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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ひょうきん族のテーマでも有名なシュガーベイブ「ダウンタウン」
自分の場合、楽譜のコレクターというつもりは毛頭ないのだが、
昨今の出版事情を考えると、目ぼしい楽譜は見つけたときに、
すぐに買っておかないと、絶版になり入手困難になることが多く、
結果的に弾けもしない楽譜が、どんどんたまっていくことになる。

クラシックギターの難曲は、さわりくらい弾けて楽しめれば良いと、
半ば開き直っていて、長年、絶版で入手困難だった山下和仁の、
「アロンソの結婚」が再発され、これは、すぐ買っておこうとすると、
2千円以下なので、単品では、Amazonで送料がかかってしまう。

他に何を買おうか検索していて、山下つながりで達郎にしようか、
ちょうど今、古いバンドスコアで練習しているが、不備が多いから、
「オフィシャル・バンドスコア」なら、細かい部分も採譜してあるかと、
当たりをつけて、いろいろと調べるが、中身までは全然わからない。

ほとんどの曲が手持ちの2冊とだぶっていて、2冊で省略された、
ピアノソロとサックスソロが出ているか、現物で確認したいのだが、
渋谷のヤマハも河合楽器もなくなってから、お茶の水まで出るか、
銀座の山野楽器でも行かないと、楽譜が豊富な店など近くにない。

1曲当たりのページ数が、手持ちの楽譜より多いから、それだけ、
リピート記号だらけの手抜きはないだろうし、シュガーベイブの曲、
「ダウンタウン」も収録されているので、最悪、この1曲さえあれば、
十分元が取れる、そうだ、「ダウンタウン」を演奏しようと短絡的に。

9月22日に届いたスコアは、感動するくらい丁寧に採譜してあり、
もともとの目的だった、「ソリッド・スライダー」のサックスは完コピ、
エレピソロは一部だが、コード記号のみの手持ち譜よりはまとも、
ほとんどの曲が、鍵盤の左手部分も採譜してあるのが嬉しくなる。

「ダウンタウン」は、2本のギターがしっかりと採譜してあるうえに、
鍵盤も、曲全体を引っ張るクラビネットは左手部分も2段書きだし、
別のページに、エレピとオルガン、ドラムとは別にダビングされた、
ハイハットまで出ていて、これこそオフィシャルなんだと、大感激。

もう、ここは、「ダウンタウン」をやるしかないでしょうと、これまで、
エポのバージョンに親しんで、多少口ずさんだことがあるだけで、
シュガーベイブの方は、レコードこそあるものの、そんなに聴かず、
まして弾いたこともないが、1週間、この曲だけ、とにかく聴きこむ。

この「ダウンタウン」をシュガーベイブの曲として、リアルタイムで、
聴いた人はどれくらいいたのだろう、はっぴいえんどを中心にした、
元祖シティポップスに興味のあった、ごくごく一部の人たちくらいで、
自分や世間一般、お茶の間の人々は、エポのカバーで知ったはず。

テレビ「オレたちひょうきん族」の、エンディングテーマとして流れて、
「土曜日の夜は賑やか」と、番組の放送時間とぴったりな歌詞から、
この番組に書いた曲だと当初は思っていたら、山下達郎の曲であり、
しかも、幻のバンド、シュガーベイブ時代の曲だと、あとから知った。

その後、テーマ曲は、山下達郎の「パレード」、「土曜日の恋人」や、
ユーミン「土曜日は大キライ」など流れるが、ひょうきん族と言えば、
エポの「ダウンタウン」というくらい、自分には、すごく親しんだ曲で、
今でも、この曲を聴くと、エンディングのハイライトシーンが浮かぶ。

ゲラゲラ笑う番組だけに、その終わった後は、どこかもの悲しくなり、
それだけに、エポが「ダウンタウンに繰り出そう」と歌うと、これから、
駅の方にでも行けば、まだ賑やかなんだろうか、テレビも終わって、
静まり返った住宅街と違い、華やかな世界なんだろうと思っていた。

最終回というわけでもなく、次回があるのに番組が終わる寂しさは、
幼い頃に、毎日の「ロンパールーム」で感じていて、うつみみどりの、
鏡ごしに名前を呼ぶエンディングに続き、本当、もの悲しい響きで、
オルゴールが流れて、何だか泣きたくなるような思いにとらわれた。

これは、中学生になっても、土曜夜放送の「刑事コロンボ」で感じて、
中学1・2年の8時過ぎに寝ていた自分は、深夜番組を見るようで、
犯人が捕まり、ハイライトシーンとスタッフロールに流れるテーマは、
やはり寂しい思いで聴き、そのまま布団に入り、眠りについていた。

高校の頃、デパートでさえ6時過ぎには閉店していた時代だったが、
渋谷駅前に9時近くまで営業する旭屋書店ができて、夕食の後でも、
「今から行っても、まだ本屋さんが開いている。」なんて、出かけたし、
出かけない日も、9時近くになると、いても立ってもいられない気分。

その「ロンパールーム」、「刑事コロンボ」のエンディングのもの悲しさ、
今からでも走っていけば、まだ本屋は開いているんだという思いとが、
見事すぎるくらい、ひょうきん族の最後にエポが歌う「ダウンタウン」に、
つながっていて、自分にとっては、かなり思い入れのある曲となった。

エポの演奏は、16ビートの軽やかなカッティングのギターで始まって、
ベースが曲を引っ張っていて、サビのチョッパーはすごく格好良いし、
オリジナルのシュガーベイブは、クラビネットと、それに見事に呼応し、
コードとリフを自在に弾き分けるギターが特徴的で、気に入っている。

シュガーベイブの名前は山下達郎を知る以前、高校に入ったあたりか、
ヤマハの「ロックサウンド」という本で、エフェクター紹介のコーナーに、
伊藤銀次と村松邦男が試奏している写真があっていて、確か2人とも、
シュガーベイブの肩書きなので、ツインギターのバンドなんだと思った。

さらに、79年3月、渋谷河合楽器のジャズギター教室に通い始める時、
ロックギター教室の先生は村松で、どちらにするかレッスンを見学すると、
生徒たちがメトロノームに合わせ、クロマチックスケールを練習していて、
これなら家でもできるとジャズにしたが、せっかくの縁をふいにした気分。

もしロックギター教室にしていたら、基礎からやり直させられただろうが、
今よりもチョーキングやビブラートが上手くなったり、バッキングにしても、
16ビートパターンやオブリガードに精通できたり、何より、何かの機会に、
伊藤銀次や山下達郎と会わせてもらい、プロへのチャンスもあったかと。

そんな妄想に浸りながら、「ダウンタウン」をバンドスコアに沿って弾くが、
本当に、村松のギターは見事で、右チャンのワウをチャカポコ踏みながら、
16ビートを刻むギターも、山下でなく村松が弾いたと思うし、左チャンの、
コードリフ、2音スライド、単音フレーズと自在なバッキングはため息もの。

アドリブソロも、当時のクロスオーバー創成期のインストに匹敵するソロで、
エンディングも同様に弾きまくっていて、ストラト特有のキンキンした音が、
気にもなるが、クラビネット、エレピ、オルガンとコード楽器が多く鳴るので、
音が埋もれないようハイゲインにしたのだろうし、それが特徴も出している。

楽譜を買ったからと、にわか仕込みのシュガーベイブ版「ダウンタウン」は、
ギターシンセでは、クラビネットのはねるような演奏は再現できなかったし、
いつもの山下達郎よりはキーも低く、ハモリの最高音もそう高くないものの、
歌唱力のなさが目立って、トリプルトラックにして、かなりごまかしています。







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ピーター・フォンダの呟きからの「シー・セッド・シー・セッド」
何度も書いていることだが、自分がビートルズを聴き始めたのは、
74年、中2の夏からで、すでにビートルズは解散した後追い世代、
すでに赤盤・青盤も発売されていたので、「ペパーズ」から後期で、
サウンドも見た目も一気に変化したという、刷り込みができている。

今日では、「ペパーズ」の前作の「リボルバー」への評価も高くなり、
スタジオ作業による実験的、革新的サウンドに、ブラスセクション、
オーケストラの導入と、レコーディングバンドへ変貌していった作品、
ライブの再現が不可能となり、ツアー中止の一因になったとされる。

このアルバムの最終録音日が66年6月21日で、その3日後には、
ドイツ公演、そして、6月29日に来日し、武道館公演となるわけで、
かなりのハードスケジュールだし、このアルバムを完成させながら、
ライブでは古い曲を、歓声にかき消され、演奏していたことになる。

日本にとって、ちょっと名誉なことが、このアルバムの題名である、
「リボルバー」は、来日時、厳戒態勢ともとれる過剰な警備の中で、
やたらと目にした警官の拳銃から、ポールがタイトルを思いついて、
7月2日イギリスへ電報を打ち、発売に間に合わせたとされること。

ただ、普通に考えれば、日本は確かに4人が身動きできないくらい、
厳重な警備だったが、警官や拳銃はどこの国でも見かけたはずで、
しかも、レコードのタイトルと拳銃とに、どんな因果関係があるのか、
「よし、これだ」と4人が納得するには、あまりに理由づけが弱い気が。

そもそも拳銃を見たら、「あ、リボルバーだ。」という名称が出るのか、
自分がガンマニアでないからか、西部劇ならば二丁拳銃のコルト45、
ルパン三世ならワルサーP38、ダーティー・ハリーは44マグナムと、
いくつか名前はうかんでくるが、リボルバーというのは馴染みがない。

中山泰樹の「ビートルズの謎」には、ジャケットのデザインを担当した、
ハンブルグ時代の友人クラウスに、ジョンがタイトルを伝えていたとか、
逆回転やテープループのサウンドから、「回転」を意味する単語にした、
ウィキは「レコードは回転する」から、タイトルになったとも書いてある。

こういうのが、ビートルズの面白いところで、都市伝説までいかずとも、
いまだに、ちょっとしたことでも、いろいろな説があり、調べて楽しいし、
サウンドの分析も、誰がどの楽器を弾いたか、ダビング作業はどうか、
ハモリは誰が上で誰が下かと、自分の勘違いも含めて、新発見だらけ。

「リボルバー」の録音でも、エピソードは欠かせず、最後に録音した曲、
ジョン作の「シー・セッド・シー・セッド」は、ジョンとポールが口論になり、
ポールが出て行ってしまったが、3日後にはドイツ公演へ出かけるので、
今夜中に仕上げないと間に合わないと、ジョージがベースを弾いたとか。

マーク・ルゥイソーン「レコーディング・セッション」には、特に記述はなく、
ドラム、ベース、ギター2本のベーシックトラックを先に録音して、そこへ、
ボーカルとハモリのダビング、オルガンとリードギターを重ねたとあって、
最初に4人揃って演奏した感じで、ポールが出て行ったとの記述もない。

藤本国彦「213曲全ガイド」には、ポールが「僕は録音に一切参加せず、
ベースはジョージが弾いたと思う。」とコメントし、日経「全曲バイブル」は、
「メンバーで口論が起き、~、ポールが怒ってスタジオから出て行った。」
「ジョージがベースを弾いた可能性が、非常に高くなる。」と推測している。

ベースの録音がすんでから、ポールが出ていき、それでコーラスだけは、
ポールが参加していない、というのが、一番素直な解釈だと思うのだが、
当のポール本人が参加していないと公言しているから、いつ語ったのか、
原典を知らないが、ベースは別人、ジョンよりはジョージが自然な流れか。

来日時、ジョージとリンゴはホテルに缶詰めだったが、ジョンは抜け出し、
骨董品を買いに行き、ポールは、当初の目的地に行く前に見つかって、
皇居周辺を散歩しただけで戻ってきていて、2人が別行動になったのは、
スタジオの口論が多少尾を引いていたのかと、いろいろ想像したくなる。

「リボルバー」セッションの最後の曲となった、「シー・セッド・シーセッド」は、
ジョンがホームパーティーに参加した際、居合わせたピーター・フォンダが、
麻薬でおかしくなり、「自分は死の意味を知っている。」と繰り返し呟いて、
「そんなことは知りたくない、こいつを追い出せ」となった実体験に基づく。

ピーターは、まだ映画「イージー・ライダー」で世に出る前で、多少なりとも、
俳優活動はしていたろうが、飛ぶ鳥を落とす勢いのビートルズに比べると、
単なる二世タレントで、下手したら、貴花田が「うんとねえ、うんとねえ。」と、
得意気にしゃべっていたようなもので、それをジョンは歌詞にするだろうか。

ジョンの場合、辻褄が合うようにとか、みんなが期待する流れになるように、
後付けで理由をつけることがあって、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」にしても、
「チベット死者の書」の影響を受けたとか、そんなの読んだこともないだとか、
真逆のことだし、ピーターが有名になったから、とってつけた可能性もある。

この曲では、ジョージらしきリードギターは、ハンマリングを効果的に使って、
ポールに「タックスマン」でお株を奪われた、シタール風のフレーズにして、
ジョンは、まだスリーフィンガーを教わる前だが、コードをアルペジオ風にし、
さらに、リンゴのドラムは、これでもかというくらい、フィルインを叩いている。

ベースはジョージ担当ということだが、フレーズは単純ながら音圧もあるし、
ところどころ、ポールが弾くようにアクセントやミュートも見事に決めていて、
やはり、最初の段階でポールが弾いたのではと思いたくなるが、それならば、
「レイン」でやったように、リンゴのドラムに、もっと食らいつくかもしれない。

アルバムタイトルの「リボルバー」、ピーターフォンダが関わったという歌詞、
ポールが不参加で、ジョージがベースを弾いたと、謎を謎を呼んだような、
「シー・セッド・シー・セッド」は、ジョンの曲なので、高音はハモリも大丈夫で、
そうは言っても、逆にジョンのニュアンスが難しく、なかなかうまくいきません。







まだまだ夏日が続くから、夏だ、達郎だ「ラブランド・アイランド」
このところ、朝晩は、めっきり冷え込むようになったとはいえ、
日中には30度を超える夏日も何度かあって、残暑というより、
まだまだ夏じゃないのかと思うほどで、それで、夏と言ったら、
山下達郎だよなと、安直に今週演奏する曲を物色してみる。

シンコーのディスク・ガイド、「ジャパニーズ・シティ・ポップ」の、
「フォー・ユー」の解説で、「『夏だ、海だ、タツローだ!』という、
標語まで生んだほど世間に浸透した大ヒット作」と書いてあり、
もちろん、そんな標語などなくても、当時の達郎は夏の代名詞。

ちなみに、自分は、当時、リアルタイムで聴いていたわりには、
その標語は、どうも記憶になく、そのディスクガイドで知ったが、
山下達郎に限らず、好きでレコードを集めていたにも拘わらず、
世間一般の情報に疎かったりすることが多く、どうも中途半端。

その「フォー・ユー」の1曲目、印象的なギターのカッティングで、
アルバム全体を引っ張っる、「スパークル」の歌詞についても、
「七つの海から集まってくる」を、つい最近まで「真夏の海」だと、
勘違いして、夏全開の歌詞だと感心していたという、お粗末さ。

ギター雑誌で名前くらいは知っていた、達郎の曲を聴いたのは、
マクセル・カセットテープのCMで流れた、「ライド・オン・タイム」で、
達郎自身が、膝まで海の中に入って、水平線から登る太陽を、
背にしている姿で、もう夏のイメージが、お茶の間にも浸透する。

やはりテレビのCM、JR東海のCMで「クリスマス・イブ」が流れると、
今度は一転して、達郎は冬・クリスマスの代名詞になってしまうが、
その「クリスマス・イブ」を収録した、「メロディーズ」も発売当時は、
「高気圧ガール」をはじめに、夏のイメージばかりが先行していた。

サーフィン映画のサントラ盤「ビッグ・ウェイブ」など、まんま夏だし、
ベスト盤「カム・アロング」のジャケットも、夏を思わせるイラストで、
タイトルや歌詞に、夏の文字が出ようが出まいが、曲が流れれば、
夏を思い浮かべるという、自分はパブロフの犬状態になっていた。

「フォー・ユー」収録の「ラブランド・アイランド」は、歌詞に夏もあり、
サントリービールのCMとして流れた映像は、海辺のリゾート地で、
サンバのように踊りながら、市場を歩く女性、その女性を思い出し、
海が見下ろせる場所でビールを飲む男性という、夏の日の構図。

実は、このCMも記憶になく、YouTubeで見ても、ピンとこなくって、
幼い頃からのテレビっ子なのだが、ほとんどテレビを見ない時期、
毎日ギターを練習していた学生の頃や、TVゲームばかりした頃は、
ドラマもCMも、たまに見た時のわずかな記憶しかなかったりする。

それで、サントリーCM集として出ている、YouTubeでわかるのが、
CMでは、「あの人きっと夏の女神さ」が、「僕の女神」になったり、
最後の「アイ・ラブ・ユー」と歌うのが、どうも「サントリー」に聴こえ、
杉真理「バカンスはいつも雨」同様、CM用に歌詞が変わっている。

この曲そのものが、CM用に作られ、歌詞も映像と関連したのか、
さらに、タイトルも決まっていたのか、そのあたりは不明なのだが、
「ラブランド・アイランド」と言われると、「ふたりの愛ランド」みたいで、
達郎の方が先だが、多少はダジャレの意味合いもあっただろうか。

この曲のイントロは、「スパークル」と同様、2本のギターの絡みが、
すごく見事で、片方がコードカッティング、片方が単音リフというのは、
ポピュラー音楽から、フュージョン、AORにもある、王道パターンで、
達郎フォロワー(?)の角松も、自身の曲や杏里の曲で多用している。

その左右のチャンネルから聴こえるギターは、両方とも達郎自身が、
弾いているとばかり思っていたら、単音リフの方は椎名和夫だそうで、
一発録音でないとしても、ライブを意識し、レコードでも多重録音せず、
バンドとしての音を追求したのか、録音のメンバーも固定されていく。

特にリズム隊、ベースとドラムは、前作の「ライド・オン・タイム」から、
長年に渡り、達郎のレコーディングとライブを支えることになっていく、
伊藤広規と青山純で、ボトムがきっちりしたことで、サウンドも決まり、
まさに全盛期、黄金期となる演奏が、繰り広げられたと思っている。

自分が演奏するにあたり、ドラムは、MTR内蔵のドラムマシンだから、
ロックをやるにしてもフュージョンにしても、かなり無理があるのだが、
青山純は、プリズムでの変拍子ビシバシ、フィルイン全開とは違って、
タイトに叩くので、アクセントに気をつけて、マニュアル入力で叩いた。

伊藤のベースは、時に重く、ずっしりとしたベースで、ほとんどの曲が、
チョッパー奏法、スラップで、プリングの引っかけや3連は少ないが、
指弾きでやるようなフレーズも、親指で叩くことが多くて、右の手首が、
腱鞘炎にならない程度に、同じようなノリが出るまで、何度もやり直す。

バンドスコアは丁寧に採譜してくれていて、イントロのハープの部分も、
1拍6音で記譜されているので、コードのアルペジオでごまかさないで、
実音どおりにギターシンセで弾くが、ハープらしい残響も出したいので、
1・3拍、2・4拍と分け音を伸ばしてみたが、これが6弦ギターの限界。

コーラスは、3声で採譜してあり、達郎の場合、アカペラでもなければ、
コードに沿った3声が主で、まれにベースの低音が加わるくらいだから、
そのまま3声で歌うが、当然、歌唱力のなさもあり、本物よりすかすか、
それぞれ3回、音を重ねて、声の出ない高音はシンセも小さく弾いた。

メロディーはテンションコードが多いせいか、どうも音程が取れなくて、
ガイドボーカルというか、メロディーを別トラックにギターで弾いておき、
それを聴きながら歌えば、少しはましになるかと思うが、やはり音痴で、
音程のひどさは、ダブルトラックでもごまかせず、今後の課題とする。

台風が近づいているとはいえ、まだ夏のような暑い日もあることから、
無理やりという感もありますが、まだまだ夏だ、タツローだという具合で、
「ラブランド・アイランド」を演奏しましたが、いつも以上に歌がひどくて、
インストにした方が良かったか、ちょっとお粗末な出来ですみません。




横浜の公園の秋の情景を歌にしたオフコース「秋の気配」
7月の猛暑、真夏日が嘘のように、8月は雨模様の日ばかり、
気がつくと、9月になっていて、朝晩の肌寒さから、もう秋か、
そういえば、オフコースに「秋の気配」なんて曲があったなあと、
録音し始めると、なぜか更新する今日に限って、また暑くなる。

これなら、山下達郎や角松敏生の、夏全開の曲の方が良いが、
今さら、別の曲をオケから作り直すのも無理な話で、予定通り、
オフコース「秋の気配」を仕上げることにし、何とか夕方には、
ミキシングも完了するが、動画作成に戸惑い、数時間かかった。

ビートルズばかり聴いていた中学時代、ビートルズの特集記事、
ちょっとした楽譜が出ていると、月刊ヤングギターを買ったので、
レコードレビューや広告で、オフコースの名前だけは見ていたが、
実際に曲を聴いたのは、テレビ主題歌の「ロンド」がヒットした頃。

この曲の楽譜もヤングギターに出ていたので、歌詞もわかって、
今なら、「母はいつまでも子どもに追いつけない。」というだけで、
ウルウルきてしまうが、当時は、何だか、グレープが「無縁坂」で、
母を歌ったのをパクった感じだ、それに同じ2人組だし、と思った。

LPの帯だったか、ヤングギターのレコード広告ページだったか、
「和製カーペンターズ」のコピーがあり、カーペンターズだったら、
女性ボーカルと、もう1人はピアノだし、同じデュオということでも、
S&Gだったら、ボーカルとギタリストだし、別物だろうにと思った。

いわゆるフォークグループでなく、ポップス路線の2人組なのだと、
レコード会社はアピールしたくて、カーペンターズにたとえたのか、
自分の場合、安易にビートルズの文字を使われると反発するが、
カーペンターズのファンはオフコースをどう思ったのか、気になる。

79年、大学に入ると、オフコースの後輩になる聖光学院出身の、
同級生同士が、やたらと、教室でオフコースのハモリを練習して、
ちょっと異様な風景だったが、別の仲の良い同級生も大ファンで、
彼のアパートへ遊びに行くと、いつでもオフコースが流れていた。

そのうち、「さよなら」がヒットして、FMでライブを聴くと、AOR系、
TOTOとかボストンみたいなロックサウンドで、わりと気に入ると、
従妹までが大ファンでピアノを弾いてくれて、半ば洗脳されるよう、
自分もLPを買ったりレンタルし、ギター弾き語り曲集まで買った。

バックバンドが正式メンバーになり、「スリー&ツー」を出したが、
そのベースは、自分が憧れた日本一のビートルズコピーバンド、
バッドボーイズのポール、清水仁で、それも気に入った理由で、
結果的には、これ以降のアルバムを全部リアルタイムで買った。

初期の曲はベスト盤「セレクション」で、とりあえず聴いていたが、
これは、捨て曲なしの名曲揃いなので、バンドスコアを買ったし、
カセット式のMTRを買ったときには、ロックやクロスオーバーより、
オケが作りやすいと、オフコースや山下達郎を中心に録音した。

ビートルズやサイモン&ガーファンクルの、全曲をオンエアした、
FM東京の同じ番組だっただろうか、オフコースの全曲も流れて、
ベスト盤に比べれば、当然ながら、全部が気に入るということは、
さすがにビートルズとは訳が違うが、それでも名曲は多かった。

ただ、それでアルバムを買ったり、改めてレンタルすることはなく、
LPとしても、「スリー&ツー」と「ウイアー」は、ほぼ全曲が良いが、
「オーバー」「アイ・ラブ・ユー」は、気に入ったのは、半分くらいで、
赤盤・青盤ではないが、前期・後期の「セレクション」でも十分か。

それと、鈴木康弘が抜けた後のオフコースは、CDで2枚買ったが、
小田一人では、どれもが同じというか、色が1色になったというか、
それでいて、小田の初ソロとも違い、どこか中途半端な感じがして、
ほとんど聴かないまま、iPod時代になっても、取り込んではいない。

いまでも歌詞カードを見ずに全曲歌える、2枚の「セレクション」は、
レンタルして90分テープの裏表に入れ、ウォークマンで聴いたし、
CD時代に購入して、ディスクマンで持ち歩いて、やはり聴きまくり、
さらにiPodやスマホに取り込んで、今でも機会があれば聴くほど。

最初の「セレクション」のラストの曲が、「秋の気配」で、その前の曲、
「潮の香り」とは、LP「ジャンクション」時代から、つながった曲順で、
作詞・作曲にボーカルも、小田、鈴木ときれいに分かれているので、
双子のようにセットで捉えているが、とりあえず「秋の気配」を演奏。

「秋の気配」は、歌詞の冒頭、「港が見下ろせる小高い公園」とあり、
2人の出身は横浜なので、港のそばは山下公園かなと思っていたら、
そのもの「港が見える丘公園」というのがあるようで、小田もライブで、
「港が見える丘公園をテーマに作った曲です。」と、曲紹介していた。

YouTubeには、そのMCが聴けるライブ音源などが、数多くあって、
特に、「日立ミュージック・イン・ハイフォニック」という番組が多いが、
「ゴールデン・ライブ・ステージ」や「ローディー・ライブコンサート」を、
自分はよく聴いたが、「ハイフォニック」は番組自体が記憶にない。

そのライブ音源で、いくつか「秋の気配」があり、バンド形式ながら、
レコードほど音は厚くなく、コーラスも4声で、何重にもしてないが、
小田と鈴木の歌は、それぞれ弾き語りでも成立してしまうくらいに、
歌唱力があるし、ギターもピアノも演奏の実力は見事で、聴かせる。

それを自分がやるとなると、レコード以上に、ストリングスを厚くして、
メインの小田の歌は、ダブルトラックどころか、三回重ねてみたり、
3声になる部分のコーラスも、それぞれをダブルで録音するくらいで、
それでも、下手の二乗三乗になる感じで、何度もやり直しては消す。

あと小田は、途中から歌唱法を変えたとまでいかないのだろうが、
初期はハスキーな声で、時に囁くような歌い方が多かったところ、
バンド形式になった頃から、その音量に負けないようにというのか、
透明感はありながらも、シャウトに近い張り上げた歌い方になった。

透き通ったハイトーンでのシャウトもきついが、囁くようにサラッと、
高音を出すというのもきつく、どっちの歌い方も自分は無理なので、
いつものビートルズと同様、高い音はファルセットでないと出ないし、
多少はミックスボイスのようにしたが、地声と行ったり来たりする。

ビートルズだ、クロスオーバーギターだと言いながら、実は昔から、
ニューミュージックは大好きで、弾き語りの楽譜もけっこう買ったし、
さらにバンドスコアがあるオフコースから、今の季節にぴったりかと、
「秋の気配」にするも、今日は暑いし、高音は出ないしと、選曲ミス。






ポールの多重録音とマーティンのオケの「マーサ・マイ・ディア」
パソコンを買い替えたら、いつもYouTubeのアップに利用していた、
Windows Movie Makerが入っていないうえ、マイクロソフトからも、
提供中止になっていて、何か動画編集ソフトを入手しないことには、
音声だけのアップさえままならず、先週は演奏のアップは休んだ。

どうせなら、昔から憧れている、分割画面で様々な楽器を演奏する、
いかにも多重録音という凝った映像に、いずれは挑戦できるように、
市販のソフトはないか、Amazon中心に、ネットでいろいろ調べると、
アドビやサイバーリンクなどの数種で、そんなに選択肢はなかった。

最低限のことができて、値段は安いに越したことはないと見ていくと、
サイバーリンク社のパワーディレクターには、スタンダード版という、
4千円の廉価版があり、とりあえず、これにして、もっと高度なことが、
やりたくなれば、新バージョンの際、アップグレードすれば良いだろう。

昨日届いたので、昔アップした素材の静止画と音声ファイルを使って、
YouTube用のファイルを作る練習をするが、マニュアルはついてなく、
市販本も品切れのうえプレミア価格になっていて、買う気もしないと、
イージーモードから試してみるが、ムービーメイカーとは勝手が違う。

ただ、静止画を張り付け音楽を流すだけの、単純なことがしたいのに、
写真をスライドにしたり回転させたり、フレームや背景が加わってくる、
凝ったテンプレートしかなくて、スローモーション再生を選んでみたら、
写真が止まったままで済むが、最初と最後は、黒字にタイトルバック。

いずれ、やり方を覚えていこうと、今日の夜、完成させた音源を使い、
実際にファイルを作ると、まず、勝手に音声がフェイドアウトしていき、
最後まで聴けないので、再度MTRで10秒ほど余白を追加してみて、
最初の黒いスクリーンには、曲のタイトルだけでもと入力しておいた。

編集後ファイルとして書き出すと、以前は10MB前後ですんだのが、
何とびっくり、2分30秒の静止画で800MBという大きいファイルで、
これを毎週やっていたら、新しいPCのハードディスクは持たないうえ、
アップロードも再生も重すぎて、ちょっと真剣にやり方を覚えないと。

写真についても、ちょっとしたトラブルというか、長年使ったデジカメ、
古いソニーのサイバーショットが、電池の接触が悪いと思っていたら、
電池を抑える留め具が割れてきて、電池が浮き上がって、そのうえ、
新PCには、メモリースティックを指す場所がなくて、写真はスマホで。

買い替えたパソコン、スマホ両方とも、かなりストレスの原因になり、
このことだけでも延々と愚痴が書けるが、今日のところは時間不足、
何とか音源をアップしたので、動画編集ソフトの愚痴もあるのだが、
ひとまず、これくらいにして、演奏した曲についても、少し書いておく。

先週アップしそびったビートルズの曲は、「フール・オン・ザ・ヒル」で、
時間がないときは、ギターにせよ、ピアノにせよ、弾き語りに近い曲、
そこに多少のシンセを加えればすむ曲は、すごく重宝なので良いが、
実際やってみると、難しくて、これはこれで、じっくりと後日取り組む。

やはりピアノの曲で、楽譜付きLP「ビートルズ・ピアノ・テクニック」で、
多少ピアノを練習したり、ギターでも弾いた「マーサ・マイ・ディア」は、
バンドスコアに、ストリングス、ホーンセクションとも、きちんと採譜され、
途中のアップテンポのギターやベースも格好よく、やりがいのある曲。

イントロのピアノは、ラグタイムピアノのように、オルタネートベースに、
シンコペーションしたメロディが載り、さすがはポールというところだが、
最初に聴いたとき、これは、ギターのスリーフィンガー奏法にも近くて、
アコースティックブルースや、チェット・アトキンスの曲にもよくある形。

同じホワイトアルバムで、ジョンレノンは、ドノバンから教わったという、
スリーフィンガー奏法を、「ジュリア」や「ディア・プルーデンス」で弾き、
これは、教則本に載せたいくらい、きっちりしたパターンを繰り返すが、
「アンジー」のようなシンコペのパターンを、ポールが真似た気がする。

ポールはピアノだけでなく、リズムギター、ベース、さらにドラムまでも、
多重録音して、マーティンがスコアを書いて、左チャンのストリングス、
右チャンのホーンセクションが、それぞれ6人くらいが演奏したそうで、
外部ミュージシャンが多いのに、ビートルズからはポール1人の構図。

この記事に関しても、動画ファイルの処理にしても、中途半端ですが、
2週続けて、演奏をとばすことのないように、苦肉の策で、このあたり、
ホワイトアルバムで、1人で、あれこれやっていたポールのようでもあり、
その「マーサ・マイ・ディア」はピアノも難しく、これまた高音が辛いです。









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