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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
アンプラグドの元祖、ポールが歌う「アンド・アイ・ラヴ・ハー」
引き続いて、映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の中の曲から、
カメラテストらしき場面で演奏されるのが、ポールの曲、
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」で、調整室のモニター画像や、
カメラや照明も写った全景など、ドキュメンタリーっぽい。

ジョンはフォークギターを弾き、ジョージはガットギター、
ポールはいつものヴァイオリンベースだが、この機種は、
中空ボディをしていて、アコースティックな響きがするし、
リンゴはコンガを叩いて、さながら、アンプラグドの元祖。

もちろん、フォークのグループや、ボサノバ、フラメンコと、
アコースティック楽器によるバンド演奏は、昔からあるが、
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」は、最初はエレキでやっていて、
最終的に、この形になったと、まさにアンプラグドの編曲。

まあ、音楽、ファッション、カルチャーと、何でもかんでも、
ビートルズが元祖だと、まるで、ビートルズ大明神ごとく、
拝めたてるつもりはないが、中学時代の自分にとっては、
すべてビートルズから始まったと言っても、過言ではない。

映画に戻ると、好き勝手にふるまって、じっとしていない、
そんな4人に、外出禁止と、マネージャーが言うそばから、
非常口を飛び出し、グラウンドに入り込み、はしゃぎ回る、
テレビ局側は、リハーサルに来ないと、気をもんでばかり。

もめ事好きな、ポールの祖父が、あることないこと言って、
ディレクターの雰囲気も悪いから、とうとう、しびれを切らし、
「すぐ、来ますよ」と言うADに、ディレクターは八つ当たり、
「30秒以内に来なければ、タダじゃすまんぞ」と、険悪に。

そこへ、何事もなかったよう、ゆっくり入ってくるビートルズ、
「ボケっとして、暇そうだなあ」と、空気を読まないジョンに、
「若いもんとは、つきあいきれんよ」と、あきらめた様子で、
調整室へ戻るディレクターに、かまわず茶々を入れる4人。

そのディレクターが調整室で、「3カメさん、3カメさーん」と、
何度も呼びかけてて、「Three,coming to you」らしいが、
「スリー・カメキュー、スリー・カメキュー」のように聴こえて、
中学時代の自分は、妙にうけて、やたらと口真似していた。
 
このディレクターを演じた俳優は、次の映画「ヘルプ」には、
科学者の役で出たり、「マジカル・ミステリー・ツアー」でも、
軍曹役で出演と、かなりビートルズと縁の深い人なのだが、
他にどんな映画に出たとか、今検索しても、情報は少ない。

そして、「アンド・アイ・ラヴ・ハー」の演奏が、やっと始まり、
センターの白い台に立ち、歌うポールに、片足を台にかけ、
ガットギターを弾くジョージ、右奥に座り、フォークギターで、
リズムを刻むジョン、最後部には、コンガを叩くリンゴの姿。

モノクロ映画だけに、そのシルエットがすごく絵になってて、
そもそもビートルズは、ポールが左利きなので、並んだ時、
ベースギターのネックと、ジョンらの弾く、ギターのネックが、
左右対称に伸びることになって、それだけでも、さまになる。

巨匠セゴビアも愛用した、ホセ・ラミレス製のガットギターを、
ジョージがピックで弾いているが、クリアな音色は美しいし、
映像でも、右手のピッキングフォームは、すごくきれいな形、
ジョージはギターが下手と、今も根強い悪口は否定したい。

さらに、ビートルズは演奏が下手だと、言う輩が多いそうで、
ビートルズ本では、そうではないと、さかんに反論していて、
それも、どうかと思うが、基本、彼らはボーカルグループで、
そのうえ、作詞作曲、演奏までこなすのだから、十分だろう。

ジョンが、淡々とリズムギターと弾く姿は、自らが歌うよりも、
伴奏に回った時に聴かせる、アクセントのあるストロークの、
手首のスナップや、ひじの振り上げ方が、すごく良くわかり、
コピーバンドのジョンを目指した自分は、必死で練習した。

そのジョン役(?)の自分が、ポールの曲を歌うというのは、
おかしな気もするが、最近のポールは、ジョンの曲も歌い、
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で、ジョンのパートだけではなく、
「平和を我らに」までメドレーしてるから、逆もありでしょう。

この曲のカバーをYoutubeで聴くと、情感たっぷりに歌う、
歌唱力の見事な人が多いが、フランク・シナトラなどと違い、
ポールは、他のバラードでも、わりと淡々と歌うことが多く、
自分の棒読みみたいな歌い方でも、勘弁いただけるかと。

実は、この曲は、中学校の謝恩会で、演奏する予定でいて、
果たせなかったという因縁の曲で、ようやくのリベンジだと、
当時を懐かしく思い出すが、アンコール曲に用意したのに、
進行が押していて、3曲目で幕を閉められた、悲しい過去。

映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の、リハーサル場面での演奏、
アンプラグドの元祖と呼べる、「アンド・アイ・ラヴ・ハー」を、
ジョンのリズムギターや、ジョージのリードを再現しながら、
NGと避けてきた歌なのに、ポールの曲までも歌いました。



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初級向けの小品、ヘンツェ「ノクターン」とメルツ「ロマンス」
以前に演奏した、コストの「舟唄」、「かなしみ」といった、
クラシックギターの小品は、ほとんどの入門書・曲集に、
載っていて、ギターを弾いている人には、おなじみだが、
おそらく、一般の人だと、ほとんど聴いたことがない曲。

そもそも、「禁じられた遊び」や、「アランブラの思い出」、
「アランフェス協奏曲」以外の、クラシックギターの曲を、
知っている人が、どれだけいるのか、この3曲にしたって、
今日では、まったく知らないという若者らも、多いのでは。

クラシックギターのファンの、底辺を何とか拡大しようと、
村治佳織らは、あえてテレビや雑誌への出演を増やし、
特にCMの活躍は、「サンバースト」の曲などを広めたが、
それでさえ、一部のギターファンだけの話かもしれない。

ただ、それはギターに限ったことでなく、ピアノも同様で、
例えば、「バイエル」と言えば、一般的に、言葉としては、
入門、初級者向というイメージが、すぐに浮かぶのだが、
その曲を聴いた人となると、ピアノを弾く人に限られる。

レッスンの王道でもある、ブルグミュラー、ツェルニーの、
練習曲にしても、知っている人は少なく、ましてテレビや、
ラジオで流れることは珍しく、実際に演奏する人にとって、
必須であり、発表会の定番曲であっても、知名度は低い。

これは、お茶の間>クラシックファン>器楽曲のファン>
実際にその楽器を弾く人、という公式が成立するわけで、
時々、自分は、あまりに独りよがりな演奏と、記事ばかり、
自己満足の世界と反省するが、開き直って、今回も演奏。

何度も、自分のクラシックギターの原点だと、書いている、
NHK「ギターをひこう」で、荘村清志が講師だった74年、
その前期のテキストは、カルカッシやソルの練習曲を始め、
最終ページの「アランブラ」まで、35曲も載る充実の一冊。

その初級編、カルカッシの25の練習曲より前に弾く曲で、
メルツ「ロマンス」、ヘンツェ「ノクターン」の2曲は、簡単で、
それでいて、メロディも美しく、それなりに聴かせる内容で、
昔から、気に入って弾いていたし、珍しく暗譜もできた曲。

この2曲は、渋谷河合楽器のジャズギター教室でも使った、
鈴木巌「演奏家を志す人のためのクラシック・ギター教本」、
第2巻にも載り、小原安正らの教本類、「ギター名曲170」
「ギター・ベーシック・レパートリー」の曲集など、定番の曲。

ただ、ヘンツェやメルツの他の曲は、ほとんど知らないうえ、
どっちが、どっちの曲だか、セットになり、ごっちゃになるし、
ヘルツって周波数かと、作曲者の名前さえ、混乱してきて、
マニアを自負しようにも、けっこう、いい加減だったりする。

こうした簡単な曲は、入門者、初心者でも、すぐに弾けて、
ちょっとしたレパートリーになり、ギターに親しめるのだが、
中級者になると、馬鹿にして、弾かなくなったり、その逆に、
こんな簡単な曲で、単純ミスはできないと、敬遠したりする。

自分のクラシックギターレベルは、初級から中級の間だと、
やや自分に甘く採点していて、それだけに、こうした曲は、
弦が雑に鳴ったり、爪の当たる音を、出してはいけないと、
かなり気を使って、2分の曲の録音に、延べ5時間かかる。

それでも、まだまだミストーンも多く、いつも書いているが、
クラシックギターの技術レベルの奥深さ、難しさを実感して、
簡単な曲で、ミスをなくす、美しい音を探す、単純な中にも、
曲想に添う表現を身につけると、やるべき課題は多すぎる。

自分のテンポ設定は、1拍を120に取る癖が、昔からあり、
「ノクターン」は、ゆっくりと弾いていたのだが、鈴木教本の、
メトロノーム指定は、126~160で、実際は早い曲らしく、
その160と、自分なりのテンポと、両方を弾き比べてみる。

荘村清志、鈴木巌の教本で、昔から弾いていた初級の曲、
ヘンツェの「ノクターン」を、早めのワルツのようなテンポと、
自分なりのテンポの2種類、さらに、メルツの「ロマンス」と、
初級向けの短すぎる曲なので、立て続けにアップしました。
















ジョンがリンゴに語りかけるように歌う、「恋に落ちたら」
ビートルズの初主演映画の、「ア・ハード・デイズ・ナイト」
(邦題:ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)には、
リハーサルや、テレビの公開放送など、演奏シーンが多く、
物語とは切り離しても、さながら、PVのように、楽しめる。

タイトル曲の流れる中、追い回すファンから、走って逃げ、
列車に乗り込むオープニングに続き、貨物車両へ移動し、
積み込んである楽器で演奏する、すごく無理のない設定、
ダンスホールでのBGMが、彼らの曲なのも、妥当な感じ。

何より、印象的なのが、翌日のテレビ局での、リハーサル、
ドラムのセッティング中に、ふてくされてしまったリンゴに、
機嫌を直せよ、とばかり、歌いかけるジョンの場面であり、
何度見返しても、この曲の始まる流れは、感心してしまう。

大道具・小道具の人たちが、舞台狭しと、セットを並べて、
カメラクルーも、機材を準備、あれこれ動き回っている中、
よし、こっちも音出しをしとこうよと、客席から舞台へ移り、
スタッフに混じり、楽器のセッティングを始めるビートルズ。

床に落としたドラムスティックを、ADが拾ってくれたものの、
いたずら半分、シンバルを叩かれ、大事な楽器に触るなと、
怒るリンゴを見て、「ドラムは、あいつの恋人なんだよ」と、
ジョージは、困惑しているADに、とりなすように声をかける。

ポールは、きょとんとして、「どうしたの」とジョージに尋ねて、
「だいぶ、おかんむりらしいや」、すると、雰囲気を察したか、
ジョンはギターを抱えるや、「ハハ、まあ見てろって」と言い、
リンゴに向かって、「恋におちたら」のイントロを歌い始める。

ほっといてくれよ、という仕草で、ドラムをセットするリンゴに、
ジョンは追い回すように歌い続け、ジョージが伴奏を加えて、
ポールもドラムを囲むように立つと、リンゴも気を取り直して、
ドラムを叩き始めて、ジョンとポールのハーモニーへと移る。

もともと、ドラムが後から加わる曲で、脚本家がひらめいて、
こうした設定にしたのか、あるいは、シナリオが先行していて、
それに合わせ、ギターのみで始まる曲を、ジョンが書いたか、
どちらか不明だが、とにかく、見事すぎると、本当感動もの。

いかにも、4人だけの練習という感じで、局のスタッフたちは、
演奏には、おかまいなしと、脇を通って、機材を運び続けて、
置いてくれたアンプに、寄りかかったジョージが、こけたり、
演奏後、ジョンとポールがドラムに注文しつつ、ふざけたり。

この場面は、Youtubeで、日本語吹き替え版も見られるので、
自分が中学の頃、土曜の午後あたりに、放送していたとおり、
広川太一郎のジョンに、高橋元太郎のポール、堀勝之祐が、
ジョージで、鈴木やすしがリンゴの、懐かしい声優が聞ける。

広川太一郎の吹き替えは、二枚目でいて、おどけた面を持つ、
この映画でのジョンの役回りに、ぴったりすぎるくらい見事で、
自分にとってのジョン、とぼけて、皮肉屋の、やや自分勝手で、
気まぐれで、愛すべきジョンを、イメージづけた一因でもある。

ついでに書いておくと、「愛と平和の使者」といったイメージは、
ヨーコが作り上げて、世間一般に広まっていったような気がし、
もちろん、革命だの、愛だの、平和だの歌ったジョンであるが、
ナイーブで傷つきやすく、道化と皮肉をまとった人と思ってる。

「恋におちたら」の場面は、昔、アルフィーがコントにしていて、
その番組が、サザンの桑田の「メリー・クリスマス・ショー」だか、
タモリの「今夜は最高」あたりだったか、記憶が曖昧なのだが、
内容だけは、鮮明に覚えて、ビートルズ関連だと、印象に残る。

本来ベースの桜井だが、リンゴの役で、ドラムをセットしていて、
坂崎が、ジョンよろしく、ギターを弾きながら、歌いかけていくと、
ドラムが入る直前、弁当が届いて、坂崎も高見沢も演奏を中断、
いなくなり、残った桜井は、スティックを空振りし、床に倒れこむ。

まるで、クレイジー・キャッツばりの爆笑コントに、大受けしたし、
モンティ・パイソンが、架空のバンド、ラトルズのドキュメントで、
パロディにしたときも、ビートルズの冒涜だと、憤慨することなく、
よくやってくれたと、手放しで喜ぶ自分は、ファンとして、どうか。

ビートルズの映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の、印象的なシーン、
ジョンがリンゴに語りかけるように、歌い始めて、2人が加わり、
待ちかねたよう、ドラムが入ってくるという、見事すぎる展開が、
大好きな、「恋におちたら」を、ジョンになりきって、歌いました。





初級でも弾けそうな、A・ヨーク「ウェイティング・フォー・ドーン」
クラシックギタリストと呼んで良いのだろう、作曲もする、
アンドリュー・ヨークは、村治佳織らも演奏した代表曲、
「サンバースト」で有名となったが、この曲は、1・6弦を、
Dに下げる変則チューニングで、難易度も、かなり高い。

リガード奏法、ハンマリングとプリングを繰り返しながら、
開放弦を鳴らす部分は、まるでギター2本で弾くような、
見事な編曲で、それゆえ、曲の難易度を上げているし、
ヨークの作曲というと、この奏法が、特徴の一つである。

当時17歳の、木村大に献呈された曲、「ムーンタン」は、
変則チューニングに加え、特殊奏法のパイオニアだった、
マイケル・ヘッジスばりの、右手のタッピング奏法もあり、
技巧派の木村でさえ、半べそで、練習したと語っていた。

その一方で、初級から中級レベルでも、十分演奏できる、
小品、佳曲もあって、簡単なのは、つまらない曲ばかりと、
弾けもしないくせに、カルカッシなど、なめていた自分が、
ヨークの曲は、単純なのに、聴かせる曲ばかりと、感動。

村治佳織のCDで気に入り、「サンバースト」が弾きたいと、
楽譜を探した頃、輸入ピースしかなく、しかも売り切れで、
やがて、「クラシックギターのしらべ」に載っていると知り、
購入すると、シリーズの2、3巻にも、ヨークの曲が載る。

2巻の「フェア」は、「サンバースト」と同様の難易度Cだが、
3巻の「アンデシー」は、難易度Aとあり、初級者レベルで、
フォークのスリー・フィンガー奏法を、思わせるメロディで、
パターンさえ覚えれば、何とか弾けるような曲になってる。

この「アンデシー」は、先のマイケル・ヘッジズも所属した、
ウィンダム・ヒルが、88年に出した、若手の紹介アルバム、
「ギター・サンプラー」に収録され、簡単なようでいながら、
名刺代わりの1曲にもなるという、優れた楽曲と言えそう。

月刊「現代ギター」を年間購読し、クラシックに夢中だった、
2004年春、「ムーンタン」の楽譜を、現代ギター本社まで、
探しに行った帰り、ついでに寄った近所の楽器屋さんには、
出たばかりの、ヨークのCD付楽譜があり、当然に買った。

この付録CDで、初めて、作曲したヨーク本人が演奏する、
「サンバースト」を聴けたし、3枚のアルバムから選ばれた、
13曲は、どれも、ニュー・エイジ・ミュージックと呼べそうな、
音の響きもメロディも、明らかに古典の曲とは違う雰囲気。

いつものことだが、弾けそうなところだけ、全曲にあたって、
最初の1コーラスが弾けると、もう、それだけで大満足して、
逆に、難しい部分があると、平気でとばして、練習はせずに、
1冊が完了、あとは気が向けば、出してパラパラ見る程度。

たいていの楽譜は、こんな感じで、どんどん「積ん読」状態、
「クラシックギターのしらべ」も同様だから、このブログにより、
強制的に曲をアップすることで、古い楽譜を出すことになり、
活用できてくるし、さぼりがちな練習も、何とか継続できる。

リットー「アンドリュー・ヨーク/ベスト」には、難易度表示が、
特についていないが、「ウェイティング・フォー・ドーン」が、
ほとんど16分音符が出てこない、ゆっくりした曲で、和音も、
複雑でなく、13曲のうち、初見でも、そこそこ弾けそうな曲。

ところが、少ない和音の響きを、大切にするから、弾く際に、
左指を、かなり立てて、隣合った弦に、触れないようにして、
音を伸ばす必要があり、ジャズギターのリズムを刻む際に、
指を寝かせ、消音する癖がついた自分には、かなり厳しい。 

カルカッシ練習曲でも同様で、初級だと馬鹿にしていても、
自分のクラシックギターのレベルは、そこにも達してなくて、
クラシックの深遠さを思い知るわけで、基礎練習を繰り返し、
テクニック、レベルの底上げを、何とか図らないといけない。

「サンバースト」で世に知られた、アンドリュー・ヨークの曲で、
現代風というか、ドビュッシーやラヴェルの印象派の雰囲気、
ジャズの響きさえ、感じさせながら、初級レベルでも弾ける、
「ウェイティング・フォー・ドーン」を、かなり苦労し弾いてます。





ジョンの吹くハーモニカに憧れた、ビートルズ「恋する二人」
映画、「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」は、
当然ながら、ビートルズの演奏シーンが多く、今で言う、
PVの元祖のようだが、ミュージカルにありがちな、突然、
セリフに音程がついて、歌い出すなんて場面などはない。

テレビのリハーサルだったり、公開放送のステージとか、
ごく自然な感じだし、よくある、映画のワンシーンにだけ、
ゲスト出演して、演奏するのでもなく、堂々たる主演作、
ビートルズの日常を追う作り方が、すごく成功している。

冒頭、タイトル曲が流れる中、追い回すファンから逃げ、
列車に乗り込んだビートルズは、ポールの祖父と出会い、
同席した紳士とトラブったり、女子高生をからかったりと、
あれこれやったあげく、楽器を積んだ貨物車両へ移動。

騒ぎを起こしている、ポールの祖父を、とじこめたものの、
コイン・トスで、無罪放免、いや、それならトランプ勝負と、
柵の中に4人が入ると、「恋する二人」がBGMで流れて、
やげて、積んでおいたギターを手に、演奏の場面となる。

ジョンはハーモニカを手にし、ギターは弾かないのだが、
アコギの音は鳴っているし、ハーモニカの音が続くのに、
歌ってもいるから、口パクなのは、わかりきっているが、
そのハーモニカを抱えている姿に、すごく自分は憧れた。

この曲は、最後のライブ場面でも演奏され、そのときも、
ジョンは、肩から下げた、リッケンバッカーは弾かなくて、
歌っている間、ギターにひじを乗せ、ハーモニカを抱え、
その立ち姿が、何とも格好良くって、自分もやりたくなる。

もちろん、こう思ったのは、もう何度も観に行ってからで、
中2の夏のときは、4人の誰が誰かも知らないわけで、
ビートルズの曲を、ギターで弾くようになって、そのうえ、
自分がジョンの役なんだと、思い込みが激しくなってから。

その頃、すりきれるまで読んだ、「ビートルズ事典」には、
ジョンのハーモニカは、ドイツのホーナー社製と書かれ、
マリンバンドという、ブルースハープと、クロマチックとを、
使い分けているとあったが、当然、高くて手は届かない。

しかも、ブルースハープは、曲のキーに合わせて必要で、
国産でも、そう何種類も買えないから、クロマチックの方、
レバー式で半音階が出せる、トンボ製品を、母にねだり、
東横のレコード売り場に、置いてあるのを、買ってもらう。

70年代は、東急本店や東横店の、レコード売り場にも、
ギターなどの楽器が並んでいたし、楽譜も置いてあって、
中学生の頃は、御茶ノ水の楽器街どころか、渋谷にある、
ヤマハ、黒澤楽器さえ敬遠し、デパートで物色していた。

そのハーモニカは、数年前、古いヨックモックの缶箱から、
音叉やピック、カポタストなどと一緒に、出てきたのだが、
錆がひどく、中に埃もこびりついて、こんなのを吹いたら、
何の病気になるか、わかったもんじゃないと、捨ててしまう。

ハーモニカを吹くことなど、今後二度とないだろうし、もし、
使う機会があれば、新品を買えば良いくらいに思ったが、
今回、手に入れようとしたら、国産でも、1万円近くもして、
さすがに、ハーモニカに、そこまでの出費する気などない。

ギターシンセで、ハーモニカの音を出すも、ジョンがやる、
手で穴をふさぐ、ハンド・ビブラート奏法の音は出せずに、
ミキシングの際、シンセ音のボリュームを上げ下げしたが、
ピアニカみたいな感じで、いずれ、ハーモニカは必要か。

ところで、その柵の中で、ハーモニカを演奏する場面には、
後にジョージと結婚して、エリック・クラプトンは横恋慕し、
「レイラ」を作曲したという、因縁の女性、パティ・ボイドが、
女子高生役で出ていて、ちゃっかり柵の中に入っている。

ただ、パティ本人の顔を良く知らないので、柵の中でなく、
通路にいて、リンゴの髪を引っ張る娘だという説もあって、
どちらにしても、今ならば、ツイッターで叩かれるだろうし、
当時も、ファンからの羨望と妬みは、すごかったのでは。

ビートルズの初主演映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の挿入歌、
「恋する二人」を、柵の中の演奏場面や、最後のライブで、
ジョージが、おどけてステップを踏む場面だの、何よりも、
ジョンのハーモニカのポーズを浮かべ、演奏、歌いました。









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