僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ジョージ・ベンソン「アイ・リメンバー・ウエス」をガットギターで
「真夏の夜のジャズ」という、有名な映画があり、例によって、
いまだに見たことはないが、おかげで、「夏はジャズ」という、
固定観念があるものの、秋の夜長にジャズ、凍てつく冬には、
暖かい室内でジャズだの、四季を通じて、何とでも言える感じ。

渋谷河合楽器でジャズギターを習ったと、いつも公言する手前、
たまには、ジャズ演奏の一つでもしよう思いつつ、このところは、
クラシックギターを練習しているから、そのままエレガットを使い、
ピックは使わずに、指弾きにより、ジャズっぽい演奏をする事に。

ガットギターでジャズというのは、LA4のローリンド・アルメイダ、
チャーリー・バードが有名だし、彼らはクラシックギターも見事で、
クラシックの曲を演奏したレコードも、何枚か出してはいるので、
自分が、ガットギターでジャズを弾くのも、独りよがりではない。

ギター教室では、バークリー教本で、スケールやコードを練習し、
ジョー・パス、ジム・ホール、ジョージ・ベンソンらのコピー譜で、
アドリブの練習をしたが、リットー「ジョージ・ベンソンの軌跡」は、
ブルースや定番曲が、格好の教材となり、ほぼ全曲をさらった。

その中の、「アイ・リメンバー・ウエス」は、ギターソロから始まる、
スローバラードなので、スタンダード曲のメロディに、コードをつけ、
自分なりの、ソロギターを弾く練習にも、ちょうど良いお手本だと、
コード進行を分析したり、代理コードの理論と合わせ教わった曲。

ベンソンのフレーズのうち、ミストーンではないが、コードに沿う、
ビバップフレーズは、こうしたほうが良い、和音はこう変えた方が、
次の音にきれいにつながっていくなどと、他の曲でもそうだったが、
かなり細かく教わって、楽譜のあちこちの書き込みが、懐かしい。

どれくらいのテンポだったか、Youtubeで探すと、早いテンポの、
まったくメロディの違う曲が流れ出し、狐につままれた気分だが、
こちらの方を、何人もカバー演奏していて、自分の知るバラードは、
何曲も検索していき、見つけたものの、なんだか肩身の狭い扱い。

LP「ブルー・ベンソン」収録、曲名「アイ・リメンバー・ウエス」だと、
楽譜で再確認するが、まさか、LPの曲順表記が間違えていて、
出版社まで勘違いしていたのかと、昔録ったカセットを聴いたが、
アップテンポは入ってなく、前後の曲と入れ替わったのでもない。

余談だが、ビートルズ「アビーロード」の、裏側ジャケットの曲名は、
「サムシング」、「マックスウェルズ・シルバー・ハンマー」の順番が、
日本盤だけ、逆になっていて、ただ、歌詞があるから、曲名を逆に、
覚えられることはないだろうが、インスト曲の場合、そうもいかない。

Youtubeでは、新しい曲に、「ブルー・ベンソン」のジャケット写真が、
貼ってあるものもあり、CD収録の、別テイク、未発表曲だったのか、
ネットで見るディスコグラフィ、アマゾンなどの曲目リストでは不明、
のちの作品リストを見ても、この曲名として、再録音の形跡はない。

iTuneで調べると、この曲は、いくつかのベスト盤に収録されていて、
発売レーベルによって、同じ曲名なのに、スローバラードだったり、
アップテンポだったりするので、権利関係から収録できない会社が、
別の曲に差し替えてしまい、今は、その曲が、まかり通ってるのか。

あるいは、最初のバージョンに対して、ウエスの追悼の曲なのに、
あまりオクターブ奏法で弾いてない、という批評があったのも事実、
のちに、「ウィ・オール・リメンバー・ウエス」なる曲を、発表したが、
いっそのこと、昔の曲も、やり直してしまえと、別の曲に変えたか。

さらに、「ブルー・ベンソン」のLP自体、76年に出たベスト盤であり、
ヴァーブ在籍の68年に出した、2枚のLPから選曲されているから、
その段階で、別の曲と入れ替わる可能性も、考えられなくもないが、
MP3のダウンロード販売では、2つの曲が存在するから、謎のまま。

たかだか、1曲のタイトルをめぐって、大騒ぎだが、例えて言うなら、
ポール・マッカートニーのベスト盤に、「イエスタデイ」が入っていて、
ビートルズの曲も入ってるんだ、再録音とか、ライブ盤なのかなと、
針を落としたら、「アナザー・デイ」が流れてきた、というくらいの驚き。

そんなこともあり、今はなき「友&愛」で、LPをレンタルして録音した、
カセットテープを見つけ出し、原曲のテンポを確認して聴いたのだが、
このテープ自体、一度ラジカセに巻き込んで、ワカメになってしまい、
セロテープで修復した代物で、早送り、巻き戻しは厳禁という状態。

イントロのソロギターは、多少自由なリズムでベンソンは弾いていて、
ストリングスを含む、バックの演奏が始まると、インテンポになって、
途中のアドリブは、倍テンポ、テーマに戻ると、ゆっくりになるのだが、
ギター1本で弾くので、わりと自由にしたら、リズム音痴が顔を出した。

ジョージ・ベンソンが、正統派のジャズギターを、弾きまくっていた頃、
急逝したウエス・モンゴメリーに捧げた、「アイ・リメンバー・ウエス」を、
ピアノ・トリオの伴奏を省略した、ガットギター1本による演奏ですが、
アドリブ部分は、原曲のままだと、音がスカスカで、無伴奏は無謀か。


スポンサーサイト


タレガの前奏曲と、タレガ編曲のショパン前奏曲を一緒に
NHK「らららクラシック」で、2月に続いて、ギター特集があり、
近代ギターの父・タレガによる、「アランブラ宮殿の思い出」を、
作品背景と合わせ紹介されたが、タレガについて言及した際、
最近発掘され話題となる、タレガ本人の演奏が、少し流れた。

たった1曲だが、タレガ本人の演奏が見つかり、CDに収録と、
7月に現代ギターのメルマガで知って、アマゾンで注文するが、
大人気のようで、納期延期のメールが3回来て、いまだ届かず、
先にテレビで聴いてしまい、入手しても、もう感動は薄れそう…。

ただ気分としては、やはりタレガの曲は、ギターにぴったりだと、
一人もりあがっていて、図書館で、何かタレガの曲をと探したら、
タレガが編曲した、ショパンのピアノ曲を、全曲録音したという、
福田進一のCD、「ショパニアーナ」があって、早速借りてきた。

タレガの愛弟子・プジョールによると、ショパンの曲は13曲分を、
ギターに編曲したそうだが、自分が持っているドレミ出版の楽譜、
「フランシスコ・タルレガ作品全集」では、ショパンの曲は6曲だし、
現代ギター社「標準版ターレガギター曲集」など、3曲程度らしい。

そもそも「全集」と呼びながら、実際には、全部入っていないのは、
音楽でも文学でも、よくあって、自筆の楽譜が散逸しいてたのか、
もともと出版社も曲集も、バラバラで、整理されていなかったのか、
ともかく福田は、その伝えられるところの、13曲全曲を録音した。

小品が13曲では、収録時間が足りないからか、セゴビア編1曲に、
タレガ作品も演奏しているが、面白いのは、「12の前奏曲」として、
タレガのギター曲と、タレガ編曲ショパンを、交互に6曲ずつ演奏し、
ショパンをこよなく敬愛した、タレガが知ったら、泣いて喜ぶところ。

タレガは、必ずしも、ショパンにだけ、倣ったわけでもないだろうが、
ワルツ、マズルカ、前奏曲と、有名なピアノ曲の形式で作曲したし、
ショパン以外のピアノ曲も、ハイドン、シューマン、ベートーベンなど、
ギターに編曲していて、ピアノへの憧れが、かなり強いのがわかる。

ただ、ギターを弾かない人にとって、ピアノ曲を聴いたからといって、
これをギターに編曲すれば、とは思わないし、ギター専門誌である、
現代ギター「ギター音楽ガイド」でさえ、「ショパンの曲が、ギターに、
よくうつるという実感を、編者は不幸にもまだ得ない」の言われよう。

ところで、「前奏曲」とは、その名の通り、何かの曲の前に演奏する、
または、組曲の冒頭と思っていたから、前奏曲ばかり演奏するのが、
どうも不思議な感じで、有名なショパンの「24の前奏曲」となったら、
それに引き続く曲が、何十曲もあって、しかるべきではと思ってしまう。

バッハだと、「前奏曲とフーガ」があるし、リュート組曲、チェロ組曲も、
前奏曲・プレリュードから始まるし、「平均律クラヴィーア曲集」でも、
ハ長調、ハ短調を始め、すべての長調・短調である、24の調に対し、
前奏曲とフーガが配置され、これこそが本来の形だと、納得している。

ショパンの「24の前奏曲」は、「平均律~」に倣って、24の調だが、
引き続く曲がある、狭義の「前奏曲」でなく、バッハの前奏曲風作品、
自由な曲想の小品集を意味し、題名について、バッハに敬意を払い、
かつ、その偉業に取り組む意味をこめ、「24の前奏曲」としたそうだ。

さらに、そのショパンに影響を受け、8~16小節の短く、自由な曲想、
テクニックを要する作品として、タレガは前奏曲を作曲したのだろうが、
生前の出版では、「9の前奏曲」のところ、「標準版~」では14曲が、
「タルレガ全集」は26曲、輸入楽譜では39曲と、数多く残されている。

全音の鈴木厳「クラシック・ギター教本3」には、タレガの前奏曲では、
おそらく一番有名な、第11番と一緒に、第10番、さらに、タレガ編曲、
ショパン前奏曲第7番が、同じページに並んで、掲載されているので、
福田版の「12の前奏曲」の半分にも満たないが、3曲を続けてみる。

「ギターが最も美しい音の出せる所を使って書かれている」と解説で、
鈴木巌が言っていて、良い音を探す、右手のタッチの変化を考えて、
などなど、納得のアドバイスだらけ、タレガ作品は、弦、ポジションの、
選択が見事だから、こうした曲では、いかに良い音を出すかが目標。

それでいて、良い音と相反するわけではないが、雑で汚い音だろうと、
自分の限界スピードまで、早弾きすることも、相変わらず大好きだし、
前奏曲つながりとして、バッハの「リュートのためのプレリュード」を、
若き日のセゴビアの、早すぎるくらいのテンポに近づけ、弾いてみた。

この曲は、4組あるリュート組曲とは別に、前奏曲のみ残っているが、
アルペジオの、一定の繰り返しパターンは、練習曲のようでもあり、
昔からギターで弾かれるが、編曲者によって、運指はかなり違って、
自分は、昔から弾いている、阿部保夫編曲が、今もしみついている。

タレガの、ショパンに影響された前奏曲のうち、第10番と第11番、
胃腸薬のCMでも有名な、ショパン「前奏曲第7番」をタレガ編曲で、
さらに、まだ荒削りというか、テンポについていけず、勢いで弾いた、
バッハ「リュートのためのプレリュード」と、短い曲ばかりアップです。







武満徹のギター編曲集「12の歌」より、「ロンドンデリーの歌」
何度となく、自分のクラシックギターの原点、と書いている、
NHK「ギターをひこう」だが、さらに最初に見た74年度に、
講師の荘村清志が、毎週最後に弾いた、ミニミニコンサート、
卒業発表会での、タレガ、ソルの曲が、自分の定番となる。

その荘村清志の為に、武満徹が、ポピュラーソング12曲を、
ギターに編曲したのが、77年で、「弦は生きている!」と、
キャッチコピーがつき、「12の歌/地球は歌っている」として、
献呈された荘村が初演、レコードと楽譜が同時発売された。

自分が、この編曲を知ったのは、やはり「ギターをひこう」で、
78年度テキストに広告が出ていて、CM放送しないNHKが、
雑誌扱いのテキストだからか、基礎英語でも、市民講座でも、
関連した広告が掲載されて、何となく、不思議な気分である。

これまたブログに書いている、ポピュラーギターに夢中になり、
楽譜を集めたのは、数年後だから、当時は、あまり興味もなく、
実際、このレコードの演奏は、まったく聴いたことがないままで、
荘村が96年に、数曲を再演したCDを、さらにあとで聴いた。

この広告が載った、78年度前期は、アントニオ古賀が講師で、
おそらく、「ギターをひこう」で、初めてポピュラー曲を扱ったが、
「追憶」や「ロミオとジュリエット」などは、見事なギター編曲で、
ミニミニコンサードで聴いて感動し、テキストで取り組んでみた。

武満徹の「12の歌」の、冒頭を飾る、「ロンドンデリーの歌」も、
79年度後期テキストに載り、もちろん、武満編曲ではないが、
あるいは、このときに初めて、この曲を聴いたり、解説文から、
「ダニー・ボーイ」という別名があることも、知ったんじゃないか。

ところで、「ギターをひこう」は、年度を通し、同じ講師のところ、
アントニオ古賀の場合、78年度前期のみ、後期は小原聖子、
79年度前期が芳志戸幹雄で、後期に、再度アントニオ古賀と、
変則的だったが、自分が見始める前も、半年交代だったようだ。

もう大半が劣化し、駄目になってしまった、カセットテープだが、
「ギターをひこう」の、卒業発表会のテープを、見つけ出したら、
アントニオ古賀の年度から、講師が半年交代になっていたので、
裏表を間違えて録音したり、日付を書き間違えたと思っていた。

武満徹の「12の歌」は、発表当時は、全音ギターピースとして、
1曲ずつ出ていたので、ポピュラーギターに取り組んだ時期に、
難易度Dという、見栄心をくすぐる理由だけで、2曲を買ったが、
すっきりした楽譜の見た目に比べ、やたら難しくて、投げ出した。

今年になって、数年ぶりに、クラシックギターに気合が入ったうえ、
楽譜をネットで探して、買うことを覚えたので、いろいろ見ていて、
「12の歌」が1冊になっているのに気づいて、早速買ったのだが、
難易度は変わらないから、早々に、CDの鑑賞用楽譜と相成る。

NHK「らららクラシック」で、鈴木大介が、この中から1曲を演奏し、
鈴木の表現力もあるが、やはり、武満徹の編曲は素晴らしいと、
再認識し、そうなると、気に入ったら弾きたくなる、恒例パターン、
買ったままになっていた楽譜と、じっくりと、向き合う気になった。

手始めに、鈴木大介の演奏した、「オーバー・ザ・レインボー」を、
練習したが、1曲だけに、じっくりと取り組むというのは、苦手で、
あちこちと、弾けそうなところを、手当たり次第に、つまみ食いして、
そのうちに仕上がってきた曲に、取り組むのが、昔からのやり方。

それは、「12の歌」に限らず、タレガ、ソル、バッハの曲だったり、
ヴィラ・ロボスやバリオス、さらには江部賢一の編曲集だったりし、
レパートリーとは呼べない、中途半端な状態で止まっているが、
こうして毎週アップするから、そこそこには、仕上げるようになる。

「ロンドンデリーの歌(ロンドンデリー・エアー)」は、別の曲名の、
「ダニー・ボーイ」で呼ばれることも多いが、その経緯を調べると、
アイルランド民謡を、ロンドンデリーに住んでいた人が採取して、
原題となるが、のちについた歌詞から、「ダニーボーイ」だそうだ。

映画音楽に使われて、その題名のほうが、定着するのも多いが、
この例だと、ベートーベンの「エリーゼのために」に、歌詞をつけた、
「情熱の花」や、「キッスは目にして」が、併記されるようになって、
さらには、本家をこえてしまったようで、何だか複雑な気分になる。

映画「メンフィス・ベル」の中で、ハリー・コニックJr.扮する兵士が、
出陣のパーティで、「ダニー・ボーイ」を歌うのだが、ついた歌詞が、
別れを惜しむ内容なので、やがて、戦地へ赴く息子を送る歌とされ、
なるほど、あの場面にふさわしい曲だったのかと、今ようやく知る。
 
武満の楽譜には、テンポの指定があるのだが、演奏者の解釈か、
ルバートやリタルダンドの取り方も、まちまちならば、インテンポも、
倍くらい違っていて、再録音時の荘村の演奏は、5分近くなのに、
村治佳織だと、ほぼ4分、福田進一にいたっては、3分と段違い。

ここは、この編曲を献呈された本人、荘村のテンポを尊重しようと、
ゆっくりと弾いたが、そういう時に、思い入れが過剰となる悪癖で、
さらに遅くなったり、リタルダンドが、ただ、つっかえたようになり、
もっと楽譜を読み込んで、テンポの変化を、解釈する必要がある。

武満徹編曲の特徴というか、一般ギタリストが根をあげる要因が、
ジャズの複雑なコードを使うので、慣れない押さえ方を強いられ、
指がこんがらがったり、かなり左手を広げないと、届かないような、
運指も多くて、手の小さい自分などは、物理的に不可能だと憤慨。

3弦2フレットに、4弦7フレットを押さえ、同じラの音を鳴らしてから、
4弦を半音ずつ下げる運指は、最初だけ、気合を入れて広げるが、
1弦9フレット、2弦10フレットと同時に、6弦の5フレットで低音を、
鳴らすにいたっては、アルペジオ気味にずらして押さえても、無理。

手の小さい村治佳織など、どうしているのか、和音を変えるのかと、
Youtubeで探したところ、プロギタリストの動画は見当たらないが、
みんな何事もないように、押さえていて、フォームの違いだろうかと、
椅子と足台を使うと、ギリギリではあるが、嘘みたいに押さえられる。

面倒だからと、いつも畳に座り、右足にギターを乗せているのだが、
これだと、右手の爪の当たる角度も良くないし、手首にも負担が大、
左手も十分広げられないわけで、いかに正しいフォームが大切かを、
実感はしたが、ちょっとした練習で、足台を出すのは、やはり面倒。

クラシックというか、現代音楽の作曲家、武満徹が、荘村清志へと、
ギター曲を書き下ろしたのに続き、ポピュラー曲をギターへと編曲し、
「12の歌」として献呈したが、その冒頭を飾る「ロンドンデリーの歌」、
「ダニー・ボーイ」としても有名な曲を、かなり遅くなってる演奏です。



自分のアドリブだと落差が大きい、ギタマガコンテスト応募曲
そろそろ、お盆休みだの、帰省ラッシュだの、出国ピークだと、
テレビニュースを賑わす時期だが、自分の実家は都内だから、
昔から、帰省旅行などせず、お盆の時期は、留守番で出勤し、
最近では、家族旅行もないから、長い連休も取ることもしない。

その分、こまめに休もうと、今週さっそく夏休みを1日もらって、
8月10日〆切となる、ギターマガジンコンテストに応募すべく、
音源作りに集中できる環境を、自分なりに設定したつもりだが、
冷静に考えると、高校時代の一夜漬けと、そう大差ない感じも。

前の週あたりから、ポール・ギルバート率いる、レーサーXやら、
ジョー・サトリアーニ、スティーブ・ヴァイの曲を、やたら聴いては、
気分を高揚させつつ、使えそうなフレーズを、いくつか拾い上げ、
ハイテクギターの要素を、少しは交えようと、まさに一夜漬け型。

当初は、2曲ある課題曲、アップテンポの「eZ Mega Maga」と、
スローバラードの「Muse」を、それぞれ、アドリブで弾いてみて、
多少はましな方を選んで、応募音源にするつもりでいたのだが、
「二兎を追う者は一兎も得ず」の例えで、アップテンポにしぼる。

ギターマガジン掲載の楽譜と、模範演奏に沿って弾いた音源を、
どちらの曲もアップしたところ、思いのほか、「Mega Maga」に、
好意的なコメントをいただいたので、すぐに調子にのる自分は、
やっぱり早弾きこそ、自分の真骨頂だと、この曲に決めた次第。

ただ、最初から最後まで、早弾きにしたら、自分でも飽きてきて、
今もギターマガジンのサイトで見れる、数年前の決勝の演奏など、
いわゆるハイテクギターの、タッピングやスイープもすごいうえに、
つい、口ずさむような、歌心あふれるメロディも、兼ね備えている。

そこで、自分もメロディーっぽいフレーズから、始めようと思ったが、
いかんせん作曲能力がないうえに、ギターでコードを鳴らしながら、
鼻歌まじりにメロディーを考えると、これが音痴の極みとなるから、
結局は、指癖フレーズをゆっくりにし、コード進行に合わせていく。
 
イントロは、ブレイクに合わせて、ギターソロを弾きまくってみたり、
レーサーXのような、光速リフを、ひたすら弾き続けてみたのだが、
何だか、でたらめに聴こえるので、模範演奏のリフを多少変形し、
70年代っぽいような、初期のヴァン・ヘイレンっぽいような感じに。

アメリカンな感じのリフで作ったと、演奏アドバイスがあったので、
最初のテーマは、ドゥービー、イーグルスの感じで、歌メロっぽくし
カントリー風フレーズも入れたが、ゆっくりしたフレーズだからと、
ビブラートを必死でかけても、ヌメーっとしたノンビブになってしまう。

Youtubeで見る達人らは、ビブラートもきれいなら、チョーキングの、
グイーンというアタック音が、迫力からしてすごいうえ、音程も正確、
さらに、そこから自然の流れで、タッピングやスイープへと移行して、
どれだけ練習するのか、こればかりは、自分は全然身につかない。

続くアドリブでは、サンタナや、ラリー・カールトンがソロの出だしで、
ロングトーンで伸ばしながら、音をたぐり寄せていく感じを真似して、
緩急をつけ、早弾きになるところは、チャーの初期の曲をイメージ、
そこから、手癖のペンタフレーズと、イングヴェイ風もちらっと出す。

中間部のブレイクでは、模範演奏にならって、タッピングにしたが、
模範演奏は、Dの開放弦が効果的に入るから、これを基本形にし、
ヴァン・ヘイレン「ホット・フォー・テイーチャー」や、ジェフ・ワトソンの、
エイト・フィンガー奏法のフレーズを目指すものの、難しすぎて没に。

ここは、ごく普通、7~10フレットを左手、右手は12~15フレット、
という、練習曲にある基本パターンにするが、昔からよく弾いてた、
ライトハンド奏法時代の、3連フレーズにはせず、16分音符にして、
レブ・ビーチの線を狙ったが、3連の癖が抜けず、リズムがよれる。

そしてラストへ、一気に早弾きの嵐となるが、最初の構想としては、
3弦スイープや、1本弦での上昇下降から、6弦スイープに移って、
スキッピング、エコノミーと、ハイテクフレーズ満載のつもりだったが、
いざ弾き出すと、フルピッキングで、和田アキラのフレーズに終始。

これも、正確には、和田アキラの完コピフレーズでも何でもなくって、
プリズムのデビュー作をコピーし、自分の指癖になったフレーズで、
アラン・ホールズワースのように、レガート奏法で弾くべきところも、
ひたすら、アル・ディ・メオラ式にフルピッキングする、自分の悪癖。

このコンテストは、完コピ部門、クリエイティブ部門に分かれていて、
完コピには、音色もそっくりなら、ノーミスで、リズムもジャストという、
ものすごい達人だらけなので、毎年、クリエイティブ部門にするが、
先日アップした、やや完コピと、自分のアドリブとの落差が、ひどい。

本来、じっくりとフレーズを練り、ハイテクのタッピングやスイープも、
計算したフレーズを、繰り返し練習して、ミスのないようにしてから、
さらに時間をかけて、応募音源を録音しようと、毎年考えるのだが、
結局のところ、時間不足で、中途半端となり、学習能力がなさすぎ。

それでも、このブログを始めた頃に比べ、自分で言うのもなんだが、
確実にギターはうまくなっていて、毎週の演奏アップを続けることで、
実力の底上げは、できていると思っているので、10年も続ければ、
うまくなった分と、60代になった分で、特別賞でも出ないだろうか。

今回で、3度目の挑戦となった、ギターマガジン主催のコンテスト、
ギターマガジン・チャンピオンシップ第7回を、2曲の課題曲のうち、
「eZ Mega Maga」を、アドリブによる、クリエイティブ部門で応募し、
バンドやライブのない自分にとり、1年に1度のイベントが終了です。




村治佳織のCMが印象的だった、レニャーニ「カプリス第7番」
もはや若手と言うよりも、ベテランのクラシック・ギタリスト、
村治佳織が、療養のために、しばらく活動休止するそうで、
二度目の右手神経麻痺からも復帰し、そろそろ新譜かと、
期待していただけに、なんて不運が続くのかと、心が痛む。

ネットには、励ましコメント以外に、心ないコメントも散見し、
かつての陰口が、堂々と表に出る風潮に、嫌悪しつつも、
この曲が好きだ、嫌いだ、あの演奏は良い、悪いだのと、
知った風な記事を書いてる自分も、似たりよったりと自戒。

村治佳織はデビューした、高校生の頃から、すごく丁寧、
端正な演奏をしていて、まるで教則本のお手本のような、
それでいて、単調にならず、しっかりと聴かせる表現力も、
持ち合わせた、類まれなギタリストと、自分は思っている。

師匠の福田進一が、あまり演奏されていない、古典の曲、
海外の新進ギタリストの曲を、CD録音や公演で紹介して、
クラシックギター界の、裾野を広げようと、活動しているが、
そこに一役買うと言うより、村治佳織が広めた曲は数多い。

テレビ、何よりCMでの演奏は、お茶の間へとダイレクトで、
ヤングギターの記事で、高校生ギタリストがデビューしたと、
知ってはいたものの、実際に演奏を聴いたのは、数年後の、
CMや情熱大陸であって、それをきっかけに、CDも買った。

伊藤園のCMでの、わずか15秒の中、圧倒的な早弾きを、
さらっと弾いてのけた、「はちすずめ」の実力には、驚いたし、
トヨタのCMでも、早弾きを披露した、「カプリス第7番」は、
クラシックをかじった自分でさえ、聴いたことのない曲だった。

バイオリンの鬼才、パガニーニと同時代、というだけではなく、
コンビとして演奏もしていたという、ルイジ・レニャーニの曲で、
パガニーニの「24のカプリス」に対抗してか、数を増やした、
「36のカプリス」があり、その中から、第7番をCMで起用。

そもそも、レニャーニなど、曲どころか、名前も知らなかったが、
そう言えば、パガニーニが、数少ないギターの曲を書いたとき、
一緒に演奏しているギタリストとの、エピソードがあったっけと、
現代ギター増刊「名演奏の手引き」を探すと、その名があった。

パガニーニとレニャーニは、演奏旅行もするほど、共演したが、
いつもギターは伴奏役だと、不満を言うと、それならば新曲は、
ギターが活躍する曲にするよと、なったものの、いざ本番では、
パガニーニがギターを弾き始め、やはり目立っていたという話。

レニャーニが、たまには自分にバイオリンをやらせろと言って、
楽器を持ち替えたところが、さて渡された楽譜を見てみると、
ギターが目立つ曲だったという説もあって、この方が面白いが、
どちらにしても、おかげで、パガニーニがギターの曲を作った。

こうした逸話も、あとから、レニャーニだったと、気づいたわけで、
手持ち資料で探してみても、現代ギター「ギター音楽ガイド」の、
楽譜リストには、「36のカプリス」のみで、レコード目録の欄も、
輸入盤で、ガヨールという人が、カプリスから2曲を弾いた程度。

鈴木巌が、「ラ・マズルカ」なる曲を、教則LPで録音したようで、
手元にある「クラシックギター教室3」には、「スケルツォ」が載り、
この曲は、16分音符も多く、技巧派だったのが、うかがえるが、
おそらくは、ほとんど知られていない、ギタリストだったと思える。

村治佳織が15歳で出した、デビュー作「エスプレッシーヴォ」で、
パガニーニ「カプリス24番」と合わせて、レニャーニの曲からも、
6曲を弾いたが、たぶん、これだけでは、一部のファンしか知らず、
印象的な早弾きの部分が、CMで流れたことで、広まったと思う。

「クラシックギターのしらべ」には、「タンゴ・アン・スカイ」とともに、
村治佳織がCMで弾いた曲として、「第7番」のみが掲載されたし、
「名曲てんこもり2」での「第7番」には、村治が運指をつけていて、
村治佳織の曲集2には、6曲収録と、まるでレニャーニの伝道師。

自身の名を冠した曲集より、「てんこもり」の方が、運指の指定は、
多いうえに、右手も細かく書いてあるので、自分にはありがたくて、
ピック弾きと違い、指弾きでは、いまだに苦手なままの早弾きも、
指定された指使いだと、わりとスムーズに、弦をとらえて弾ける。

何をおいても、早弾きが大好きで、いい歳をして、困ったもんだが、
クラシックギターでは、情けないくらいに、右手が動かないうえに、
左手とのコンビネーションも今一歩だから、ちょっと早くするだけで、
音色が汚くなるし、開放弦が鳴ったり、雑音が多くなったりする。

毎日、スケール練習をしてはいるが、規則的な指の動きだけでは、
実際の曲の演奏中には、対応しきれないことが多く、あらためて、
運指の大切さを痛感するわけで、いかに効率良く、指を交互にし、
弦の移動にもついていくよう、きちんと考えて弾かないといけない。

今の自分の実力からすると、この曲は、普通の速度でも難しくて、
まして、若さの勢いもあってか、ものすごいスピードで弾ききった、
村治佳織のデビューアルバムでの速さには、まったく追いつけず、
それでも、遅すぎると、曲のイメージを損なうので、必死で弾いた。

クラシックギターの早弾きというと、かつては山下和仁が傑出して、
最近では、イングヴェイのファンを公言する、木村大が目につくが、
村治佳織も、負けず劣らず、早弾きなど、楽々とこなしてしまうし、
若き日のセゴビアも、神がかっていて、これがクラシック界の底力。

そんなクラシックギターの魅力を、一般、お茶の間へ広めてくれた、
村治佳織の休養は寂しく、一日も早く復帰して欲しいと願いつつ、
ここは、じっくりと静養してください、いつか、目新しい曲を引きつれ、
戻ってくるまで、自分は、これまでの曲に、じっくりと取り組みます。

村治佳織がCMでも演奏した、レニャーニの「カプリス第7番」を、
本物の速さには、とうてい追いつけないものの、かなり無理して、
今の自分が弾ける限界スピードにし、以前の「はちすずめ」同様、
気ばかりあせって、音が粗くて、雑音だらけの演奏となっています。
 






Copyright © 僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ. all rights reserved.