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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
当日消印有効で、何とか応募したギターマガジン・コンテスト
今年で、4回目の挑戦となる、リットーミュージック主催の、
ギターマガジン・チャンピオンシップの、コンテスト応募は、
8月11日(月)が締め切りで、当日消印有効だったところ、
前日の日曜日、午後にポストへ投函という、ヒヤヒヤもの。

料金不足で戻されたら、どうやっても、間に合わないので、
休日でもやっている、本局へ持ち込もうとも、思ったのだが、
いかんせん、台風がせまる中、そこまでする気にはならず、
クッキングスケールで、封筒の重さを確認して、投函した。

応募用の楽譜、CDが付く、月刊ギターマガジンは、毎年、
6月号になっていて、5月中旬には、店頭に並ぶのだから、
2ヵ月半の準備期間はあるのに、いつも、駆け込みの応募、
中学、高校の一夜漬けの癖が、本当に、抜けきっていない。

だいたい、こうしたコンテストにまつわる、言い訳(?)自体、
毎年同じように書いているから、いかに学習能力がないか、
まあ、それでも、ギターそのものは、ブログを始めてからは、
欠かさず練習しているので、少しは、良くなるはずなのだが。

今年の課題曲は、先日、楽譜に沿った演奏を載せたとおり、
変拍子でプログレ系の「Fallen Angel」と、スローバラードの、
「Rain Dog Blues」の2曲、変拍子でアドリブは難しいから、
バラードにするが、ゆっくりだと、苦手なビブラートがネック。

基本的なコード進行は、マイナーブルースと解釈できるから、
指癖のペンタトニック・フレーズで、最後まで弾いても良いが、
作曲者AKIHIDEの模範演奏は、歌ものを意識したメロディで、
起承転結を考えて、2分内にまとめているので、それに倣う。

前の記事でも書いたように、カラオケ伴奏だけ聴いていると、
ほとんど、「太陽にほえろ」や、アニメ「名探偵コナン」の中で、
回想シーンとか、逮捕された犯人の独白のシーンで流れる、
もの悲しい曲にそっくりで、勝手に場面を想像し、演奏する。

TVドラマや映画の主題歌で、エレキギターが活躍するのは、
ベンチャーズのエレキブームとかに、端を発しているのか、
自分が、中学校の剣道部に入る、きっかけとなったドラマの、
森田健作「おれは男だ!」も、テーマ曲のイントロは、エレキ。

ただ、これは、ハワイアンのスチールギターみたいにも思うし、
フォークやカントリーの曲で、昔から、使っていたのだろうし、
「太陽にほえろ」の、元スパイダースの井上尭之の演奏こそ、
ロックギターの音が、お茶の間に浸透した、きっかけと推察。

そんな雰囲気が出るよう、これまでのような、アドリブにせず、
コードに合うように、メロディを考えて、少し歪んだ音で弾いて、
2コーラス目も、同じメロディをを、少しフェイクした感じにして、
強く弾いてみたり、ピッキング・ハーモニクスをまじえたりする。

そうやってみたら、高校で夢中になった、ジェフ・ベックのようで、
いっそ、ベックの路線でいこうと、コード進行が変わってからは、
泣きのギターの名演、「哀しみの恋人たち」のフレーズをパクり、
なりきりベックで、裏拍から、切り込むようなタイミングで弾いた。

当然ながら、いつも愛用している、イングヴェイ・モデルでなく、
ジェフ・ベックに憧れて買った、黒のレスポールで弾いたのだが、
気分だけ、なりきっても、スリリングに入る、独特のリズム感や、
泣きのビブラートは、自分の一番苦手な部類で、かなり厳しい。

最初のコード進行へ戻る前に、たった4小節だが、挿入部分で、
模範演奏では、歌と間奏のようにしたと、そこだけダビングして、
それまでの、ロック・ブルースの弾き方とは、ちょっと趣を変えて、
オクターブ奏法で弾いているので、自分も、変化をつけてみる。

最後は、延々と早弾きするつもりだから、そこへの橋渡しとして、
ガットギターで、フラメンコ風、アル・ディ・メオラっぽくしたのだが、
ジェフ・ベックつながりで、かつてベックのフォロワーのようだった、
ゲイリー・ムーアの「スパニッシュ・ギター」も、かなり意識した。

どうせ、弾きまくるならば、マイナーブルースの指癖の早弾きで、
ガンガンいこうと思っていて、そうなると、ジミー・ペイジが弾く、
「貴方を愛し続けて」の間奏を思い出すが、実際に弾いたらば、
かなりのムチャ弾きになって、これだとゲイリーみたいかなと。

ゲイリー・ムーアは、「パリの散歩道」での名演が、有名であるし、
晩年は、ブルース路線だったが、若い頃は、ジャズロックバンド、
「コロシアムⅡ」で、ジェフ・ベックのような、インスト路線だったし、
最初のソロアルバムには、まんまの曲だの、フレーズが出てくる。

当時の雑誌のレビューには、「ジェフ・ベックのようになりたいと、
純粋な気持ちのまま、プロになり~」と、冗談めいて書かれるが、
ベックが好きな自分には、こんなギタリストがいたのかと興奮し、
それまでのLPを6枚、ディスクユニオンなどで探し、買い集めた。

それで、ゲイリーと言えば、「パリの散歩道」は欠かせないから、
ライブでの定番、エンディングへ向かう際の、決めのフレーズ、
半音ずつ降りてくるフレーズを弾くが、これ自体、元々ベックが、
「哀しみの~」で弾いた、トリルの下降フレーズを、早くした感じ。

曲がフェイドアウトなら、延々と、早弾きで、弾きまくってもよいが、
伴奏は、ドラムも静かになって終わるので、ゲイリーの決めから、
チョーキング(これまた苦手)で、音を伸ばし、つじつまを合わせ、
メロディに戻したような感じで、歪みを抑えた音で、エンディング。

最初のメロディは、少し工夫したつもりだが、あとは遊んでしまい、
ジェフ・ベックとゲイリー・ムーアに、なりきったフレーズが満載で、
これをギターへの愛情と取ってくれるか、パクリと却下されるか、
評価が分かれるところ、いや、それ以前の問題と切捨てられるか。

Youtubeに続々とアップされる、応募音源を聴くと、出音が違い、
ギターの音が本当良い音で、機材や録音方法の違いもあるが、
大きい音で、クリアにピッキングして、早弾きも、一つ一つの音が、
きちんと出ているうえに、滑らかにつながる、テクの差がありあり。

各地のギター教室のHPでは、まるで大学受験の広告のように、
「入賞者○名」と宣伝されて、スクールでも力を入れているから、
とてつもない連中ばかりの狭き門、そういう自分も、若い頃には、
渋谷河合楽器で鍛えられたから、その名残で、多少は、ましかと。

当初、一次通過して、ギター弦がもらえれば、励みになるからと、
なめていたら、その一次も難しくて、それでも、こうしたイベントは、
練習のモチベーションに良いし、何より、自分の作るオケに比べ、
クオリティの高いバックで演奏するのは、弾いていて気持ちよい。

毎年恒例の、ギターマガジンのコンテストに、締め切り間際で、
何とか応募した音源、スローーバラード、「Rain Dog Blues」を、
クリエイティブ部門なので、ベック、ムーアになりきって弾ききり、
自分にとっての、「暑い夏」が、とりあえずは、一段落しました。








コーラスをバックに、ジョンのため息が、切なく響く「ガール」
「ラバーソウル」のレコーディングでは、作曲が間に合わなくて、
最終日ギリギリになり、ポールの「ユー・ウォント・シー・ミー」と、
ジョンの「ガール」を持ち込み演奏、何とかLPの曲数に達して、
1ヶ月に渡る作業が、やっと終了、「ガール」が最後の曲だった。

この曲は、ギター1本の弾き語りでも、成立するような曲だから、
中学時代、同級生のジョージ役と、二人きりのコピーバンドでも、
何とかなる数少ないレパートリーで、「ひき語りビートルズ」にも、
載っていたので、自分一人でも、弾き語りをしていた曲の一つ。

中学入学祝で、買ってもらった、リンガフォン英会話カセットは、
専用テープレコーダー、マイク付きヘッドフォンが、セットになり、
テープの模範の発音を聞きながら、自分の発音も録音できて、
比較して覚えていく方式で、今思えば、これこそマルチトラック。

ヘッドフォンで聞くとき、模範の発音と、自分の録音した声とは、
左右別々のチャンネルになっていたから、最初に録音した音に、
あとから片方のチャンネルへ、多重録音できるのだと気づいて、
弾き語りを録音し、そこへハモりや、リードギターをダビングした。

「ガール」は、3番で、ボーカルのバックに、リードギターが聴こえ、
エンディング前に、そのリードギターに、別のギターが重なって、
いわば、ツインリードのようになるので、ジョージ役と演奏したが、
自分でもリンガフォンを使って、左右のギターを重ねて、大満足。

ちなみに、このマルチトラックなら、二人きりのコピーバンドでも、
4声のボーカル、4本のギターを録音できるが、顔を突き合わせ、
二人してヘッドフォンをするよりは、1台のラジカセを大音量にし、
それに合わせて演奏しながら、もう1台で録音する方が良かった。

「ひき語りビートルズ」では、ツインリードの部分を、和音にして、
一人で弾けるよう、アレンジしてあるが、本来、片方は4分音符、
もう片方は8分音符なところ、どちらも、8分音符にしていたので、
「間違えているよ」と、得意になって、自分で直して、弾いていた。

出だしのコードは、Cmで、五線譜には、フラットが3個付くので、
「ひき語り~」では、3フレットにカポタストをつけて、Amで弾くし、
ジョンは、8フレにカポで、Emで弾いたとされるが、E♭の時に、
8カポでGコードを押さえると、1弦で鳴らす音が、高音すぎる。

カポなし、8フレのセーハで、Cmを押さえ、6フレットのE♭が、
正しい押さえ方に思うし、バンドスコアでも、そうなっているが、
自分は、もともとセーハが苦手だから、カポタスト案を採用して、
楽することにしたが、それでも、セーハの箇所はあり、難しい。

ジョージは、ギターのチューニングを、2音も低く下げたそうで、
そうすれば、Cmは、Emで弾けばよいから、フォームは楽だが、
弦がゆるくなって、逆に弾きにくそうだし、リードギターの音が、
12弦ギターのように聴こえるのも、弦がびびっているせいとか。

ポールが、「イエスタデイ」で、ギターのチューニングを1音下げ、
誰もが苦労する、セーハのFでなく、Gで弾いたのは、自分など、
かなりあとになって知って、驚いたのだが、「ガール」のCmまで、
2音下げていたとは、さらに驚きだし、本当にそうなのかは疑問。

そのギターのリズムは、シャッフル、3連のように、はねた感じで、
ベースは、基本的に1・3拍目に、ボン・ボンとルート音を弾いて、
ドラムも、シャッフルでなく、2・4拍目に、アクセントをつけていて、
どことなく、はねたノリを出しているが、どうもギターがずれていく。

ただでさえ苦手な裏ノリのリズムが、ゆったりと流れていく感じで、
自分のリズムギターが、どんどん走って、ドラムと合わなかったり、
ジョンの歌い方は、リズムから遅れ気味に、けだるくしているので、
自分で録音した仮歌を聴くと、逆にギターが遅れてしまったりする。

原曲では、ジョージのリズムギターは、ほとんど聴こえないのだが、
自分は、弦を下げないままに、ローポジションで、コードを鳴らして、
2・4拍目にアクセントを強くして録音し、そのギターを聴きながら、
今度は、ジョンのリズムギターを録音して、リズムを矯正している。

昨年末、歌なしで演奏した際には、リズムは気にならなかったが、
コーラスや歌をダビングすると、自分の伴奏を、じっくり聴くので、
それだけ粗が目立つのだろうし、そうやって、少しは上達するから、
再録音する場合も、伴奏から作り直すほうが、より良くなっていく。

ただ、伴奏をどれだけ本物に近づけたところで、一番の課題は歌、
こういう弾き語りに近い曲こそ、歌の上手い下手が大きく左右して、
特に、無伴奏の歌で始まると、自分で聴いても、頭を抱えてしまい、
発声練習したり、正しい音程を身につけないと、ダメ出しの嵐となる。

歌唱力以上に、ジョンの声に近づきたいのが、中学からの願いで、
ジョンはハスキーだから、すぐ声が枯れる自分は、似てこないかと、
期待しつつも、ジョンは、高い音程になっても、低音の響きが伴った、
独特の声色だから、これは、プロのコピーバンドでも、そうはいない。

歌の録音のとき、ジョンもよく使う、ダブルトラック方式で、2回録音し、
声に厚みをつけることで、歌唱力をカバーできないか、やってきたが、
原曲がダブルトラックでないときは、極力やめた方が、よい気もして、
歌い出しは重ねずに、「アー、ガール」からを、ダブルトラックにした。

「誰か、話を聞いてくれないか。」と、彼女との思い出を語る歌詞は、
3番で唐突に、抽象的な概念になり、「苦しみは喜びへとつながる、
と言われ、彼女は、理解できたのだろうか。人は懸命に働くことで、
休息を得られるなんて、彼が死ぬ時でも、信じるのか。」と、問うた。

自分は、単純に、何も考えていない女の子だと、言いたいのかなと、
とらえていたら、ビートルズ本には、艱難辛苦こそ天国への道という、
キリスト教の教えに、ジョンは懐疑的だったから、この歌詞となって、
数ヵ月後には、「キリストより有名だ。」の発言になる、と書いてある。

これまた、自分なんかは、歌詞の深読みを、しすぎではないのかと、
思っているが、ビートルズ本の研究者は、前後のジョンの発言とか、
解散後のインタビュー・回想録を調べ、結論づけているのだろうから、
哲学的な歌詞と同様に、宗教観を表現した歌詞も、あるのでしょう。

ただ、ジョンの回想となると、結論ありきの、後付が、けっこう多いし、
エンターティナー気質なのか、みんなが期待するように、発言したり、
例えば、この「ガール」にしても、まだ見ぬヨーコを歌っていたなどと、
言い出す始末で、こうなると、ジョン派の自分でも、あきれてしまう。

「ラバーソウル」の最終録音日、まさに、駆け込みで作った曲だが、
ジョンの名曲の上位にランクして、切ない歌声と、ため息が特徴的、
後半のリードギターは、ゆるい弦だ、12弦だ、さらにはシタールとも、
あいかわらず謎も多い、「ガール」を、こりずに、なりきっています。





映画も見ないまま、ボサノバの名曲として弾いている「黒いオルフェ」
興行収入が記録的とか、ブルーレイ発売とか、今でも話題の、
ディズニー映画の「アナと雪の女王」だが、映画館にも行かず、
ツタヤのレンタルもしていない自分は、主題歌を聴いていても、
内容は、ほとんど知らないという映画が、また増えていくことに。

テーマ曲「ありのままに」は、CMやバラエティで、やたら聴くが、
原題の「Let It Go」なんて、ビートルズ「 Let It Be」みたいだし、
ポールのソロの曲に、「Letting Go」もあれば、ブログ仲間には、
以前から、「ありのままの自分で」を、題名にしている人もいる。

ただ、邦題を「ありのままに」とつけたのは、アニメで歌う時の、
口の動きに合わせたと、メイキングの秘話も報じられているし、
ビートルズの邦題に比べれば、秀逸で、「Letting Go」なんかは、
「ワインカラーの少女」で、ディズニーと東芝のセンスの違いか。

映画を見たことがないまま、そのテーマ曲を聴いたり、弾くのは、
自分の場合、かなり多くて、ボサノバの名曲「黒いオルフェ」も、
渡辺香津美のジャズ教本、江部賢一のソロギターなどで弾くが、
ギリシャ神話がモチーフの映画は、一部さえ、見たことがない。

オルフェウスの伝説に基づくから、題名には、「オルフェ」だとか、
ストーリーは、現代版の「ロミオとジュリエット」だとか、断片的に、
映画の内容を、もれ聞いても、どんな伝説なのかも、知らないし、
何がロミオの現代版なのか、あらすじさえも、今もって、知らない。

曲自体を初めて知ったのは、渡辺香津美のジャズ教本だったか、
「ジェットストリーム」とかのラジオで、メロディくらい聴いていたか、
この歳になると、記憶もあいまいだが、演奏したのは、間違いなく、
香津美の「ジャズ・ギター・インプロヴィゼイション1」の、楽譜から。

「Ⅱm7~Ⅴ7」のコード進行の課題曲として、「黒いオルフェ」の、
映画タイトルで紹介されるが、「シャンソン・ド・オルフェ」の英文も、
併記されて、これは、「オルフェの唄」が邦題だろうし、楽譜により、
「カーニバルの朝」として載っているものあり、混乱しやすいところ。

映画音楽の場合、「禁じられた遊び」にしても、曲の題名としては、
「愛のロマンス」と書かれたり、楽譜やレコードにより、さまざまで、
メインテーマなのか、挿入歌なのかにより、映画題名を冠するか、
異なるだろうし、売り上げを考慮して、有名な方を使ったりもする。

実際の曲と離れて、こういう題名の違いや、編曲の違いだったりと、
周辺への興味も尽きず、三浦しおん「舟を編む」の、辞書編纂とは、
レベルが違うが、昔から、書誌学的なこと、カタログ作りが好きで、
小学生の頃、怪獣百科、妖怪百科を作ったのが、尾を引いている。

曲に戻ると、香津美の教本では、メロディーとコード進行を紹介し、
次にメロディを崩し、フェイクで弾く練習、大半の曲は、コードソロや、
オクターブ奏法にしていて、「黒いオルフェ」では、香津美の編曲で、
ジャズのテンションコードだらけの、見事なコードソロが載っている。

テンションコードは、ボサノバのバッキングギターでも、多用されて、
一般のコードに比べ、指がこんがらがるような、押さえ方なのだが、
わりとパターン化されているから、フォームは、数種類を覚えれば、
十分だろうし、トップの音をメロディにすると、ソロギターっぽくなる。

渋谷河合楽器のジャズギター教室で、ポピュラーソングの歌本で、
自分なりに、コードソロを組み立てる練習をした際に、この教本と、
香津美の「ジャズギター・コードワーク」も活用し、覚えていったが、
先生が、ジョー・パス並に、どんな曲も弾くのが、神業のようだった。

コードフォームのパターンを覚えれば、あとは、メロディに合わせて、
コード進行を思い浮かべつつ、トップノートが、メロディになるように、
コードをつなぐだけのことだ、ジョーパスだって、そんなにすごい事を、
やっているわけじゃないと、先生は笑っていたが、十分すごいと思う。

いまだに、自分でメロディーにコードをつけると、C、F、G7といった、
初歩のフォークギターみたいな、単純なコードしか思い浮かばないし、
無理やり、覚えているテンションコードで、メロディをつないでみても、
コード進行も何もないから、でたらめの和音が続くだけになっている。

悲しいかな、これは、ハーモニー感覚が、自分に欠如しているからで、
教会聖歌などで、幼い頃からハモリに親しんできた、外国の人と違い、
お経や民謡の単旋律で育って、特に音楽教育も受けていないからと、
言い訳しているが、友人には得意な人もいるから、才能の違いかも。

映画「黒いオルフェ」のテーマ曲で、ボサノバの名曲というか代表曲、
「オルフェの唄」や「カーニバルの朝」の題名でも知られる、この曲を、
渡辺香津美のジャズ教本より、「イパネマの娘」同様、アドリブソロも、
香津美が教本用に編曲したソロのままに、楽譜に沿って弾きました。








動画が、何度アップロードしても、マイチャンネルに反映されなくて、
更新が途絶えるところでしたが、Windwsムービーメーカーでなく、
Youtubeのサイトから、アップロードをクリックしたら、すぐ反映し、
いったい、何が原因なのか、わからないままに、試行錯誤中です。

再生すると、静止画が表示されますが、マイチャンネルのリストも、
ブログの画面でも、最初は、画像がエラー表示になっています。


着ぐるみスタイルでも演奏した、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」
ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」の、上映会を、
渋谷の西武デパートでやると、高校の友人から誘われて、
観に行ったが、教室の半分もない、会議室のような部屋に、
椅子を並べた感じで、ミニシアターというわけでもなかった。

パンフもグッズも置いてなければ、ポスターの掲示もなくて、
ほとんど解説のないまま、映画が始まると、字幕はないし、
どういった催しなのか、名画座でも観る機会がない作品を、
海外から取り寄せては、時々、こうして上映していたのか。

あるいは、渋谷の東急本店が、ビートルズ・フェアを開催し、
生バンド演奏や、フィルム上映に、グッズ販売と、大々的に、
やっていたから、少しは、ビートルズのことでも、やろうかと、
あえてマニア向けの内容を、狙いでもしたのか、今も不明。

ただでさえ、何をやっているか、わからないと、酷評されて、
ビートルズ初の失敗作と言われた映画を、字幕もなしでは、
さらに理解不能で、曲が流れる場面では、すごく楽しめたが、
あとは、LPの写真で知っていた場面さえ、記憶に残らない。

そんな中、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」は、映画の曲の中で、
唯一、楽器を持って演奏する曲で、サイケデリック調なのか、
ペイントしたギター、ベースに、衣装も格好良いし、もともと、
LPのブックレットに、見開き写真で載って、憧れたスタイル。

途中で、4人が、LPジャケットにある、着ぐるみ姿になったり、
警官が踊ったり、歌詞に出てくるエッグマンを表現したのか、
白い帽子を被り、白い布にくるまって、行進する人々が現れ、
はっきり言って、何だか、よくわからない映像が、続いていく。

こうしたことも含めて、当時は批判されたが、MTV全盛時に、
一転して、これこそMTVの元祖だと、絶賛されるようになり、
よくあるPVの、ストーリーがありそうで、ないような映像とか、
近未来だの、中世だの、わけのわからない設定の、走りかと。

ビートルズは時代の先を行っていた、なんと偉大なのだろう、
などと言うつもりは、実は、自分にはなく、DVDで見返しても、
やはり、映画全体は、わけのわからない、冗談めいた芝居で、
これがMTVらしさと思いつつ、普通に演奏すれば良い気も。

それでも、個々の音楽の場面は、曲の力もあり、素晴らしくて、
「ウォルラス」は、本当、4人揃い演奏する姿が、格好良くって、
アリスを始め、マザーグースなどの、英国のナンセンス文学の、
言葉遊びの詩の世界を、うまく表現して、これで良いのかなと。

ディズニーのアニメにも出てくる、「鏡の国のアリス」の一場面、
「セイウチと大工」が、題名の由来で、マザーグースに歌われ、
「鏡の国~」にも登場する、卵の姿のハンプティ・ダンプティが、
エッグマンとして現れ、アリスの影響は、ジョンの歌詞に大きい。

イントロは、ウーリッツァーのエレピなのだが、ギターシンセは、
フェンダー・ローズ系の、金属的なクリック音しか入ってなくて、
なるべく柔らかい音を選び、通常は6回フレーズを弾くところ、
バンドスコアは4回で、映画も4回だったから、そうしておいた。

ピアノが弾く中、リンゴのドラムが、フィルインで入ってくるのが、
すごく格好良いし、他の曲でも、ドラムが特徴的な曲は多くて、
リンゴは欠かせない存在、さらに、かぶってくるオーケストラも、
見事なアレンジで、ジョージ・マーティンの貢献も、かなり大きい。

まったく、曲の感じも、メロディも、バンドの形態さえ違うのだが、
スキマスイッチ「奏」を聴いたとき、繰り返すピアノのフレーズ、
淡々とリズムを叩き続けるくドラム、かぶってくるストリングスと、
イントロが、すごくビートルズ的で、ウォルラスみたいだと思った。

オーケストラが入ればビートルズ、コーラスの「ウーランラン」は、
ビートルズ、ベースがメロディアスならビートルズ、という具合に、
何でもかんでも、結びつける悪い癖があり、我田引水すぎるが、
それだけ、自分にとっては、音楽の原点になっているのが事実。

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」では、「山の上から、ダライ・ラマが、
語るような声にして」と言ったのに続き、「ウォルラス」に際しては、
「月から聴こえるような声」と要望して、エンジニアは悩んだ末に、
安いマイクで歪ませたそうで、そんなので、ジョンは満足なのか。

初期ビートルズでは、ジョンの歌声が、曲以上に、魅力的なのに、
ジョンは、その自分の声が嫌いらしく、やがて、変な風に歌ったり、
機械的に加工していくのだが、ジョンに憧れ、何とかジョンの声に、
近づけないかと思う自分には、まったく理解のできない暴挙なみ。

一応、ジョンに倣って、マイクのイコライジングで、音を歪ませて、
低音、高音をカットして、ラジオから流れるみたいな音にしたが、
もともとがジョンの声でないから、単にこもっただけの音になって、
それならばと、普通に録音したら、曲の雰囲気が出ず、悩む所。

ラジオというと、後半に流れる台詞は、録音中にラジオをつけて、
たまたま放送していた、リア王の音声を、そのままレコーディング、
さらに、チューナーを回し、キュイキュインと雑音も出したそうで、
本当に、いろいろ試しているんだと、あきれるやら感心するやら。

歌が終わっても、1分近く、コーラスだの、効果音が繰り返されて、
「Got One Got One~」「Oompha Oompha~」と別の歌詞を、
いっせいに、コーラス隊が歌い続けたり、リア王の台詞は流れるし、
ストリングスは、どんどん音程を上げるという、前衛的な終わり方。

「全曲バイブル」には、リア王は、第4幕第6場の台詞と書かれて、
どうせだから、図書館で、英語版の「リア王」を借りてきたのだが、
高校のリーダーで使うような抄訳で、肝心の台詞は見当たらなく、
ネットで見つけた台詞を、それっぽく呟いたが、発音はでたらめ。

ラジオのチューニングの雑音も入れようとしたが、CDラジカセや、
携帯ラジオはデジタル式なので、ダイヤルを回すのはできなくて、
古いウォークマンのラジオで試しても、シャーシャー鳴るだけで、
キューンとはならないので、口真似するのも何だし、やめておく。

ジョージのギターは、バンドスコアでは、いつもの省略で載らず、
CDでも、ほとんど音は聴こえないので、映画の場面を見ながら、
コードフォームや、カッティングのパターンを確認して、弾いたが、
アンソロジーでは、よく聴こえると知り、音を確認し、演奏し直す。

オーケストラやコーラスをダビングする前の、テイク16を聴くと、
ジョージは、ロックのリフっぽく、コードを弾いているのが、わかり、
YouTubeでは、歌入れ前のテイク7~9の、リズムトラックが聴け、
これだけ弾いても、完成テイクでは、音がしぼられてしまうのか。

ポールは、最初は、ベースを弾かず、タンバリンを叩いたそうで、
リボルバーあたりから、メロディアス・ベースとやらで、自分だけ、
後からベースを、好きにダビングするようになり、ジョージなどは、
工場の分業みたいで、バンドの一体感がないと、ぼやいたらしい。

そんなやりとりが、尾をひいて、ゲットバック・セッションにいたると、
「じゃあ、一緒に演奏するから、僕がピアノやギターを弾く曲では、
代りにベースを弾いてくれよ、こっちの指示するフレーズどおり。」
みたいになっていき、映画での口論になったかと、想像してしまう。

ジョン派の自分は、何かと、ポールを批判するみたいな言い方を、
してしまって反省するが、後期ビートルズは、ジョンからポールへ、
主導権が移ると、音楽的には、飛躍していった反面、人間関係は、
だんだん悪化して、これは、ジョンにも責任があると、思ってしまう。

ビートルズの映画、MTVの元祖「マジカル・ミステリー・ツアー」で、
着ぐるみでの演奏が印象的な曲、オーケストラやコーラスも参加し、
SE・サウンドエフェクトも駆使した大作で、ジョンの傑作と呼べる、
「アイ・アム・ザ・ウォルラス」を、懲りずに、なりきって歌っています。





ギタマガコンテストのもう一つの課題曲、「レイン・ドッグ・ブルース」
ギターマガジンの課題曲は、変拍子のプログレ系の曲に加え、
8分の6拍子の、スローブルースの曲もあって、コード進行が、
単なるマイナーブルースかと思いきや、半音進行、クリシェや、
♭5thの代理コードや、転調など、かなり凝っていて、面白い。

「レイン・ドッグ・ブルース」という題名は、どしゃ降りを意味する、
「dog and cat」を連想して、ずぶ濡れの犬のことかと思ったら、
雨が降って、匂いが消えてしまい、帰り道の判らない犬のこと、
転じて、帰れそうにない男の哀愁を込めたと、コメントしてある。

インスト曲のタイトルは、歌詞がある曲に比べて、漠然としたり、
無理やりつけたような曲も多いのだが、こんな作曲者の思いを、
知って聴くと、また違った印象もあり、タイトル一つをめぐっても、
歌詞のあるなしに限らず、考える人は考えるんだなあと感じた。

課題曲の2曲を作曲し、ギターの模範演奏もした、AKIHIDEは、
DAIGO率いるブレイカーズのギタリストだが、全然知らなくって、
だいたい、この数年の課題曲を提供した、増崎孝司、菰口雄矢、
飯塚昌明らも、演奏どころか、名前さえ知らない人ばかりだった。

いかに自分が、今のギターシーンから、遠ざかっているか実感、
ほとんど新譜も買わないし、ギターマガジンも年に一回買うだけ、
必然的に、演奏するギターも、時流とは、かけ離れたものとなり、
第一次審査の編集部員にも、最初の数小節で、アウトとされる。

まあ、時流に関係なく、上手い人は、音出し一発でわかるから、
今風(?)のギターを弾いたところで、駄目なものは駄目だろうし、
自分は自分のスタイルでしか演奏できないが、70~80年代が、
何でも良かったみたいな、年寄りになってきているのは、反省点。

ただ、この「レイン・ドッグ・ブルース」の、模範演奏を聴いていて、
思い浮かんだのは、ツェッペリンの「貴方を愛し続けて」だったり、
フォーカスの「フォーカスⅢ」だし、テレビの「太陽にほえろ」でも、
こんな曲が流れていたよなあと、ますます、回顧趣味になった。

ブルースではないが、スローな曲での、泣きのギターといったら、
ジェフ・ベックの「哀しみの恋人たち」が、今でも金字塔だろうし、
それを、ジェフは、「ロイ・ブキャナンに捧ぐ」とクレジットしていて、
ブキャナンの「メシアが再び」も、昔から、泣きのギターの定番曲。

フィギアの羽生がSPで使い、有名になった、「パリの散歩道」は、
ゲイリー・ムーアの曲で、そのゲイリーは、「メシア~」をカバーし、
ドラマーのコージー・パウエルの、ソロ・アルバムに収録された、
「ザ・ローナー」もカバーして、この曲なんか、ジェフを思わせる曲。

こうして、数珠つながりに思い出すのも、70年代の曲ばっかりで、
そんな、自分の中学・高校時代が、輝いていたわけでもないのに、
10代で聴いた曲は、自分の嗜好を決定づけたろうし、そのことは、
音楽に限らず、文学だったり、物事の思考も、形成したのだと思う。

などと、だんだん、崇高(?)な話になるが、今の自分のギターは、
アドリブで弾こうとすると、70年代の曲のフレーズばかりになるし、
音色にしても、一時期のフュージョンに凝っていた頃を除いたら、
ディストーションにディレイと、単純なエフェクターで、かまわない。

応募の締切は、8月11日の消印有効、あと10日程度しかないが、
「レイン・ドッグ・ブルース」にしぼって、アドリブを練っているところ、
まずは、いつものように、譜面どおりに演奏しましたが、これまた、
いつもながら、ビブラートが貧弱で、アドリブするにも、ネックです。








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