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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ビートルズ熱、未だ冷めやらず、「サムシング」と「ガール」を
ポールのライブへ行ってもいないのに、ブログ仲間の、
刺激を受け、何十年ぶりの、ビートルズに興奮の日々、
いただいたコメントで、触れた程度の曲名にも、反応し、
「ガール」「サムシング」も名曲だと、早々に練習する。

「ガール」を最初に聴いたのは、「ラバー・ソウル」だか、
「赤盤」だったかは、覚えてなくて、もう解散後とはいえ、
LPを発売順に、聴いたりはしなかったし、曲順にしても、
当時は、片っ端からラジオで録音して、バラバラだった。

サビにある、特徴的なブレス音を、息を吸っているのか、
吐いているのか、さらに鼻息なのか、口呼吸なのかと、
友人たちと、ワイワイ話したり、後半のギターの部分を、
これはツインリードだと、真似しては、盛り上がっていた。

中1の時のガットギターに加え、中3の春にはエレキを、
夏にはフォークギターを、父の配達を少しだけ手伝って、
二光通販の恵比寿店で、買ってもらい、バンドスコアや、
「ひき語りビートルズ」で練習して、次第に、うぬぼれる。

そんな頃、文化祭のステージで、バンド演奏する連中が、
1ヶ月ほど前から、ギターを学校に持ってきて、放課後に、
教室で練習していたので、自分も弾けるのを、見せたくて、
文化祭には、出もしないのに、ギターを担いで登校する。

何か弾くよう言われて、ただコードをかき鳴らすだけでは、
馬鹿にされると思い、低音のベースラインを加える奏法の、
ビートルズの「ロッキー・ラクーン」を、弾き語りしたところ、
ギターはまあまあだが、歌はやめとけよと、皆に笑われた。

リードギターはできるかと聞かれ、「サムシング」を弾くと、
そんなゆっくりなのは、リードギターじゃないよと言われて、
いや、もともとこんな曲だよと、慰めてくれる友人もいたが、
ろくにギターも弾けないのに、口先だけの奴という結果に。

ただ、友人らに悪意はなく、小学生からのつき合いだから、
「巨人の星」で、野球チームに入り、「おれは男だ!」では、
剣道部へ入部、漫画家になる、手品師になると騒いだのに、
今度はギタリストかよと、ただただ呆れていたというところ。

その後も、今にいたるまで、プロを目指しはしないものの、
スキーだったり、ブレイクダンスだったり、ジャグリングから、
曲芸MTBと、一時的に集中しては、すぐに飽きたのだが、
ギターだけは、ずっと続けていて、今も毎日練習している。

買ったばかりの、ビートルズのクラシックギター編曲集に、
「サムシング」が出ていて、かなり原曲の雰囲気に近くて、
気に入るが、途中のジョージのアドリブが省略されていて、
物足りないので、二重奏にしてみようか、いろいろ考える。

ポール・マッカートニーが、ジョージの追悼コンサートでは、
この曲をウクレレで歌ったと、雑誌か何かで読んだので、
Youtubeで見ると、チャンカチャンカと、コードを刻んでて、
ハワイアンでもないし、ボードビルのバンジョー演奏のよう。

ちょっと、がっかりすると、サビから観客との合唱になって、
やがてバンドが加わってくると同時に、あのギターソロを、
バックバンドのギタリストが、音色は少し歪ませているが、
ジョージがLPで弾いたのと、ほぼ同じフレーズを弾ききる。

ああ、やっぱり、「サムシング」は、エレキでこのアドリブを、
弾かなければダメだ、中学では、フォークギターだったから、
いけなかったんだと、単に下手くそだったのを、棚に上げて、
エレキギターを出すが、やはりジョージのようには弾けない。

それでも、「サムシング」のギターソロを、再現したくなって、
MTRにドラムを打ち込み、ベースや、リズムギターを重ね、
オルガンはギターシンセで、メロディは、先にガットで録音、
オケを完成させ、自分としては、渾身のソロを乗せたつもり。

もう一方の「ガール」も、せっかくだから、ギターをダビングし、
なるべく原曲に近づけるが、ジョンのリズムギターは難しくて、
力強く、リズミカルにコードを刻むのは、今も弾けないまま、
歌も当然NGで、インストにするのは、「サムシング」と同様。

ポールの来日に便乗しての、ビートルズ演奏も、こうも続くと、
だんだん飽きられそうですが、これまでのソロギター編曲を、
バンドスコアの演奏と、目線を変え、しかもポールの曲でなく、
ジョージの「サムシング」、ジョンの「ガール」をアップします。









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ビートルズで一番有名な「イエスタデイ」を、武満徹ギター編曲で
ビートルズの曲の中で、一番好きな曲はと聞かれたら、
かなり好みが分かれるし、自分でも、その時々によって、
順位が入れ替わるが、一番有名な曲は何かと言ったら、
おそらくは、今の時代でも、「イエスタデイ」になると思う。

「ランキング ザ・ビートルズ」という本は、持ってないが、
マニア100人による、様々な観点のランキングが載って、
名曲ランキングには、当然ながら(?)、「イエスタデイ」は、
ベスト20にも入っていないそうで、さもありなんという感じ。

自分がビートルズに夢中だった、70年代、中高生の頃は、
ラジオのリクエスト特集では、間違いなく「イエスタデイ」が、
1位だったし、オンエアされた曲、カバーされた曲の1位も、
当時のビートルズ本では、「イエスタデイ」だとされていた。

そのうえ、上位に入る曲と言ったら、「レット・イット・ビー」、
「ヘイ・ジュード」から、「ミッシェル」、「エリナー・リグビー」、
「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」が定番となって、
ポールが作曲して、リードボーカルの曲が、ほとんどだった。

ジョン・レノンが好きで、同じリッケンバッカーのギターまで、
買うほどの自分だったから、人気投票で、ポールの曲ばかり、
選ばれるのが気に入らず、自分なりのベスト10を作っては、
満足していたが、この歳になると、「イエスタデイ」かなあと。

映画「1976・ダコタハウスにて」は、ビートルズの解散後、
犬猿の仲と言われていた、ジョンとポールが、とある一日、
一緒に過ごすというフィクションなのだが、マニアが見たら、
ニヤリとする場面の連続で、いかにもありそうな話だと思う。

75年、ポールの来日が、ビザがおりず、中止となった際に、
オーストラリア公演が放送され、その中で紹介された話に、
ジョンと遭遇したポールが、自分を馬鹿にした歌詞の件を、
問い詰めると、謝ってきたので、ビールを1杯おごったとか。

映画の場面で、二人でカフェにいると、様子を伺う老夫婦に、
ジョンは、「また、これだよ、少しはそっとしといてくれよ。」と、
まんざらでもないような様子、やがて老紳士は、意を決して、
「失礼ですが、ビートルズの方ですよね。」と、声かけてくる。

「ええ、まあ、そんなところですよ。」と、もったいをつけつつ、
ポールに、「どんなもんだい、お前には気づきもしないよ。」と、
勝ち誇ったように、目配せするジョンに、続けて言ったのが、
「よろしければ、妻に、イエスタデイを歌ってくれませんか。」

罵詈雑言を浴びせ、店を出たジョンは、追いかけるポールに、
「いっつも、こうなんだ。みんな、ビートルズの曲って言ったら、
お前の作った曲ばかりだよ。」と、八つ当たりして、ポールは、
「そんなことないって、ジョン、そんなことないよ。」となだめる。

10年以上前、WOWWOWで見た映画なので、記憶の中で、
面白おかしく、セリフまわしを変えて、覚えたかもしれないが、
実際にあっても、おかしくない話で、ジョンには申し訳ないが、
今の自分、世間一般からすると、「そんなことあるよ」かなと。

ポールの来日を祝し、ビートルズの曲を、ソロギターで弾こうと、
手持ちの楽譜にあたると、前回アップした、江部賢一に限らず、
ソロギの名手、南澤大介の編曲も、ポールの曲が大半を占め、
武満徹「ギターのための12の歌」のビートルズ4曲も、ポール。

現代音楽、前衛音楽の作品を多く残した、作曲家の武満徹は、
ポップスにも理解があり、好きな作曲家として、ポールを挙げ、
荘村清志に献呈した「12の歌」でも、ポールの曲を選び出して、
自身は書かない、甘い旋律を、慈しむようにギターへ編曲した。

「イエスタデイ」の編曲は、イントロを始め、歌い出しの部分を、
別の旋律にしている箇所があり、ポールのメロディに触発され、
日ごろの無調性な作風と離れて、歌いたかった旋律を書いた、
編曲の枠を越えて、一つの作品として作り上げたように思う。

自分は、ロック、フュージョンの曲は、アドリブも完コピしたいし、
カバー曲によくある、やたらとメロディを、半拍遅らせてみたり、
歌唱力を誇示するごとく、音程を勝手に変えるのが、大嫌いで、
ギター編曲も、旋律に忠実でありたいが、武満の編曲は別格。

ただ、編曲の素晴らしさも、さることながら、ビートルズの曲は、
不思議と、弾き語り、ギターソロ、ピアノソロ、オーケストラなど、
その演奏形式が変わったり、テンポを早くとか、遅くしてみても、
元のメロディが際立っているからか、あまり違和感なく聴ける。

今回、武満版の「イエスタデイ」を演奏する際、参考にした音源、
荘村清志、福田進一、村治佳織らは、すごく、ゆっくりと演奏し、
ビートルズの演奏が、CDで2分7秒のところ、みんな3分前後、
村治にいたっては、3分30秒かけ、ゆったり歌い上げている。

自分も、そんな感じで弾いたら、4分にもなってしまったのだが、
編曲譜をよく見ると、1拍のテンポは、90~104と指定されて、
およそポールの弾いた速度だったので、早く弾いてみたところ、
かなり慌しい感じだし、指がついていかずに、次第に遅くなる。

嬉しいことに、「ヒヤ・カムズ・ザ・サン」を、リクエストいただき、
早速、クラシックギターに編曲した、輸入楽譜を買ったのだが、
知っている曲とはいえ、自分のクラシックギターのレベルでは、
数日では無理だし、何よりイントロだけは、原曲どおりが良い。

昔取った杵柄ではないが、中3の時に発売され、すぐに買い、
かなり練習もした、「ひき語りビートルズ」を、押入れから探し、
「ヒヤ・カムズ・ザ・サン」のギター伴奏部を、アコギで弾いて、
自分の歌はNGだから、ガットギターで旋律を、ダビングする。

ポールは、東京ドームのコンサートを終え、帰国したようだが、
ビートルズ狂騒曲という感じで、立て続けの、無理やり演奏で、
武満徹の編曲した「イエスタデイ」を、遅めと、普通のテンポで、
さらに、ジョージの「ヒヤ・カムズ・ザ・サン」と、アップしました。













ビートルズ「ミッシェル」が、カントリーブルースっぽい江部編曲
ポールの来日を祝して、いつも愛用している江部賢一の、
「華麗なるソロ・ギター・アルバム1」に、収録されている、
「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」を演奏したが、
第2巻には、「ミッシェル」が載っていて、それも練習した。

前回の記事に、ちらっと、そのへんのことを書いていたら、
コメントで、リクエストいただいたので、調子に乗る自分は、
弾けない箇所があり、演奏を見送っていた「ミッシェル」を、
とりあえず、何とかやってしまえと、練習しつつ録音する。

中2の夏に、友人から借りて、最初に聴いたビートルズが、
「オールディーズ」だったので、シングルのヒット曲に加え、
「イエスタデイ」「ミッシェル」が入った、ものすごい選曲で、
何より、「シー・ラブズ・ユー」「抱きしめたい」が気に入った。

そんな曲の中にあって、「ミッシェル」は、やや異質というか、
半音進行で降りてくる、イントロのギターは物悲しげに響き、
フランス語の歌詞や、コーラスが、どことなくシャンソン風で、
中学生の自分は、異国情緒あふれる感じに、聴いていた。

レコードを貸してくれた友人の家に、数名で集まったときに、
その一人が、フォークギターを手にとり、この曲のイントロを、
練習中だと弾き始めた途端、みんなが、オオーっと注目して、
どうやって弾くんだ、どこを押さえるんだと、大騒ぎになった。

シンコーから出ていた、「ビートルズ80」という楽譜を買うが、
メロディにコードという、簡単な楽譜だったので、イントロや、
間奏は、自分たちで耳コピしていて、ちょっと弾ければ英雄、
今でも、あのときの友人は、中学で一番うまいと思っている。

こうして、ビートルズに限らず、昔の友人たちを思い出すと、
自分よりギターのうまかった連中ばかりで、高校でも同様、
大学に入り、渋谷河合楽器で、ジャズギターを習ったことで、
彼らに近づけたろうか、何より、今も弾いているのだろうか。

その河合楽器では、先生が、クラシックギターにも詳しくて、
鈴木巌の教本などを使い、クラシックの練習曲まで習ったし、
ポピュラー曲だと、この編曲が良いと、江部賢一を教わって、
その曲も、指導してくれて、今の自分の財産になっている。

ビートルズの「ミッシェル」も、先生がお手本に弾いてくれて、
ややハネたようなリズムで、低音部を1拍ずつ弾くところが、
フォーク・カントリーブルースの、オルタネイトベースみたいで、
いかにもソロギターだが、ちょっと原曲のイメージとは違った。

カントリーの大御所、チェット・アトキンスの得意とする奏法で、
ジョージ・ハリスンは、チェットの影響をもろに受けていたから、
初期の愛用ギター・グレッチは、チェットと同じモデルだったし、
「オール・マイ・ラビング」の間奏など、チェット奏法が目立つ。

そんなわけで、「ミッシェル」は、ポールの作った曲だけれど、
チェットみたいなアレンジでも、良いんじゃないかと思いつつ、
Youtubeで、チェットの弾く、「ミッシェル」を聴いてみたところ、
全然違っていて、特にチェットを意識した編曲でもないようだ。

昔、先生に習ったとはいえ、オルタネイト・ベースみたいに、
一定のテンポで、低音を親指で弾くのは、当時から苦手で、
このあたり、リズム音痴も影響していて、テンポがずれるが、
何よりも、右指が独立して動かせないので、こんがらがる。

さらに、クラシックギタリストを気取って、爪を伸ばしたから、
カチャカチャと弦に当たって、その雑音が多かったりするし、
左指をきちんと立てられず、和音が消音されてしまったりと、
欠点ばかり目立って、まだまだ基礎練習が、不足している。

ビートルズの「ラバー・ソウル」に収録された、これまた名曲、
フランスの香り漂う、「ミッシェル」を、江部のギター編曲で、
カントリーっぽく弾いたものの、練習不足のミスだらけですが、
ポール・マッカートニーの来日にかこつけて、アップしました。





ポールの来日記念、「ザ・ロング・アンド・ワインディングロード」
元ビートルズとか、ウィングスを率いたとかいった肩書き、
ロンドンオリンピック開会式の熱演も、記憶に新しいとか、
そんな能書きや説明など、まったく無用、とにもかくにも、
ポール・マッカートニーが来日し、日本中を席巻している。

思い起こせば、もう40年近く前の74年、中2の夏休みに、
友人に誘われて、新宿武蔵野館のビートルズ映画大会で、
「ビートルズがやって来る」「ヘルプ」「レット・イット・ビー」の、
三本立てを観たのが、記念すべきビートルズとの出会い。

最初は、音楽そのものより、映画が面白いという感想で、
フランスのコメディ映画、「クレイジー・ボーイ」みたいだと、
気に入ったが、その映画自体、第二のビートルズを意図し、
テレビで活躍したモンキーズの、さらに後釜だった感じも。

気に入った映画は、サウンドトラック盤を、よく聴いたので、
友人に、ビートルズのサントラがあれば、貸して欲しいと、
頼んだところ、初期ベスト盤と呼べる、「オールディーズ」を、
渡されて、その名曲群に圧倒され、完全にぶちのめされる。

別の友人は、ビートルズの米国盤を全部持っていたので、
何枚か借りて、自分は、日本編集盤で、集めることにして、
それでも、当時のおこづかいでは、そうそうLPは買えず、
AM、FMおかまいなし、あちこちのラジオ番組を録音した。

そのうちに、ブートレッグ、海賊盤が、数多くあるのを知り、
サントラというか、映画の音声がそのまま録音されている、
「ビートルズがやって来る」と「ヘルプ」を、新宿の輸入盤店、
OM(オム)へと、父の配達を手伝う名目で、買ってもらう。

映画「レット・イット・ビー」は、サントラ海賊盤も買わなくて、
吹き替えなしで、テレビ放送したものを、カセットに録音し、
映画やLPの元音源、いわゆるゲット・バック・セッションを、
海賊盤で買って、3本の映画の正規LPは、持っていない。

最近、第二弾も発売された、ビートルズBBCライブの曲も、
海賊盤にあったが、LPで没になったカバー曲と思っていて、
ラジオ用に演奏され、エアチェックした音源を使ってたとは、
94年にCDが出て、知ったことで、昔は情報も少なかった。

こうして、ビートルズの思い出を語ることは、楽しいだけに、
きりのないくらい、話が尽きることはなくて、ブログ仲間でも、
何年も続けておられる「ビートルズの新しい解析のページ」、
「ビートルズバンド入門」は、示唆に富む、新しい話題だらけ。

せっかくだから、ビートルズの曲を、ソロギターで弾こうかと、
愛用している江部賢一の編曲となるが、何冊か出ていた、
ビートルズ編曲集は持ってなくて、「華麗なるソロギター」の、
1と2巻に1曲ずつ載っているので、それに挑戦することに。

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、「ミッシェル」が、
初級から中級くらいの、ちょっと練習すれば弾けるレベルで、
それでいて、原曲の雰囲気を生かし、ギター特有の響きあり、
いつもながら、お見事と言うしかない、珠玉のギター編曲に。

「ザ・ロング・アンド~」は、ビートルズのラストアルバムである、
「レット・イット・ビー」に収録され、映画の中でも演奏されたが、
LPでの、フィル・スペクターの、オーケストラ編曲・ダビングに、
ポールが激怒したのは有名で、これだけでも、話は尽きない。

ただ、「レット・イット・ビー」のLPを買わず、A・B面を通しては、
カセットにも録音していなかった自分でも、初めて見た映画や、
海賊盤などで聴かれた、バンド演奏での「ザ・ロング~」よりも、
オーケストラや合唱入りのほうが、耳になじんでいるのも事実。

テレビドラマなど見ていて、あまりに大げさなBGMがかかると、
大河ドラマの最終回じゃあるまいしと、感じることが多々あって、
ポールにしても、あまりの派手な編曲に、オペラの大団円かよ、
ビートルズの解散ソングにする気か、と怒ったのかもしれない。

ポール・マッカートニーの来日を祝し、江部賢一のギター編曲で、
ビートルズの名曲「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」を、
作曲者であるポールには、申し訳ないものの、自分の頭の中で、
壮大なオーケストラや、合唱団が鳴り響きながら、演奏しました。





アコギ2本で、フュージョンサウンドの、山弦「ジョイ・ライド」
アコースティックギターが2本というと、フォークグループ、
かぐや姫や風が思い浮かぶし、ビートルズの曲にしても、
映画のワンシーン、「アンド・アイ・ラブ・ハー」の演奏は、
ジョンのアコギと、ジョージのガットが、見た目も印象的。

クラシックギター界では、200年も前に、カルリ、ソルが、
二重奏曲を作曲しているし、タレガは弟子と合奏したり、
リョベートの編曲、さらに両巨匠、ジョン・ウィリアムスと、
ジュリアン・ブリームの、「世紀のギター・デュオ」も有名。

フュージョン界では、超絶早弾きの、アル・ディ・メオラと、
フラメンコの巨匠パコ・デ・ルシアが、火花を散らした名演、
「地中海の舞踏」があり、そこへクロスオーバー創始者の
ジョン・マクラフリンが参加した、スーパー・ギター・トリオ。

マクラフリンは、同じくクロスオーバーギターの元祖となる、
ラリー・コリエルと、70年に「スペイセス」で、共演したり、
そのコリエルは、75年に、若手スティーブ・カーンを従え、
全編アコギのLPを出し、スーパーギター~にもよく客演。

日本でのギター・デュオは、癒し系の代表格、ゴンチチや、
デパペペが有名だが、佐橋佳幸と小倉博和のユニットの、
山弦は、前者に比べて、かなりフュージョンに近い印象で、
そのサウンド作りに加え、アドリブの有無も大きな要因か。

山弦を知ったのは、アコギのソロ演奏に、はまった99年、
季刊「アコースティック・ギター・マガジン」が、創刊した時、
その前身になるのか、年に1回出ていた、ムックの3冊も、
探して買った中に、デビュー前のデモ音源や楽譜がある。

当時は、ソロギターを弾きたかったので、二重奏の山弦は、
ほとんど気にとめていなかったが、3年前にブログを始めて、
MTRで演奏を録音する際、せっかく楽譜があるのだからと、
デビュー盤をツタヤで借りたら、そのサウンドがまさに好み。

ギター2本の曲もあれば、バンドをバックにした曲もあるが、
基本、ギターのダビングはしなくて、右チャンネルに佐橋、
左に小倉と、定位もほとんど変えずに、全曲を通していて、
このあたり、ギタリスト2人によるユニットというこだわりか。

インタビューで、基本は、2本のギターで出来上がってて、
ベースやキーボードも入った曲も、2本のギターのからみ、
リズムのアクセントや、コードの響きなど消えないようにと、
ピアノの左手は、強く弾かないよう指示したと、語っていた。

デビュー作のアルバムタイトルでもある、「JOY RIDE」は、
ジャコ・パストリアスの代表曲、「ザ・チキン」を思わすリフを、
左のギターが弾くと、右のギターは、16ビートを刻み続けて、
同じコードのまま、左のギターは、オクターブ奏法のテーマ。

サビでメジャー7へと転調すると、バッキングの右ギターは、
山下達郎「スパークル」のような、軽快なカッティングとなり、
フュージョングループのフルーツケーキが、得意としたような、
爽やかに歌うメロディが展開し、フュージョン王道のような音。

中間、イントロのリフを繰り返し、右のギターはアドリブソロ、
これが、ブルースに近いソロだが、ただ二人のルーツからは、
ロックは、さらっと流したようで、どちらかというとスタッフとか、
リズム&ブルース出身のフュージョンが、影響しているのか。

エンディングで弾きまくる左のギターも、ブルースフレーズが、
続くのだが、ジョージ・ベンソンの弾く、ペンタ系のフレーズに、
すごく似ていて、山弦の二人は、60年、61年生まれだから、
自分と同年代で、似たような音楽を聴いてきたのだ、と感じる。

持っている楽譜は、ギター譜のみなので、メトロノームを使い、
左のギターを、後半アドリブを除いて録音、続けて右を弾くが、
自分の演奏だと、2本のギターでは、からみを大切どころか、
スカスカで、リズムも全然合っていない、ちぐはぐのサウンド。

前回同様、ベースギターをダビングするが、チョッパーなしで、
コードのルート音を弾くのが、精一杯で、まだスカスカなので、
ギターシンセで、ピアノの音を足すが、ギターが弾くコードを、
そのまま流す程度で、本物の緻密なバンド陣とは、ほど遠い。

原曲のドラムは、ドラムセットよりも、パーカッションが中心で、
コンガなどのラテン・パーカッションが通して、鳴っていたり、
かなり凝った演奏だが、当然ながら、そんな余力はないから、
MTR内蔵の16ビートを延々と鳴らし、とにかく完成させた。

このバッキングを聴きながら、再度ギターを録音し直す方が、
ノリが良くなるかと思いつつ、かえって、16ビートの裏とかが、
ずれてしまうのを、これまでも経験しているので、やめておき、
エンディングのアドリブだけ、原曲よりも、少し長く弾きまくる。

前回、久々のピック弾きで苦労したが、アコギも久々に弾くと、
スティール弦が押さえにくくて、コードの音が、全部鳴らないし、
特に、低音弦は太いから、アドリブソロでも、ポコポコした音で、
練習する課題が増える一方で、困りつつも、楽しみも増える。

佐橋佳幸、小倉博和のアコースティックギターデュオ、山弦の、
98年デビュー作から、アルバムタイトル曲、「JOY RIDE」を、
80年代前後の、フュージョンミュージック全盛のサウンドへと、
回帰していくような、懐かしい思いに浸りながら、演奏しました。







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