僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
歌詞を借用したせいなのか、ジョンが嫌いだと言う曲、「浮気娘」
「ラバーソウル」のレコーディングの、初日に演奏されたのは、
「浮気娘(ラン・フォー・ユア・ライフ)」と、「ノルウェーの森」で、
新曲のストックがなく、作曲に追われたアルバム製作だったし、
最初の曲からして、ジョンが無理やり、作った曲だったらしい。

一番最初に録音して、LPでは、B面のラストを飾る曲となった、
「浮気娘」は、「お前が、他の男といるところを、見るくらいなら、
死んでもらったほうが、ましだ。」と、物騒な歌詞から始まるが、
これは、エルビス・プレスリーの歌詞を、そのまま拝借している。

ジョンは、歌詞を引用した、後ろめたさもあってか、解散後の、
70年の回想録、「ビートルズ革命」の中では、「大嫌いな曲だ。
何か1曲、作らなくてはいけなくて、作っただけのインチキ。」と、
締め切りに追われ、無理やり作った曲と、バッサリ切り捨てた。

72年の「ミュージック・ライフ」に載った、インタビューの中でも、
どの曲を、ジョンとポールが書いたかの、リストに答えたときに、
「浮気娘」を、「僕の曲だけれど、ちっとも好きになれない。」と、
気分屋のジョンにしては、珍しいくらい、一貫した意見を言った。

ポールは、「自分の曲では、考えられない発想だよ。」と言うが、
ジョージは、お気に入りだったそうで、おそらく、ジョンにしても、
もともと、この言い回しが好きだったので、そこから、自分なりに、
曲想を膨らませて、自信作だからこそ、最初に録音したのでは。

歌詞の引用にしても、わからないように、盗用するのとは違い、
堂々と(?)、曲の歌い出しに持ってきて、最後にも繰り返すし、
和歌の「本歌取」の技法を思わせ、こうしたやり方を、ジョンは、
「カム・トゥゲザー」でも、チャック・ベリーの歌詞を借用している。

こちらも、冒頭、「Here come a flat top」が、まるまる引用、
裁判沙汰の騒動にまで発展したのに、「一番好きな曲だ。」と、
ジョンは言ったらしく、そうなると、必ずしも、歌詞の借用だけが、
「浮気娘」を否定する要素ではないと、いろいろ勘ぐりたくなる。

ヨーコあたりに、「まあ、ジョン、この歌の歌詞ったら、何なの?
こわーい、嫌ねえ。」とでも言われ、「いや、これは最悪の曲さ、
無理やり、書きなぐったんだよ。」と言い訳し、ヨーコの好きな、
「愛と平和の使者」よろしく、インタビューに応じていたのではと。

実際にジョンが、どう思っていたのか、今では知りようもないが、
曲そのものは、メロディも良いし、演奏も、ギターを重ねていて、
ジョンのアコギと、エレキのリズム、ジョージはリフとリードソロ、
ポールも、スライドギターを弾くという、かなり凝った作りになる。

スライドギターの名手とされる、ジョージだが、それは解散後で、
ビートルズ時代は、おそらく、ほとんど、スライドは演奏しなくて、
「ドライブ・マイ・カー」の間奏もポールだし、「浮気娘」も、単純に、
2~4弦を和音でスライドするだけなのに、ポールが弾いている。

映画「レット・イット・ビー」の中でも、ジョージが作曲して、歌った、
「フォー・ユー・ブルー」の場面は、間奏のスライドギターソロを、
ジョンが、ひざの上にスチールギターを乗せて、弾く姿が映って、
この時期にいたっても、ジョージは、スライドなど弾いていない。

ソロになって、最大のヒット曲である、「マイ・スイート・ロード」が、
スライドギターの見事なイントロだったので、その印象が強くて、
「スライドギターの名手」になってしまい、逆に、それを意識して、
ジョン亡き後の、ビートルズの新曲では、スライドを弾いたかと。

ちなみに、ジョージは、「マイ・スイート・ロード」が、盗作騒ぎで、
裁判となっていて、自分がビートルズを夢中で聴いていた頃に、
ラジオで、元歌の「ヒーズ・ソー・ファイン」と比較して、流れたが、
これは、ジョージに分が悪いなあと、あまりの類似性に驚いた。

ジョンは「カム・トゥゲザー」が盗作と言われると、開き直ったか、
カバー曲集の「ロックン・ロール」で、原曲を演奏することにして、
さらに、テンポやアレンジを、「カム・トゥゲザー」のほうに寄せて、
「はいはい、そっくりですよ、おっしゃるとおり。」とばかり、皮肉る。

そうした事情など、中学生の頃は、まったく、自分は知らなくて、
「スタンド・バイ・ミー」のPVが、格好良いから、「ロックン~」の、
LPを買ってきたら、「カム・トゥゲザー」に、そっくりの曲があって、
すごく戸惑ったのだが、事情を知った今でも、どうかなあと思う。

そんなジョンが、最後の最後まで、「嫌いな曲だ」と、語っていた、
「浮気娘」で、自分などは、この邦題が大嫌いと言いたくなって、
嫉妬深い男が、「命がけで逃げなよ」と、半ば脅迫しているのに、
その被害者たる女性が、「浮気娘」だとは、何とも拡大解釈かと。

浮気っぽい恋人に、振り回されては、男が嫉妬しているのだと、
邦題をつけた人は言いたいのだろうが、単なる横恋慕だったり、
思い込みの激しい、ストーカーの場合もあるから、男性優位の、
時代遅れの解釈だと思うし、何より、言葉のセンスがどうかと。

以前も書いたが、ジョージの曲、「シンク・フォー・ユアセルフ」は、
邦題が、「嘘つき女」だし、何とか娘とか、何とか女の題名なんて、
鬼太郎の猫娘、雪女じゃあるまいし、馬鹿にされている気がして、
当時は、ごく当たり前に通用する呼び方、語感だったのだろうか。

ともあれ、「浮気娘」は、邦題やら歌詞やらに、問題があるものの、
ギターが格好良いし、歌い方も、ジョンらしさが出ている曲なので、
昔から、口ずさんでいた、好きな曲で、なりきって、歌いましたが、
ジョンのニュアンスは出せないし、ポールの高音も、きついです。



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そろそろ夏も終わりというのに、しつこくボサノバの名曲で「波」を
夏を感じる音楽と言えば、山下達郎や、チューブを筆頭に、
昔ながらの、ベンチャーズとか、ビーチボーイズも浮かぶし、
盆踊りはともかく、先日は、商店街でサンバ大会があったし、
ただ、自分には、サンバよりは、ボサノバが、夏のイメージ。

サンバやボサノバは、ブラジル音楽というだけで、どことなく、
暑い、常夏だ、と思ってしまうが、それでいて、常夏の国の、
ハワイだと、ハワイアン音楽は、夏と言うより、ビヤガーデン、
常磐ハワイアンセンターと、具体的なイメージへと直結する。

自分にとっては、ボサノバが夏の音楽というのは、ものすごく、
個人的な話で、高校の頃に、「サマー・ナイト・サウンド」という、
FMの特番が数回あり、テーマ曲のタイトルは不明なのだが、
ボサノバのリズムのインストで、これが、完全に刷り込まれた。

冒頭、トライアングルを主体に、パーカッションが演奏を始め、
「サマー・ナイト・サウンド」と、番組のタイトルコールが入ると、
ボサノバのリズムに合わせ、フルートがメロディを奏でるから、
夏の夜の音楽はボサノバだと、強い印象が、植えつけられた。

番組自体は、「ニューミュージックの旗手たち」の副題がつき、
因幡晃、岸田智史、庄野真代の曲がかかって、ボサノバとは、
まったく関係のない内容で、それぞれ、シングルヒットではなく、
LPから数曲かけるという、ちょっと通向きの構成も良かった。

そうして抱いたボサノバのイメージだが、ボサノバの代表曲も、
自分の場合、渡辺香津美のジャズギター教本に、出てた曲や、
ジャズミュージシャン、特にギタリストが演奏した曲に親しんで、
本場のボサノバ、特にギター弾き語りは、ほとんど聴いてない。

「イパネマの娘」、「黒いオルフェのテーマ(カーニバルの朝)」、
「オルフェのサンバ」、「波」が、すぐにメロディも浮かぶ曲だが、
当時買った、500円くらいの「ボサノバギター教本」に出ていた、
「おいしい水」「トリステーザ」などは、あまり練習もしなかった。

アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「波」は、ジャズギターで、
よく演奏されて、原曲のキーがD(ニ長調)という、ギターにとり、
弾きやすいキーで、管楽器が主体のジャズでは、B♭、E♭と、
ギターに苦手なキーが多いだけに、重宝がられるせいもある。

高校には軽音部がなく、クラシックギター、マンドリン部なので、
運動も苦手な自分は、帰宅部となったが、大学にはジャズ研、
ロック研、クロスオーバー同好会もあるから、どこかに入れば、
自分もバンドが組めると、新入生勧誘のイベントを見て回った。

ジャズ研では、先輩のコンボがジャズ・ブルースを延々と演奏し、
新入生も含め、持ってきた楽器で、何コーラスがアドリブするが、
キーがE♭のうえに、トランペットやサックスばかりで、萎縮して、
ロビーへ出ると、ギターの先輩達が、数名でセッションしていた。

高校の文化祭で、唯一フルアコでジャズを弾いていた人もいて、
ジャズ研では、セミアコの335に、フェイザーをつなぎ、「波」を、
演奏していて、文化祭では、まんまジャズギタリストだったのに、
クロスオーバーの影響か、ジャズ研なのにセミアコねえと、思う。

演奏の合間に、少し話ができたが、渡辺香津美の自宅へ行き、
ギターを教わるとか、スクールで、秋山一将に習っているとか、
ものすごい先輩だらけ、とても自分の居場所はないと思って、
ロック研を覗いたら、パープルとかを、完コピしている人ばかり。

ギター人口が多いのは、高校と同じで、有志でバンドを組んで、
文化祭に出ようにも、ベース、ドラムが見つからなかったのだが、
大学のロック研も、上級生のすご腕ギタリストが、ゴロゴロして、
新入生に、良いベース、ドラムはいないか、物色している状態。

クロスオーバー同好会は、松原正樹らのプロが、特注で作った、
エフェクターラックを、セミアコにつないで、ラリー・カールトンの、
「ルーム335」を楽々と弾く2年生がいて、4年生はリズムギター、
ここにも、自分が参加する余地はないと、がっかりしながら帰宅。

その1ヶ月前に、ドラム教室に入る友人に、ついていった勢いで、
渋谷河合楽器のジャズギター教室に申し込み、通い出したので、
とにかく自分は、河合楽器でギターをうまくなるしかない、いずれ、
バンドは組めるだろうと、大学でも帰宅部となり、練習に励んだ。

「波」つながりの思い出をもう一つ、やはり高校の文化祭で見て、
ほとんどプロだと思った先輩が、「世界遺産のテーマ」で有名な、
鳥山雄司で、81年に、フュージョンのソロアルバムを出した頃に、
テレビ番組で演奏するようだと、友人に教わり、楽しみに待った。

高校時代、テレキャスターで、ものすごい早弾きをしていたのに、
LPでは、メロディックに弾いていて、ライブなら弾きまくりだろうと、
期待したら、蝶ネクタイ姿で出てきて、セミアコで、「波」を演奏し、
ほとんどジャズに近くて、お茶の間に、早弾きは、向かないのか。

どちらにしても、ギタリストにとって、「波」は、身近な曲なようで、
ジャズギター教室でも、スタンダードの歌本で、いろいろ弾く時、
当然に練習し、当時、写譜を勉強したノートを見ると、伴奏用に、
自分なりに、テンションコードを考えて、先生に添削されていた。

年に1回程度出ていた、「アコースティック・ギター・マガジン」が、
99年に季刊化した際、連載開始のボサノバ講座、最初の曲に、
「ウェイブ」の題で載り、この曲は、ボサノバのコード進行が学べ、
基本は、1小節に1コードなので、課題曲に向くと、書いてある。

いつも愛用している、江部賢一のギター編曲集にも、載っていて、
こちらは、開放弦を生かせるよう、キーをDからEに上げているし、
低音とコード、メロディが、シンコペーションしているので、難しく、
「オルフェのサンバ」同様に、ドラム、ベースをダビングしておく。

ボサノバ創始者の1人、アントニオ・カルロス・ジョビンの「波」は、
原曲はピアノがメインだが、ギターで演奏されることも多い曲で、
江部賢一のソロギター編曲を、楽譜のとおり弾いているものの、
テンポは落として、バックの音も加えて、ミスをカバーしています。





ジョージの作曲で、唯一コンサートで演奏された曲、「恋をするなら」
中学時代、情報も少ない中、バイブルのように読みあさった、
立風書房の「ビートルズ事典」には、年表や、全曲の解説に、
各国のLP、シングル盤、海賊盤のリストなど、充実していて、
楽器リストも、これが憧れのギターだと、食い入るよう見た。

日本一のコピーバンドの、ジョンを目指した自分は、当然に、
初期のジョンが弾いた、リッケンバッカーのギターに憧れて、
高校合格祝いで、グレコのコピーモデル、本物の黒、青が、
売り切れる中、赤のリッケンバッカー320を、買ってもらった。

「事典」では、ジョンのギターは、リッケンバッカー425とされ、
何で自分のは、320なのか、ジョージの12弦は330だから、
Fホールなどが開いていると、300番台で、末尾が5となると、
トレモロアームがつくのかと、モデルを比較して、推定した。

当時、月刊「ヤングギター」に質問コーナーがあり、投書して、
「自分のリッケンは320なので、穴がないと400番で~」など、
考えついたことを質問したら、採用されたが、書いた内容を、
編集で質問と回答に分けただけで、新しい情報はなかった。

それでも、ビートルズの楽譜を出す、シンコーミュージックの、
お墨付きをもらった気でいたら、数年前に、ジョンのモデルは、
昔から325と呼ばれていたと知り、晴天の霹靂くらいの驚き、
そのうえに、ジョージの12弦も360だと知って、さらにがく然。

リッケンバッカー425は、ジョージが一時使っていたモデルで、
まったくデザインが違うのを、「事典」が、混同していたようだし、
12弦も、2つのデザインがあるが、360のモデルチェンジで、
古いタイプでも、330ではないと知り、これも「事典」の間違い。

「事典」と出版社の違うシンコーでも、間違えていたというのは、
当時は、情報が少なく、誤ったまま、他社も鵜呑みにしたのか、
楽器店に確認すれば、すぐわかることが、どうしてこうなのか、
細かい話だが、改訂版でも425、330のままなので、不思議。

そんなリッケンバッカーの12弦ギターは、映画の場面だったり、
日本公演で演奏したこともあり、ジョージのトレードマークだと、
自分には、強い印象があるが、「ビートルズがやって来る」では、
7曲で使ったものの、次からは、4曲、1曲、1曲と出番が減る。

「ラバーソウル」では、日本公演でもおなじみ、ジョージの作曲、
「恋をするなら」で、これぞ12弦ギターというアルペジオを弾き、
第一人者の面目躍如だが、自身が作曲して、12弦を使うのは、
最初で最後、さらに解散まで、エレキの12弦を弾くことはない。

「ビートルズがやって来る」では、ジョージのギターへのこだわり、
新しもの好きという面もあって、これでもかという具合に使うが、
逆に、その音の印象が強すぎて、曲全体を左右してしまうからか、
「フォーセール」では、4曲で使ったものの、次第に弾かなくなる。

バーズのようなフォークロックバンドが、12弦ギターを使ったり、
サイモン&ガーファンクルでも、「サウンド・オブ・サイレンス」が、
アコギ伴奏だったところに、本人たちが知らないうち、リズム隊と、
12弦をつけ加えたら、大ヒットして、逆に、ジョージはひいたのか。

「恋をするなら」は、バーズの12弦ギターを使った曲に影響され、
作った曲だと言われているが、本家本物の演奏とは、こうだよと、
示したいとこともあって作り、ジョージとしては、もう満足したので、
その後、弾かなくなったと考えるのは、身びいきすぎるだろうか。

「ラバーソウル」は、新曲のストックがなくて、ジョンは締め切りに、
追われるように作曲したし、いくらでも、珠玉のメロディが湧くと、
思われがちなポールでも苦労して、おのずと、ジョージの作曲が、
2曲もの採用となるが、ジョージの才能が開花したことも大きい。

しかも、ジョージが作曲した曲のうち、ライブで演奏されたのは、
これ1曲だけ、いつもジョージやリンゴは、カバー曲だったから、
ジョンもポールも、この曲を認めていたのだろうし、ジョンなんか、
バーズとかに聴かせてやれよ、くらいに、あおったかもしれない。

日本公演でも演奏したが、新しい、丸みを帯びたデザインとなる、
12弦ギターを弾くジョージは、やはり、リッケンバッカーでなくて、
エピフォンのカジノを弾くジョンと同様に、どこか違和感があって、
リアルタイム世代でないのに、もっと早く来日していればと、残念。

ジョージは、通常のエレキギターも、やはりトレードマークだった、
グレッチのギターでなく、ジョンと同じく、カジノを弾いていたので、
「ラバーソウル」、「リボルバー」は、二人とも、カジノで録音したと、
勝手に思っていたが、実際は、ストラトが中心と、これも最近知る。

そう思って、「恋をするなら」を聴くと、「ひとりぼっちのあいつ」で、
聴かれた、ジャリジャリのストラトの音に近い、ギラギラした音で、
ジョンがリズムギターを弾いていて、12弦やコーラスエフェクトで、
重ねたような音で、ストラトのフェイズアウトを、もうやってたのか。

ジョージの12弦は、ときおり逆のチャンネルから、音がはね返り、
間奏は、完全にダビングで右にパンするので、そこは別に弾き、
イントロなどで繰り返すリフは、両方のチャンネルに録音してみて、
音の広がりを出してみたが、なかなかジョージの音にはならない。

自分の12弦ギターは、ピックアップが、ボロッと取れてしまって、
修理に出すのが面倒なので、6弦のリッケンを2回重ねて録音し、
重ねるときは、12弦だと、オクターブ弦となる、3~6弦部分は、
オクターブ上げた譜面を書いて、12弦ギターの音に、近づけた。

7フレットにカポタストをつけ、Dコードを中心に、アルペジオで、
イントロや伴奏を弾くのは、当時では、画期的だったのだろうか、
自分たち、後追い世代だと、後期の「ヒア・カムズ・ザ・サン」も、
聴いているから、それを簡単にした演奏だと、つい思ってしまう。

自作の曲を、得意の12弦ギターを弾きながら、歌うジョージの、
日本公演での姿も印象的な、「恋をするなら」を、一番肝心な、
12弦ギターを使えないまま、何とか、音を似せてみたものの、
いつもの歌がネック、特にポールのハモが、やはりきついです。






映画「黒いオルフェ」のエンディングを飾る「オルフェのサンバ」
先日、映画「黒いオルフェ」のテーマ曲を、演奏した際、
映画そのものは、見たことがない旨を、記事に書いたら、
ブログ「夢中・熱中・ボサノバギター」を、運営されている、
Estruchさんから、YouTubeにあると、情報をいただいた。

公開された映画は、フランス語と、ポルトガル語なので、
YouTubeには、英語字幕の、本編全部がアップされて、
英語をヒヤリングして、字幕なしで見るのは、きついが、
文字が出ていれば、何となく、意味はつかめるので良い。

たぶん、自分と同世代で、英語が苦手な人のほとんどは、
同じような経験のはずで、中学、高校、大学と、約10年、
英語の授業を受けたが、英会話、カンバセーションよりも、
リーダーとグラマーが中心だから、読み書きは、そこそこ。

知っている単語をつないで、読みとばしたり、辞書を引き、
英文を読むのは、それなりにできるが、書くとなってくると、
文法でつまづきがち、英会話となると、ヒヤリングも厳しく、
自分の考えを英訳し、さらに発音するのは、ほぼ不可能。

何年かに一度、やっぱり英会話を覚えたいと、一念発起、
NHK基礎英語を、4月号から始めるが、ラジオもテレビも、
録音、録画がたまって、6月号あたりから、買わなくなるし、
本屋で手にした、「すぐできる英会話」なども、たまる一方。

かつて、自分も、クラシックギターの通信教育を受講した、
東京音楽アカデミーが、アカデミー出版となり、大流行の、
「家出のドリッピー」を取り寄せたり、ディズニーの映画で、
魔法のように学べるという、CD全集を買っては、積ん読。

いずれ老後に活用しようと、処分せずに、残してはいるが、
そんなわけで、英語のみの映画は、いまだ、理解が不能、
そんな自分でも、字幕つき「黒いオルフェ」は、画面を止め、
辞書を引くことなく、とばしとばしだが、最後まで鑑賞した。

昔からの癖で、映画館に行ったら、まずはパンフを買って、
あらすじや、登場人物を把握しておいて、映画を観るのを、
友人からは、それじゃ、つまらないだろうと、よく言われるが、
そうしないと、誰が誰だか、わからないうちに、ラストになる。

それで、「黒いオルフェ」も、ウィキペディア、映画レビュー、
ブログなどで、あらすじを確認すると、主人公のオルフェは、
歌とギターが得意な若者で、カーニバル見物にやってきた、
ユーリディスとの出会い、その悲恋と別れをつづった物語。

それをふまえて観ると、自分を付け回す謎の男から、逃れ、
電車によじ登ったユーリディスは、高圧線に触れ、亡くなり、
それを信じたくないオルフェは、彼女を探して、街を彷徨い、
祈祷師と出会い、彼女を声を聞くが、ただのまやかしだった。

彼女の遺体を引き取り、抱きかかえながら、自宅へ戻ると、
嫉妬した婚約者により、家は燃やされ、さらに、怒りをこめ、
投げつけられた石で、よろけたオルフェは、崖から転落して、
ユーリディスと、死によって、ようやく結びついたような結末。

あまりに唐突な、2人の死は、これこそが、ギリシャ悲劇から、
脈打つ文学性なのか、一般人に、よく理解できないことこそ、
純文学たるゆえんか、時代を象徴するヌーベルバーグなのか、
自分には、どうもわからない世界で、そういった名作が数多い。

元ネタというか、ストーリーのモチーフとなる、ギリシャ神話を、
知らないから、そこに込められた、意味が理解できないのかと、
本棚を探すと、20年以上前、「新潮文庫の100冊」で買った、
阿刀田高「ギリシャ神話を知っていますか」が、捨てずにある。

ギリシャ神話は、小学生の頃に、渋谷東急文化会館にあった、
五島プラネタリウムで、星座にまつわる話を聞き、気に入って、
「星座と伝説」の本をねだると、児童向けの「ギリシャ神話」を、
母が買ってきて、それじゃないと文句を言いつつ、読んでいた。

映画「黒いオルフェ」は、オルペウスの伝説に、基づくのだが、
オルペウスとエウリュディケと聞いても、何も思い出さないし、
オルペウスが竪琴の名手なので、琴座になったと言われると、
少し記憶がよみがえり、冥府へ下る話は、確かに覚えていた。

冥界の王ハーデスに、得意の竪琴と歌で、せつせつと訴えて、
亡き妻を連れ帰ることになったが、地上に戻るまでまでの間は、
決して振り返ってはいけない、という約束を破ってしまったため、
妻は闇の底へ消えていく、このくだりは、はっきりと思い出す。

古事記のイザナギ・イザナミの話にも、同じようなのがあったと、
昔も思ったし、阿刀田の本でも、触れているが、部屋を覗いて、
イザナミのおぞましい姿を見てしまうのを、オルフェと混同して、
どちらも、振り返って、死者の姿を見て、逃げ帰ると思っていた。

阿刀田は、オルフェの映画や音楽についても、書いているが、
まったく読んだ記憶がなくて、夏休みとかに旅行へ出かける際、
列車の中や宿で読もうと、とりあえず、文庫本を買っておくのに、
「新潮文庫の100冊」を手に取り、読みかけたままなのだろう。

映画の最後は、オルフェの歌で、太陽が昇ったと信じる少年が、
遺品のギターを手に、何か弾かねばと、即興で演奏始めるのが、
「オルフェのサンバ」で、音楽を聴きつけ、近づいてきた少女が、
「オルフェみたいね」と言って、サンバに合わせて、踊り始める。

このあたり、幼児・子供の持つ、純粋無垢な側面を強調しつつ、
太陽に向かって、音楽を奏でることで、仏教の輪廻とは違った、
魂の再生を表しているように思うし、何よりも、口伝というのか、
こうして音楽が伝承される、フォルクローレの原点を垣間見る。

映画では、子供が弾く設定なので、単音のメロディを弾いたら、
最後に、ジャカジャカと、かき鳴らすし、みんなで踊るときには、
コードだけ鳴らして、メロディを口ずさんで、テーマ曲と同様に、
イージーリスニングやジャズで聴くのとは、だいぶ違っている。

いつも愛用の江部賢一の、「華麗なるギターソロアルバム」に、
ソロギターに編曲した、「オルフェのサンバ」が載っているので、
楽譜に沿って弾くが、5・6弦のベース音が、小節の頭だったり、
前の小節の裏から、くって入ったりと、その使い分けが難しい。

和音を交え、メロディも弾くのに、コードチェンジが追いつかず、
iTuneにある江部の演奏は、テンポ90くらいだが、とても無理、
82に落としても、つっかつっかえで、ミスだらけとなってしまい、
ただ、さらに落とすと、サンバのノリを感じなくなるので、妥協。

結局、きちんと弾けないのを、無理やりテンポを上げてるから、
弾いているうちに、つっかえては、どんどん、ゆっくりになって、
これじゃ、いかんと、メトロノームを鳴らすと、あまりに機械的で、
いっそのこと、MTR内蔵のリズムマシンで、サンバを選択する。

おまけでついているリズムマシンだから、サンバ、ボサノバは、
2小節の繰り返しパターンで、各2種類しか入っていないので、
打楽器が派手すぎない方を選び、どうせ、リズムが入るならば、
ベースも録音して、ギターのベース音のミスを、ごまかすことに。

映画「黒いオルフェ」のラストシーン、子供たちが演奏していた、
「オルフェのサンバ」を、江部賢一の、見事なソロギター編曲で、
楽譜どおりに弾いていますが、テンポを落とし、リズム隊を加え、
ごまかしつつ、ジャズで演奏される雰囲気も、少し感じるかと。





異国情緒あふれる、ポールのバラードの名曲「ミッシェル」
ビートルズとの出会いは、ちょうど40年前、中2の夏休みに、
同級生に誘われて、新宿武蔵野館で見た、3本立の映画で、
映画が面白かったので、サントラ盤はないのかと、尋ねたら、
ベスト盤「オールディーズ」を貸してくれ、一気にファンになる。

その頃には、もうすでに、赤盤・青盤と呼ばれるベスト盤も、
出ていたが、たぶん、そっちを先に借りていたら、各2枚組と、
ボリュームもあるうえに、後期の青盤には、ついていけずに、
とびつくように、ファンになったかどうか、友人の配慮に感謝。

「オールディーズ」は、「リヴォルバー」の後、66年の年末に、
例年どおり、クリスマス商戦に向け、新譜を出すべきところ、
コンサート中止を決めると、休みを取り、時間の制約なしで、
新作を録音することになったので、代りに、ベスト盤を出す。

次に出たLPが、「サージェン・トペパーズ」なので、偶然にも、
解散後に、前期・後期と分けた際の、前期をカバーしていて、
ビートルズが、どこまで選曲も含め関わったかは、不明だが、
それまでの作品を、「オールディーズ」と呼んで、総括した。

このあたり、中原中也が、最初の詩集で、「初期詩編」として、
すでに、自分の詩を分類したことに、すごく近いものを感じて、
新たな作品を生み出そうとする、芸術家、音楽家にとっては、
発表したものは、すべて過去のものになるかと、勝手に納得。

ただ、「オールディーズ」と名づけたのは、ビートルズではなく、
レコード会社の宣伝担当とか、コピーライターかもしれなくて、
いつもの、自分勝手な思い込みから、推測したに過ぎないし、
解散前に出したベスト盤が、これだけというのも、偶然だろう。

ともあれ、「抱きしめたい」、「シー・ラヴズ・ユー」のヒット曲に、
「ビートルズがやって来る」、「ヘルプ」といった、映画主題歌、
さらに、LPからの名曲、「イエスタデイ」や「ミッシェル」もあり、
まさに、ベスト盤にふさわしい内容で、ファンになるのも当然。

たった16曲ではあるが、ファンになりたての当時の自分でも、
初期の曲と、中期の「ラバーソウル」や「リヴォルバー」とでは、
雰囲気が違うなあ、とは感じて、特に「ミッシェル」は、歌詞に、
フランス語まで出てくるから、まるでシャンソンのように感じた。

バンドネオンは入ってなくても、すごく、異国情緒にあふれて、
英語の通じない恋人に、片言の仏語で語りかけるというのが、
中学生の自分には、すごく遠い世界で、しかも、せつなく感じ、
森鴎外の「舞姫」を思い浮かべて、なんとも、やるせなかった。

半音進行のイントロは、クリシェの技法を用い、素晴らしいと、
当時のビートルズ本で読み、クリシェの意味もよく知らぬまま、
何だか、音楽理論的に、すごいことをやっているのかと思い、
イントロが弾ける同級生を、何てギターがうまい奴かと感心。

押入れのガットギターを出し、「ビートルズ80」の曲集も買い、
少しずつ、弾き語りを始めて、翌年、中3になる春休みには、
エレキギターとアンプのセット、夏休みにはフォークギターと、
どちらも二光通販で、2万円弱だが、有頂天になり、練習した。

何度も、このブログで書いている、「ひき語りビートルズ」には、
「ミッシェル」も載っていたし、イントロを練習したが、なぜだか、
3・4小節目は、レコードと違う音で、「ガール」のリードと同様、
「これも間違えている」と思ったが、弾き語り用アレンジなのか。

このイントロのフレーズは、左右から聴こえて、片方はジョン、
もう片方はポール、歌の伴奏は、ポールが弾いたというから、
「ブラックバード」で聴ける、ツー・フィンガー奏法かと思ったが、
最近のライブ映像で確認すると、普通にピックで弾いていた。

また、カポタストを、5フレットにつけて、弾きやすくしていると、
ビートルズ本に出ていて、最初のFコードと、最後のCだけが、
5カポで、CとGになり簡単になるが、あとのコードは、全部が、
セーハで押さえることに変わりなく、カポをつけた意味が不明。

やはり、ライブのポールは、5フレットにカポをつけているから、
いつも記事に書く、「ポール本人に確認できれば」の必要なく、
そのままなのだが、ベースを弾くときでも、5カポにしたらしくて、
何のメリットがあるのか、ポールに聞きたいことは、次から次。

イントロは、ギターだけでなく、ベースも革新的だったそうで、
半音進行のギターに対して、カウンターメロディのように弾く、
ベースラインは、ポール自身が、ベースの面白さを再発見し、
その後の、メロディックベースへと、発展していったとのこと。

ビートルズ本では、地味だったベースも、自己主張できると、
すべてのベーシストが驚いたと、ポールの功績を讃えるが、
ジャズの世界では、ベースソロはあったし、ビル・エバンスの、
盟友のスコット・ラファロは、伴奏もメロディックに奏でていた。

オーケストラの使い方や、コーラスに、ビートルズっぽいとか、
何かと主張する、自分であるが、必要以上に、あがめるのは、
好きでないから、このベースにしても、たぶん、ロックとしたら、
画期的なのかもしれないが、ジャズでは当たり前だったと思う。

ポールは、このベースラインを、ビゼーの影響と語ったそうで、
ビゼーといったら、自分は、「アルルの女」の思い浮かべるが、
「カルメン」の方が有名らしくて、その「ハバネラ」のフレーズが、
引用されていると、ビートルズ本にあるが、その真偽は不明。

間奏とエンディングのリードギターは、ジョージのストラトだが、
こもった音で、低い音域で演奏しているのだから、これこそが、
メロディックベースで、ポールが多重録音したのではないかと、
勘違いしそうだし、ポールがリードギターというもの、ありそう。

この曲は、ポールが10代で作っていたそうで、才能に脱帽、
ただ、サビの部分がなかったので、録音にあたり、ジョンが、
「アイ・ラブ・ユー」の繰り返しを作り、「ブルース色が加わり、
良くなった。」と、ジョンが自画自賛していて、いつもの二人。

コーラスは、ジョンとジョージの2声、ポールが加わっても3声、
そう思っていたし、バンドスコアでも、3声になっているのだが、
5声から6声の美しいハーモニーと、曲目解説には出てくるし、
YouTubeでのハーモニー解説でも、6声~7声と分析している。

「ビートルズ・ヴォーカル・ハーモニー」なる、チャンネルがあり、
最近、「Learn Amazing Vocal Harmony」に名称変更したが、
本業は、ギター製作家の人が、市販の楽譜以上に、こと細かく、
ハモリを徹底解説してくれて、自分は、かなり参考にしている。

ただ、「ミッシェル」は、そこまで、凝る必要もないだろうと思い、
バンドスコアにある3声に、オクターブ下のパートを追加して、
5声のハーモニーを多重録音したが、いつもながら、高音が、
裏声でも出ないくらい、きつく、ポールのパートは、まず無理。

日経BP「全曲バイブル」には、4トラックのうち、1トラに3人で、
コーラスが録音されていると書かれ、単純に3声かもしれず、
YouTubeのコピーバンドは、ジョン役、ジョージ役の二人でも、
きれいなコーラスで、歌唱力があれば、それで十分なのだろう。

さらに、自分の場合は、ジョンの曲と違って、ポールの曲だと、
昔から、多少弾き語るか、鼻歌程度だから、歌詞やメロディは、
覚えていても、歌いこみが足りないから、棒読みみたいになり、
まあ、ジョンの曲でも下手は下手だが、さらに、ひどいレベルに。

前回の「ガール」同様、あまりダブルトラックで、ごまかすのも、
どうかと思って、普通に録音して、PCで聴くと、ヘッドフォンでは、
そう気にならないが、スピーカーだと、エコーがないスカスカで、
歌声ばかり大きく聴こえて、家族から、また馬鹿にされてしまう。

リバーブやエコーを少し強くして、風呂場エコーみたいにするが、
それでも、元の歌が下手なのは、変わらないわけで、我ながら、
伴奏のほうは、どの曲でも、いい感じに仕上がってきているのに、
歌のギャップがひどくて、めげずに、歌の練習を続けるしかない。

昔からのファンと公言しつつ、ブログ用に、本やネットで調べると、
周知のことを知らなかったりして、ビートルズは、チャート1位の、
記録はあっても、グラミー賞とは無縁だと、勝手に思っていたが、
最優秀新人賞や、「ミッシェル」で、最優秀楽曲賞をもらっていた。

単に自分が知らないだけだが、自分にとっては新発見だったり、
演奏のことでも、自分がコピーバンドを目指していた頃に比べて、
いろいろなことが、わかってきて、調べることが、すごく楽しくて、
本当にビートルズのファンで良かったと、老後の趣味が持続する。

ポールの「イエスタデイ」に次ぐ、バラードの名曲中の名曲であり、
ビートルズの人気ベスト5には、必ずランク入りする「ミッシェル」、
バックコーラスは厚めの5声にし、ボーカルもエコーを深くかけて、
ごまかしていますが、イントロのギター、ベースは、いい感じかと。







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