僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。 旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ビートルズは、66年8月末のキャンドルスティックパークで、
コンサート活動を終了し、スタジオでの作業をメインにする、
いわばレコーディングバンドへと変貌していき、67年6月に、
約1年ぶりとなる新譜の、「サージェント・ペパーズ」を出した。
ペパーズのレコーディングセッションは、先行シングルとなる、
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の録音を開始した、
66年11月からとされるが、「ロックン・ロール・ミュージック」、
「アイム・ダウン」を歌った日本公演から、半年もたっていない。
「ストロベリー~」や「ペニー・レイン」のベーシックトラックは、
年末には録音され、大作となる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
年明けから録音という、前作「リボルバー」があったとはいえ、
すごい音楽的飛躍で、もうライブをやっているどころではない。
両A面という扱いのシングル盤、「ストロベリー・フィールズ」と、
「ペニー・レイン」は67年2月に発売されるが、アルバム作成が、
長引き、レコード会社の要請で、とりあえず完成していた2曲を、
シングル盤で出したのか、それにしても、強力な両A面である。
面白いことに、どちらの曲名も、故郷であるリバプールにちなみ、
懐かさ、郷愁を歌っているが、曲調は正反対というか、ジョンは、
幻想的な歌詞で、サイケデリックなサウンドで、ポールの方は、
写実的な歌詞、明快な王道サウンドと、見事な対をなしている。
故郷リバプールについては、「ラバー・ソウル」に収録されていた、
「イン・マイ・ライフ」があり、ジョンは、ミドルエイト、サビの部分を、
ポールに手伝ってもらったと言うが、ポールは、歌詞の一部しか、
できていなかったので、残りの歌詞とメロディを作ったと主張する。
「エリナー・リグビー」と同様に、どちらが作詞作曲したかに関して、
2人の記憶が違っている数少ない曲だが、この両A面については、
正真正銘、間違いなくジョンとポール、それぞれの単独作であって、
それだけに2人の個性の対比が、できすぎなくらい分かれている。
ただ、録音に際し、時間をかけ手間をかけているのは、どちらもで、
ジョンは、2つのテイクの回転数を変えて、つなぐことで完成させて、
ポールは、ピアノを何度もダビング、さらにホーンセクションも2回、
ダビングしたうえに、間奏のトランペットまで追加する手の込み方。
「レコーディング・セッション」によると、メインのピアノを6回録音し、
ベストのテイク6をトラック1にし、アンプを通したピアノをトラック2、
回転数を変えて録音したピアノをトラック3にし、タンバリンも追加、
ハーモニウムとパーカッションを、トラック4に録音していったそうだ。
この段階では、ピンポン録音、リダクションはしていないようなので、
ポールがピアノやハーモニウムを弾いている時、リンゴか誰かが、
タンバリンやパーカッションを叩いたのか、あるいは追加の部分は、
ピアノを通して弾かず、合間にパンチインし、ポールが叩いたのか。
この4トラックを使ったるテイク6をリダクションで、トラック1へまとめ、
空いたトラック4にポールとジョンの歌を録音したのを、テイク7とし、
トラック2にジョンのピアノ、ジョージのギター、トラック3にポールの、
歌とベース、ジョンのリズムギター、リンゴのドラムなど録音していく。
トラック3は、ジョンのコンガも録音され、SI・スーパーインポーズと、
レコーディングセッションにあるが、元の録音に上書きすることになり、
ミスしても、やり直せないので、SIはしないと「全曲バイブル」は書き、
そうなると、2台を同期するか、テープをダビングして、SIにしたのか。
どちらにしても、このテイク8に、ジョンとジョージ・マーティンのピアノ、
手拍子、ジョン・ポール・ジョージのスキャットを追加、このスキャットは、
ペパーズ50周年記念盤の未発表テイクで聴けるが、完成テイクでは、
聴こえないので、他の音に埋もれたのか、消してホーンを録音したか。
ジョンのリズムギター、ジョージのリードも、ほとんど聴こえないのは、
ホーンに埋もれたようで、4台のフルートと2台のトランペットを追加し、
さらに後日、トランペット、オーポエ、ホルンを各2台、追加したうえに、
倉庫のハンドベルを、消防車の鐘に見立てて、歌詞のところで鳴らす。
ハンドベルは、はっきりと聴こえるが、ジョンのコンガは最後のほうで、
多少聴こえる程度、やはり後半に、数小節だけチェロが響いていたり、
ブレイクや音の隙間に、ノイズというか、箱を引きずったような音がし、
テイク6のパーカッションとも別のようで、これは何をどうした音なのか。
間奏とエンディングで鳴る高音のトランペットは、ピッコロトランペットで、
テレビでバッハのブランデンブルク協奏曲を見たポールが、その楽器、
この音を使おうとひらめき、マーティンに話すと、テレビで演奏した本人、
ディビッド・メイソンを呼んでくれて、彼がアドリブで吹いてくれたそうだ。
こうして、かなりのダビング作業を重ねたせいか、「ペニー・レイン」には、
何種類ものミックスがあるそうだし、なぜか、LPのは、擬似ステレオだと、
本に書いてあり、今回、久々にLPを出してくると、確かにモノラル気味で、
「ストロベリー」が、くっきり左右に音が分かれて鳴るのとは違っている。
中学時代、自分はモノラルの卓上プレーヤーで聴いていたから、モノも、
擬似ステレオも、実際のステレオも区別なく、同じように聴こえていたが、
2人きりのビートルズコピーバンドでジョージ役だった、同級生の友人は、
ステレオを持っていたので、片チャンネルずつ音を出し、聴いたりした。
「ペニー・レイン」は、歌の前にピアノのような音が聴こえ、ミックス違いか、
青盤の編集かと長い間思っていたが、ステレオの迫力ある音だったので、
フライング気味に入るベースが、16フレットという高音から始まるので、
ピアノの鍵盤を転がす音に聴こえたというのが、実際のところだろうか。
ペパーズの50周年記念盤収録の、未発表テイク集の「ペニーレイン」の、
テイク6や新リミックスを参考に、埋もれがちな音も再現しようと思いつつ、
時間の制約もあって、かなり妥協した手抜きの演奏になってしまったうえ、
いつものようにポールの高音がきつくて、何とかかんとかのアップです。
(前回同様、時間切れで書き切れなかった分の補足です)
「ペニー・レイン」に限らず、ビートルズの音源を、LPでは、
まったく聴くことはないし、87年初CD化された時のものを、
ラジカセで聴いているので、今もモノやステレオ、ミックスを、
気にしたりしないが、演奏する時だけは注意深く聴くことに。
今回、「ペニー・レイン」を聴いてみて、まず気になったのは、
ピアノ伴奏が一部で大きくなったり、聴こえないくらいになり、
ミキシングで音量調整したのか、今度はヘッドフォンで聴くと、
左右別々に録音され、右が加わる時、その分目立っていた。
さらに、バンドスコアではフルートとあるが、曲の始まりから、
右から、チャッチャッと刻んだ和音が聴こえて、この音の方が、
左のピアノより目立つときもあり、フルートの合奏のようだが、
テイク6でも入っているので、ハーモニウムの可能性もあり。
エンディングで、ものすごい高音でメロディをなぞっているのは、
ピッコロだと思うが、最後に音を伸ばしているのも、そうなのか、
こちらもテイク6では、ピーというノイズのような音が鳴っていて、
これは、アンプを通したエレピかハーモニウムと取れなくはない。
テイク6には、マシンガンのようなタムの音、それこそ自分の、
リズムマシンでドラムロールをやったような、機械的な音とか、
速度を変えて録音したようなピアノのフレーズ、タンバリンに、
シンバル、エレピの伸ばす低音もあるが、ミックスで消えたのか。
ジョンのリズムギターは、後半に、何小節かに一度聴こえるが、
ジョージのリードギターは、まったく聴こえなくて、どの部分で、
どのようなフレーズだったのか、アンソロジー2の間奏部分は、
ホーンのアンサンブルが鳴るが、リードを消し録音されたのか。
実際の録音のとおり、完コピするには、50チャンネルくらい、
必要だが、自分のMTRは24チャンだから、ピアノは2台で、
ホーンセクションも減らしたうえに、同時に演奏しない楽器は、
同じチャンネルを使って録音したり、それなりに工夫してみる。
ビートルズは、4トラックしかない時代だから、ピンポン録音、
リダクションを繰り返しているが、自分は基本やりたくなくて、
ミスした箇所に後で気づいても、その楽器だけやり直せないし、
音量や定位も変えられないので、原音のままでミックスしたい。
倉庫から見つけたというハンドベルは、火事を知らせる半鐘、
消防車の鐘の音みたいで、ギターシンセでは出せないので、
手品用に買ったミニアイスペールを叩いて、何とか似せたが、
昔の学校の始業ベルや、福引のベルとかがあれば良かった。
ピッコロ・トランペットは、バッハ・トランペットとも呼ぶそうだが、
かなり高音域で、ギターシンセのトランペットをオクターブ上げ、
フレーズだけはなぞったが、早いうえに、トランペットに特有の、
タンギングが見事な演奏なので、ミュートしても似てこなかった。
ベースは、初期の「オール・マイ・ラビング」でも見事に弾いた、
ジャズのランニングベースのフレーズで、メロディに沿って下降、
ある時はテヌートでつなげ、ある時はスタッカート気味に区切り、
同じフレーズでも変化をつけて、これは、本当にポールならでは。
ボーカルは、基本はポールが1人、あるいはダブルトラックにし、
サビでジョンがハモるが、ユニゾン部分はジョンだけになるのか、
ポールも歌うのか、こんなときはYouTubeの Beatles Vocal
Harmonyで見ると、I sit and meanwhile~と、ユニゾンで歌う。
そして、ハモリはポールが上、ジョンが下だと画面に出ているが、
コメント欄に上がジョンでないかと書いている人がいて、確かに、
ポールなら楽々と地声で歌える音程を、ファルセットにしていて、
これは初期の曲で、ジョンが上のハモに入れ替わる常套手段。
まあ、自分の場合、どちらも歌うわけで、ジョンが下でも上でも、
自分の出せる音程や歌唱力は変わらないから、一緒なのだが、
メインメロディのトラックは、ハモリの下にして、間奏部分での、
高音ファルセットは、ジョンを想定して、ダブルトラックにした。
歌詞は、実在の場所、ペニーレインで、床屋から銀行もあるが、
床屋は客の写真は飾らず、銀行員が雨具を着ないわけもなく、
女王の写真を持ち歩く消防士も、ポールの作り上げた物語で、
それでも、町の人々の暮らしが、本当生き生きと描かれている。
何でも、この両A面のシングル盤は、それまで1位を続けていた、
ビートルズのヒットチャート記録が途絶えて、2位どまりとなり、
両A面にしたことで、人気も二分されるし、ジョン派の自分だが、
「ストロベリー」は、まだ早すぎ、難解で変な曲に思われたろう。
もし、ポールの「ペニーレイン」だけをA面にして、発売したなら、
1位は取れたかもしれないと、メロディといい歌詞の内容といい、
さらに間奏のラッパと、本当、ポールらしい売れ線になっていて、
一般大衆、お茶の間にはポールだなあと、改めて感じる曲だろう。
コンサート活動を終了し、スタジオでの作業をメインにする、
いわばレコーディングバンドへと変貌していき、67年6月に、
約1年ぶりとなる新譜の、「サージェント・ペパーズ」を出した。
ペパーズのレコーディングセッションは、先行シングルとなる、
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の録音を開始した、
66年11月からとされるが、「ロックン・ロール・ミュージック」、
「アイム・ダウン」を歌った日本公演から、半年もたっていない。
「ストロベリー~」や「ペニー・レイン」のベーシックトラックは、
年末には録音され、大作となる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
年明けから録音という、前作「リボルバー」があったとはいえ、
すごい音楽的飛躍で、もうライブをやっているどころではない。
両A面という扱いのシングル盤、「ストロベリー・フィールズ」と、
「ペニー・レイン」は67年2月に発売されるが、アルバム作成が、
長引き、レコード会社の要請で、とりあえず完成していた2曲を、
シングル盤で出したのか、それにしても、強力な両A面である。
面白いことに、どちらの曲名も、故郷であるリバプールにちなみ、
懐かさ、郷愁を歌っているが、曲調は正反対というか、ジョンは、
幻想的な歌詞で、サイケデリックなサウンドで、ポールの方は、
写実的な歌詞、明快な王道サウンドと、見事な対をなしている。
故郷リバプールについては、「ラバー・ソウル」に収録されていた、
「イン・マイ・ライフ」があり、ジョンは、ミドルエイト、サビの部分を、
ポールに手伝ってもらったと言うが、ポールは、歌詞の一部しか、
できていなかったので、残りの歌詞とメロディを作ったと主張する。
「エリナー・リグビー」と同様に、どちらが作詞作曲したかに関して、
2人の記憶が違っている数少ない曲だが、この両A面については、
正真正銘、間違いなくジョンとポール、それぞれの単独作であって、
それだけに2人の個性の対比が、できすぎなくらい分かれている。
ただ、録音に際し、時間をかけ手間をかけているのは、どちらもで、
ジョンは、2つのテイクの回転数を変えて、つなぐことで完成させて、
ポールは、ピアノを何度もダビング、さらにホーンセクションも2回、
ダビングしたうえに、間奏のトランペットまで追加する手の込み方。
「レコーディング・セッション」によると、メインのピアノを6回録音し、
ベストのテイク6をトラック1にし、アンプを通したピアノをトラック2、
回転数を変えて録音したピアノをトラック3にし、タンバリンも追加、
ハーモニウムとパーカッションを、トラック4に録音していったそうだ。
この段階では、ピンポン録音、リダクションはしていないようなので、
ポールがピアノやハーモニウムを弾いている時、リンゴか誰かが、
タンバリンやパーカッションを叩いたのか、あるいは追加の部分は、
ピアノを通して弾かず、合間にパンチインし、ポールが叩いたのか。
この4トラックを使ったるテイク6をリダクションで、トラック1へまとめ、
空いたトラック4にポールとジョンの歌を録音したのを、テイク7とし、
トラック2にジョンのピアノ、ジョージのギター、トラック3にポールの、
歌とベース、ジョンのリズムギター、リンゴのドラムなど録音していく。
トラック3は、ジョンのコンガも録音され、SI・スーパーインポーズと、
レコーディングセッションにあるが、元の録音に上書きすることになり、
ミスしても、やり直せないので、SIはしないと「全曲バイブル」は書き、
そうなると、2台を同期するか、テープをダビングして、SIにしたのか。
どちらにしても、このテイク8に、ジョンとジョージ・マーティンのピアノ、
手拍子、ジョン・ポール・ジョージのスキャットを追加、このスキャットは、
ペパーズ50周年記念盤の未発表テイクで聴けるが、完成テイクでは、
聴こえないので、他の音に埋もれたのか、消してホーンを録音したか。
ジョンのリズムギター、ジョージのリードも、ほとんど聴こえないのは、
ホーンに埋もれたようで、4台のフルートと2台のトランペットを追加し、
さらに後日、トランペット、オーポエ、ホルンを各2台、追加したうえに、
倉庫のハンドベルを、消防車の鐘に見立てて、歌詞のところで鳴らす。
ハンドベルは、はっきりと聴こえるが、ジョンのコンガは最後のほうで、
多少聴こえる程度、やはり後半に、数小節だけチェロが響いていたり、
ブレイクや音の隙間に、ノイズというか、箱を引きずったような音がし、
テイク6のパーカッションとも別のようで、これは何をどうした音なのか。
間奏とエンディングで鳴る高音のトランペットは、ピッコロトランペットで、
テレビでバッハのブランデンブルク協奏曲を見たポールが、その楽器、
この音を使おうとひらめき、マーティンに話すと、テレビで演奏した本人、
ディビッド・メイソンを呼んでくれて、彼がアドリブで吹いてくれたそうだ。
こうして、かなりのダビング作業を重ねたせいか、「ペニー・レイン」には、
何種類ものミックスがあるそうだし、なぜか、LPのは、擬似ステレオだと、
本に書いてあり、今回、久々にLPを出してくると、確かにモノラル気味で、
「ストロベリー」が、くっきり左右に音が分かれて鳴るのとは違っている。
中学時代、自分はモノラルの卓上プレーヤーで聴いていたから、モノも、
擬似ステレオも、実際のステレオも区別なく、同じように聴こえていたが、
2人きりのビートルズコピーバンドでジョージ役だった、同級生の友人は、
ステレオを持っていたので、片チャンネルずつ音を出し、聴いたりした。
「ペニー・レイン」は、歌の前にピアノのような音が聴こえ、ミックス違いか、
青盤の編集かと長い間思っていたが、ステレオの迫力ある音だったので、
フライング気味に入るベースが、16フレットという高音から始まるので、
ピアノの鍵盤を転がす音に聴こえたというのが、実際のところだろうか。
ペパーズの50周年記念盤収録の、未発表テイク集の「ペニーレイン」の、
テイク6や新リミックスを参考に、埋もれがちな音も再現しようと思いつつ、
時間の制約もあって、かなり妥協した手抜きの演奏になってしまったうえ、
いつものようにポールの高音がきつくて、何とかかんとかのアップです。
(前回同様、時間切れで書き切れなかった分の補足です)
「ペニー・レイン」に限らず、ビートルズの音源を、LPでは、
まったく聴くことはないし、87年初CD化された時のものを、
ラジカセで聴いているので、今もモノやステレオ、ミックスを、
気にしたりしないが、演奏する時だけは注意深く聴くことに。
今回、「ペニー・レイン」を聴いてみて、まず気になったのは、
ピアノ伴奏が一部で大きくなったり、聴こえないくらいになり、
ミキシングで音量調整したのか、今度はヘッドフォンで聴くと、
左右別々に録音され、右が加わる時、その分目立っていた。
さらに、バンドスコアではフルートとあるが、曲の始まりから、
右から、チャッチャッと刻んだ和音が聴こえて、この音の方が、
左のピアノより目立つときもあり、フルートの合奏のようだが、
テイク6でも入っているので、ハーモニウムの可能性もあり。
エンディングで、ものすごい高音でメロディをなぞっているのは、
ピッコロだと思うが、最後に音を伸ばしているのも、そうなのか、
こちらもテイク6では、ピーというノイズのような音が鳴っていて、
これは、アンプを通したエレピかハーモニウムと取れなくはない。
テイク6には、マシンガンのようなタムの音、それこそ自分の、
リズムマシンでドラムロールをやったような、機械的な音とか、
速度を変えて録音したようなピアノのフレーズ、タンバリンに、
シンバル、エレピの伸ばす低音もあるが、ミックスで消えたのか。
ジョンのリズムギターは、後半に、何小節かに一度聴こえるが、
ジョージのリードギターは、まったく聴こえなくて、どの部分で、
どのようなフレーズだったのか、アンソロジー2の間奏部分は、
ホーンのアンサンブルが鳴るが、リードを消し録音されたのか。
実際の録音のとおり、完コピするには、50チャンネルくらい、
必要だが、自分のMTRは24チャンだから、ピアノは2台で、
ホーンセクションも減らしたうえに、同時に演奏しない楽器は、
同じチャンネルを使って録音したり、それなりに工夫してみる。
ビートルズは、4トラックしかない時代だから、ピンポン録音、
リダクションを繰り返しているが、自分は基本やりたくなくて、
ミスした箇所に後で気づいても、その楽器だけやり直せないし、
音量や定位も変えられないので、原音のままでミックスしたい。
倉庫から見つけたというハンドベルは、火事を知らせる半鐘、
消防車の鐘の音みたいで、ギターシンセでは出せないので、
手品用に買ったミニアイスペールを叩いて、何とか似せたが、
昔の学校の始業ベルや、福引のベルとかがあれば良かった。
ピッコロ・トランペットは、バッハ・トランペットとも呼ぶそうだが、
かなり高音域で、ギターシンセのトランペットをオクターブ上げ、
フレーズだけはなぞったが、早いうえに、トランペットに特有の、
タンギングが見事な演奏なので、ミュートしても似てこなかった。
ベースは、初期の「オール・マイ・ラビング」でも見事に弾いた、
ジャズのランニングベースのフレーズで、メロディに沿って下降、
ある時はテヌートでつなげ、ある時はスタッカート気味に区切り、
同じフレーズでも変化をつけて、これは、本当にポールならでは。
ボーカルは、基本はポールが1人、あるいはダブルトラックにし、
サビでジョンがハモるが、ユニゾン部分はジョンだけになるのか、
ポールも歌うのか、こんなときはYouTubeの Beatles Vocal
Harmonyで見ると、I sit and meanwhile~と、ユニゾンで歌う。
そして、ハモリはポールが上、ジョンが下だと画面に出ているが、
コメント欄に上がジョンでないかと書いている人がいて、確かに、
ポールなら楽々と地声で歌える音程を、ファルセットにしていて、
これは初期の曲で、ジョンが上のハモに入れ替わる常套手段。
まあ、自分の場合、どちらも歌うわけで、ジョンが下でも上でも、
自分の出せる音程や歌唱力は変わらないから、一緒なのだが、
メインメロディのトラックは、ハモリの下にして、間奏部分での、
高音ファルセットは、ジョンを想定して、ダブルトラックにした。
歌詞は、実在の場所、ペニーレインで、床屋から銀行もあるが、
床屋は客の写真は飾らず、銀行員が雨具を着ないわけもなく、
女王の写真を持ち歩く消防士も、ポールの作り上げた物語で、
それでも、町の人々の暮らしが、本当生き生きと描かれている。
何でも、この両A面のシングル盤は、それまで1位を続けていた、
ビートルズのヒットチャート記録が途絶えて、2位どまりとなり、
両A面にしたことで、人気も二分されるし、ジョン派の自分だが、
「ストロベリー」は、まだ早すぎ、難解で変な曲に思われたろう。
もし、ポールの「ペニーレイン」だけをA面にして、発売したなら、
1位は取れたかもしれないと、メロディといい歌詞の内容といい、
さらに間奏のラッパと、本当、ポールらしい売れ線になっていて、
一般大衆、お茶の間にはポールだなあと、改めて感じる曲だろう。
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LP「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、
ペパー軍曹のバンドのライブショーという形をとったアルバムで、
ジャケットも含めての、トータルアルバム、コンセプトアルバムの、
先がけとされるが、ほとんどポール主導だったのは、周知の話。
ジョンは、「ビートルズ革命」の中で、「ショーを見にいらっしゃいと、
言ったのは、ポールで、私はそんなこと言いません。今日新聞を、
読んだ、オーボーイと言ったのです。」と、ショー仕立てにしたのは、
ポールで、自分は関係ないといった口調で、最初ちょっと驚いた。
自分の作った曲、「ミスター・カイト」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
「時間がせまっていて、早く作らないとアルバムに入らなくなるから、
いくつかの歌を大急ぎで作らなくてはいけなくなり~」みたいに語り、
半ばやっつけ仕事、ポールにせっつかれたとでも言いたいような。
どこで読んだか覚えていないが、ジョンは、ペパーズはタイトル曲と、
リプライズがあるものの、他はペパー軍曹とは何の関係もない曲で、
「マジカル・ミステリー・ツアー」などの曲と入れ替えても変わらない、
決してコンセプトアルバムではない、みたいにも言っていた気がする。
この時期のジョンは曲作りにスランプだったのか、ペパーズの曲は、
モチーフを外に求めて、「ルーシー」は息子のジュリアンが書いた絵、
「カイト」は古いサーカスのポスターで、「グッド・モーニング」はCM、
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は新聞記事、それも録音2日前の記事。
ただ、これだけをもって、ジョンの才能は、枯渇しかけていたなどと、
断じてしまうのは短絡で、ポールも「シーズ・リービング・ホーム」は、
家出少女の新聞記事から題材をとっているし、「ラヴリー・リタ」では、
自分が駐車禁止の取り締まりに遭ったことで、ストーリーを作った。
「ラヴリー・リタ」は、交通取締り警官を、イギリスでは、「Traffic
Warden」と呼ぶのに、アメリカでは特に婦人警官を「Meter Maid」と、
呼ぶと知ったポールが、Meterに合う語呂で Ritaの名前を思いつき、
最初は婦人警官への恨みだった歌詞を、恋人同士へと変えたとか。
「全曲バイブル」に、ミータ・デイビスという婦人警官が自分の事だと、
名乗り出たが、ポールは否定したと書かれ、「213曲全ガイド」には、
リタ・デイビスがモデルだと書いてあり、こんなことまで錯綜していて、
ポール本人が証言していても、別の説まで出てきて、何が真実だか。
アコギのイントロを始め、アコギはジョンだけかと思ったら、ジョージも、
お揃いのギブソンJ160Eを弾いたそうだが、どちらも左チャンネルに、
固まっているので、なかなか、個々の音が聞き取れないが、イントロの、
アルペジオはジョンだろうし、伴奏も力強く4つ刻むのがジョンだと思う。
叩きつけるように1拍ずつコードが鳴る中、8ビートのストロークも混じり、
ジョンが合間に弾くよりは、ジョージが細かく刻んでいるように思えるが、
ビートルズコピーの達人の方々は、それぞれ解釈が違っているようだし、
ベーシックトラックで、別チャンネルに入っているのが聴きたくなってくる。
テイク8まで録音したベーシックトラックは、1チャンネルにジョンのアコギ、
2チャンがジョージのアコギ、3チャンはドラム、4チャンがポールのピアノと、
楽器のみだそうで、それをトラックダウン・リダクションして、テイク9にして、
空いたトラックにベース、ボーカルを録音し、さらにリダクションしたらしい。
今回、50周年記念盤では、マーティンの息子、ジャイルズがリミックスし、
コーラスなんかは、驚くくらい分離しているので、この曲も2本のギターが、
分離しないか期待したが、ピアノとギターを分けた程度、未発表曲集でも、
テイク9のボーカル入りのみで、ベーシックトラックを聴くことはかなわない。
それでもテイク9は、LPでは、曲のキーがEとE♭の中間くらいだったのが、
ジョンが話しながら試すフレーズも含め、キーがEになっていて、録音はE、
これまでの説、Dで録音して、テープスピードを上げたのではなく、その逆、
ボーカル録音時に下げて、完成テイクは半音上げるに留めたと推理できる。
コーラスや効果音は、さらに後日、リダクションして、録音にあたったそうで、
トイレットペーパーを櫛で叩いたり、うめき声、ハイハットの口真似を加えて、
ブーブー鳴らす音は、マーティンが「スライドギターを使った」と語ったらしく、
「全曲バイブル」にあるが、達人の方々では、民族楽器のカズーが有力説。
自分は、子供の頃、口に手を当て、豚の鳴き声やおならの音を真似たのや、
トレーシングペーパーを口に当て、ブルブル響かせた、どちらかと思ったが、
トイレットペーパーの筒を口に当てた説もあり、ポールがライブで演奏した際、
キーボードの人がカズーを使っていたので、自分も安いのを買ってきて使う。
ペパーズから、駐車禁止のエピソードからポールが作った「ラブリー・リタ」、
やはり、ポールの高音が厳しいうえに、早口で歌う部分が、舌足らずとなり、
いつもながら、演奏は、そこそこなのに、歌はネックだと反省しつつ、さらに、
時間不足で、この記事も書きかけで、とりあえずは、週末のアップとします。
(ブログ記事の補足というか、書き切れなかった分の追加です)
ベーシックトラックでは、ポールがピアノを弾いたこともあって、
ベースをあとからダビングしているが、このペパーズあたりから、
ポールはベースを後回しにしては、ほぼ完成した曲を聴きながら、
じっくりベースラインを考えて、録音するようになっていった。
ポールは、リッケンベースを使って、得意のスタッカート気味で、
ミュートをかけたフレーズで、かなり自由に動き回るラインを弾き、
自分は、普通に弾いて録音した後で、どうも音が違うと気がついて、
右手の腹でブリッジミュートをかけて、最初からやり直すことに。
ただ、自分のベースは、フレットレスのジャズベースタイプなので、
リッケンのガツンガツンとした硬い音は出ないし、その硬質ながら、
音をこもらせて、それでいて、他の楽器にまぎれずに鳴っている、
ポール特有の音色は、なかなか再現できず、普通の音で妥協する。
伴奏のピアノは、イントロ部分は、和音と低音との交互フレーズで、
「アイム・ザ・ウォルラス」の弾き方にも近いし、エコーの響きは、
「ホワイト・アルバム」の「セクシー・セディ」を思わせるようで、
ジョンは、ポールにピアノを教わったというか、真似て覚えた気が。
わりと淡々とリズムを刻んでいるピアノ伴奏は、エンディングでは、
シンコペーションを多用したフレーズで、小節をまたいでるうえに、
一定のパターンではなく、どんどん変化させていくので、難しくて、
バンドスコアとにらめっこで、何回もやり直し、それでもずれ気味。
「ラヴリー・リタ」と繰り返すコーラスは、いかにもビートルズで、
多くのビートルズ本にジョンとジョージとあるが、3声コーラスは、
ポールも歌っているだろうし、ただ、高い音はジョンにも聴こえて、
中間もジョンのようなジョージのようなと、見事に溶け合っている。
うめき声での掛け合いは、ジョンとジョージとされるが、ジョンが、
1人でやったという説もあり、YouTubeのコメで、「ジョンの声が、
わからないのか」とまであるが、テイク9では、ポールの歌に続き、
「ダッダッ」となるので、その部分だけは、ポールの可能性もある。
どちらだったにせよ、この掛け合いが、後の「ヘイ・ブルドッグ」の、
ジョンとポールの犬の吠えるやりとりや、ソロ時代になってからの、
ジョンの「冷たい七面鳥」の中毒患者の叫びにも、つながっていき、
レノン=マッカートニーのすごさ、ビートルズマジックを思わせる。
リンゴのドラムは基本はエイトビートだが、ハイハットを模した声、
ボイスパーカッションは、16ビートでオープンクローズまでして、
さらに、パーカッション代わりに、トイレットペーパーを櫛で叩き、
何をどうしたら、トイレットペーパーを使うという発想になるのか。
エンディングの台詞は、里中・遠山の「ビートルズを聴こう」には、
「ポールがLeave it(かまうな)と言って、曲を閉じる」とあるが、
YouTubeの別テイクで、「I don't beleave it」とはっきり聴こえるし、
しかも、ポールではなくリンゴ、あるいはジョンという説まである。
間奏のホンキートンク調のピアノソロは、マーティンが演奏して、
「イン・マイ・ライフ」のバロック調ピアノソロの録音と同様に、
テープ速度を落として録音し、そっちは半分の早さに落としたが、
この曲は、そこまでは遅くしてないそうで、どれくらいだったか。
その際、ホンキートンクピアノの調子っぱずれな音色になるよう、
テープレコーダーの回転ノブに、ガムテープか何かを貼り付けて、
回転ムラが起きるようにしたそうで、自分はギターシンセを使い、
ピアノ音色で、速さはそのまま、エフェクトで音を揺らしておく。
とまあ、いろいろ書きたいことがあったのに、週末更新を優先し、
途中で無理やり記事を切り上げて、土曜日のうちにアップしたが、
演奏も記事も余裕を持って仕上げたいと思いつつ、締め切りに、
追われ、まるでペパーズのジョンの気分だと勝手に思ってます。
ペパー軍曹のバンドのライブショーという形をとったアルバムで、
ジャケットも含めての、トータルアルバム、コンセプトアルバムの、
先がけとされるが、ほとんどポール主導だったのは、周知の話。
ジョンは、「ビートルズ革命」の中で、「ショーを見にいらっしゃいと、
言ったのは、ポールで、私はそんなこと言いません。今日新聞を、
読んだ、オーボーイと言ったのです。」と、ショー仕立てにしたのは、
ポールで、自分は関係ないといった口調で、最初ちょっと驚いた。
自分の作った曲、「ミスター・カイト」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
「時間がせまっていて、早く作らないとアルバムに入らなくなるから、
いくつかの歌を大急ぎで作らなくてはいけなくなり~」みたいに語り、
半ばやっつけ仕事、ポールにせっつかれたとでも言いたいような。
どこで読んだか覚えていないが、ジョンは、ペパーズはタイトル曲と、
リプライズがあるものの、他はペパー軍曹とは何の関係もない曲で、
「マジカル・ミステリー・ツアー」などの曲と入れ替えても変わらない、
決してコンセプトアルバムではない、みたいにも言っていた気がする。
この時期のジョンは曲作りにスランプだったのか、ペパーズの曲は、
モチーフを外に求めて、「ルーシー」は息子のジュリアンが書いた絵、
「カイト」は古いサーカスのポスターで、「グッド・モーニング」はCM、
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は新聞記事、それも録音2日前の記事。
ただ、これだけをもって、ジョンの才能は、枯渇しかけていたなどと、
断じてしまうのは短絡で、ポールも「シーズ・リービング・ホーム」は、
家出少女の新聞記事から題材をとっているし、「ラヴリー・リタ」では、
自分が駐車禁止の取り締まりに遭ったことで、ストーリーを作った。
「ラヴリー・リタ」は、交通取締り警官を、イギリスでは、「Traffic
Warden」と呼ぶのに、アメリカでは特に婦人警官を「Meter Maid」と、
呼ぶと知ったポールが、Meterに合う語呂で Ritaの名前を思いつき、
最初は婦人警官への恨みだった歌詞を、恋人同士へと変えたとか。
「全曲バイブル」に、ミータ・デイビスという婦人警官が自分の事だと、
名乗り出たが、ポールは否定したと書かれ、「213曲全ガイド」には、
リタ・デイビスがモデルだと書いてあり、こんなことまで錯綜していて、
ポール本人が証言していても、別の説まで出てきて、何が真実だか。
アコギのイントロを始め、アコギはジョンだけかと思ったら、ジョージも、
お揃いのギブソンJ160Eを弾いたそうだが、どちらも左チャンネルに、
固まっているので、なかなか、個々の音が聞き取れないが、イントロの、
アルペジオはジョンだろうし、伴奏も力強く4つ刻むのがジョンだと思う。
叩きつけるように1拍ずつコードが鳴る中、8ビートのストロークも混じり、
ジョンが合間に弾くよりは、ジョージが細かく刻んでいるように思えるが、
ビートルズコピーの達人の方々は、それぞれ解釈が違っているようだし、
ベーシックトラックで、別チャンネルに入っているのが聴きたくなってくる。
テイク8まで録音したベーシックトラックは、1チャンネルにジョンのアコギ、
2チャンがジョージのアコギ、3チャンはドラム、4チャンがポールのピアノと、
楽器のみだそうで、それをトラックダウン・リダクションして、テイク9にして、
空いたトラックにベース、ボーカルを録音し、さらにリダクションしたらしい。
今回、50周年記念盤では、マーティンの息子、ジャイルズがリミックスし、
コーラスなんかは、驚くくらい分離しているので、この曲も2本のギターが、
分離しないか期待したが、ピアノとギターを分けた程度、未発表曲集でも、
テイク9のボーカル入りのみで、ベーシックトラックを聴くことはかなわない。
それでもテイク9は、LPでは、曲のキーがEとE♭の中間くらいだったのが、
ジョンが話しながら試すフレーズも含め、キーがEになっていて、録音はE、
これまでの説、Dで録音して、テープスピードを上げたのではなく、その逆、
ボーカル録音時に下げて、完成テイクは半音上げるに留めたと推理できる。
コーラスや効果音は、さらに後日、リダクションして、録音にあたったそうで、
トイレットペーパーを櫛で叩いたり、うめき声、ハイハットの口真似を加えて、
ブーブー鳴らす音は、マーティンが「スライドギターを使った」と語ったらしく、
「全曲バイブル」にあるが、達人の方々では、民族楽器のカズーが有力説。
自分は、子供の頃、口に手を当て、豚の鳴き声やおならの音を真似たのや、
トレーシングペーパーを口に当て、ブルブル響かせた、どちらかと思ったが、
トイレットペーパーの筒を口に当てた説もあり、ポールがライブで演奏した際、
キーボードの人がカズーを使っていたので、自分も安いのを買ってきて使う。
ペパーズから、駐車禁止のエピソードからポールが作った「ラブリー・リタ」、
やはり、ポールの高音が厳しいうえに、早口で歌う部分が、舌足らずとなり、
いつもながら、演奏は、そこそこなのに、歌はネックだと反省しつつ、さらに、
時間不足で、この記事も書きかけで、とりあえずは、週末のアップとします。
(ブログ記事の補足というか、書き切れなかった分の追加です)
ベーシックトラックでは、ポールがピアノを弾いたこともあって、
ベースをあとからダビングしているが、このペパーズあたりから、
ポールはベースを後回しにしては、ほぼ完成した曲を聴きながら、
じっくりベースラインを考えて、録音するようになっていった。
ポールは、リッケンベースを使って、得意のスタッカート気味で、
ミュートをかけたフレーズで、かなり自由に動き回るラインを弾き、
自分は、普通に弾いて録音した後で、どうも音が違うと気がついて、
右手の腹でブリッジミュートをかけて、最初からやり直すことに。
ただ、自分のベースは、フレットレスのジャズベースタイプなので、
リッケンのガツンガツンとした硬い音は出ないし、その硬質ながら、
音をこもらせて、それでいて、他の楽器にまぎれずに鳴っている、
ポール特有の音色は、なかなか再現できず、普通の音で妥協する。
伴奏のピアノは、イントロ部分は、和音と低音との交互フレーズで、
「アイム・ザ・ウォルラス」の弾き方にも近いし、エコーの響きは、
「ホワイト・アルバム」の「セクシー・セディ」を思わせるようで、
ジョンは、ポールにピアノを教わったというか、真似て覚えた気が。
わりと淡々とリズムを刻んでいるピアノ伴奏は、エンディングでは、
シンコペーションを多用したフレーズで、小節をまたいでるうえに、
一定のパターンではなく、どんどん変化させていくので、難しくて、
バンドスコアとにらめっこで、何回もやり直し、それでもずれ気味。
「ラヴリー・リタ」と繰り返すコーラスは、いかにもビートルズで、
多くのビートルズ本にジョンとジョージとあるが、3声コーラスは、
ポールも歌っているだろうし、ただ、高い音はジョンにも聴こえて、
中間もジョンのようなジョージのようなと、見事に溶け合っている。
うめき声での掛け合いは、ジョンとジョージとされるが、ジョンが、
1人でやったという説もあり、YouTubeのコメで、「ジョンの声が、
わからないのか」とまであるが、テイク9では、ポールの歌に続き、
「ダッダッ」となるので、その部分だけは、ポールの可能性もある。
どちらだったにせよ、この掛け合いが、後の「ヘイ・ブルドッグ」の、
ジョンとポールの犬の吠えるやりとりや、ソロ時代になってからの、
ジョンの「冷たい七面鳥」の中毒患者の叫びにも、つながっていき、
レノン=マッカートニーのすごさ、ビートルズマジックを思わせる。
リンゴのドラムは基本はエイトビートだが、ハイハットを模した声、
ボイスパーカッションは、16ビートでオープンクローズまでして、
さらに、パーカッション代わりに、トイレットペーパーを櫛で叩き、
何をどうしたら、トイレットペーパーを使うという発想になるのか。
エンディングの台詞は、里中・遠山の「ビートルズを聴こう」には、
「ポールがLeave it(かまうな)と言って、曲を閉じる」とあるが、
YouTubeの別テイクで、「I don't beleave it」とはっきり聴こえるし、
しかも、ポールではなくリンゴ、あるいはジョンという説まである。
間奏のホンキートンク調のピアノソロは、マーティンが演奏して、
「イン・マイ・ライフ」のバロック調ピアノソロの録音と同様に、
テープ速度を落として録音し、そっちは半分の早さに落としたが、
この曲は、そこまでは遅くしてないそうで、どれくらいだったか。
その際、ホンキートンクピアノの調子っぱずれな音色になるよう、
テープレコーダーの回転ノブに、ガムテープか何かを貼り付けて、
回転ムラが起きるようにしたそうで、自分はギターシンセを使い、
ピアノ音色で、速さはそのまま、エフェクトで音を揺らしておく。
とまあ、いろいろ書きたいことがあったのに、週末更新を優先し、
途中で無理やり記事を切り上げて、土曜日のうちにアップしたが、
演奏も記事も余裕を持って仕上げたいと思いつつ、締め切りに、
追われ、まるでペパーズのジョンの気分だと勝手に思ってます。

「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、
ライブ活動を中止したことで、ライブでの再現を前提とせずに、
スタジオ録音の技術を駆使し、約5ヶ月・延べ700時間をかけ、
作り上げたアルバムで、1967年6月にイギリスで発売された。
今年は発売50周年となるので、ボックスセットの記念盤が出て、
ジョージ・マーティンの息子、ジャイルズによるリミックス盤から、
モノミックス、未発表テイク2枚、5.1サラウンド、ハイレゾ音源、
ドキュメンタリー映像の豪華6枚組は、定価18、000円と高額。
自分は、未発表テイクだけ欲しく、リミックスとの2枚組もあるが、
ボックスセットだと、各曲ごとに2~3テイクと、全33曲のところ、
1枚にまとめられた15曲のみとなるので、何とも不十分な形で、
かといって、未発表テイクだけのために2万円を出す気もしない。
「アンソロジー2」に、ペパーズから6曲が収録されていたので、
7曲の別テイクが初披露となり、海賊盤では出ていたのだろうが、
自分は知らなかったので、今回、YouTubeで初めて聴いた曲の、
「フィクシング・ア・ホール」「ラブリー・リタ」は、とにかく感動した。
「フィクシング・ア・ホール」は、マーティンがハープシコードを弾き、
ポールのベース、リンゴのドラム、ジョージのリードギターとされ、
さらに、ジョンがマラカスを担当したかどうかとも言われていたが、
ハープシコードはポールという説が、今回の音源で確認できる。
テイク3は、かなりハープシコードが自由にというか、好き勝手に、
弾いている部分があり、マーティンだったら、かっちりと弾くはず、
ポールのカウントで、ハープシコードを弾き始め、やり直すから、
まず、ポールに間違いなく、イントロは、マーティンのダビングか。
さらに、ポールがハープシコードを弾くバックで、ベースも聴こえ、
ほぼ完成テイクのフレーズと変わらないから、ジョンかジョージが、
ベースで、後からベースを差し替えてポールが録音し直したなら、
後半部分で、同じフレーズを繰り返さず、派手に弾いた気がする。
ただ、「全曲バイブル」によると、すべての楽器をダブルトラックで、
後からダビングしているそうで、ベースのフレーズを遊んでしまうと、
同じに弾くのが面倒になるから、基本パターンにした可能性もあり、
ベーシック段階で、ダブルトラックを想定し演奏したのもすごい話。
もともと、この曲のベースは、ジョンだという説があり、その理由が、
ポールにしては下手だからというもので、その逆に、ジョンだったら、
ここまで弾けないから、やはりポールという人もいて、どちらにしても、
ジョンを馬鹿にしたような話で、自分からすると、かなりカチンとくる。
ポールお得意のメロディアスベースとやらが、この曲でもそうなのか、
自分にはわからないが、もともとがベーシストではない自分にだって、
そこそこ弾けるのだから、こんな風にと基本的なフレーズを教われば、
ジョンだって普通に弾くだろうし、ジョージという説もあるが、同じこと。
ジョンがジャズベースで弾いていたという、スタジオの関係者による、
証言があるとか、この音は、ジャズベースでないから、間違いだとか、
確かにリッケンベースの音だが、ポールの左利き用を借りて弾いて、
それで、たどたどしい演奏になったのだとか、本当、謎にきりがない。
それよりは、リードギターは本当にジョージなのか、「ヘルプ」収録の、
「アナザー・ガール」を皮切りに、ジョージ作曲の「タックス・マン」でも、
リードギターを弾いたポールは、ペパーズでも、タイトル、リプライズ、
「グッド・モーニング・グッド・モーニング」でリードギターを弾いている。
以前、「リハーサルテイクでも、ポールは間奏フレーズを口ずさんで、
すでに頭の中にギターソロができていてすごい。」という記事を読み、
なぜだか自分は、「フィクシング・ア・ホール」のことだと思っていたが、
実際は、「マックスウェルズ・シルバー・ハンマー」のことで、勘違い。
どうも、リードギターが良い感じだと、ジョージでなく、ポールだろうと、
勝手に思い込む癖になってしまい、ジョージのファンには申し訳なく、
ジョンのベースかどうかを、とやかく言う資格もないが、テイク3では、
リードギターは演奏されず、ダビングらしいので、また疑惑も出てくる。
ギターは歌のバックも間奏でもダブリングで、単なるユニゾンであって、
オクターブにはしていないと思えるが、間奏はダブリングが強いので、
さらに重ねたか、レスリースピーカーを通して位相をずらしているのか、
ギターもストラトらしいが、低音の太い音はカジノを使った可能性もある。
フレーズの一番低い音がD・レで、レギュラーチューニングではE・ミが、
最低音となるので、6弦をゆるめたドロップDチューニングにしているが、
レギュラーチューニングのままで、テープ速度を下げた可能性もあって、
いつくかのフレーズは、その方が、開放弦が使えて、スムーズになる。
いつもながら、ビートルズには、まだまだ、誰がどの楽器を担当したか、
どのように録音していったか、解明されたようで、新たな謎も出るので、
アンソロジー・プロジェクトの段階で、ポール、ジョージ、リンゴの3人に、
マーティンを交え、全曲を振り返ることはできなかったのか、すごく残念。
このテイク3までのベーシックトラックは、いつものアビーロードでなくて、
スタジオが空いていなかったからと、外部のスタジオで録音したそうで、
ポールは、すぐ録音したかったのか、「シーズ・リービング・ホーム」でも、
多忙のマーティンを待てず、オーケストラ編曲を別の人に頼んでしまう。
ポールに限らずジョンにしても、「ジョンとヨーコのバラード」の録音では、
海外へ行っているリンゴとジョージが、2日後には戻ってきて集まるのに、
どうしても、すぐに録音したいと、ポールを説得し、ドラムまで叩かせて、
2人だけで完成させていて、ミュージシャンにはエゴはつきものなのか。
「雨音が思考が浮遊するのを妨げるので、雨漏りを修理する」という、
どこか哲学的、抽象的な歌詞は、もともとジョンの得意とするところで、
かつて、歌詞はジョン、メロディはポールという誤解もあったほどだが、
ポールも書けるわけで、ジョンも、この曲の歌詞を評価していたそうだ。
「フィクシング」という言葉が、麻薬のスラングだか連想させるだとかで、
この曲が、放送禁止になったそうで、そこまで勘ぐるのかと思うのだが、
それなら、「ひび割れ・クラックを埋めている」の方が、「クラック」という、
そのままコカインを意味する単語で、こっちは問題視されないのだろうか。
ペパーズ50周年に便乗して、「フィクシング・ア・ホール」の演奏ですが、
電子ピアノのハープシコードの音色が、原曲に比べて、しょぼいうえに、
バンドスコアはオクターブ違っていたかもしれず、さらにポールの歌声は、
かなり高音がきつく、ひっくり返ってしまい、時間切れで妥協しています。
ライブ活動を中止したことで、ライブでの再現を前提とせずに、
スタジオ録音の技術を駆使し、約5ヶ月・延べ700時間をかけ、
作り上げたアルバムで、1967年6月にイギリスで発売された。
今年は発売50周年となるので、ボックスセットの記念盤が出て、
ジョージ・マーティンの息子、ジャイルズによるリミックス盤から、
モノミックス、未発表テイク2枚、5.1サラウンド、ハイレゾ音源、
ドキュメンタリー映像の豪華6枚組は、定価18、000円と高額。
自分は、未発表テイクだけ欲しく、リミックスとの2枚組もあるが、
ボックスセットだと、各曲ごとに2~3テイクと、全33曲のところ、
1枚にまとめられた15曲のみとなるので、何とも不十分な形で、
かといって、未発表テイクだけのために2万円を出す気もしない。
「アンソロジー2」に、ペパーズから6曲が収録されていたので、
7曲の別テイクが初披露となり、海賊盤では出ていたのだろうが、
自分は知らなかったので、今回、YouTubeで初めて聴いた曲の、
「フィクシング・ア・ホール」「ラブリー・リタ」は、とにかく感動した。
「フィクシング・ア・ホール」は、マーティンがハープシコードを弾き、
ポールのベース、リンゴのドラム、ジョージのリードギターとされ、
さらに、ジョンがマラカスを担当したかどうかとも言われていたが、
ハープシコードはポールという説が、今回の音源で確認できる。
テイク3は、かなりハープシコードが自由にというか、好き勝手に、
弾いている部分があり、マーティンだったら、かっちりと弾くはず、
ポールのカウントで、ハープシコードを弾き始め、やり直すから、
まず、ポールに間違いなく、イントロは、マーティンのダビングか。
さらに、ポールがハープシコードを弾くバックで、ベースも聴こえ、
ほぼ完成テイクのフレーズと変わらないから、ジョンかジョージが、
ベースで、後からベースを差し替えてポールが録音し直したなら、
後半部分で、同じフレーズを繰り返さず、派手に弾いた気がする。
ただ、「全曲バイブル」によると、すべての楽器をダブルトラックで、
後からダビングしているそうで、ベースのフレーズを遊んでしまうと、
同じに弾くのが面倒になるから、基本パターンにした可能性もあり、
ベーシック段階で、ダブルトラックを想定し演奏したのもすごい話。
もともと、この曲のベースは、ジョンだという説があり、その理由が、
ポールにしては下手だからというもので、その逆に、ジョンだったら、
ここまで弾けないから、やはりポールという人もいて、どちらにしても、
ジョンを馬鹿にしたような話で、自分からすると、かなりカチンとくる。
ポールお得意のメロディアスベースとやらが、この曲でもそうなのか、
自分にはわからないが、もともとがベーシストではない自分にだって、
そこそこ弾けるのだから、こんな風にと基本的なフレーズを教われば、
ジョンだって普通に弾くだろうし、ジョージという説もあるが、同じこと。
ジョンがジャズベースで弾いていたという、スタジオの関係者による、
証言があるとか、この音は、ジャズベースでないから、間違いだとか、
確かにリッケンベースの音だが、ポールの左利き用を借りて弾いて、
それで、たどたどしい演奏になったのだとか、本当、謎にきりがない。
それよりは、リードギターは本当にジョージなのか、「ヘルプ」収録の、
「アナザー・ガール」を皮切りに、ジョージ作曲の「タックス・マン」でも、
リードギターを弾いたポールは、ペパーズでも、タイトル、リプライズ、
「グッド・モーニング・グッド・モーニング」でリードギターを弾いている。
以前、「リハーサルテイクでも、ポールは間奏フレーズを口ずさんで、
すでに頭の中にギターソロができていてすごい。」という記事を読み、
なぜだか自分は、「フィクシング・ア・ホール」のことだと思っていたが、
実際は、「マックスウェルズ・シルバー・ハンマー」のことで、勘違い。
どうも、リードギターが良い感じだと、ジョージでなく、ポールだろうと、
勝手に思い込む癖になってしまい、ジョージのファンには申し訳なく、
ジョンのベースかどうかを、とやかく言う資格もないが、テイク3では、
リードギターは演奏されず、ダビングらしいので、また疑惑も出てくる。
ギターは歌のバックも間奏でもダブリングで、単なるユニゾンであって、
オクターブにはしていないと思えるが、間奏はダブリングが強いので、
さらに重ねたか、レスリースピーカーを通して位相をずらしているのか、
ギターもストラトらしいが、低音の太い音はカジノを使った可能性もある。
フレーズの一番低い音がD・レで、レギュラーチューニングではE・ミが、
最低音となるので、6弦をゆるめたドロップDチューニングにしているが、
レギュラーチューニングのままで、テープ速度を下げた可能性もあって、
いつくかのフレーズは、その方が、開放弦が使えて、スムーズになる。
いつもながら、ビートルズには、まだまだ、誰がどの楽器を担当したか、
どのように録音していったか、解明されたようで、新たな謎も出るので、
アンソロジー・プロジェクトの段階で、ポール、ジョージ、リンゴの3人に、
マーティンを交え、全曲を振り返ることはできなかったのか、すごく残念。
このテイク3までのベーシックトラックは、いつものアビーロードでなくて、
スタジオが空いていなかったからと、外部のスタジオで録音したそうで、
ポールは、すぐ録音したかったのか、「シーズ・リービング・ホーム」でも、
多忙のマーティンを待てず、オーケストラ編曲を別の人に頼んでしまう。
ポールに限らずジョンにしても、「ジョンとヨーコのバラード」の録音では、
海外へ行っているリンゴとジョージが、2日後には戻ってきて集まるのに、
どうしても、すぐに録音したいと、ポールを説得し、ドラムまで叩かせて、
2人だけで完成させていて、ミュージシャンにはエゴはつきものなのか。
「雨音が思考が浮遊するのを妨げるので、雨漏りを修理する」という、
どこか哲学的、抽象的な歌詞は、もともとジョンの得意とするところで、
かつて、歌詞はジョン、メロディはポールという誤解もあったほどだが、
ポールも書けるわけで、ジョンも、この曲の歌詞を評価していたそうだ。
「フィクシング」という言葉が、麻薬のスラングだか連想させるだとかで、
この曲が、放送禁止になったそうで、そこまで勘ぐるのかと思うのだが、
それなら、「ひび割れ・クラックを埋めている」の方が、「クラック」という、
そのままコカインを意味する単語で、こっちは問題視されないのだろうか。
ペパーズ50周年に便乗して、「フィクシング・ア・ホール」の演奏ですが、
電子ピアノのハープシコードの音色が、原曲に比べて、しょぼいうえに、
バンドスコアはオクターブ違っていたかもしれず、さらにポールの歌声は、
かなり高音がきつく、ひっくり返ってしまい、時間切れで妥協しています。

ビートルズは、デビュー前から、基本的には4人で歌って、
演奏していたから、デビューアルバムは、スタジオライブの、
雰囲気で一発録音と、ライブハウスで鍛えた実力を発揮し、
ジョージ・マーティンが2曲だけ、後でピアノをダビングした。
セカンドアルバムでは、「5人目のビートルズ」と呼ばれる、
マーティンが、その名のとおりに、一緒にピアノを演奏して、
アレンジ、演奏の完成度への貢献は、計り知れないほど、
メンバーの4人と共に、抜群・鉄壁のチームワークを誇る。
4作目の「ヘルプ」に収録の、「悲しみをぶっとばせ」には、
フルートが加わって、これが初めて外部ミュージシャンを、
起用した曲とされるが、同じアルバムの「イエスタデイ」は、
弦楽四重奏が加わり、メンバー以外の演奏も増えていく。
「イエスタデイ」は、本来ベースを担当しているポールが、
フォークギターで弾き語りをして、ストリングスと共演して、
ジョン、ジョージ、リンゴは、演奏もコーラスにも参加せず、
完全なポールのソロ作品で、次第にその傾向も増えていく。
「リボルバー」の「エリナー・リグビー」は、4人は演奏せず、
オーケストラの伴奏でポールが歌い、ジョンとジョージが、
コーラスをつけたとされるが、2人の声だと確信するほど、
よくは聴き取れず、ポール1人じゃないかとも思ってしまう。
「サージェント・ペパーズ」の「シーズ・リービング・ホーム」は、
ジョンが歌詞を書いたパートは、明らかにジョンの歌声だが、
オーケストラのみの演奏で、ジョージもリンゴも不在のうえ、
オケの編曲さえも、ポールはマーティン以外に頼んでしまう。
ポールは、ベース、ギターに加え、ピアノも弾くようになって、
曲によってはリンゴだけドラムで参加、ポールがダビングで、
全部の楽器を演奏して、ホーンなどは外部ミュージシャンで、
自己のイメージするサウンドを実現しようと、ワンマン化する。
リンゴは、ペパーズやホワイトアルバムで、ダビングが増えて、
最初にドラムを叩くと、後の作業では、ただ待つことばかりで、
「おかげでチェスが強くなった」と、暇を持て余していたことを、
語っていたが、少なくとも、大半の演奏には実際参加している。
「ホワイトアルバム」で、リンゴが一時的に脱退したときだけは、
ポールが2曲叩いたが、基本的に、ジョン、ポール、ジョージ、
誰の曲であっても、リンゴがドラムだったし、ジョージのように、
リードギターもポールに弾かれ、出番がないよりは、ましでは。
ライブの再現が不可能になっていった作品、「リボルバー」は、
テープ操作に、ダビングや、オーケストラなど駆使しているし、
加えて、「グッド・デイ・サンシャイン」と、「フォー・ノー・ワン」は、
主にポールとリンゴだけで、ダビングして、完成させている曲。
「フォー・ノー・ワン」は、ベーシックトラックは、ポールのピアノ、
リンゴのドラムのみ、そのドラムも、後からダビングするために、
リズムキープ、ガイドトラック用に叩いた感じで、ミキシングで、
音が絞られ、ピアノの音に紛れてしまい、ほとんど聴こえない。
バンドスコアでは、スネアが主で、サビのみバスドラが入るが、
スネアよりハイハットの音の方が、聴いたときに目立っていて、
時折、ドラムロールのような音に聴こえる部分も、スネアでなく、
ハイハットのオープンクローズだと、デモテイクから想像できる。
ピアノの音が、ホンキートンクピアノの音のように聴こえるのは、
ダブルトラックなのか、ハープシコードか何かなのかと思ったら、
クラビコードという、ハープシコードを卓上型にしたような楽器で、
ポールは、あえてこの楽器の音色に、こだわって選んだらしい。
中山康樹「これがビートルズだ」に、「いったい、どこをひねれば、
クラビコードという珍しい楽器、そのサウンドが浮かんでくるのか。
ポールの曲では、すべての楽器は必然性を持って使われる。」と、
べた誉めなので、自分も音色を再現しないといけなくなってくる。
自分のギターシンセは、ハープシコード、チェンバロの音がなく、
シンクラビアやクラビネットの、電気加工した音しか出ないので、
ピアノの音を2回重ね、コーラスもかけるが、どうも似ないので、
ちょっとしょぼい音だが、電子ピアノのハープシコード音にした。、
30年以上前、カセットテープのMTRを買って宅録していた頃、
手持ちのミニ鍵盤のポータトーンでは貧弱で、シンセを買うなら、
いっそ、電子ピアノを買って、ピアノも弾けるように練習しようと、
ヤマハと河合を弾き比べて、鍵盤が木製の河合の方を買った。
当時は、ヤマハのクラビノーバが主流だし、同じような値段では、
ヤマハの方が、音色も多く、リズムボックスも付いていたのだが、
生ピアノの音色は、河合の方がリアルな音に思えて、何よりも、
河合楽器のギター教室に通っていたので、割引もしてもらえた。
何でも形から入りたがる自分は、バイエル、ハノン、ツェルニー、
ブルックミューラーにバッハのインベンションと、初級者向けの、
教則本を一通り買ったが、バイエルの途中で投げ出してしまい、
それでも、右手と左手を別々に録音すれば、伴奏程度はできる。
ほとんど物置台と化していた電子ピアノに、MTRをつないだが、
ライン録音では、かなり波形が雑というか、チープさが目立って、
ハープシコードっぽいが、かなりザラザラした、作り物の音色で、
生ピアノやストリングスの音は、遥かにギターシンセがにリアル。
本物の録音は、まずピアノを録音、クラビコードがダビングされ、
Aメロでは、クラビの音が目立って、サビの細かい伴奏になると、
ピアノが目立ち、低音くらいは、クラビが鳴っているのだろうか、
自分は、サビはピアノだけにして、その分、2回音を重ねておく。
間奏のフレンチホルンは、後に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」にも、
参加したクラシック奏者のアラン・シヴィルで、このフレーズは、
ポールが考えたか、マーティンが書いたと思ったら、この曲に、
合うよう、バロック風に演奏したとアランが語り、アドリブらしい。
ギターシンセには、2種類のフレンチホルンの音色があったが、
どちらも、かなり金属的な響きがし、フリューゲルホーンの方が、
原曲に似ているので、それにしたが、ギターで弾いているので、
管楽器のニュアンスは難しく、ほんの数小節を何度もやり直す。
この曲は、ギターの弾き語りにも向いていて、ピアノ伴奏のまま、
低音弦でベース音を鳴らし、コードを弾くと、ギターでもよくある、
カーターファミリー奏法と同じで、いい感じに雰囲気も出るので、
ジョン派の自分でも、中学時代、けっこう弾き語りで歌っていた。
ポールが、映画「ヤー・ブロード・ストリート」で、セルフカバーして、
ギターの弾き語りをするのは、自分も同じ発想だと嬉しくなったが、
そこに、オーケストラまで加わるのは、さすがポールだなと感心し、
「イエスタデイ」の編曲を模してみたのか、そう違和感なく聴ける。
「ペパーズ」50周年盤に、世間が盛り上がる中、その序章となる、
「リボルバー」から、どうして、こうも名曲が次々作れるのかという、
ポールの隠れた名曲「フォー・ノー・ワン」は、珍しくキーが低くて、
高音の厳しさはないものの、歌唱力は、いっぱい、いっぱいです。
演奏していたから、デビューアルバムは、スタジオライブの、
雰囲気で一発録音と、ライブハウスで鍛えた実力を発揮し、
ジョージ・マーティンが2曲だけ、後でピアノをダビングした。
セカンドアルバムでは、「5人目のビートルズ」と呼ばれる、
マーティンが、その名のとおりに、一緒にピアノを演奏して、
アレンジ、演奏の完成度への貢献は、計り知れないほど、
メンバーの4人と共に、抜群・鉄壁のチームワークを誇る。
4作目の「ヘルプ」に収録の、「悲しみをぶっとばせ」には、
フルートが加わって、これが初めて外部ミュージシャンを、
起用した曲とされるが、同じアルバムの「イエスタデイ」は、
弦楽四重奏が加わり、メンバー以外の演奏も増えていく。
「イエスタデイ」は、本来ベースを担当しているポールが、
フォークギターで弾き語りをして、ストリングスと共演して、
ジョン、ジョージ、リンゴは、演奏もコーラスにも参加せず、
完全なポールのソロ作品で、次第にその傾向も増えていく。
「リボルバー」の「エリナー・リグビー」は、4人は演奏せず、
オーケストラの伴奏でポールが歌い、ジョンとジョージが、
コーラスをつけたとされるが、2人の声だと確信するほど、
よくは聴き取れず、ポール1人じゃないかとも思ってしまう。
「サージェント・ペパーズ」の「シーズ・リービング・ホーム」は、
ジョンが歌詞を書いたパートは、明らかにジョンの歌声だが、
オーケストラのみの演奏で、ジョージもリンゴも不在のうえ、
オケの編曲さえも、ポールはマーティン以外に頼んでしまう。
ポールは、ベース、ギターに加え、ピアノも弾くようになって、
曲によってはリンゴだけドラムで参加、ポールがダビングで、
全部の楽器を演奏して、ホーンなどは外部ミュージシャンで、
自己のイメージするサウンドを実現しようと、ワンマン化する。
リンゴは、ペパーズやホワイトアルバムで、ダビングが増えて、
最初にドラムを叩くと、後の作業では、ただ待つことばかりで、
「おかげでチェスが強くなった」と、暇を持て余していたことを、
語っていたが、少なくとも、大半の演奏には実際参加している。
「ホワイトアルバム」で、リンゴが一時的に脱退したときだけは、
ポールが2曲叩いたが、基本的に、ジョン、ポール、ジョージ、
誰の曲であっても、リンゴがドラムだったし、ジョージのように、
リードギターもポールに弾かれ、出番がないよりは、ましでは。
ライブの再現が不可能になっていった作品、「リボルバー」は、
テープ操作に、ダビングや、オーケストラなど駆使しているし、
加えて、「グッド・デイ・サンシャイン」と、「フォー・ノー・ワン」は、
主にポールとリンゴだけで、ダビングして、完成させている曲。
「フォー・ノー・ワン」は、ベーシックトラックは、ポールのピアノ、
リンゴのドラムのみ、そのドラムも、後からダビングするために、
リズムキープ、ガイドトラック用に叩いた感じで、ミキシングで、
音が絞られ、ピアノの音に紛れてしまい、ほとんど聴こえない。
バンドスコアでは、スネアが主で、サビのみバスドラが入るが、
スネアよりハイハットの音の方が、聴いたときに目立っていて、
時折、ドラムロールのような音に聴こえる部分も、スネアでなく、
ハイハットのオープンクローズだと、デモテイクから想像できる。
ピアノの音が、ホンキートンクピアノの音のように聴こえるのは、
ダブルトラックなのか、ハープシコードか何かなのかと思ったら、
クラビコードという、ハープシコードを卓上型にしたような楽器で、
ポールは、あえてこの楽器の音色に、こだわって選んだらしい。
中山康樹「これがビートルズだ」に、「いったい、どこをひねれば、
クラビコードという珍しい楽器、そのサウンドが浮かんでくるのか。
ポールの曲では、すべての楽器は必然性を持って使われる。」と、
べた誉めなので、自分も音色を再現しないといけなくなってくる。
自分のギターシンセは、ハープシコード、チェンバロの音がなく、
シンクラビアやクラビネットの、電気加工した音しか出ないので、
ピアノの音を2回重ね、コーラスもかけるが、どうも似ないので、
ちょっとしょぼい音だが、電子ピアノのハープシコード音にした。、
30年以上前、カセットテープのMTRを買って宅録していた頃、
手持ちのミニ鍵盤のポータトーンでは貧弱で、シンセを買うなら、
いっそ、電子ピアノを買って、ピアノも弾けるように練習しようと、
ヤマハと河合を弾き比べて、鍵盤が木製の河合の方を買った。
当時は、ヤマハのクラビノーバが主流だし、同じような値段では、
ヤマハの方が、音色も多く、リズムボックスも付いていたのだが、
生ピアノの音色は、河合の方がリアルな音に思えて、何よりも、
河合楽器のギター教室に通っていたので、割引もしてもらえた。
何でも形から入りたがる自分は、バイエル、ハノン、ツェルニー、
ブルックミューラーにバッハのインベンションと、初級者向けの、
教則本を一通り買ったが、バイエルの途中で投げ出してしまい、
それでも、右手と左手を別々に録音すれば、伴奏程度はできる。
ほとんど物置台と化していた電子ピアノに、MTRをつないだが、
ライン録音では、かなり波形が雑というか、チープさが目立って、
ハープシコードっぽいが、かなりザラザラした、作り物の音色で、
生ピアノやストリングスの音は、遥かにギターシンセがにリアル。
本物の録音は、まずピアノを録音、クラビコードがダビングされ、
Aメロでは、クラビの音が目立って、サビの細かい伴奏になると、
ピアノが目立ち、低音くらいは、クラビが鳴っているのだろうか、
自分は、サビはピアノだけにして、その分、2回音を重ねておく。
間奏のフレンチホルンは、後に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」にも、
参加したクラシック奏者のアラン・シヴィルで、このフレーズは、
ポールが考えたか、マーティンが書いたと思ったら、この曲に、
合うよう、バロック風に演奏したとアランが語り、アドリブらしい。
ギターシンセには、2種類のフレンチホルンの音色があったが、
どちらも、かなり金属的な響きがし、フリューゲルホーンの方が、
原曲に似ているので、それにしたが、ギターで弾いているので、
管楽器のニュアンスは難しく、ほんの数小節を何度もやり直す。
この曲は、ギターの弾き語りにも向いていて、ピアノ伴奏のまま、
低音弦でベース音を鳴らし、コードを弾くと、ギターでもよくある、
カーターファミリー奏法と同じで、いい感じに雰囲気も出るので、
ジョン派の自分でも、中学時代、けっこう弾き語りで歌っていた。
ポールが、映画「ヤー・ブロード・ストリート」で、セルフカバーして、
ギターの弾き語りをするのは、自分も同じ発想だと嬉しくなったが、
そこに、オーケストラまで加わるのは、さすがポールだなと感心し、
「イエスタデイ」の編曲を模してみたのか、そう違和感なく聴ける。
「ペパーズ」50周年盤に、世間が盛り上がる中、その序章となる、
「リボルバー」から、どうして、こうも名曲が次々作れるのかという、
ポールの隠れた名曲「フォー・ノー・ワン」は、珍しくキーが低くて、
高音の厳しさはないものの、歌唱力は、いっぱい、いっぱいです。

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