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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
アール・クルーがガットで奏でた、J・テイラーの「遠い昔」
アール・クルーを、ソロギターの第一人者と呼ぶことに、
抵抗がある人でも、ガットギターの音色を、フュージョン、
クロスオーバー音楽に持ち込んだ、第一人者とする事に、
異論を唱える人は、そうは、いないのではないだろうか。

ラリー・コリエル、ジョン・マクラフリンが、ジャズギターに、
ロックのデイストーションや、チョーキングのテクニックを、
取り入れたのが、クロスオーバー・ギターの始まりとされ、
ロック畑からも、ジェフェ・ベックが、そこに限りなく近づく。

自分にとっては、76~7年にかけ、ラリー・カールトンが、
五輪真弓のバック、リー・リトナーは、渡辺貞夫と共演で、
相次いで来日して、ギター雑誌やラジオで取り上げられ、
クロスオーバーを知り、一般的なブームも、そこからかと。

なかでも、ギタリストへの注目度は、すごかった思うのは、
自分がギターを弾いていたせいもあろうが、カールトンや、
リトナーに続き、ジョージ・ベンソンや、アル・ディ・メオラと、
新譜が出るわ、来日するわ、ラジオ放送するわと大盛況。

もとがジャズギタリストで、ボーカルに開眼したベンソンは、
別として、ほとんどが、ロック寄りのギターを聴かせる中、
ガットギターの生音で、まさにソフト&メロウなサウンドで、
ソロギターも聴かせる、アール・クルーの登場は画期的。

自分がアール・クルーの演奏を聴いたのは、FM放送で、
リー・リトナーが来日した際に、ダイレクト・カッティングで、
録音して話題になった、ジェントル・ソウツのLPに収録の、
「キャプテン・カリブ」を、クルーの演奏との聴き比べだった。

同じ頃に、クロスオーバー・フェスティバルのような催しで、
来日したアール・クルーと、高中正義とかの共演があって、
FM東京で、「ゴールデン・ライブ・ステージ」だったと思うが、
2週に渡って放送されたのを、聴いたように、記憶している。

昔から早弾きが好きだったと、何度もブログに書くくらいで、
とりわけ、アル・ディ・メオラに夢中になった、自分としては、
アール・クルーの演奏は、時折アドリブソロが、あるにせよ、
どこか、イージーリスニング、ムードギターの路線に感じた。

実際、ノーマン・キャンドラー楽団の、ヘラルド・ウィンクラー、
タレントとしても有名な、クロード・チアリは、ガットギターで、
ソロ演奏したり、オーケストラをバックに演奏していたわけで、
ジャズの、チャーリー・バード、ローリンド・アルメイダも同様。

当時はそんなわけで、FMのエアーチェックくらいしておくが、
特に気に入って、LPや楽譜を買うこともなく、聴いた程度で、
何をもって、アール・クルーを、イージーリスニングではなく、
フュージョンとするかとなると、全体のサウンドというあたり。

のちに、フュージョン・レーベルの、GRPを立ち上げた一人、
デイブ・グルーシンがプロデュースし、リー・リトナーをはじめ、
第一線のミュージシャン達がバックを務めた、サウンド作りと、
クルー自身の、ジャズ畑の和音、フレーズが、決め手だろう。

奏法的には、クラシックや、カントリーのチェット・アトキンスの、
影響を感じるが、ジョージ・ベンソンのサイドギターを務めたり、
チック・コリア率いる、リターン・トゥ・フォーエバーにも在籍して、
アル・ディ・メオラの前任だったあたり、まさにフュージョン畑。

ただ、ギターに限らず、ロック、ジャズ、フュージョンの区別は、
その境界線、まさにクロスオーバーしてる音楽だと、曖昧で、
さらにイージーリスニングや、ヒーリング系、ニューエイジ系と、
CDショップやツタヤでも、この手のCDの場所は、まちまち。

そんなアール・クルーの曲は、バンドやオーケストラの伴奏が、
ついてはいるが、基本的には、ギターだけで成立するように、
伴奏となる和音や、ベースの低音部も弾く編曲になっていて、
ギターパートだけ、そのまま一人で弾いても、わりと様になる。

ポピュラーギターに興味を持ち、江部賢一のギター編曲集や、
アール・クルーの2枚組ベスト盤を買ったのが、81年頃だが、
ちょうどその頃、前年12月に創刊の、雑誌ギターマガジンに、
クルーのギター譜が、3月、7月号と掲載され、当然練習した。

3枚目のアルバム、「フィンガー・ペインティング」からの選曲で、
「遠い昔」「キャサリン」の2曲は、どちらもメロディがきれいだし、
このアルバム自体、「ダンス・ウイズ・ミー」をカバーした名演や、
自作曲「ドクター・マクンバ」を始め、全曲が珠玉の名演、名曲。

「遠い昔」は、もともとジェイムス・テイラーの曲のカバーだとは、
つい最近まで気がつかず、ジェイムス本人の弾き語り映像を、
Youtubeで確認でき、ささやくような歌い方と、爪弾くギターが、
なるほど、アール・クルーの演奏にぴったりと、理解が深まる。

この曲を久々に弾いてみると、いつもの、昔覚えた曲の欠点で、
イントロのフレーズから、間違えて覚えていて、裏でひっかける、
ハンマリングのタイミングが違ったり、低音ベースを鳴らすのも、
テーマにつられて、半拍ずれていたりして、かなりひどいことに。

自分でも不思議なのは、いつもなら、弾きたい曲が見つかると、
渋谷河合楽器のギター教室に、持って行っては、教わるところ、
「遠い昔」は、その記憶がなくて、こんなに裏拍がずれていたら、
先生からは、かなり厳しく、何度でも、やり直しさせられたと思う。

アール・クルーの演奏は、落ち着いていて、ゆっくりに感じるが、
実際テンポを計ると、120(あるいは半分の60)となっていて、
アドリブ部分の16分音符は、ジョージ・ベンソンの早弾き並み、
今の自分の指弾きの実力では、とても、この速度では弾けない。

元がバンド演奏なのだから、インテンポで弾くほうが良いかと、
メトロノームを100に落として、合わせると、カチカチと鳴る音に、
追い立てられるようで、、あせってミスだらけとなってしまったり、
遅れてきては、取り戻そうと、急に早くしたりと、さんざんな有様。

クラシックギターや、ソロで弾くポピュラーギター曲ではないが、
ギター1本で弾くのだから、これはソロギターと、都合良く解釈し、
自分なりのテンポで弾くと、どんどん遅くなったり、止まったかと、
思えるほど、ずれるが、メトロノームを使うよりは、ましな出来に。

途中やエンディングのアドリブ部分は、さすがにギター1本では、
スカスカの音になるのだが、アール・クルーの極上のフレーズが、
採譜されているだから、そのまま演奏していて、この部分は特に、
休符のタイミングがリズム音痴で、何かと課題を残した演奏に。

ガットギターの優しい調べで、フュージョンを奏でるパイオニア、
アール・クルーの、77年発表「フィンガー・ペインティング」から、
ジェイムス・テイラーのカバー曲「遠い昔」を、まさに、遠い昔に、
弾いた悪癖の抜けないまま、オケ省略、ギターのみの演奏です。



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ミルクの渦巻くCMを思い出す、「いそしぎ」を江部編曲で
TVドラマの主題曲は、最近の「あまちゃん」のテーマに限らず、
お茶の間に浸透しやすく、あちこちで耳にするが、それ以上に、
CMソングとなると、各チャンネルで放送し、回数も多いわけで、
より印象に残って、幼い頃の曲でも、自然と口ずさんだりする。

商品名を歌う、CM用オリジナル曲も良いが、前回アップした、
ネスカフェのように、洋楽のヒット曲をアレンジしたものあれば、
新曲とタイアップしたもの、自分たち世代の懐かしいロックから、
クラシックやイージーリスニングのインスト曲と、とにかく幅広い。

コーヒーミルクのCM、たぶんクレマトップだったと思っているが、
コーヒーカップに注がれるミルクが、きれいに渦を巻いて回ると、
ころがすような弾き方のピアノで、「いそしぎ」のメロディが流れ、
陳腐な表現だが、すごくムーディー、ゴージャスな気分に浸った。

就職の翌年に一人暮らしを始めたとき、コーヒーサーバーを買い、
自宅でもコーヒーを入れて、飲むようにしたが、CMを思い出して、
「いそしぎ」を口ずさみながら、牛乳を入れてみると、ドボっとなり、
使いきりのコーヒーミルクでは、渦が1回転もしないうち、まざる。

スーパーでクレマトップを買ってきて、本物ならば大丈夫だろうと、
だんだんスプーンを回すコツもわかってきて、ゆっくり注ぎ込むと、
それなりの渦が回転して、大満足で、「いそしぎ」を口ずさんだが、
それだけのことで、その後、半分以上残ったままで、賞味期限に。

「いそしぎ」は、もともと映画の主題歌だから、中2の頃に買った、
5枚組LP「映画音楽大全集」に入っていたし、高校、大学の頃は、
深夜放送の、「アスペクト・イン・クロスオーバー」など聴いた際に、
前番組「ジェット・ストリーム」で、何度となく流れていた気がする。

ギターで、曲を弾いたのは、アール・クルーの演奏がきっかけで、
ガットギターの優しい調べで、フュージョン界に登場したクルーが、
80年「レイト・ナイト・ギター」で、スタンダード曲を、ソロギターや、
オーケストラをバックに演奏した中で、バンド形式で演奏していた。

それだけなら、ああ、知ってる曲を弾いているな、という程度だが、
さらに、81年に出た2枚組ベスト盤には、ソロギター版が収録され、
ジャズのコードヴォイシングに、アドリブ・ソロのようなオブリガード、
トレモロ奏法によるメロディをまじえるなど、本当に見事なソロ演奏。

当然ながら、この曲、バージョンが弾きたいとなり、楽譜を探すが、
もともと、アール・クルーの楽譜は少なく、当時、リットーから出て、
すぐ絶版となる、「アコースティック・ギタリスト・シリーズ」の2冊も、
「レイト・ナイト~」のバージョンも含め、「いそしぎ」は入っていない。

渋谷河合楽器のギター教室で、楽譜がないと、先生に、こぼすと、
江部賢一「華麗なるギター・ソロ・アルバム」での、「いそしぎ」は、
雰囲気が似ているから、それを参考に、自分で工夫しろと言われ、
この曲集と出会ったのは、これが、きっかけだったような気もする。

この曲は、ギターだと、ボサノバのリズムで弾くことも、多いのだが、
江部の編曲は、テンポ・ルバートで、スロー・バラード風にしていて、
アール・クルーのソロギターを意識したのか、あるいは、それ以前、
ローリンド・アルメイダとかの名演があり、クルーもそれによったか。

この編曲では、ジャズギター特有のコードが、あちこちに出てくるが、
左手の押さえ方は、クラシックギターの運指で、ジャズとは異なり、
例えば、5フレットをセーハして、6・4・3・2弦を右指で弾いていて、
Am7のコードとなるが、ピックで弾くジャズギターでは、そうしない。

セーハのまま、ピックで弦をかき鳴らせば、不要の音まで出るから、
同じ音を、6弦は中指で押さえ、4、3、2弦を薬指によるセーハで、
どちらの指も、クラシックのように垂直に押さえるのでなく、寝かせ、
鳴らさない5・1弦を消音することで、ピックで一気にジャっと弾ける。

ジャズに限らず、ロック、フォークで使うコードでも、押さえ方は違い、
3フレットセーハのCコードを、クラシックでは、4・3・2弦の5フレを、
中指・薬指・小指で、一本ずつ押さえるところ、ロックは、薬指だけ、
Fとかのコードも、セーハでなく、親指で6弦を、グリップしたりする。

自分は、クラシック・ギタリストではなく、ジャズ・ギタリストなのだと、
言うつもりはないが、慣れた方が楽だから、江部の運指を変えてて、
ただ、これがタレガの指定した運指となると、話は別で、次の音へと、
きれいに繋げるために、決められたはずだと、厳格に守ってしまう。

セゴビアが、「鼻で押さえて弾けるなら、そうすれば良い」と言ったと、
半ば都市伝説だろうが、「自由に、何をやっても良い」の意味でなく、
「どうせ、できはしない、だから正しい構え、押さえ方があるのだ」と、
逆説的なことらしく、足台も使わず、ジャズコードの自分は、勘当か。

クレマトップCMで、華麗にピアノが奏でた、映画音楽「いそしぎ」を、
アール・クルーの、ソロギター演奏に憧れつつも、楽譜がないので、
いつもの珠玉のギター編曲、江部賢一の楽譜どおりの演奏ですが、
左手の押さえ方はジャズ流、テンポもかなり、好き勝手にしてます。



ネスカフェのCMが印象的、ロバータ・フラック「やさしく歌って」
クラシックギターの練習曲というと、ドレミファのスケールや、
アルペジオの機械的練習、メロディのない単調な曲などを、
思い浮かべがちだが、先日演奏した、「舟唄」「かなしみ」と、
初級レベルでも、発表会向けの、メロディの美しい曲もある。

それでも、練習曲ばかり弾いていると、だんだん飽きてきて、
やっぱり、クラシックより、ロックやフュージョンが良いとなり、
エレキやアコギに持ち替えるが、クラシックの練習も大切で、
そんなときに、ポピュラー曲を演奏するのが、良い気分転換。

昔は、明星とかの歌本を見て、知ってる歌謡曲のメロディを、
単音で弾いたが、それだけでも、アポヤンドの練習になるし、
口ずさめる曲を、楽譜を見て弾くことで、読譜の訓練になり、
弾き語りのコードを弾くことも、和音を押さえる練習になった。

今年になっての、クラシックギターの練習では、飽きてきたら、
今のレベルでは弾けもしない、上級レベルの楽譜をひろげて、
あまり難しくない部分だけ、ゆっくり弾き、その気になったり、
何よりも、江部賢一の編曲集で、慣れ親しんだメロディを弾く。

江部は、洋楽ポップス、ボサノバ、ジャズのスタンダード曲を、
原曲のイントロから再現したり、ジャズっぽい味つけをしたりと、
ギターならではの編曲をするが、ネスカフェのCMで親しんだ、
ロバータ・フラック「やさしく歌って」も、原曲に近い珠玉の編曲。

ネスカフェCMでは、「やさしく歌って」「マホガニーのテーマ」、
「追憶」が、それぞれ歌詞の一部を、「ネスカフェ」にして歌い、
どういう基準で、この3曲が選ばれたのかは、不明なのだが、
自分には、3曲セットとなって、メロディが浮かぶほど印象的。

その一連のCMが流れた、高校から大学にかけ、人並みに、
アイドル歌手に夢中で、岩崎宏美、ピンクレディ、松田聖子と、
変遷したが、いわゆる追っかけや、コンサートへいく事はなく、
テレビ出演をテープに録音したり、レコードを買い集めていた。

ライブ盤には、持ち歌以外のカバー曲が、大半を占めていて、
アイドル歌手らは、シングルヒット曲がでると、無理やり(?)、
数曲を追加し、LPを出したが、コンサートではLPの曲よりも、
観客も知っている、フォーク、洋楽のヒット曲を多く歌っていた。

岩崎宏美の2枚組LPの、「ロマンティック・コンサート1」には、
「やさしく歌って」があり、「2」には、「マホガニーのテーマ」と、
ヒット曲というより、CMソングとして、観客におなじみだからと、
選曲された気がして、その後、「追憶」まで歌ったのだろうか。

持ち歌以外の曲を歌うのは、デビュー当時のビートルズでも、
LPの曲数を、間に合わせるためもあってか、録音していたが、
デビュー前から、ロックンロールのヒット曲を、クラブで演奏し、
ライブバンドとして、実力をつけたから、あたかも持ち歌のよう。

その頃から、カバー曲という呼び方をしたのか、単に自分達は、
「誰々の曲を歌ってる」とか、「ひとの曲を歌う」という言い方で、
別に、盗んだとか、他人のふんどしで~、という悪い意味でなく、
カーペンターズが歌う、ビートルズナンバーも、気に入っていた。

だいたい、ポール・モーリア楽団とかが、ビートルズだったり、
洋楽ヒット曲を演奏するのは、カバーという呼び方になるのか、
そうなると、ポピュラーギターも、カバー演奏、曲集になるのか、
ちょっとした言葉のあやだが、考えると、不思議になってくる。

そして、ネスカフェのCMに際して、ロバータ・フラック本人が、
歌詞を「ネスカフェ」に変えて、歌ったのは、セルフカバーかと、
昨今の、カバー曲、カヴァーアルバムのブームに、少なからず、
食傷気味な自分としては、つい、つっこみを入れたくなるところ。

ロバータ・フラックの、73年グラミー賞三部門受賞曲というより、
ネスカフェのCMソングという方が、お茶の間におなじみの曲、
「やさしく歌って」を、江部賢一の原曲を生かしたギター編曲で、
いつもながら、テンポは遅くなってますが、丁寧に弾きました。




アポヤンドや消音の練習にちょうど良い、コスト「かなしみ」
ギターと違って、自分は、ピアノに関しては、門外漢なので、
はたから見た目なのだが、体系的なメソッドが確立していて、
バイエルから入り、ツェルニーへと進みつつ、技術的練習は、
ハノンで学び、ブルクミューラーを併用するのが定番と思う。

さらに、ツェルニーやブルクミューラーの上級へ進みながら、
ソナチネ・ソナタアルバムの曲集、バッハのインベンションと、
レベルに合わせ、どの教本、練習曲を使っていけば良いか、
最近は異論もあるようだが、基準となる道筋が定まっている。

それに比べ、ギターの教本、練習曲集は、著者や出版社で、
まちまちという感じで、古典のカルカッシ、ソル、アグアドや、
コストから、近代のタレガの練習曲を、各社三様に選び出し、
基礎練習や名曲を加えて、ほぼレベル順に配列されている。

どの教本にも出てくる練習曲や、一般に知られた曲も多いし、
セゴビアが選んだ「ソルの20の練習曲」は、定番と言えるし、
ヴィラ・ロボス「12の練習曲」は、上級向技巧的練習曲だが、
必修となる教則本はないし、併用する曲集でも、同様の現状。

当然、ギター教室に通えば、そこで使う教則本が1冊決まるし、
レベルに応じて、曲集なり、曲のピースを併用するのだろうが、
自分は20歳前後に、渋谷河合楽器の、ジャズギター教室に、
通ったものの、クラシックギターについては、好き勝手に近い。

中1の時に、初めてのクラシックギターと、一緒に買ったのが、
「NHKギター教室ー教則編」で、中3になる頃、テレビを見て、
「ギターをひこう」のテキストを買い、雑誌の広告に影響されて、
東京音楽アカデミーの通信講座を、2年間に渡り、取り寄せた。

ジャズギター教室では、先生がクラシックギターに詳しいので、
鈴木巌「クラシックギター教本」全3巻を買ったり、バッハ曲集、
ポピュラーギター曲集などを買い集め、ジャズを習いながらも、
並行して、クラシックの曲を教わるが、主にピックで弾いていた。

1冊をじっくりやらないどころか、教則本、練習曲、名曲集から、
1曲のみのピース楽譜を、コレクターのように、買い集めては、
それで、さわりだけ弾けると、何となく気がすんでしまう感じで、
きちんと暗譜して、ミスも少ない曲は、10曲にも満たないまま。

10年ほど前に、店頭で、雑誌「現代ギター」を、懐かしく手にし、
年間購読したときも、楽譜を何冊も買ったものの、状況は一緒、
今年になって、クラシックギターを再開し、毎週の演奏アップを、
自分に課したことで、鈴木巌の教本を中心に、じっくり取り込む。

最初に買った教本、阿部保夫「NHKギター教室ー教則編」は、
姉妹版「NHKギター教室ー名曲編」を、併用する形だったから、
「禁じられた遊び」は、名曲編の方、教則編は、練習曲中心で、
それでも、コスト「舟唄」、ソル「月光」といった、有名な曲も載る。

コスト「練習曲・ニ短調」は、荘村清志が講師の「ギターをひこう」、
鈴木巌の「クラシックギター教本2」にも載るが、阿部の教本では
「かなしみ」の題名がついて、それだけに練習曲とは別に感じて、
コストの「舟唄」と一緒に、丁寧に演奏して、暗譜もできていた曲。

ただ、いつものことだが、勝手な思い込み、半分以下のテンポで、
弾いていたようで、鈴木巌の教本の、メトロノームの速度指定や、
Youtubeの演奏を聴いて、こんなに早い曲だったかと驚いたが、
「アンダンテ」と、タイトルされたりする曲だから、遅いわけがない。

ただ、それが、わかった今でも、自分は、多少ゆっくりにした方が、
アポヤンド奏法で、メロディーを丁寧に、歌わせることができるし、
楽譜の3拍目の裏で、その前に鳴らした低音が、休符となるのを、
確実に消音できるのに、早く弾くと、今の自分のレベルでは無理。

他の楽器に比べ、音の小さいギターなのに、なぜ消音するのかと、
不思議だろうが、小さいだけに、肝心の聴かせたい音が、雑音に、
まぎれてしまわぬよう、前の音が鳴り続けて、本来の響く和音が、
不協和音にならぬよう、共鳴・共振音も含め、消音が必要となる。

全部の音を消すなら、右手のひらで、全弦に触れればよいのだが、
演奏しながら、消音するには、弾いていない右指を弦に乗せたり、
弾いた左指を浮かす、押さえていない左指で触れる、など様々で、
さらに、浮かせたり、触れるときに雑音が出ないように、気を配る。

カルカッシやソルの練習曲には、消音やスタッカートの練習用に、
書かれたものあるが、こうした初級の曲で、それも、メロディーが、
美しくて、そこが聴かせどころの曲を使って、じっくり練習する方が、
飽きないし、より実践的で、他の曲の演奏への応用がきくと思う。

コストの「練習曲・二短調」、別名「アンダンテ」、「かなしみ」など、
呼ばれている名曲を、本来の速度であるべき、アンダンテよりも、
やや遅い演奏ですが、アポヤンド奏法のメロディーによる音色や、
休符指定の箇所の消音に、注意を払って、丁寧に演奏しました。





ブログのタイトルを変えました
「僕らの過ごした渋谷 70~80年代の音楽と読書、時々手品」として、
3年前に始めたブログですが、この2年間、もっぱらギター演奏ばかり、
だんだん、タイトルと内容が、かけ離れてきたので、ギターをメインにと、
タイトル変更して、カテゴリーも「日記」から、「音楽」へと移行しました。

テンプレートまで変えてしまうと、「どちらさんのブログでしょうか?」と、
なりかねないので、そこだけは、従来どおり、使わせていただくとして、
タイトルについては、何か、もっとしっくりくるのを思いつくことがあれば、
変更したいと思いますが、「ギターマジシャン」名は、永久に不滅です。

今後、また手品への興味が戻って、必死で練習して動画まで披露し、
「僕らの演じたマジック」とか、「僕らが挑んだ大道芸」なんてことには、
ならないで、このままギター演奏を、毎週アップしていくことになると、
当分は考えていますので、ギターらしいタイトルで、いこうと思います。

実は、リンクしていただいている、LesPaul L-5さんが、小説を発表され、
そのサブタイトルに、「僕らの過ごした渋谷」を使っていただくことになり、
自分の使っていたブログ名が、どこかで生き延びるようで、嬉しくもあり、
さらに、その小説は、ギタリストが主人公なので、感情移入しまくりです。

このブログを訪問される方の大半は、ギタリスト、あるいは音楽好きだと、
勝手に想像していますが、そうした人たちの、胸をうつことは必至の作品、
実際、自分のような、漠然とプロを夢見ながら、果たせなかったアマへの、
墓碑銘ともなるような作品だろうと、一人で、もりあがっているところです。

ブログタイトルを変更して、ますますギターに特化していこうと思いつつ、
当初の趣旨、実家にあった日記が処分されたので、昔のことを思い出し、
ブログ上に記録しようということも、折をみては、やっていこうと思うので、
とにかく、これからも、このブログを、みなさま、よろしくお願いします!




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