僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ポールの多重録音とマーティンのオケの「マーサ・マイ・ディア」
パソコンを買い替えたら、いつもYouTubeのアップに利用していた、
Windows Movie Makerが入っていないうえ、マイクロソフトからも、
提供中止になっていて、何か動画編集ソフトを入手しないことには、
音声だけのアップさえままならず、先週は演奏のアップは休んだ。

どうせなら、昔から憧れている、分割画面で様々な楽器を演奏する、
いかにも多重録音という凝った映像に、いずれは挑戦できるように、
市販のソフトはないか、Amazon中心に、ネットでいろいろ調べると、
アドビやサイバーリンクなどの数種で、そんなに選択肢はなかった。

最低限のことができて、値段は安いに越したことはないと見ていくと、
サイバーリンク社のパワーディレクターには、スタンダード版という、
4千円の廉価版があり、とりあえず、これにして、もっと高度なことが、
やりたくなれば、新バージョンの際、アップグレードすれば良いだろう。

昨日届いたので、昔アップした素材の静止画と音声ファイルを使って、
YouTube用のファイルを作る練習をするが、マニュアルはついてなく、
市販本も品切れのうえプレミア価格になっていて、買う気もしないと、
イージーモードから試してみるが、ムービーメイカーとは勝手が違う。

ただ、静止画を張り付け音楽を流すだけの、単純なことがしたいのに、
写真をスライドにしたり回転させたり、フレームや背景が加わってくる、
凝ったテンプレートしかなくて、スローモーション再生を選んでみたら、
写真が止まったままで済むが、最初と最後は、黒字にタイトルバック。

いずれ、やり方を覚えていこうと、今日の夜、完成させた音源を使い、
実際にファイルを作ると、まず、勝手に音声がフェイドアウトしていき、
最後まで聴けないので、再度MTRで10秒ほど余白を追加してみて、
最初の黒いスクリーンには、曲のタイトルだけでもと入力しておいた。

編集後ファイルとして書き出すと、以前は10MB前後ですんだのが、
何とびっくり、2分30秒の静止画で800MBという大きいファイルで、
これを毎週やっていたら、新しいPCのハードディスクは持たないうえ、
アップロードも再生も重すぎて、ちょっと真剣にやり方を覚えないと。

写真についても、ちょっとしたトラブルというか、長年使ったデジカメ、
古いソニーのサイバーショットが、電池の接触が悪いと思っていたら、
電池を抑える留め具が割れてきて、電池が浮き上がって、そのうえ、
新PCには、メモリースティックを指す場所がなくて、写真はスマホで。

買い替えたパソコン、スマホ両方とも、かなりストレスの原因になり、
このことだけでも延々と愚痴が書けるが、今日のところは時間不足、
何とか音源をアップしたので、動画編集ソフトの愚痴もあるのだが、
ひとまず、これくらいにして、演奏した曲についても、少し書いておく。

先週アップしそびったビートルズの曲は、「フール・オン・ザ・ヒル」で、
時間がないときは、ギターにせよ、ピアノにせよ、弾き語りに近い曲、
そこに多少のシンセを加えればすむ曲は、すごく重宝なので良いが、
実際やってみると、難しくて、これはこれで、じっくりと後日取り組む。

やはりピアノの曲で、楽譜付きLP「ビートルズ・ピアノ・テクニック」で、
多少ピアノを練習したり、ギターでも弾いた「マーサ・マイ・ディア」は、
バンドスコアに、ストリングス、ホーンセクションとも、きちんと採譜され、
途中のアップテンポのギターやベースも格好よく、やりがいのある曲。

イントロのピアノは、ラグタイムピアノのように、オルタネートベースに、
シンコペーションしたメロディが載り、さすがはポールというところだが、
最初に聴いたとき、これは、ギターのスリーフィンガー奏法にも近くて、
アコースティックブルースや、チェット・アトキンスの曲にもよくある形。

同じホワイトアルバムで、ジョンレノンは、ドノバンから教わったという、
スリーフィンガー奏法を、「ジュリア」や「ディア・プルーデンス」で弾き、
これは、教則本に載せたいくらい、きっちりしたパターンを繰り返すが、
「アンジー」のようなシンコペのパターンを、ポールが真似た気がする。

ポールはピアノだけでなく、リズムギター、ベース、さらにドラムまでも、
多重録音して、マーティンがスコアを書いて、左チャンのストリングス、
右チャンのホーンセクションが、それぞれ6人くらいが演奏したそうで、
外部ミュージシャンが多いのに、ビートルズからはポール1人の構図。

この記事に関しても、動画ファイルの処理にしても、中途半端ですが、
2週続けて、演奏をとばすことのないように、苦肉の策で、このあたり、
ホワイトアルバムで、1人で、あれこれやっていたポールのようでもあり、
その「マーサ・マイ・ディア」はピアノも難しく、これまた高音が辛いです。





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ヒットしたお礼を込めてファンに向け歌った「サンキュー・ガール」
ビートルズがデビューした当時は、歌手はあくまでも歌手であり、
プロの作詞家・作曲家が作った曲を、プロに演奏してもらうという、
いわば分業体制のようなものが当たり前だったが、ビートルズは、
自分で曲を作り、自分で歌って演奏までするというスタイルを貫く。

ただ、デビュー曲の「ラブ・ミー・ドゥ」を録音する段階で、どれくらい、
使える曲をストックしていたか、62年1月のデッカ・オーディション、
同年12月のハンブルグ・スタークラブのライブ音源で聴けるのは、
それぞれ3曲と2曲に過ぎず、その後、録音されたのは2曲のみ。

中山康樹「これがビートルズだ」で、「ラブ・ミー・ドゥ」を酷評していて、
「なぜこのような凡曲を望んで、デビュー・シングルに選んだのか」と、
疑問を呈し、さらに「すでにこの時点で、『プリーズ・プリーズ・ミー』や、
『アイ・ソウ・ハー・スタンディング・ゼア』といった傑作はできていた。」

逆に考えると、せいぜい、それらの曲と、前述の音源で聴ける曲くらい、
ものになる曲は、そうそう、なかったのではないか、かなり後になって、
録音される曲、「ワン・アフター・909」、「アイル・フォロー・ザ・サン」、
さらに「ミッシェル」も、さわり程度はできていたが、まだまだ未完成。

デビューシングル、さらに2枚目も、A・B面ともにオリジナル曲となり、
自作曲で勝負したいというメンバーの意向を、マーティンは尊重するが、
デビューアルバムとなると、LP全14曲のため、さすがに曲は不足し、
ライブで鍛えられ、すぐに録音できるカバー曲を、半分近い6曲にした。

そうした中、ツアーを一緒に回っている人気歌手のヘレン・シャピロに、
「ミズリー」を提供しようとして却下され、結局、自分たちでやることにし、
デビューLPに収録したのだが、かわい子ちゃん歌手が歌ってくれれば、
作曲活動に弾みがつく、自分たちの励み、自信にになると思ったらしい。

まだ、自分たちのレパートリーも少ないし、ようやくデビューした段階で、
他人への楽曲提供を考えていたとは驚きだが、これは、才能にあふれ、
いくらでも曲が作れ、余って困るということでなく、バンドとしてダメでも、
職業作家としてやっていけないか、模索していたと、意地悪い見方も。

藤本国彦「213曲全ガイド」に、ポールのコメントで、「B面でもいいから、
録音してもらえれば、僕らの作曲活動にプラスになると思って。」とあり、
この後も、ビートルズとしてはレコーディングされないまま、提供した曲は、
けっこうあって、必ずしも、出来が悪い没の曲を使いまわしただけでない。

デビューして力をつけたという言い方は安直だが、LPの発売前後から、
ジョンとポールの作曲能力は、飛躍的に伸びたというほどの爆発力で、
「プリーズ・プリーズ・ミー」に続いて、「フロム・ミー・トゥ・ユー」を出すと、
「シー・ラブズ・ユー」「抱きしめたい」と、怒涛のヒットシングルを連発する。

「フロム・ミー・トゥ・ユー」は、ファンへの感謝をこめて作ったとされるが、
まだデビューアルバムが発売される前の録音で、2枚のシングル盤を出し、
それらの曲を買ってくれたり、ラジオへリクエストしてくれるファン、さらに、
増えていくファンレターで、自分たちが売れる手応えを感じていたのだろう。

「フロム・ミー・トゥ・ユー」のB面、「サンキュー・ガール」も題名からして、
ファンへの感謝をこめた曲で、もともと、こちらの方が先に作られたそうで、
A面の候補にもなっていたが、さらなる傑作、「フロム~」ができてしまって、
B面に甘んじたようで、よい曲ではあるが、シングルヒットしたかは疑問。

ジョンのハーモニカから始まり、ジョンとポールのユニゾンからハモリへと、
自在に変化するメロディは、初期のビートルズの曲の代表的なパターンで、
こういうのが、リバプールサウンドであり、バブルガムミュージックなのかと、
後追い世代の自分としては、ちょっと分類したくなるが、そう簡単ではない。

今週もオケ作りが遅れがちで、得意のビートルズで、お茶を濁す手に出て、
初期の一発録音に近い曲、それでも、ジョンのハーモニカは翌日ダビング、
テイクの編集もしたそうだが、自分は単純に「サンキュー・ガール」演奏して、
ポールの高音がきつくて、お粗末な歌声で、お聴きいただく方へ感謝です。





キャロル・キングのカバーでコーラスワークが見事な「チェインズ」
今年は日本のフュージョン40周年にあたるそうで、それを記念して、
廉価盤のCDが出ていたと気づき、LPで持ってなかったものから、
LPはあるがCDでも欲しいものを、Amazonの「あとで買う」に入れ、
毎日チェックしては、売り切れそうなると、慌ててカートに戻し購入。

そんなわけで、一人でフュージョンに盛り上がって、ブログの演奏も、
当分はフュージョン漬けだと、はりきって、オケを作り始めたのだが、
ピアノパートが、どうしてもギターシンセでは弾けず、没にしてみたり、
バンドスコアの不備を耳コピできないまま、途中で挫折する曲もある。

今週、松岡直也「サン・スポット・ダンス」のリードギターが弾きたくて、
バンドスコアはメロディ・コード譜程度なのだが、オケを作っていくと、
ピアノ伴奏もベースラインも違うし、パーカッションは基本リズムのみ、
ほぼ全部のパートの耳コピが必要で、金曜の夜になり、あきらめた。

こんな時、さっと仕上げる曲は、ソロギターか、いつのもデパペペか、
さすがに弾き語りをする気はないが、よく考えると、得意のビートルズ、
歌詞とメロディは覚えているし、初期の一発録音に近い曲であれば、
バンドスコアを元にした伴奏作りも、1日あれば十分と気を取り直す。

ビートルズの本国のデビューアルバム、「プリーズ・プリーズ・ミー」は、
中山康樹「これがビートルズだ」によると、1曲目がポールのボーカル、
2曲目がジョンとポール、続けてジョン、ジョージ、リンゴとなっていて、
マーティンが、メンバーを1人ずつ紹介する曲順にしたのではと指摘。

ビートルズのデビューに際し、これまでのポップスで当たり前だった、
リードボーカルとバックバンドという形をとらず、ジョンとポールという、
2人のメインボーカルを残したうえ、ジョージとリンゴのボーカル曲も、
アルバムに入れて、しかも冒頭に並べ、バンドとしての存在を示した。

リンゴはともかく、ジョージも、まだこの段階では自作の曲がないので、
LPでは、ジョンの曲「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」と、
キャロル・キングが作曲し、クッキーズという女性コーラスグループが、
歌った「チェインズ」をカバーして、2曲もリードボーカルを披露している。

70年代、シンガーソングライターとして、一時代を築いたと言ってよい、
キャロル・キングは、当時は、職業作家として、夫のジェリー・ゴフィンと、
ゴフィン&キングの名前で多くの曲を提供していて、ジョンとポールは、
それに倣い、レノン&マッカートニーを名乗ったという説も信憑性が高い。

それが禍したとまでは言えないが、元祖(?)であるキャロル・キングは、
ゴフィンが作詞、キングが作曲と、ほぼ役割分担した共同作業なので、
レノン&マッカートニーも、ジョンが作詞、ポールが作曲担当なのだと、
誤解して伝わったところもあり、年配者にはいまだに根強かったりする。

ゴフィン&キングの曲は、「ロコモーション」をヒットさせたリトル・エヴァの、
「キープ・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ベイビー」も、BBCライブでやったが、
その「ロコモーション」のバックコーラスを担当していたのが、クッキーズ、
女性コーラスグループの曲に目をつけたのは、キャロル・キングがらみか。

この曲の発売は、62年11月だそうで、それを翌年2月のLP録音に際し、
「すぐに演奏できる曲」として、ライブのレパートリーから選び出したから、
ほとんど発売と同時に、自分たちの曲としてカバーしていたのか、かつて、
目ぼしいレコードを求め、エプスタインの店にたむろしていたのを思い出す。

アマチュア時代、オリジナル曲もさることながら、ライブで客受けするため、
ヒット曲のカバーも、他のバンドと争うように、我先にとレパートリーにして、
さらに他のバンドに先んじて、目ぼしい曲を探し、後にマネージャーとなる、
エプスタインのレコード屋の常連で、女性グループにまで目をつけていた。

「チェインズ」は、ビートルズにとっては、比較的新しい曲になるはずだが、
他のカバー曲と同様に、自分たちの曲にしてしまうところは、本当見事で、
イントロのハーモニカは、マーティンのアイデアなのか、全然原曲にないし、
ホーンのリフをギターで真似たり、いいとこ取りで、バンドの曲になっている。

YouTubeには、キャロル・キング本人がカバーした演奏がいくつか見られ、
もともと黒人の女性グループが歌った雰囲気で、ゴスペル調にしていたり、
バンド演奏ではモータウン風で、どことなく、シュープリームスのヒット曲、
「恋はあせらず」を、フィル・コリンズがカバーしたのと同じような感じもする。

自分がビートルズのファンで、原曲より先にビートルズ版を聴いているから、
「チェインズ」にしても、「ツイスト&シャウト」に、「ベイビー・イッツ・ユー」や、
「アンナ」など、モータウン系の曲をカバーしても、決してコピーではないうえ、
白人音楽に黒人音楽の要素を加えつつ、自分の音楽にしていると感じる。

「チェインズ」は、ライブでどの程度演奏したのか、シンコーから出たムック、
「ライブの時代」「全パフォーマンス徹底解剖」を見ると、63年のライブでは、
何箇所かでのレパートリーになっているが、ジョージのライブの定番の曲の、
「ロール・オーバ・ーベートーベン」が出てくる前で、模索していた頃といえる。

たった1日、10時間で10曲を録音した、ライブバンドで鍛えたビートルズと、
単に40年以上前の昔から、聴いて歌ったに過ぎない自分が、1日で1曲を、
仕上げるというのは、実力も演奏レベルも比べようもないが、手抜きせずに、
コーラスも何とか仕上げた「チェインズ」は、やはり1日でやった感の出来です。





故郷の市井の人々の暮らしを生き生きと歌い上げる「ペニー・レイン」
ビートルズは、66年8月末のキャンドルスティックパークで、
コンサート活動を終了し、スタジオでの作業をメインにする、
いわばレコーディングバンドへと変貌していき、67年6月に、
約1年ぶりとなる新譜の、「サージェント・ペパーズ」を出した。

ペパーズのレコーディングセッションは、先行シングルとなる、
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の録音を開始した、
66年11月からとされるが、「ロックン・ロール・ミュージック」、
「アイム・ダウン」を歌った日本公演から、半年もたっていない。

「ストロベリー~」や「ペニー・レイン」のベーシックトラックは、
年末には録音され、大作となる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
年明けから録音という、前作「リボルバー」があったとはいえ、
すごい音楽的飛躍で、もうライブをやっているどころではない。

両A面という扱いのシングル盤、「ストロベリー・フィールズ」と、
「ペニー・レイン」は67年2月に発売されるが、アルバム作成が、
長引き、レコード会社の要請で、とりあえず完成していた2曲を、
シングル盤で出したのか、それにしても、強力な両A面である。

面白いことに、どちらの曲名も、故郷であるリバプールにちなみ、
懐かさ、郷愁を歌っているが、曲調は正反対というか、ジョンは、
幻想的な歌詞で、サイケデリックなサウンドで、ポールの方は、
写実的な歌詞、明快な王道サウンドと、見事な対をなしている。

故郷リバプールについては、「ラバー・ソウル」に収録されていた、
「イン・マイ・ライフ」があり、ジョンは、ミドルエイト、サビの部分を、
ポールに手伝ってもらったと言うが、ポールは、歌詞の一部しか、
できていなかったので、残りの歌詞とメロディを作ったと主張する。

「エリナー・リグビー」と同様に、どちらが作詞作曲したかに関して、
2人の記憶が違っている数少ない曲だが、この両A面については、
正真正銘、間違いなくジョンとポール、それぞれの単独作であって、
それだけに2人の個性の対比が、できすぎなくらい分かれている。

ただ、録音に際し、時間をかけ手間をかけているのは、どちらもで、
ジョンは、2つのテイクの回転数を変えて、つなぐことで完成させて、
ポールは、ピアノを何度もダビング、さらにホーンセクションも2回、
ダビングしたうえに、間奏のトランペットまで追加する手の込み方。

「レコーディング・セッション」によると、メインのピアノを6回録音し、
ベストのテイク6をトラック1にし、アンプを通したピアノをトラック2、
回転数を変えて録音したピアノをトラック3にし、タンバリンも追加、
ハーモニウムとパーカッションを、トラック4に録音していったそうだ。

この段階では、ピンポン録音、リダクションはしていないようなので、
ポールがピアノやハーモニウムを弾いている時、リンゴか誰かが、
タンバリンやパーカッションを叩いたのか、あるいは追加の部分は、
ピアノを通して弾かず、合間にパンチインし、ポールが叩いたのか。

この4トラックを使ったるテイク6をリダクションで、トラック1へまとめ、
空いたトラック4にポールとジョンの歌を録音したのを、テイク7とし、
トラック2にジョンのピアノ、ジョージのギター、トラック3にポールの、
歌とベース、ジョンのリズムギター、リンゴのドラムなど録音していく。

トラック3は、ジョンのコンガも録音され、SI・スーパーインポーズと、
レコーディングセッションにあるが、元の録音に上書きすることになり、
ミスしても、やり直せないので、SIはしないと「全曲バイブル」は書き、
そうなると、2台を同期するか、テープをダビングして、SIにしたのか。

どちらにしても、このテイク8に、ジョンとジョージ・マーティンのピアノ、
手拍子、ジョン・ポール・ジョージのスキャットを追加、このスキャットは、
ペパーズ50周年記念盤の未発表テイクで聴けるが、完成テイクでは、
聴こえないので、他の音に埋もれたのか、消してホーンを録音したか。

ジョンのリズムギター、ジョージのリードも、ほとんど聴こえないのは、
ホーンに埋もれたようで、4台のフルートと2台のトランペットを追加し、
さらに後日、トランペット、オーポエ、ホルンを各2台、追加したうえに、
倉庫のハンドベルを、消防車の鐘に見立てて、歌詞のところで鳴らす。

ハンドベルは、はっきりと聴こえるが、ジョンのコンガは最後のほうで、
多少聴こえる程度、やはり後半に、数小節だけチェロが響いていたり、
ブレイクや音の隙間に、ノイズというか、箱を引きずったような音がし、
テイク6のパーカッションとも別のようで、これは何をどうした音なのか。

間奏とエンディングで鳴る高音のトランペットは、ピッコロトランペットで、
テレビでバッハのブランデンブルク協奏曲を見たポールが、その楽器、
この音を使おうとひらめき、マーティンに話すと、テレビで演奏した本人、
ディビッド・メイソンを呼んでくれて、彼がアドリブで吹いてくれたそうだ。

こうして、かなりのダビング作業を重ねたせいか、「ペニー・レイン」には、
何種類ものミックスがあるそうだし、なぜか、LPのは、擬似ステレオだと、
本に書いてあり、今回、久々にLPを出してくると、確かにモノラル気味で、
「ストロベリー」が、くっきり左右に音が分かれて鳴るのとは違っている。

中学時代、自分はモノラルの卓上プレーヤーで聴いていたから、モノも、
擬似ステレオも、実際のステレオも区別なく、同じように聴こえていたが、
2人きりのビートルズコピーバンドでジョージ役だった、同級生の友人は、
ステレオを持っていたので、片チャンネルずつ音を出し、聴いたりした。

「ペニー・レイン」は、歌の前にピアノのような音が聴こえ、ミックス違いか、
青盤の編集かと長い間思っていたが、ステレオの迫力ある音だったので、
フライング気味に入るベースが、16フレットという高音から始まるので、
ピアノの鍵盤を転がす音に聴こえたというのが、実際のところだろうか。

ペパーズの50周年記念盤収録の、未発表テイク集の「ペニーレイン」の、
テイク6や新リミックスを参考に、埋もれがちな音も再現しようと思いつつ、
時間の制約もあって、かなり妥協した手抜きの演奏になってしまったうえ、
いつものようにポールの高音がきつくて、何とかかんとかのアップです。







(前回同様、時間切れで書き切れなかった分の補足です)

「ペニー・レイン」に限らず、ビートルズの音源を、LPでは、
まったく聴くことはないし、87年初CD化された時のものを、
ラジカセで聴いているので、今もモノやステレオ、ミックスを、
気にしたりしないが、演奏する時だけは注意深く聴くことに。

今回、「ペニー・レイン」を聴いてみて、まず気になったのは、
ピアノ伴奏が一部で大きくなったり、聴こえないくらいになり、
ミキシングで音量調整したのか、今度はヘッドフォンで聴くと、
左右別々に録音され、右が加わる時、その分目立っていた。

さらに、バンドスコアではフルートとあるが、曲の始まりから、
右から、チャッチャッと刻んだ和音が聴こえて、この音の方が、
左のピアノより目立つときもあり、フルートの合奏のようだが、
テイク6でも入っているので、ハーモニウムの可能性もあり。

エンディングで、ものすごい高音でメロディをなぞっているのは、
ピッコロだと思うが、最後に音を伸ばしているのも、そうなのか、
こちらもテイク6では、ピーというノイズのような音が鳴っていて、
これは、アンプを通したエレピかハーモニウムと取れなくはない。

テイク6には、マシンガンのようなタムの音、それこそ自分の、
リズムマシンでドラムロールをやったような、機械的な音とか、
速度を変えて録音したようなピアノのフレーズ、タンバリンに、
シンバル、エレピの伸ばす低音もあるが、ミックスで消えたのか。

ジョンのリズムギターは、後半に、何小節かに一度聴こえるが、
ジョージのリードギターは、まったく聴こえなくて、どの部分で、
どのようなフレーズだったのか、アンソロジー2の間奏部分は、
ホーンのアンサンブルが鳴るが、リードを消し録音されたのか。

実際の録音のとおり、完コピするには、50チャンネルくらい、
必要だが、自分のMTRは24チャンだから、ピアノは2台で、
ホーンセクションも減らしたうえに、同時に演奏しない楽器は、
同じチャンネルを使って録音したり、それなりに工夫してみる。

ビートルズは、4トラックしかない時代だから、ピンポン録音、
リダクションを繰り返しているが、自分は基本やりたくなくて、
ミスした箇所に後で気づいても、その楽器だけやり直せないし、
音量や定位も変えられないので、原音のままでミックスしたい。

倉庫から見つけたというハンドベルは、火事を知らせる半鐘、
消防車の鐘の音みたいで、ギターシンセでは出せないので、
手品用に買ったミニアイスペールを叩いて、何とか似せたが、
昔の学校の始業ベルや、福引のベルとかがあれば良かった。

ピッコロ・トランペットは、バッハ・トランペットとも呼ぶそうだが、
かなり高音域で、ギターシンセのトランペットをオクターブ上げ、
フレーズだけはなぞったが、早いうえに、トランペットに特有の、
タンギングが見事な演奏なので、ミュートしても似てこなかった。

ベースは、初期の「オール・マイ・ラビング」でも見事に弾いた、
ジャズのランニングベースのフレーズで、メロディに沿って下降、
ある時はテヌートでつなげ、ある時はスタッカート気味に区切り、
同じフレーズでも変化をつけて、これは、本当にポールならでは。

ボーカルは、基本はポールが1人、あるいはダブルトラックにし、
サビでジョンがハモるが、ユニゾン部分はジョンだけになるのか、
ポールも歌うのか、こんなときはYouTubeの Beatles Vocal
Harmonyで見ると、I sit and meanwhile~と、ユニゾンで歌う。

そして、ハモリはポールが上、ジョンが下だと画面に出ているが、
コメント欄に上がジョンでないかと書いている人がいて、確かに、
ポールなら楽々と地声で歌える音程を、ファルセットにしていて、
これは初期の曲で、ジョンが上のハモに入れ替わる常套手段。

まあ、自分の場合、どちらも歌うわけで、ジョンが下でも上でも、
自分の出せる音程や歌唱力は変わらないから、一緒なのだが、
メインメロディのトラックは、ハモリの下にして、間奏部分での、
高音ファルセットは、ジョンを想定して、ダブルトラックにした。

歌詞は、実在の場所、ペニーレインで、床屋から銀行もあるが、
床屋は客の写真は飾らず、銀行員が雨具を着ないわけもなく、
女王の写真を持ち歩く消防士も、ポールの作り上げた物語で、
それでも、町の人々の暮らしが、本当生き生きと描かれている。

何でも、この両A面のシングル盤は、それまで1位を続けていた、
ビートルズのヒットチャート記録が途絶えて、2位どまりとなり、
両A面にしたことで、人気も二分されるし、ジョン派の自分だが、
「ストロベリー」は、まだ早すぎ、難解で変な曲に思われたろう。

もし、ポールの「ペニーレイン」だけをA面にして、発売したなら、
1位は取れたかもしれないと、メロディといい歌詞の内容といい、
さらに間奏のラッパと、本当、ポールらしい売れ線になっていて、
一般大衆、お茶の間にはポールだなあと、改めて感じる曲だろう。


駐車禁止で捕まったポールが婦人警官を歌った「ラヴリー・リタ」
LP「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、
ペパー軍曹のバンドのライブショーという形をとったアルバムで、
ジャケットも含めての、トータルアルバム、コンセプトアルバムの、
先がけとされるが、ほとんどポール主導だったのは、周知の話。

ジョンは、「ビートルズ革命」の中で、「ショーを見にいらっしゃいと、
言ったのは、ポールで、私はそんなこと言いません。今日新聞を、
読んだ、オーボーイと言ったのです。」と、ショー仕立てにしたのは、
ポールで、自分は関係ないといった口調で、最初ちょっと驚いた。

自分の作った曲、「ミスター・カイト」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、
「時間がせまっていて、早く作らないとアルバムに入らなくなるから、
いくつかの歌を大急ぎで作らなくてはいけなくなり~」みたいに語り、
半ばやっつけ仕事、ポールにせっつかれたとでも言いたいような。

どこで読んだか覚えていないが、ジョンは、ペパーズはタイトル曲と、
リプライズがあるものの、他はペパー軍曹とは何の関係もない曲で、
「マジカル・ミステリー・ツアー」などの曲と入れ替えても変わらない、
決してコンセプトアルバムではない、みたいにも言っていた気がする。

この時期のジョンは曲作りにスランプだったのか、ペパーズの曲は、
モチーフを外に求めて、「ルーシー」は息子のジュリアンが書いた絵、
「カイト」は古いサーカスのポスターで、「グッド・モーニング」はCM、
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は新聞記事、それも録音2日前の記事。

ただ、これだけをもって、ジョンの才能は、枯渇しかけていたなどと、
断じてしまうのは短絡で、ポールも「シーズ・リービング・ホーム」は、
家出少女の新聞記事から題材をとっているし、「ラヴリー・リタ」では、
自分が駐車禁止の取り締まりに遭ったことで、ストーリーを作った。

「ラヴリー・リタ」は、交通取締り警官を、イギリスでは、「Traffic
Warden」と呼ぶのに、アメリカでは特に婦人警官を「Meter Maid」と、
呼ぶと知ったポールが、Meterに合う語呂で Ritaの名前を思いつき、
最初は婦人警官への恨みだった歌詞を、恋人同士へと変えたとか。

「全曲バイブル」に、ミータ・デイビスという婦人警官が自分の事だと、
名乗り出たが、ポールは否定したと書かれ、「213曲全ガイド」には、
リタ・デイビスがモデルだと書いてあり、こんなことまで錯綜していて、
ポール本人が証言していても、別の説まで出てきて、何が真実だか。

アコギのイントロを始め、アコギはジョンだけかと思ったら、ジョージも、
お揃いのギブソンJ160Eを弾いたそうだが、どちらも左チャンネルに、
固まっているので、なかなか、個々の音が聞き取れないが、イントロの、
アルペジオはジョンだろうし、伴奏も力強く4つ刻むのがジョンだと思う。

叩きつけるように1拍ずつコードが鳴る中、8ビートのストロークも混じり、
ジョンが合間に弾くよりは、ジョージが細かく刻んでいるように思えるが、
ビートルズコピーの達人の方々は、それぞれ解釈が違っているようだし、
ベーシックトラックで、別チャンネルに入っているのが聴きたくなってくる。

テイク8まで録音したベーシックトラックは、1チャンネルにジョンのアコギ、
2チャンがジョージのアコギ、3チャンはドラム、4チャンがポールのピアノと、
楽器のみだそうで、それをトラックダウン・リダクションして、テイク9にして、
空いたトラックにベース、ボーカルを録音し、さらにリダクションしたらしい。

今回、50周年記念盤では、マーティンの息子、ジャイルズがリミックスし、
コーラスなんかは、驚くくらい分離しているので、この曲も2本のギターが、
分離しないか期待したが、ピアノとギターを分けた程度、未発表曲集でも、
テイク9のボーカル入りのみで、ベーシックトラックを聴くことはかなわない。

それでもテイク9は、LPでは、曲のキーがEとE♭の中間くらいだったのが、
ジョンが話しながら試すフレーズも含め、キーがEになっていて、録音はE、
これまでの説、Dで録音して、テープスピードを上げたのではなく、その逆、
ボーカル録音時に下げて、完成テイクは半音上げるに留めたと推理できる。

コーラスや効果音は、さらに後日、リダクションして、録音にあたったそうで、
トイレットペーパーを櫛で叩いたり、うめき声、ハイハットの口真似を加えて、
ブーブー鳴らす音は、マーティンが「スライドギターを使った」と語ったらしく、
「全曲バイブル」にあるが、達人の方々では、民族楽器のカズーが有力説。

自分は、子供の頃、口に手を当て、豚の鳴き声やおならの音を真似たのや、
トレーシングペーパーを口に当て、ブルブル響かせた、どちらかと思ったが、
トイレットペーパーの筒を口に当てた説もあり、ポールがライブで演奏した際、
キーボードの人がカズーを使っていたので、自分も安いのを買ってきて使う。

ペパーズから、駐車禁止のエピソードからポールが作った「ラブリー・リタ」、
やはり、ポールの高音が厳しいうえに、早口で歌う部分が、舌足らずとなり、
いつもながら、演奏は、そこそこなのに、歌はネックだと反省しつつ、さらに、
時間不足で、この記事も書きかけで、とりあえずは、週末のアップとします。






(ブログ記事の補足というか、書き切れなかった分の追加です)

ベーシックトラックでは、ポールがピアノを弾いたこともあって、
ベースをあとからダビングしているが、このペパーズあたりから、
ポールはベースを後回しにしては、ほぼ完成した曲を聴きながら、
じっくりベースラインを考えて、録音するようになっていった。

ポールは、リッケンベースを使って、得意のスタッカート気味で、
ミュートをかけたフレーズで、かなり自由に動き回るラインを弾き、
自分は、普通に弾いて録音した後で、どうも音が違うと気がついて、
右手の腹でブリッジミュートをかけて、最初からやり直すことに。

ただ、自分のベースは、フレットレスのジャズベースタイプなので、
リッケンのガツンガツンとした硬い音は出ないし、その硬質ながら、
音をこもらせて、それでいて、他の楽器にまぎれずに鳴っている、
ポール特有の音色は、なかなか再現できず、普通の音で妥協する。

伴奏のピアノは、イントロ部分は、和音と低音との交互フレーズで、
「アイム・ザ・ウォルラス」の弾き方にも近いし、エコーの響きは、
「ホワイト・アルバム」の「セクシー・セディ」を思わせるようで、
ジョンは、ポールにピアノを教わったというか、真似て覚えた気が。

わりと淡々とリズムを刻んでいるピアノ伴奏は、エンディングでは、
シンコペーションを多用したフレーズで、小節をまたいでるうえに、
一定のパターンではなく、どんどん変化させていくので、難しくて、
バンドスコアとにらめっこで、何回もやり直し、それでもずれ気味。

「ラヴリー・リタ」と繰り返すコーラスは、いかにもビートルズで、
多くのビートルズ本にジョンとジョージとあるが、3声コーラスは、
ポールも歌っているだろうし、ただ、高い音はジョンにも聴こえて、
中間もジョンのようなジョージのようなと、見事に溶け合っている。

うめき声での掛け合いは、ジョンとジョージとされるが、ジョンが、
1人でやったという説もあり、YouTubeのコメで、「ジョンの声が、
わからないのか」とまであるが、テイク9では、ポールの歌に続き、
「ダッダッ」となるので、その部分だけは、ポールの可能性もある。

どちらだったにせよ、この掛け合いが、後の「ヘイ・ブルドッグ」の、
ジョンとポールの犬の吠えるやりとりや、ソロ時代になってからの、
ジョンの「冷たい七面鳥」の中毒患者の叫びにも、つながっていき、
レノン=マッカートニーのすごさ、ビートルズマジックを思わせる。

リンゴのドラムは基本はエイトビートだが、ハイハットを模した声、
ボイスパーカッションは、16ビートでオープンクローズまでして、
さらに、パーカッション代わりに、トイレットペーパーを櫛で叩き、
何をどうしたら、トイレットペーパーを使うという発想になるのか。

エンディングの台詞は、里中・遠山の「ビートルズを聴こう」には、
「ポールがLeave it(かまうな)と言って、曲を閉じる」とあるが、
YouTubeの別テイクで、「I don't beleave it」とはっきり聴こえるし、
しかも、ポールではなくリンゴ、あるいはジョンという説まである。

間奏のホンキートンク調のピアノソロは、マーティンが演奏して、
「イン・マイ・ライフ」のバロック調ピアノソロの録音と同様に、
テープ速度を落として録音し、そっちは半分の早さに落としたが、
この曲は、そこまでは遅くしてないそうで、どれくらいだったか。

その際、ホンキートンクピアノの調子っぱずれな音色になるよう、
テープレコーダーの回転ノブに、ガムテープか何かを貼り付けて、
回転ムラが起きるようにしたそうで、自分はギターシンセを使い、
ピアノ音色で、速さはそのまま、エフェクトで音を揺らしておく。


とまあ、いろいろ書きたいことがあったのに、週末更新を優先し、
途中で無理やり記事を切り上げて、土曜日のうちにアップしたが、
演奏も記事も余裕を持って仕上げたいと思いつつ、締め切りに、
追われ、まるでペパーズのジョンの気分だと勝手に思ってます。





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