、朝から余裕で、曾祖母の墓参りに行ったりしていて、
どうして、毎週同じことを繰り返すか、学習効果のなさを反省。

ヒーリング音楽の元祖になるか、ドビュッシーやラベルと同様、
癒し系のCDには必ず入っているサティの「ジムノペディ第1番」
何とかYouTubeにもアップできたので、記事はあとでもう少し、
付け足すとして、無理やりすぎる更新で、本当反省しています。













(追加の文章です。)

この数週間、風邪気味で声の調子も良くないので、もともと歌は、
下手くそなんだから歌わないにこしたことはない、ギターに専念、
インストをやるのが一番だと、フュージョンの楽譜を見つくろって、
オケに取りかかるが、耳コピが苦手で、楽譜の不備でつまづく。

ジョージ・ベンソンや松岡直也のバンドスコアは、伴奏は簡略化、
ドラムは基本パターンの繰り返しで、細かいオカズは省略されて、
ベースもルート音程度、ピアノもコード記載のみで、それだけでも、
曲はそれっぽくなるが、ギターを弾いていて、何とも味気なくなる。

カシオペアやスクエアは、かなりいい感じのバンドスコアなのだが、
やはりキーボードはかなり省略されるし、音色の再現が難しくて、
カバーだと割り切れば、エレピとストリングスが鳴って、ベースと、
ドラムがリズムを刻めば十分だが、エレクトーンより簡略した感じ。

バンド演奏のオケは1週間であげるのはあきらめ、時間をかけて、
その合間に、ギターの二重奏を弾けば、更新は何とかなるだろう、
少しずつオケを完成させればいいさと、いつのながらの皮算用で、
学生時代、テスト勉強の計画を作ると安心して寝ていたのと同じ。

たまにはジャズでも演奏しようかと、昔ギター教室で教わった曲、
ジム・ホールとビル・エバンスのデュオをアコギでやろうとすると、
楽譜にはギターもピアノもアドリブのみで、伴奏は載っていなくて、
先生は、ピアノパートも弾いてくれたなあと、今の自分では無理。

これもギター教室でやった、ラリー・コリエル「レーヌのテーマ」は、
1970年という時点で、クロスオーバーギターの元祖とも言える、
コリエルとジョン・マクラフリンが、アコギによるデュオを披露して、
しかも、ものすごいアドリブ合戦という、2人の実力がうかがえる。

雑誌の「ジャズ・ライフ」に楽譜が載っていて、先生と一緒に買い、
かなり練習した曲で、これもギター伴奏は省略してある譜面だが、
基本的にコードを弾けばよいから、何とかなりそうと、手を出すと、
悲しいことに、アコギで複雑な早弾きをやるのは、今はもう無理。

これも、少しずつ練習すれば、昔のように弾けるようになるだろう、
とにかくスケール練習からやり直し、楽譜も読めるようになろうと、
オリンピック中継を見つつ、ギター練習だけは、さぼらずにいたが、
週末の更新に演奏する曲は、宙に浮いたままで土曜日になった。

こんな時はギターの二重奏、先日の小胎剛編曲があるとばかり、
余裕でいて、ギターソロでも演奏して、メロディがわかっている曲、
ドビュッシーやサティの曲をやろう、こんなのすぐにできてしまうと、
これまた、夕方までのんびりして、結局は、夜中近くになる始末。

それでも、1曲に1時間はかからないさと、まずはギターシンセで、
フルートの音色でメロディを録音するが、サティの「ジムノペディ」、
ドビュッシー「亜麻色の髪の少女」に加えて、二重奏には出てない、
ラベル「亡き王女のためのパバーヌ」のメロディまで、先に録音。

それからエレガットの伴奏を録音するが、どう考えても無理があり、
しかも、爪を切っているので、ガットの音色がひどく気分も出ない、
もう今日は、簡単なサティだけにしようとあきらめ、アコギを出して、
せめてサティの曲は、アコギとエレガットの二重奏でもやることに。

自分は、クラシック音楽は、以前書いたように、小学館のムック、
「クラシック・イン」を何巻か買い集め、その解説を読んだくらいで、
ほとんど門外漢と言って良いので、かなりアバウトな感覚であるが、
サティ、ドビュッシー、ラベルは、同じような感じと一括りにしている。

フランス印象派という音楽ジャンルがあるそうで、近代音楽として、
今のヒーリングミュージックへつながる曲も、けっこう多いのだが、
ドビュッシー、ラベルは印象派でもサティは違う、サティの音楽は、
印象派に影響を与えたが別とか、いろいろとウィキペディアにある。

自分にとっては、ジャズのテンションコードを使ったような曲が多く、
和声の使い方で3人が近いように思うが、そもそもジャズの方が、
後から発生したわけで、3人がジャズの影響を受けるはずないし、
バッハにも、こうしたコードはあったので、自分の感覚にすぎない。

「ジムノペディ」を最初に聴いたのは、原曲と言うかピアノではなく、
ギタリストのジョン・ウィリアムスが結成したロックバンド、スカイの、
デビューアルバムに入っていた、シンセがメロディを弾いたもので、
すごくきれいな曲だなと、エアチェックして、一番印象に残った曲。

エレピがコードを弾き、ジョンがガットギターでアルペジオを奏でて、
そこへ、リコーダーかオカリナっぽい音色で、メロディーが始まって、
シンセだからか、あまり抑揚なく、音を淡々と伸ばしているのだが、
それが、コードの響きと妙にマッチして、すごく幻想的な曲に思えた。

セゴビアの愛弟子であり、クラシックギターの貴公子とも呼ばれた、
ジョン・ウィリアムスがロックに手を出し、エレキギターまでも弾いて、
クラシックに厳格だったセゴビアは、いったいどう思ったのだろうか、
ただ、スカイの音楽をロックと呼ぶことは、ちょっと違う気もするが。

クラシック畑からすると、ティンパニや大太鼓でなく、ドラムが入って、
エレキギターというだけで、ロックになるのか、ロックの立場からは、
ポール・モーリアとかの楽団でさえ、ドラムやエレキは使っているし、
イージーリスニングと捉えた方が、いいんじゃないかと思ったりする。

いや、これこそクラシックからアプローチしたプログレッシブロック、
いやクラシックとロック、ジャズのフュージョンだ、ヒーリングだとか、
いくらでも言いようはあるが、あのジョンがロックバンドを結成したと、
センセーショナルな言葉で、レコードセールスを狙った気もしてくる。

まあ、一介のアマチュアの自分が、クラシックギターを弾いてみたり、
アコギの弾き語り、ロックやフュージョンのインストまで演奏するから、
プロのギタリストの方が、もっといろいろできて当然で、ただ立場上、
それぞれの得意とするところで、レベルの高い演奏をするのでしょう。

今回、スカイの演奏を聴きなおして、こういうアプローチも良いなと、
ちょっとロック調で、クラシックのカバーもやってみたくなったりして、
ますます構想だらけ、皮算用ばかりで、更新が危うくなりそうだが、
やはり自分は音楽が好き、それもギターが好きだと再認識した次第。

スポンサーサイト





フュージョン全盛期を飾った松原正樹の名曲「スナイパー」
高校時代、岩崎宏美、ピンクレディらアイドルに夢中になると、
バックバンドに入ったら、知り合いになれると単純に考えたが、
平凡や明星の付録の歌本を見ると、歌謡曲でもコードが難しく、
テンションや分数コードを知らないと、リズムギターも弾けない。

そのコードはジャズを覚えないとダメだよ、と同級生に言われ、
ちょうどクロスオーバーのブームが始まり、ジャズも聴き出して、
高校卒業時、友人が河合楽器のドラム教室に入ると言うので、
自分も楽譜が初見で弾けるように、ジャズギター教室へ入る。

ただ、その頃には、アイドル歌手のバックバンドの憧れは消え、
プロになりたい、できればスタジオミュージシャンという気持ちで、
クロスオーバーギターブームの立役者であるラリー・カールトン、
リー・リトナーがスタジオ出身というのを知り、もろ影響を受けた。

さらには、松田聖子のアルバムで、松原正樹の間奏が格好良く、
松原正樹は、ソロアルバムも出して、作曲・編曲もこなす人だが、
自分には、そっちの才能はなさそうなので、誰かのアルバムで、
間奏のギターを弾かせてもらうのが良いと、これまた単純に思う。

アイドル歌手のバックバンドは、テレビにしてもコンサートにしても、
シングル盤のヒット曲がメインで、ギターの間奏の曲はまずないし、
スタジオならば、クロスオーバー系のギターソロを弾かせてもらい、
うまくすれば、歌入れに来たアイドルと会えたりするかもしれない。

自分の実力、身の程も知らずに、そんなバカなことばかり考えては、
河合楽器のギター教室に、大学を卒業して社会人になってからも、
何年も通ったが、初見に強くなり、多少テクニックも向上したものの、
とうていプロのレベルには程遠く、発表会でも足を引っ張っていた。

その頃の憧れでもあった松原正樹は、ソロアルバムを数枚買ったり、
今剛と結成したパラシュートのアルバムも買ったりと、ファンだったし、
ニューミュージックのアルバム、ユーミンや松山千春、寺尾聰などの、
名演も気に入っていて、間奏だけを編集したテープまで作っていた。

松原正樹を最初に知ったのは、クロスオーバーギターが流行した頃、
スタジオミュージシャンがソロアルバムを出したと、雑誌で話題になり、
リトナー、カールトンが愛用したギター、335を抱えた写真が紹介され、
これは間違いないだろうと買ったLP「流宇夢サンド」は、愛聴盤になる。

プロフィールに、バウワウの山本恭司も通ったネム音楽院出身とあり、
ハイ・ファイ・セットのバックバンド、ガルボジンや、上田正樹のバンド、
プッシュ&プルに参加していたことなど知るし、雑誌のインタビューで、
ハイファイの「冷たい雨」のギターソロが名刺代わりになったと語った。

かなりギターソロが好評で、あちこちの仕事に呼ばれるようになったと、
語っていたのだが、自分が聴いていたのは、「ハイファイ・ブレンド」の、
「冷たい雨」だったので、スチールギターのカントリーっぽいフレーズを、
松原正樹が弾いたのか、ソロアルバムとはだいぶ路線が違うと思った。

後になって、ラジオから流れてきた「冷たい雨」が全然別のバージョンで、
その間奏のギターは、いかにも松原正樹というフレーズで納得の演奏、
自分が聴いていた方は、本当にスチールギターだったようで、大勘違い、
徳武弘文のようなフレーズも弾くのかと妙に感心したりと、馬鹿みたい。

ついでに言うと、本家のユーミンの「冷たい雨」を聴いたのはCD時代で、
一番最初に聴いたのは、高校の頃、バンバンがカバーしたバージョンで、
ユーミンやハイファイセットよりは、ちょっと明るい曲調に思えるアレンジ、
ロカビリーっぽいアルペジオバッキングは、けっこう気に入って練習した。

バンバンは、「いちご白書をもう一度」のリードギターが格好良く、楽譜は、
自由国民社の「ギターライフ」だったか、別冊「ラン・ラジオ」に載っていて、
「霧雨の朝突然に」と共に、必死でリードを練習して、バンバンの相方は、
ギターが上手いと思っていたが、実際は芳野藤丸あたりで、また勘違い。

松原正樹は、「流宇夢サンド」のリトナーを思わせるコンプサウンドに加え、
曲によっては、ワウワウを踏んで弾きまくったり、ナチュラルブースト音も、
伸びやかで気に入ったし、続くセカンド「テイク・ア・ソング」は、ギターが、
ソリッドギターになり、エッジのきいたディストーションもすごく気に入った。

アメリカのスタジオミュージシャンが、ハンバッキング搭載のテレキャスを、
メインで使うようになると、3枚目「スナイパー」あたりが、そのサウンドか、
ストラトのハーフトーンのようで、太い音色で、コーラスをかませたような、
その後の特徴となる松原サウンドが、確立していったにではないかと思う。

1・2枚目はLPを買ったが、「スナイパー」は、ちょうどレンタルレコードが、
ブームになった頃、「友&愛」でやたらと借りたころで、レンタルですませ、
次の「ペインテッド・ウーマン」は買っているので、ミッシングリンクの1枚、
今回「スナイパー」を演奏するにあたり、どうせだからAmazonで購入した。

松原正樹の楽譜は、何曲か市販されたことはあるのか、ネットで見ても、
プリント楽譜に、「スナイパー」とパラシュート「ハーキュリー」があるくらい、
その2曲も元々は、リットーの「クロスオーバー・ジャパン」に入っていて、
収録曲の12曲が、プリント楽譜で600円で買えるのだが、ちょっと割高。

ただ、今では売り切れて、定価の数倍もするバンドスコアで、それよりは、
全曲ばら売りで買っても安いし、12曲のうち、約半分は持っている曲で、
だぶって買う必要もないから、そういう時に欲しい曲だけ買えるのは重宝、
せいぜい、以前買った「アガサ」「ハーキュリー」と、「スナイパー」で十分。

左右に分かれた単音リフと和音リフから始まり、メロディのギターは2本で、
ところどころハモっているが、ダブリングの音は、ディメンションはない頃で、
コーラス、ショートディレイ、ハーモナイザーのどれを使っているか、たぶん、
それらを組み合わせているが、厚化粧エフェクトにならないのが、さすが。

自分は、MTR内蔵エフェクトのみで、ダブリングは、実際にギターを重ねて、
ブレイクの間奏のギターだけ、メロディよりコーラス系のきつめの音なので、
コーラスをかませるが、松原正樹のギターの音色は簡単には再現できず、
それ以上に独特の運指が難しくて、ニュアンスがなかなか出せなかった。

シンコーのフュージョン・ガイドで、「日本のフュージョン史に残る大名曲」と、
絶賛されている「スナイパー」は、バンドスコアがあるので演奏したものの、
なかなか再現できず、どうせ完コピでないならと、エンディングを伸ばして、
松原正樹を意識したフレーズを好き勝手に弾きまくり、開き直っています。









ゲイリーがブルースに回帰した「スティル・ゴット・ザ・ブルース」
年末に駅前の楽器店で、絶版の楽譜が売れ残っていないか、
棚を探したときに、ゲイリー・ムーアのバンドスコアを見つけて、
これは出版元のシンコーでも在庫なしだったと、慌てて買うが、
この2月に、1曲を追加した新装版が発売と知り、損した気分。

シンコーでは、人気がある楽譜は、何年かすると再発するが、
曲を入れ替えたり追加するので、もう持っている楽譜の場合、
曲が増えると待てばよかったと後悔し、持っていない楽譜から、
好きな曲が変更になると、早く買えばよかったと地団太を踏む。

普通に耳コピできる人や、あまり楽譜を買わない人からしたら、
何をそんな悩むのかと思われそうだが、楽譜頼みの自分には、
けっこう一喜一憂することだし、それはCDや書籍類でも同様で、
何だかんだ言って、ちょっとしたコレクターのようなところもある。

ゲイリー・ムーアの命日が2月6日で、そのあたりも意識したか、
シンコーからは2月5日に、ゲイリーのDVD付教則本まで出るし、
バンドスコアは2月16日とやや遅く、それなら、発売になる前に、
手持ち楽譜から演奏すれば、先に買った甲斐があるというもの。

昨年バンドスコアを活用し、「スパニッシュ・ギター」を演奏したが、
たて続けに演奏しようとした、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、
もともとCDもテープも持っていなくて、ほとんど聴いたことがなく、
スコアに出ている曲を聴こうと買ったベスト盤で、一番気に入る。

ゲイリーが亡くなった時、kamiyo.mさんが追悼記事で紹介され、
泣きのギターですごく良い曲だと思ったが、CDを買うこともなく、
YouTubeで、「パリの散歩道」などと一緒にライブ映像を見ては、
それで満足して、レンタルすることもないままスルーしていた曲。

それだけに、さあスコアと音源を手にしましたと言ったところで、
メロディも、うろ覚えで、ただでさえ下手な歌は音程を外しまくり、
ギターにしても、昔のように初見はできず、ゆっくりから練習して、
少しずつ形になったが、週末の更新には時間切れで没になる。

伴奏はほぼ完成しているので、今回のリベンジで1週間あれば、
メロディも把握でき、ギターも暗譜できるくらいに弾けてしまうさと、
これまた、いつもの安直な考えで、今週の曲に決めてしまったが、
いざ取り組むと、歌も難しければ、ギターもニュアンスが出ない。

8分の6拍子でリズムをとるか、1拍3連ととるか、どちらにしても、
ワルツっぽいノリで、その裏からイントロのギターは始まっていて、
間奏やエンディングのソロも同じパターンだから、出だしからして、
タイミングを外してしまうし、裏の食い方も毎回違って覚えにくい。

それでも、ギターは弾けば弾くだけ上手くなるというか、指が覚え、
今日の本番の録音も、イントロだけで、1時間以上は繰り返したが、
少しずつ良い感じになるのがわかり、さすがに最後は煮詰まるが、
同様に間奏も仕上がって、まあ、エンディングは完コピは断念した。

歌の方は、原曲を繰り返し聴いて、メロディを把握するも、実際に、
マイクに向かうとメロディは伴奏につられたり、何より高音が出ず、
こればっかりは、やればやるだけとはいかず、3回歌ったあたりで、
声が枯れてきてしまい、犬のケンケンのような無声音になってくる。

ゲイリーが最初のソロLP「バック・オン・ザ・ストリート」を出した時、
レビューで、朗々と歌い上げる「ドナの歌」に触れて、このあたりが、
ギタリストの歌の限界だみたいに書かれて、高音域が辛そうだが、
けっこう聴かせると思ったし、チャーや山本恭司よりは上手いはず。

産業ロックとまではいかないが、売れ線が多い「大いなる野望」は、
キャッチーなギターソロはあるが、歌がメインの曲が多くなったし、
かなりの高音域も歌い上げて、さらに、ブルースに回帰してからは、
間奏ギターソロも延々と弾くが、インストは少なくボーカリスト並み。

そのゲイリーのブルース回帰時代の一番のレパートリーでもある、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を歌うのは、素人ギタリストである、
自分には荷が重いというか、まさにギタリストの歌の限界となって、
ダブルトラックどころか3回歌を重ねたが、下手の3乗になっただけ。

リバーブを深くしたり、イコライザーでトーンをいじっても下手くそで、
3声のバランスをいじったりしても同様、どうせ聞き苦しいのだから、
厚化粧は気味悪いだけだと、一番ましそうな歌のトラック1個にして、
リバーブも適度にとどめて、その分、伴奏をあげて、ごまかしておく。

ギターは、ゲイリーと同じレスポールにして、やはりストラトに比べて、
音がガツンと出る分、上手くなったような錯覚になるが、ストラトより、
ビブラートやチョーキングがやりにくいし、何よりハイポジションでは、
左手が不安定なので、かなりガチガチの音でリズムもよれてしまった。

エンディングのギターソロは、途中ピックアップがフロントからリアに、
切り替わって、音色が変化するので、最初は別々のトラックに録音し、
イコライザーでも調整するつもりでいたが、音を伸ばしている段階で、
セレクターをいじっているので、同じようにするしかなく、同一トラック。

ゲイリーの指癖で、ペンタトニックの早弾きが、チョーキングと交互で、
しかも、リズムの切れ目でないところで、急に早くしたり、伸ばしたりで、
そのタイミングも難しければ、ペンタトニックも、自分の指癖と違うから、
完コピできなくて、忠実に弾くよりは、勢いで弾いてしまえと開き直る。

ミキシングして気づくのは、チョーキングの音程がかなり甘かったり、
ビブラートを自分では派手にかけたつもりでも、思ったほどでないし、
イントロ、間奏とも、後半になると、ビブラートを忘れてしまっていて、
音がぬぺーっと無機質に伸びているのが顕著で、まだまだ練習不足。

高校の頃、ロックギターをマスターしないまま、クロスオーバーに走り、
さらに、ジャズギターまで学んだから、無意識にビブラートするとか、
自在にチョーキングするのは、今も不得手で、その点、プロとはいえ、
ジャズ・ロック路線のゲイリーなのに、見事すぎるビブラートの達人。

だいたい、ロック畑からのクロスオーバー・フュージョンのギタリストは、
ジェフ・ベックにしても、ルーツはブルースで、ビブラートはお手の物で、
日本でも、和田アキラ、森園勝敏、高中正義と、チョーキングがうまく、
自分は、ベック命といいつつ、表面だけ、コピーしていたのかなと反省。

ジェフ・ベックのフォロワーと言われ、ジャズロック路線のバンドにいた、
ゲイリー・ムーアが「大いなる野望」以降は、ハードロック路線だったが、
突然、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を出して、ブルース回帰となって、
自分は、ジャズロック路線に回帰してほしいと、だんだん聴かなくなる。

そもそも「回帰」と言うが、アマチュアのギター少年だった頃はともかく、
プロとしてデビューしたバンド「スキッド・ロウ」は、ブルースではないし、
その後は、コロシアムⅡやシン・リジイへの参加、そしてハードロック、
いったい、いつに回帰するのかと、突っ込みをいれたいくらいだった。

そのタイトル曲、「スティル~」は、すごく好きだし、こうして演奏するが、
これは、ブルースのコード進行ではなく、マイナーブルースとも違って、
2小節ずらすと、「パリの散歩道」と同じになる、いわゆる循環コードで、
決してブルースではないが、回帰する決意と捉えれば良いのだろうか。

ところで、この曲、自分は「ブルース」と表記し、昔もそうだったのだが、
ベスト盤では「ブルーズ」で、アルバムもリマスターあたりから同様で、
ベスト盤に関わった伊藤政則らロック評論家は、それが正しいのだと、
解説文でもしつこいくらい多用して、どうも強引すぎて引いてしまうが。

ゲイリーが亡くなって、もう7年もたってしまったのかと、今さらながら、
月日の経つのは早いものだと実感するし、自分が夢中になったのは、
もっと昔の35年前、当時ほどではないが、CDをAmazonで買ったり、
図書館で借りて、自分には新譜扱いのブルースアルバムも聴き込む。

ブルースを聴くと、やはりクラプトンは神だったなあと、これまた古い、
ブルースブレイカーズ時代の曲が聴きたくなるし、ロイ・ブキャナン、
ジョニー・ウィンター、マイク・ブルームフィールドと高校の頃聴いた、
ブルース系のギタリストのLPまで、CDで買い直したくなったりする。

それこそ、自分には、回帰するブルースの土壌なんてないのだし、
純粋なブルースより、ロベン・フォードみたいな方が好きだったりで、
ゲイリーのブルースは自分にも良いのかなと、買った「スティル」に、
借りた「アフター・アワーズ」、「ブルース・アライブ」が愛聴盤になる。

ゲイリー・ムーアの追悼というより、持っているバンドスコアの活用、
新装版が出る前に1曲演奏しておこうと、罰当たりな発想のアップ、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、いつもの歌は勘弁してもらい、
イントロと間奏は、けっこういい感じで、エンディングはすみません。









イアン・マクドナルドのフルートが活躍する「風に語りて」
このブログを始めたのは、2010年夏にNHKで放送されていた、
「中高年のためのらくらくパソコン塾 ゼロからはじめるブログ」が、
きっかけだが、ほんの数年前なのに、たまたまテレビで見たのか、
書店でテキストを手にしたのか、どちらが先かの記憶はおぼろげ。

図書館でも入門書を数冊借り、アメブロ、ココログなど出ていたが、
これまた、何がきっかけでFC2ブログを選んだかは覚えていなくて、
ただ、これも縁というか、このブログにしたから、訪問者リストから、
様々な交流が生まれ、今でも訪問しあう方々と知り合いになれた。

他のブログでは、足あととかが同じ機能なのか、FC2ブログの場合、
訪問者リストに履歴が残り、その人のブログへとリンクされるから、
どういったブログをやっている人が、こちらを見に来てくれたのか、
覗きに行けるから、同じ趣味だとか興味のある内容だとかわかる。

ブログを始めた当初、いろいろ参考にしようと、ランキングの画面で、
自分と同じジャンルのブログを中心に、あちらこちら訪問していたら、
足跡から来ましたと、思いがけず、コメントをいただき、こちらからも、
訪問先に恐る恐るコメントを書き込んだりして、交流先が増えていく。

ただ、自分は今でも何とかブログを続けているが、1年以上長い間、
更新が途絶えていたり、休止の宣言をされる方もいらして、さらには、
悲しい知らせに触れることもあり、あの3月11日の犠牲になった方、
闘病しながらもバンド活動を続けた方と、この7年間でお2人の方が。

そして、今でも信じられずにいるのが、いつもコメントいただいている、
pipco1980さんが1月12日にお亡くなりになったと、先方のブログに、
友人の方が報告されているが、pipco1980さん自身の記事更新は、
1月10日で、こちらの訪問履歴には1月11日の足跡が残っている。

自分も同じ1月11日にブログを訪問して、コメントを書き込んだところ、
いつもは、すぐにお返事いただけるのが、翌日になっても、ないため、
体調でも崩されたのか、以前のように入院されたのかと思っていたら、
思いもしなかった訃報で、悲しいというより戸惑ってしまったのが本心。

pipco1980さんは、学生時代からプロギタリストとして、アイドル歌手の、
バンドリーダーや編曲を担当、その後は、会社の役員などをされたが、、
数年前に帰郷、「ぼちぼちと生きてくよ!秋田編」のブログが始まって、
撮影された写真や音楽紹介の記事で、自分も15年夏からお邪魔する。

こと音楽に関しては本当に博学で、記事で紹介されるミュージシャンは、
半分以上は、名前さえ知らなかった人たちで、いろいろ教えていただき、
知っているミュージシャン、曲についても、かなりマニアック情報ばかり、
さらにアイドル歌手については当時の裏情報などと、とても楽しかった。

おそらく一番好きなミュージシャンは、ブログのプロフィール欄の写真に、
アルバムジャケットを拝借しているフランク・ザッパで、海賊盤も含めて、
何百枚ものCDやDVDを集められたそうだが、自分は1枚も持ってないし、
楽譜があっても、演奏可能なレベルでないので、手を出したことさえない。

2番目になるかは確信がないが、キング・クリムゾンもかなり蒐集されて、
マニアックな内容の記事もあったり、自分が昨年クリムゾンを演奏したら、
「クリムゾン関連だと話が長くなりますので、以下省略です。」のコメント、
かなり細かいことも教わって、本当プログレに詳しいなあと思っていた。

キング・クリムゾンのスコアは、自分はデビュー作のしか持っていなくて、
たぶん、他のアルバムにしても、過去に発売されたのも見ていないから、
耳コピの苦手な自分は、この中から、まだやっていない「風に語りて」を、
演奏しようと思うが、pipco1980さんは「宮殿とレッド以外が好きです。」

自分がキング・クリムゾンを聴いたのはリアルタイムどころか、ずっと後、
80年頃だったか、FM東京「真夜中のポップス」で、キング・クリムゾンの、
デビューアルバムを全曲かけると知り、エアチェック、それもタイマーで、
起きてから聴くと、「21世紀~」で目が覚め、全曲が想像を絶していた。

すぐにではなかったが、他の曲も聴きたくなったので、LPを買うことにし、
「宮殿」はテープで持っているから、2枚組ベスト盤「新世代への啓示」と、
ラストアルバム「レッド」、ベスト盤に入っていない「太陽と戦慄パート2」、
「21世紀」をライブ演奏している「USA」を、解説のある国内盤で買う。

それにしても、「ひばりの舌のゼリー」が、「太陽と戦慄」になっていたり、
「青少年のための管弦楽入門」を意識したようなベスト盤のタイトルが、
「新世代への啓示」となるなど、邦題のつけ方で、「プログレ=難解」の、
イメージが拡大されたようで、レコード会社はあえてそれを狙ったのか。

プログレだと、ピンクフロイド「狂気」や、ELP「恐怖の頭脳改革」だとか、
意訳を通り越して、仰々しいタイトルばかり多くて、どうかと思うのだが、
かつてのビートルズの曲名に、「こいつ」「嘘つき女」「浮気娘」があって、
それに比べれば、難解で箔がつくプログレのタイトルはましな方だろう。

「新生代への啓示」は、単なるベスト盤にしたくなかったのか、それとも、
セールスを考えての未発表音源収録だったのか、「風に語りて」だけは、
デビューアルバムとはまったくの別テイク、ボーカルもグレッグではなく、
フェアポート・コンベンションの歌姫、ジュディ・ダイブルが担当している。

フォークロックバンドの女声ボーカルを起用しているせいもあるのだが、
サウンドも、フォーク、アイリッシュ・トラッド、ケルト風で、クリムゾンより、
その前身のジャイルズ・ジャイルズ&フリップに近くて、グレッグの歌と、
イアン・マクドナルドが活躍することで、クリムゾンが誕生したと言える。

今では、クリムゾンも何度か再結成して、第○期の分類も多々あるが、
当時は、デビュー作の「宮殿」からライブ盤「アースバウンド」が第1期、
「太陽と戦慄」から解散の「レッド」(解散後のライブ盤「USA」を含む)が、
第2期という分類で、自分には、第1期は、「宮殿」だけでも十分だった。

第2期にしても、アルバム「レッド」のうち、ベスト盤収録の「スターレス」、
「レッド」があれば十分で、要するに「新世代への啓示」があれば良いと、
それだけテープに録音して、テープの余りに「USA」からの「21世紀」と、
「太陽と戦慄」をいれて、CD時代まで、ウォークマンで繰り返し聴いた。

「ディシプリン」の再結成は、90125イエスと同様、別のバンドに聴こえ、
日本公演のエアチェックくらいはしたが、ほとんど聴かないに等しくて、
CD4枚組「紅伝説」を買ったときも、解散前のCDばかりを聴いていたし、
その後、様々なライブ盤が出た時も、デビュー時とUSA時だけ買った。

よくよく考えてみると、グレッグ・レイクと、ジョン・ウェットンの在籍時で、
どことなく声質の似たこの2人の歌声が好きなのであって、フリップが、
「これは、クリムゾンだ」と宣言して、別メンバーで名乗っても意味がなく、
2人の歌声を聴きたくて、ELPやUK、エイジアのアルバムに手を出した。

ジェネシスの元ギタリスト、スティーブ・ハケットが、セルフカバーになるか、
ジェネシスの楽曲をリメイクしたアルバムを出した際、ジョン・ウェットンに、
イアン・マクドナルドを率いて来日して、ジェネシス以外にクリムゾンの曲、
「クリムゾン・キングの宮殿」、「風に語りて」をやった時は、もう狂喜した。

ジョン・ウェットンが、クリムゾン在籍時は、決して歌うことなかった2曲を、
本家のマクドナルドと共演し、単なるプログレ同窓会ではないクオリティ、
ウェットンがエイジアで演奏するクリムゾンの楽曲よりも、本物っぽくて、
デビュー作は、マクドナルドが大きな役割を果たしていたのがより明確に。

「風に語りて」は、フルートのハモリから始まり、歌の伴奏では、ピアノと、
オルガンが交互に和音を鳴らすが、対位法のようにメロディと対峙する、
フルートやクラリネットが曲を引っ張っていて、間奏とエンディングとでは、
バッハのようでもあり、ジャズの要素満載のアドリブが延々と奏でられる。

ドラムもそれに呼応するように、ロックよりは、ジャズに近い叩き方をして、
当然ながら、シャッフル、スイングの4ビートではないが、手数を多くして、
アクセントをずらし、タムやシンバルを挟んできたり、かなり自由に叩き、
後任ビル・ブラッドフォートにも負けないくらい、テクニックもセンスも十分。

そのドラムをMTR内蔵のリズムマシンで再現するのは、ほとんど無理で、
バンドスコアを頼りに入力するが、弾けるようなスネア、タムの音が出ず、
スコアで省略されているリピート時のオカズは、雰囲気程度は耳コピして、
せめてもと、シンバル、ハイハットと別トラックにして、イコライジングした。

フルートはギターシンセで演奏して、キーボードのシンセで演奏するより、
強弱のニュアンスがつけられるが、早いフレーズのトラッキングに苦労し、
シンセのピックアップのマグネット部に、弦がひっついて雑音が出たりと、
ギターシンセの演奏は、かなりストレスがたまり、やっぱり生楽器が一番。

グレッグのボーカルにしては、かなりソフトに歌い、マーキーのライブでは、
いかにもグレッグという歌いまわしとハスキー声で、それを真似てみたが、
自分の声ではお粗末すぎて、レコードの歌い方に戻し、ダブルトラックで、
風呂場エコーとリバーブをかけたが、相変わらずボーカルがネックのまま。

キング・クリムゾンは、ピート・シンフィールドの歌詞もその存在は大きくて、
渋谷陽一は「ロックに対する深い洞察力が曲作りの需要なファクター」とし、
この「風に語りて」も、多くの訳詞ブログで、深読みされるような内容らしく、
単純にボブ・ディランの「風に吹かれて」をもじったと思った自分と大違い。

村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」は、プログレとは無関係だろうが、
劇中に出てくる作家、ハートフィールドの小説「火星の井戸」を紹介して、
宇宙を彷徨う青年に風が囁く場面が描かれ、再び静寂が訪れたとあり、
何となくシンフィールドの詩の世界にも通じると、勝手に結び付けている。

キング・クリムゾンのデビュー作から、イアン・マクドナルドのフルートが、
大々的に活躍する「風に語りて」を演奏しましたが、歌の出来はひどいし、
「毎度です」とコメントをくれるpipco1980さんは、シンフィールドの詩より、
パーマー・ジェイムスを評価されていて、どんな感想を持たれたろうか。












Copyright © 僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ. all rights reserved.