僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
「ギターをひこう」で覚えたクリスマス・キャロルの「聖母の御子」
中2の74年、荘村清志が講師の、NHK「ギターをひこう」で、
毎週、番組の最後に、クラシックギターの名曲を弾いてくれる、
ミニミニ・コンサートや、3月末の最終回、卒業発表会の曲が、
自分にとって、クラシックギターの定番の曲と、なっていった。

前・後期のテキストや、ギターを覚えようと、中1の時に買った、
阿部保夫の「NHKギター教室~教則編」、「~名曲編」を見て、
そうした、ソルやタレガの曲を練習したが、番組のテーマ曲の、
「鐘の音」や、カタロニア民謡「聖母の御子」は、載っていない。

版権のせいだろうか、テーマ曲の楽譜が載らないテキストは、
おそらく、その回だけだろうし、ペルナンブーコの「鐘の音」が、
当時は、ヴィラ・ロボス「ショーロ」として紹介され、このあたり、
荘村本人に、今からでも、語ってほしいことは、たくさんある。

高校に入り、ロックギターのうまい同級生が、たくさんいる中で、
クラシックギターを習っていて、「アランブラ宮殿」は、当然弾き、
プログレッシブロックが好きだと、フォーカスというバンドの曲も、
指弾きでこなす友人がいて、「ギターをひこう」のことを話した。

「聖母の御子」なら、ギター教室で習って、楽譜を持っていると、
貸してくれたが、番組で録音したテープや、荘村のレコードとは、
ところどころ、和音が違っていて、友人に言うと、編曲ものでは、
よくあるそうで、実際、「グリーン・スリーブス」などがそうだった。

77年に出た、現代ギターの臨時増刊、「ギター音楽ガイド」の、
「ギター・レパートリー・555」では、作者不詳の欄に分類されて、
「しばしば、リョベート編民謡と思われているが、実際の編者は、
セゴビアらしい。」とあり、荘村のLPには、「セゴビア編」と明記。

同ガイドのLP紹介欄の、イエペス「カタロニア民謡を弾く」でも、
「聖母の御子(セゴビア編)」とあり、他のLPは、編者表記なし、
広告ページの、「ギタルラ社の輸入ギターピース150」の方は、
編曲がフェゲランという人で、こちらは、ほとんど知らない名前。

友人が持っていたのは、おそらくギタルラ社の楽譜だと思うが、
作曲でも編曲でもなく、題名の横に、リョベートと書かれていて、
これも版や出版社が違うものなのか、書誌学的研究でもないが、
いろいろ調べていくと、面白そうで、いずれ取り組みたいと思う。

80年、小原聖子が講師の「ギターをひこう」は、後期テキストに、
「鐘の音」や「聖母の御子」が載って、中級編の最初に出てくる、
「聖母の御子」には、はっきりと、「リョベート編曲」だと書かれて、
荘村のセゴビア編とは、テーマの繰り返しも、和音も違っている。

もともと耳コピが苦手で、まして和音を取るのは、不可能なので、
長年、このリョベート編で練習しているが、その後に入手したもの、
現代ギター社「クラシックギター名曲集・帰ってきたてんこもり」や、
リットー「クラシックギターのしらべ」でも、それぞれに違っている。

自分は持っていないが、81年に、再度、荘村が講師となった際、
後期テキストに、「聖母の御子」が載ったそうだし、つい何年か前、
教育テレビ「趣味悠々」で、やはり荘村のギター講座が始まって、
そのテキストにも載ったそうだが、セゴビア編だったのかは不明。

荘村のセゴビア編と、小原のリョベート編の違いの大きい部分は、
メロディの繰り返しを、Aメロ、Bメロと考えたときに、荘村の場合、
Bメロを繰り返す前に、Aメロの一部を弾き、ジョン・ウィリアムスも、
ゴンザレスも、そう弾くが、小原版は、Bメロを、そのまま繰り返す。

4小節目で、和音が2拍目に弾くか、3拍目か、という違いもあり、
荘村は2拍目、小原は3拍目、さらに和音を構成する音に関して、
荘村、小原どちらも、ソの音に#がついて、E7のコードとなるが、
ギタルラ版だと、ソはナチュラルで、普通のGコードの響きになる。

録音で比べると、荘村清志は、73年「アルハンブラの想い出」や、
92年「カタロニア郷愁」でも、セゴビア編とされる演奏をしていて、
ベスト盤CDのジョン・ウィリアムスも、リョベート編の表記なのに、
一部を単音メロディにした以外は、セゴビア編と、まったく同じに。

ホセ・ルイス・ゴンザレスは、かなり、リズムをはねての演奏だが、
セゴビア編に近いし、菊池真知子は、小原のテキストに出ている、
リョベート編に忠実で、「名曲てんこもり」の毛塚巧一、「しらべ」の、
斉藤松男は、リョベート編の和音を、ところどころ、変更している。

肝心のセゴビアの演奏は、晩年の映像が、YouTubeに出ていて、
メロディの繰り返しは、セゴビア編とされる、荘村と同じなのだが、
和音は、すごくシンプルな響きがするし、細かい部分も違うようで、
セゴビア校訂の楽譜は出ていないから、何が正しいのかは不明。

原曲が、カタロニア民謡というのも、実はガリシア地方の曲だと、
別の説まであり、だから、リョベートは自身が編曲しているのに、
「カタロニア民謡集」に加えなかったと、調べるときりがないほど、
ただし、スペインのクリスマス・キャロルというのは、間違いない。

題名の「聖母の御子」は、LPの邦題によって、「聖母とその子」、
「マリアの子」と異なるが、マリアとキリストのことを指しているし、
幼い頃に覚えた、「きよしこの夜」の歌で、「救いのみこ(御子)は、
みはは(御母)の胸に~」と、あるのと同様に、生誕を祝う歌詞。

自分も、幼稚園に通う前後から、小さなクリスマスツリーを飾って、
「きよしこの夜」や、「ジングル・ベル」のレコードをかけ、歌ったが、
御子とか御母の意味も知らず、ただ、歌詞を覚えて、口ずさんで、
絵本で、ベツレヘムがどうした、こうしたと、地名まで覚えていた。

このあたりは、日本の童謡でも同じことで、文語体や雅語などが、
いりまじっていたり、単語の意味も知らないまま、覚えていったが、
よくよく考えると、別の漢字を充てはめ、意味を取り違えていたり、
いまだに、何のことかわからない歌詞も、たくさんあると、気づく。

スペインの子供たちにとって、「聖母と御子」は、そうした歌だから、
ギター編曲は誰だとか、和音がどうしただのは、余計な話だろうし、
91年のバルセロナ・ギターフェスで、鈴木一郎が、ギター伴奏して、
現地の人が高らかに歌ったように、今後も歌い継がれるのだろう。

自分のクラシックギターの原点、荘村清志の「ギターをひこう」で、
気に入った、クリスマス・キャロルの「聖母の御子」を、同じ番組の、
小原聖子のテキストの、リョベート編曲で、30年以上弾いてきて、
慣れ親しんだものが一番と、クリスマスにちなんで、演奏しました。


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映画「禁じられた遊び」で使われた、ドヴィゼー「サラバンド」
渋谷河合楽器ジャズギター教室で、先生に薦められた、
「バロック名曲選集」に載っている曲を、練習していたら、
聴き覚えのあるメロディーがあり、「禁じられた遊び」の、
映画の中で、テーマ曲以外に、流れていた曲だと気づく。

やはりギター教室で、何冊も買ったポピュラーギター集、
「魅惑のムードギター」とか、「永遠のギター音楽」だとか、
そういった類の楽譜の中で、「禁じられた遊び」のテーマ、
「愛のロマンス」のイントロや、メドレー形式でも載った曲。

映画「禁じられた遊び」は、母に連れられ、名画座で見て、
その後も、日曜洋画劇場か、水曜ロードショーで見たが、
タイトルバックで、イエペスらしきギタリストが演奏したり、
本編でも流れた程度の記憶しかなくて、個々の曲は不明。

さらに後に、衛星放送か、ケーブルテレビで放送したとき、
リョベートが編曲した、カタロニア民謡「アメリアの遺言」も、
使われていたのに気づき、それ以外も、別の数曲が流れ、
どれも、昔からのクラシックギターの曲なのか、気になる。

当時は、まだインターネットも普及してなく、手持ち楽譜を、
パラパラめくって、それらしき曲はないか探す程度だから、
結局、わからないまま、今回、「バロック名曲選集」を出し、
ネット検索すると、あっけないくらいに、いろいろとわかる。

「愛のロマンス」と「アメリアの遺言」の他に、ド・ヴィゼーの、
「サラバンド」と「ブーレ」、コスト「25の練習曲」の一つに、
ラモー「メヌエット」とあり、ドヴィゼーの曲は、組曲なので、
その中の「ブーレ」でなく、「ガボット」「クーラント」の説も。

これらも、「バロック~」に出ていたが、自分が映画の曲と、
思ったのは、ヘンデルの「サラバンドと変奏」で、出だしが、
ド・ヴィゼーの「サラバンド」とそっくりで、当然、時代が後の、
ヘンデルに盗作疑惑となり、音楽史では、どうなのだろう。

映画「禁じられた遊び」は、クラシックギターを買ったときに、
「こういうのを弾けるように。」と、母に言われて、映画館へ、
連れて行かれたという因縁があり、エレキギターだったら、
ベンチャーズのLPを買ってきたりと、わりとステレオタイプ。

中1の秋にギターを買ってもらったのは、演奏目的でなく、
「人造人間キカイダー」が変身する時、ギターを弾くので、
「巨人の星」でユニフォーム、「紅三四郎」で柔道着を買い、
「おれは男だ」で剣道部へ入部した、その延長線上だった。

キカイダーが持っていた、赤いフォークギターが欲しいが、
デパートで見たのは、白いギターか、黄色のギターくらい、
迷っていたら、母は、どうせなら、ちゃんとしたギターを買い、
クラシックギターを習うようにと、近所のギター工房へ行く。

実家と同じ商店街にあった、並木カメラ店が、NHKの近くで、
並木ギターを開き、手工ギターの製作販売をしていたから、
顔なじみということで、表面板に傷がはいった、訳あり品を、
安くしてくれて、変身ギターが、本物のガットギターになった。

併設のギター教室もあり、母から、習いに行くように言われ、
阿部保夫の「NHKギター教室~基礎編」も、それで買ったが、
空いているレッスン日が、毎週見ていたアニメの時間帯で、
それを我慢してまで、ギターを習いたいとは、思わなかった。

小学生の頃も、似たような話があり、「おれは男だ」の中で、
志垣太郎がトランペットを吹くので、トランペットを欲しがると、
放課後、ヤマハ教室の先生が、小学校まで教えに来るのに、
申し込まれて、1年間習うが、全然ものにはならず終わった。

ギター教室には行かずに、近所の人に、ドレミの押さえ方を、
教わったりしていると、母は「禁じられた遊び」を弾くようにと、
楽譜の出ている「NHKギター教室~名曲編」を、買ってきたり、
曲が流れる映画を見るように、有楽町の名画座へ行くことに。

このとき、なぜか、「スヌーピーとチャーリー」との2本立てで、
スヌーピーの漫画は、、小学校から好きで、TVアニメも見て、
映画もロードショー公開に行き、サントラLPや台本まで買い、
台詞を覚えるほどだったから、それにつられて、母と出かける。

「禁じられた遊び」のエンドロールが流れ、場内が明るくなると、
あちこちですすり泣きがして、母もボロボロと泣いているので、
周囲を見渡し、「大人が泣くなんて、おかしいよ。」と言ったら、
「こんな血も涙もない子に、育てた覚えはない。」と、嘆かれる。

自分は、妹のようであり、お墓作りの共謀者という仲間である、
少女を連れ去られ、墓を壊す少年の、やり場のない怒りとか、
母を見かけたと勘違いし、雑踏に消えていく少女の行く末が、
心配にはなったが、それは悲しい、泣くという感情とは違った。

50才を過ぎた今、悲しい場面だろうが、楽しい場面だろうが、
子供や動物が出てくるだけで、もう、ウルウルしてしまうから、
母親の心配はご無用、人並みの感情を持って、年を取ったし、
おかげで、ギターをずっと続けたし、クラシックも弾いている。

ギター教室で教わった「バロック名曲選集」にも、載っていて、
映画「禁じられた遊び」でも、テーマ曲に次ぐ、印象的な曲の、
ド・ヴィゼー「サラバンド」を、40年前に見た映画を思い出し、
懐かしさもあって、多少は涙腺を刺激されつつ、演奏しました。





ゆったりと聴かせるバロックの調べ、A・ロジー「パルティータ」
79年3月、渋谷河合楽器ジャズギター教室へ通い始め、
さすがに、プロミュージシャンになりたい、などとは言えず、
楽譜を初見で弾きたい、ジャズの複雑なコードを覚えたい、
何よりも、早弾きができるようになりたいと、先生に話した。

イングヴェイが登場する前、早弾きのギタリストといったら、
アル・ディ・メオラが代表格で、影響を受けた和田アキラも、
自分の憧れで、先生は、ディ・メオラの師匠と呼んでも良い、
ラリー・コリエルを昔から聴いていて、早弾きも得意だった。

バークリー教本のスピードスタディで、どんどん速度を上げ、
限界まで弾く練習をしたり、右手のピッキングフォームから、
左手の押さえ方まで、ロックとジャズでは違うと、直されたり、
本当に、基礎から鍛えられて、おかげで今日の自分がある。

先生は、クラシックギターも得意なので、鈴木巌教本などで、
指弾きの練習もさせられたが、そうしたアルペジオの練習を、
ピックで弾くことも、良い練習になると、スイープ奏法ではなく、
アップダウンのオルタネイトで、弾ききるようにと、やらされた。

バッハの無伴奏バイオリンは、ピックで弾きやすい曲を選び、
とにかく早く弾き、、天才ギタリストの山下和仁の演奏よりも、
自分のピック弾きの方が早いと、得意になると、早いだけで、
全然曲になっていない、単に機械的な早弾きと、注意された。

早弾きの練習も良いが、ゆっくりした曲で、一つ一つの音を、
丁寧に弾くことも、ギターの上達には大切なことだと言われ、
先生に渡されたのが、阿部保夫の弟子、石月一匡の編曲の
「バロックギター名曲選集Ⅰ」で、バッハ以前の作品が中心。

4分音符ばかりの曲も多く、和音も、6弦全部を使うのでなく、
低音と高音の2声で動く部分が大半で、楽譜を見た限りでは、
全部初見で弾けそうだと、馬鹿にしたが、先生のお手本とは、
自分の出てくる音が大違い、いかに雑に弾いていたか痛感。

早速、2階の楽譜売り場に下りていき、楽譜を買ってきたが、
おまえは譜面が読めるから、あとは家でじっくり弾けば良いと、
目ぼしい曲を数曲教わっただけ、先生からは、ジャズ教本で、
細かく教わったが、他の曲集だと、あくまでも参考程度が多い。

クラシックギター教室ではないから、1曲を何度も繰り返して、
完成させることはしないと、ジャズ教本でも、どんどん進んで、
時々復習する形だったから、実戦で鍛えられるような方法で、
おかげで、幅広く、クラシック、ポピュラー曲も、さらってくれた。

バロック音楽は、中1の73年に、最初のギターを買ってもらい、
一緒に買ったのが、阿部保夫の「NHKギター教室~教則編」で、
その姉妹編「名曲編」には、ソルやタレガの曲と共に、バッハや、
ド・ビゼー、ラモーが載り、知ってはいたが、ほとんど弾かない。

毎週見た教育テレビの「ギターをひこう」では、荘村清志に続き、
同年代の渡辺範彦が講師のとき、ヴァイスの曲をテーマにして、
さらに芳志戸幹雄は、自らリュート曲を編曲し、練習曲にしたが、
どうも古くさい、「天正の少年使節」に出てきそうだと、敬遠した。

それから数年、先生に勧められ、せっかく、楽譜を買ったので、
バロック音楽も少しは聴こうと、NHKFMで朝の6時から放送の、
「バロック音楽のたのしみ」を録音したり、その解説者でもある、
皆川辰夫の著書「バロック音楽」を買い、少しは知識を深めた。

ただ、この手の曲を、早朝から聴くと、さわやかな目覚めでなく、
眠気がおしよせて、二度寝してしまうことも多く、大学とはいえ、
1限の授業のある日は、8時に家を出ないといけなかったから、
遅刻しそうになり、深夜番組の方が、良いのではないだろうか。

今回の自分の演奏でさえ、組曲で、6分以上も流れているから、
マスタリングで、リバーブ調整や、イコライザーをいじっていて、
いつの間にか、ウトウトしてしまい、気づくと、もう曲が終わって、
数分間に渡り、空白のままで録音が進み、もう一度やり直した。

リュートの父とも称された、アントン・ロジーの「パルティータ」は、
ジャズギター教室の先生が、最初に弾いてみせてくれた曲で、
1曲目「アリア」を、その場で練習したから、印象に残っていて、
今回も、「バロック名曲選集Ⅰ」を出して、まずは弾いた曲です。





中秋の名月にちなみ、ジャズの定番「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」
雨が続き、涼しくなったかと思うと、再び残暑になったりして、
毎年、季節の変わり目に、今年は異常気象なのだろうかと、
戸惑うことばかりで、以前のような、穏やかな四季の変化は、
日本には存在しなくなったのかと、これまた、毎年感じること。

暦の上では、8月7日が立秋だが、こればかりは、今も昔も、
実感がわかなくて、旧暦、新暦の違い以上に、ずれた感覚、
それでも、秋分の日に、昼夜の長さが同じなのは、事実だし、
中秋の名月には、日にちが毎年動くものの、お月見が定番。

今年は、9月8日が中秋の名月らしいが、陰暦のことだとか、
月齢のことに疎い自分は、満月と言えば十五夜なのだから、
9月15日こそ、お月見じゃないかと、勝手に思い込んでいて、
月見団子を買いに行っては、空振りするのも、毎年の恒例。

そもそも、十五夜が毎月15日だと、それだけでも勘違いだし、
それが高じて、中秋の名月が、秋分の日で、9月15日だとか、
敬老の日が、どっちだったっけと、混乱することまで起こって、
昨今のハッピーマンデーで、余計に、訳が分からなくなった。

だから、感覚的には、ちょっと早い、お月見の時期になるが、
月にちなんだポピュラーソングでも、弾いてみようかと考えて、
どんな曲があるかと、すぐ思いつくのは、「ムーン・リバー」に、
「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」など、定番のスタンダード曲。

特に、この2曲は、歌い始めの歌詞が、曲のタイトルになって、
何となく、そこだけは、口ずさめるから、印象にも残るのだが、
そこから先は、メロディも、うろ覚え、歌詞も出ず、鼻歌という、
熱心に聴いたことがない、いつのまにか、親しんだ曲の典型。

さらにジャズとなると、「ムーンライト・セレナーデ」が有名だし、
「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「バーモントの月」「月光値千金」など、
太陽や雨と同様に、次から次へと思いつくし、クラシック音楽、
洋楽、J-POPにも名曲があり、毎年弾いても、追いつかない。

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」は、いつも愛用、江部賢一の、
ギター編曲集にも出ていて、前半は、3拍子で、ゆっくり弾き、
後半は、ボサノバのリズムで、アップテンポで演奏するという、
しゃれた編曲になっていて、昔から、さわり程度は弾いていた。

もともと、この曲は3拍子で、のちにボサノバのリズムに編曲、
そっちの方が、一般的になったそうで、そのあたりを踏まえた、
江部の編曲は心憎いし、ジャズを意識したのか、ボサノバか、
テンションコードによる伴奏も、リハーモナイズされてて見事。

3拍子は、ワルツで、音楽の教科書でも慣れ親しんでいるが、
やはり4拍子の方が、聴いていて、おさまりがよいのだろうか、
バッハのメヌエットを4拍子にした、「ラバーズ・コンチェルト」が、
大ヒットしたのも、お茶の間に、心地よい感じだったのでしょう。

「フライ・ミー~」は、いつの間にか、曲を聴いて、覚えたわけで、
例えば、ビートルズのように、中2で聴いたとか、あのドラマで、
あの映画で、というのが、自分にはないから、実家の、まさに、
お茶の間に浸透した曲で、テレビで、何気に流れたのだと思う。

幼い頃、母が見ていた、「アンディ・ウィリアムス・ショー」とかで、
歌ってそうだが、そう記憶には残らないだろうから、それよりは、
中学、高校になって見た、「サウンド・イン・S」で、伊東ゆかりが、
ゲスト歌手と歌ったり、ジャズの歌番組で、聴いたというところ。

今回、記事を書くにあたり、知ったのが、社会現象にまでなった、
「新世紀エヴァンゲリオン」の、エンディングテーマだったそうで、
こうやって、次の世代へ、歌い継がれていく曲があるんだなあ、
歌は世につれ、世は歌につれとは、よく言ったものと、感慨深い。

中秋の名月にちなんで、月がタイトルに登場する、多くの曲から、
ジャズでも定番中の定番曲、「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」を、
昔から弾いていた、江部のギター編曲で、今回はリズム隊なし、
ソロギターで演奏しましたが、リズムがよれたり、タッチが雑です。






そろそろ夏も終わりというのに、しつこくボサノバの名曲で「波」を
夏を感じる音楽と言えば、山下達郎や、チューブを筆頭に、
昔ながらの、ベンチャーズとか、ビーチボーイズも浮かぶし、
盆踊りはともかく、先日は、商店街でサンバ大会があったし、
ただ、自分には、サンバよりは、ボサノバが、夏のイメージ。

サンバやボサノバは、ブラジル音楽というだけで、どことなく、
暑い、常夏だ、と思ってしまうが、それでいて、常夏の国の、
ハワイだと、ハワイアン音楽は、夏と言うより、ビヤガーデン、
常磐ハワイアンセンターと、具体的なイメージへと直結する。

自分にとっては、ボサノバが夏の音楽というのは、ものすごく、
個人的な話で、高校の頃に、「サマー・ナイト・サウンド」という、
FMの特番が数回あり、テーマ曲のタイトルは不明なのだが、
ボサノバのリズムのインストで、これが、完全に刷り込まれた。

冒頭、トライアングルを主体に、パーカッションが演奏を始め、
「サマー・ナイト・サウンド」と、番組のタイトルコールが入ると、
ボサノバのリズムに合わせ、フルートがメロディを奏でるから、
夏の夜の音楽はボサノバだと、強い印象が、植えつけられた。

番組自体は、「ニューミュージックの旗手たち」の副題がつき、
因幡晃、岸田智史、庄野真代の曲がかかって、ボサノバとは、
まったく関係のない内容で、それぞれ、シングルヒットではなく、
LPから数曲かけるという、ちょっと通向きの構成も良かった。

そうして抱いたボサノバのイメージだが、ボサノバの代表曲も、
自分の場合、渡辺香津美のジャズギター教本に、出てた曲や、
ジャズミュージシャン、特にギタリストが演奏した曲に親しんで、
本場のボサノバ、特にギター弾き語りは、ほとんど聴いてない。

「イパネマの娘」、「黒いオルフェのテーマ(カーニバルの朝)」、
「オルフェのサンバ」、「波」が、すぐにメロディも浮かぶ曲だが、
当時買った、500円くらいの「ボサノバギター教本」に出ていた、
「おいしい水」「トリステーザ」などは、あまり練習もしなかった。

アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「波」は、ジャズギターで、
よく演奏されて、原曲のキーがD(ニ長調)という、ギターにとり、
弾きやすいキーで、管楽器が主体のジャズでは、B♭、E♭と、
ギターに苦手なキーが多いだけに、重宝がられるせいもある。

高校には軽音部がなく、クラシックギター、マンドリン部なので、
運動も苦手な自分は、帰宅部となったが、大学にはジャズ研、
ロック研、クロスオーバー同好会もあるから、どこかに入れば、
自分もバンドが組めると、新入生勧誘のイベントを見て回った。

ジャズ研では、先輩のコンボがジャズ・ブルースを延々と演奏し、
新入生も含め、持ってきた楽器で、何コーラスがアドリブするが、
キーがE♭のうえに、トランペットやサックスばかりで、萎縮して、
ロビーへ出ると、ギターの先輩達が、数名でセッションしていた。

高校の文化祭で、唯一フルアコでジャズを弾いていた人もいて、
ジャズ研では、セミアコの335に、フェイザーをつなぎ、「波」を、
演奏していて、文化祭では、まんまジャズギタリストだったのに、
クロスオーバーの影響か、ジャズ研なのにセミアコねえと、思う。

演奏の合間に、少し話ができたが、渡辺香津美の自宅へ行き、
ギターを教わるとか、スクールで、秋山一将に習っているとか、
ものすごい先輩だらけ、とても自分の居場所はないと思って、
ロック研を覗いたら、パープルとかを、完コピしている人ばかり。

ギター人口が多いのは、高校と同じで、有志でバンドを組んで、
文化祭に出ようにも、ベース、ドラムが見つからなかったのだが、
大学のロック研も、上級生のすご腕ギタリストが、ゴロゴロして、
新入生に、良いベース、ドラムはいないか、物色している状態。

クロスオーバー同好会は、松原正樹らのプロが、特注で作った、
エフェクターラックを、セミアコにつないで、ラリー・カールトンの、
「ルーム335」を楽々と弾く2年生がいて、4年生はリズムギター、
ここにも、自分が参加する余地はないと、がっかりしながら帰宅。

その1ヶ月前に、ドラム教室に入る友人に、ついていった勢いで、
渋谷河合楽器のジャズギター教室に申し込み、通い出したので、
とにかく自分は、河合楽器でギターをうまくなるしかない、いずれ、
バンドは組めるだろうと、大学でも帰宅部となり、練習に励んだ。

「波」つながりの思い出をもう一つ、やはり高校の文化祭で見て、
ほとんどプロだと思った先輩が、「世界遺産のテーマ」で有名な、
鳥山雄司で、81年に、フュージョンのソロアルバムを出した頃に、
テレビ番組で演奏するようだと、友人に教わり、楽しみに待った。

高校時代、テレキャスターで、ものすごい早弾きをしていたのに、
LPでは、メロディックに弾いていて、ライブなら弾きまくりだろうと、
期待したら、蝶ネクタイ姿で出てきて、セミアコで、「波」を演奏し、
ほとんどジャズに近くて、お茶の間に、早弾きは、向かないのか。

どちらにしても、ギタリストにとって、「波」は、身近な曲なようで、
ジャズギター教室でも、スタンダードの歌本で、いろいろ弾く時、
当然に練習し、当時、写譜を勉強したノートを見ると、伴奏用に、
自分なりに、テンションコードを考えて、先生に添削されていた。

年に1回程度出ていた、「アコースティック・ギター・マガジン」が、
99年に季刊化した際、連載開始のボサノバ講座、最初の曲に、
「ウェイブ」の題で載り、この曲は、ボサノバのコード進行が学べ、
基本は、1小節に1コードなので、課題曲に向くと、書いてある。

いつも愛用している、江部賢一のギター編曲集にも、載っていて、
こちらは、開放弦を生かせるよう、キーをDからEに上げているし、
低音とコード、メロディが、シンコペーションしているので、難しく、
「オルフェのサンバ」同様に、ドラム、ベースをダビングしておく。

ボサノバ創始者の1人、アントニオ・カルロス・ジョビンの「波」は、
原曲はピアノがメインだが、ギターで演奏されることも多い曲で、
江部賢一のソロギター編曲を、楽譜のとおり弾いているものの、
テンポは落として、バックの音も加えて、ミスをカバーしています。







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