僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
バンドマンの孤独な心情を見事に歌い上げた「早く家へ帰りたい」
サイモン&ガーファンクルは、64年にデビューしたものの、
LPの売り上げも良くなく、失意のポールはイギリスに渡り、
ライブハウスを回る地道なソロ活動、アートは大学院へ進み、
S&Gは活動休止というか、実質は解散状態になってしまう。

ポールは、デビュー以前にも、イギリスやヨーロッパを回って、
現地のミュージシャンと交流していて、この時も「アンジー」や、
マーティン・カーシーが編曲した、「スカボロー・フェア」などを、
教わったので、イギリス滞在は必ずしも無駄にはなってない。

LPの中の1曲にすぎなかった「サウンド・オブ・サイレンス」が、
もともとの弾き語りに近い二人の歌に、エレキギター、ベース、
ドラムをダビングして、流行のフォークロックサウンドに変身し、
シングル盤として発売されると、大ヒットして、やがては1位に。

イギリスを回っているポールとは、連絡がつきにくかったため、
本人が知らない間に編曲され、そのうえヒットまでしたのだが、
一説には、ふと立ち寄った店で、雑誌を手に取ったポールが、
自分の曲がチャートインしているのに驚き、連絡を入れたとか。

急遽、ポールはアメリカに呼び戻され、アートも召集がかかり、
曲がヒットしているうちに、2枚目のアルバムを作ることになり、
レパートリーの不足を補うために、ポールがイギリスで出した、
ソロLP「ソングブック」の大半の曲を、S&Gとしてリメイクする。

そんな話を聞いていたから、3枚目のLPに収録されている曲、
「早く家へ帰りたい」は、歌詞もドサ周りをしている内容だから、
「ソングブック」からのリメイクと、ずっと思いこんでいたのだが、
「ソングブック」は未収録で、これまた、いつもの早とちりだった。

ただ、2枚目のLP「サウンド・オブ・サイレンス」が発売された、
ほぼ同時に、「早く家へ帰りたい」のシングルは出ているから、
録音自体は引き続いたか、LPの未収録曲をシングルにしたか、
どちらにしても、イギリス時代のレパートリーに間違いないはず。

「ソングブック」のアルバムジャケットに、ポールと一緒に写って、
「キャシーの歌」のモデルにもなった、当時のガールフレンドの、
キャシーに向け、君が待つ家に早く帰りたいと歌ったらしいが、
故郷への郷愁、母国アメリカへの思いも重ねていたのかと思う。

「切符を手に、駅に座っている。スーツケースとギターを持ち~」
「どの町も同じに見える、映画館と工場ばかり。」といった歌詞は、
バンドマンの孤独を歌っているように感じ、ようやくアマチュアの、
端くれになったくらいの自分なのに、わかるなあと共感していた。

ただ、実際の経験がなくても、本からの知識はそこそこあるから、
例えば、ビートルズが、アイドル時代、世界ツアーに明け暮れて、
ホテルとコンサート会場の往復だけで、今自分はどこにいるのか、
他の国へ行っても、同じ繰り返しという感覚に近いのかなと思う。

多少ニュアンスが違うかもしれないが、あのジミ・ヘンドリックスは、
ライブでギターを振り回して、大歓声に包まれれば包まれるほど、
ホテルの部屋に1人戻ってから、より一層の孤独を感じていたと、
そんな聞きかじりとオーバーラップして、わかった気になっていた。

この曲は、自分がS&Gを聴くきっかけとなった、NHKで放送の、
「ポール・サイモン・ショー」でも、ギターの弾き語りをしていたから、
テレビから録音したテープで、かなり聴き込んでいて、曲の途中、
一端ギターを弾く手を止めるところが、すごく印象に残っている。

大きくため息をつき、観客を和ませてから、また歌い始める演出、
テープを聴きながら、思い浮かべるポールの姿は、ライブLPの、
ジャケットに写る、白いスーツ姿なのだが、YouTubeで見つけると、
オレンジの服で、口髭もはやしていて、まったく記憶と違っていた。

YouTubeには、インタビューを交え、この曲を演奏する映像もあり、
じゃあやってみようかという感じで、人差し指にフィンガーピックを、
はめていて、サムピックだけではないんだと、今さらながら気づき、
「グレイテストヒット」の楽譜でも、フィンガーピックと書いてあった。

S&Gのレコードは、「グレイテストヒット」しか持ってなかったので、
この曲は、そこに収録の弾き語りライブバージョンに親しんでいて、
テレビでも弾き語りだったから、CDの時代になり、ベスト盤を買い、
スタジオ録音のバンド演奏バージョンを聴いたとき、すごく驚いた。

もちろん、フォークロックのアレンジを施して、劇的に変化となった、
「サウンド・オブ・サイレンス」ほどではないが、ギターだけとっても、
アコギとガットの2台による、8分音符のアルペジオから始まって、
ライブの16分音符主体のスリーフィンガー奏法とは、感じが違う。

昔からやっている弾き語りバージョンで、いったん録音してみるが、
ただ、自分の場合、実際の弾き語りにすると、ミスが多くなるので、
ギターと歌は別々に録音していて、それでも伴奏がギターだけだと、
ボーカルの稚拙さが目立ってしまい、ドラムとかが入る方が良い。

バンドスコアには、8分音符がシャッフルとの指定となっているが、
そんなにはねていなくて、サビでテンポが倍テンになるところでは、
シャッフル気味になり、それでもおかずに入る16分音符のスネアは、
はねずにストレートに近く、ドラムマシンでは、再現は難しかった。

Aメロの最初に、ピアノだかオルガンの音がポンっと短く入っていて、
サビで入るオルガンは、もともとは、ずっと演奏していて、あとから、
Aメロ部分をカットした際に、音が残ったのだろうかとか、その逆で、
ピアノ伴奏が入ったのを、消すことにして、たまたま音が残ったか。

ちょっと不思議な感じで、ビートルズの場合、失敗や録音のミスも、
これは面白いと、結果オーライでそのままにすることも多いので、
同じようなケースかと思ったり、それともS&Gは、効果を考えて、
すべてやっているのか、いつもの癖で、あれこれと詮索したくなる。

文藝別冊「総特集・サイモン&ガーファンクル」のアルバム解説で、
「冒頭に二音だけ入っているピアノの音が郷愁を誘う」と書いてあり、
オルガンではなくピアノ、それもポロロンという哀愁を帯びた音色を、
どうやら意識したようなので、それなら演奏しなければと音を入れる。

3枚目のアルバム、「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」に収録、
「早く家へ帰りたい」を、自分もミュージシャン気取りで、演奏するも、
昔からのスリーフィンガーでない分、ギターの演奏にも戸惑いがちで、
いつもながら、キーの低いはずのS&Gでも、高音がきつかったです。



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バンド演奏がダビングされ、大ヒットとなった「サウンド・オブ・サイレンス」
先週のブログ用に、ポール・マッカートニー&ウイングスの、
「ジェット」を歌うと、自分の声域よりも高いキーに苦労して、
鶏を絞め殺したような歌になったうえに、喉をを潰すまでは、
いかないが、花粉症や鼻風邪も相まって、声が出にくくなる。

それなのに、連休を利用して、リズムトラックを作ったのが、
よりによって、また自分の声域よりも高い曲、イーグルスの、
「呪われた夜」、TOTO「ガール・グッドバイ」という、これまた、
調子良いときでも歌えるかどうかという、音域が高すぎる曲。

今週は歌はやめ、インストのフュージョンをやろうかと思うが、
この手の曲は、ドラム入力は面倒、チョッパーベースは難しく、
ピアノは、ギターシンセで左右別々に録音と、手間がかかり、
それこそ、連休や年末年始を丸々使わないと、すぐには無理。

ダビングも少ない曲、一発録音で良い初期のビートルズでも、
ポールのキーが高い曲が多く、今の喉の状態では歌えないし、
そうなると、多少はキーが低いサイモン&ガーファンクルなら、
何とか歌えるし、演奏も、ギターシンセなしで、何とかなりそう。

もともとが、フォークギターの弾き語りバージョンで、後から、
ドラム、ベース、エレキギターのバンド演奏ををダビングした、
「サウンド・オブ・サイレンス」なら、1~2日あれば仕上がると、
かなり安直に考えて、この曲に決めて、改めて曲を聴きこむ。

S&Gの最大のヒット曲となると、「明日にかける橋」の方が、
全世界では売れたのかもしれないが、日本でのシングル盤は、
断トツの1位だったし、映画「卒業」のテーマ曲でもあったから、
お茶の間にも浸透し、逆にこの曲しか知らない人も多いだろう。

こうした一番有名な曲は、ビートルズの「イエスタデイ」と同様、
自分で演奏するとなると、すごくためらいがあって、一つには、
もっとマニアックなところを見せたいという見栄で、もう一つは、
有名なだけに、下手なボーカルではボロが目立ちすぎるから。

そうは言っても、ビートルズもいずれは、「イエスタデイ」から、
「ヘイ・ジュード」、「レット・イット・ビー」に取り組むつもりだし、
他のロック、フュージョンの有名どころも、やる気はあるから、
ここは素直に、「サウンド・オブ・サイレンス」を歌うことにする。

この曲にまつわる有名な話が、デビューLPでの、ポールの、
ギターだけをバックに、2人のボーカルというシンプルな曲を、
当時流行し始めた、フォークロック風のアレンジにリメイクし
シングル盤を出したところ、ものすごい大ヒットしたという話。

アルバムのタイトル曲でもないうえ、A面ラストに収録された、
その他大勢の一つに過ぎなかった曲を、ラジオのローカルで、
リクエストが多いと知ったプロデューサーが、S&Gに無断で、
バンド演奏をダビングしたから、ヒットを知って驚いたそうだ。

レコードデビューしたものの、全部で3千枚売れるのがやっと、
失意のポールは一人イギリスに渡り、ライブハウス周りをして、
アートは大学院に入り、S&Gは解散状態となるが、ポールは、
自分の曲がヒットしているのを雑誌で知り、連絡をしたらしい。

このバンド演奏に関し、スタジオミュージシャンを起用したと、
自分はずっと思っていたが、既発曲、それも売れてない曲に、
新たにミュージシャンを雇う予算はなくて、ボブ・ディランの、
レコーディングに集まったバンドに、ついでにお願いしたとか。

そうならば、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドが、
そのメンバーということになって、エレキギターを弾いたのは、
ブルースの名手、LP「フィルモアの奇蹟」の名演で知られる、
マイク・ブルームフィールドになって、今回知って驚いている。

バーズのようなフォークロック路線にし、エレキを加えたから、
当然のように、12弦のエレキギターを使っていると思ってが、
よく聴くとオクターブ弦の音はしていないし、マイクだったら、
ストラトではなく、レスポールを使っている可能性が高くなる。

自分は、最初、ストラトで録音したが、この記事を書くために、
ネットで調べていて、ディランのバックバンドだと知ったので、
別トラックにレスポールで録音し直し、両方聴き比べて見ると、
そんな違いはないが、やはり、レスポールのほうが原曲に近い。

バンドスコアでは、エレキギターはイントロのアルペジオ以外、
ほとんどが、コードとリズム指定だけのコードストロークだが、
レコードでは、それこそ12弦ギターがやるアルペジオっぽく、
コード弾きしていて、合間にチョーキングのフレーズも加わる。

エレキギターは最低でも2本、もしかすると3本は重ねていて、
1本は12弦ギターっぽくアルペジオを弾いて、別の1台では、
軽く歪ませて、コードに、時折チョーキングフレーズを入れて、
さらに1本が、ベースラインっぽい低音フレーズを生音で弾く。

低音部は、2本のギターのどちらかが一緒に弾いたとしても、
2本ともマイクがダビングして弾いたのか、ブルースバンドの、
もう1人のギタリスト、エルビン・ビョップまでが参加したのか、
そうなると、アルペジオのギターはギブソン335の可能性も。

ビートルズでもそうだが、S&Gでも、今頃気づくことがあって、
そのうえ、それが新たな謎を生んで、こんなこと一つとっても、
まだまだ知らないことがあって、本当、面白くて仕方がなくて、
ブログを書くために、あれこれ調べるのも楽しみになっている。

喉の調子も悪いこともあり、S&G「サウンド・オブ・サイレンス」を、
急遽演奏することにして、エレキパートをいろいろ研究しつつも、
キーが低いとはいえ、アートの歌唱力には、とうてい及ばないし、
ポールのハモリの音程も危なっかしく、やはり歌は問題ありです。





ビートルズっぽいサウンドに思えたTOTO「ロックメイカー」
ボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」のレコーディングで、
集められた、売れっ子のスタジオミュージシャンが中心となって、
結成されたバンド、TOTOのデビューアルバムは、ボズ路線あり、
インストあり、アメリカンロックありというヴァラエティ溢れる作品。

この作品をAORの名盤とする人も多いが、TOTOの音楽自体、
AORと呼ぶべきか、ちょっと迷うところもあるし、当時の自分は、
流行り出したクロスオーバー、それもギターだけ聴いていたので、
ルカサーは、もっとギターを弾きまくればよいのにと不満だった。

シンコー「ディスクガイド・AOR」は、「衝撃という言葉が相応しい、
AOR史において最も重要な1枚」とあり、音楽之友社から出た、
「ROCK名盤コレクション・ガイド」でも、「衝撃のデビュー作」で、
偏った聴き方の自分とは違って、それが世間の評価なのだろう。

延々とギターソロが続く曲の多い、2枚目「ハイドラ」に興奮して、
一気にTOTOと、そのギタリスト、スティーブ・ルカサーに注目し、
ルカサーがバックで参加した曲の、ギターソロも聴いたりしたが、
歌もののギターは聴かせるものの、短くて、やはり不満に感じた。

当時は歌ものの曲でも、間奏のリードギターやバッキングに集中、
楽曲そのものは、どうでもよいみたいな聴き方をしていた時期で、
いろいろな曲の間奏やエンディングのギターソロだけを編集して、
テープを作ったし、インスト曲でも、サックスやピアノはカットした。

TOTOにしても同様だったから、買った楽譜もTOTOのではなくて、
ギタースコア「スティーブ・ルカサー」という、TOTOの4枚目までの、
ギターソロだけ抜き出した楽譜で、そんな楽譜が出るくらいだから、
自分と同じような聴き方をするギターキッズは、多かったのだろう。

だんだん歳を取るにつれ、ギターのみという、こだわりも薄れて、
曲自体を楽しめるようになってくると、確かに1枚目の方が良いし、
2枚目のギターソロは、だらだらと長すぎるかもと、真逆の感想、
ボズやウィルソン・ブラザーズのツボを押さえたソロが気に入る。

TOTOのレコードは、リアルタイムで、4枚目までをエアチェックし、
その後は聴いたことがなく、CDの時代になり、1・2枚目だけ購入、
自分にとっては、ロック色が強くなった3枚目、グラミー賞を受賞し、
一番売れた4枚目も、聴き直したいとは、なぜだか思わなかった。

今では、2枚目もほとんど聴かず、逆に1枚目は愛聴盤になって、
ブログを始めて、演奏をするようになったときも、TOTOの曲では、
1枚目の数曲をやりたいと思い、全10曲のうち、6曲も載っている、
バンドスコアを購入して、歌なしで「ホール・ド・ザ・ライン」をアップ。

その後、他のTOTOの曲は演奏しないまま、6年近くも過ぎたが、
先日、買ったままになっているバンドスコアを少しは活用しようと、
枕元に積み上げているAmazonのダンボール箱を、物色していて、
TOTOを見つけると、やっぱり1枚目は、やりたい曲だらけだった。

「ロックメイカー」は、たった4小節という短いギターソロも含めると、
3回もリードギターが出てきて、ルカサー得意のメロディアスな間奏、
ツインリードでハモる間奏、早弾きをまじえたエンディングのソロと、
3回とも演奏パターンを変えて、まるで教科書、見本のような出来。

特に、エンディングの早弾きは、ペンタトニック中心の6連なのだが、
ツェッペリンのジミー・ペイジが得意として、自分も昔から真似ていた、
典型的パターンのようで、ハンマリング・プリングの箇所をずらしたり、
チョーキングをまぜたりと、小技がきいていて、完コピはかなり難しい。

ルカサーは早弾きも得意だが、半音、全音チョーキングを自在に使い、
同じ弦上でスライドしながら、ポジションを上昇下降するフレーズが、
すごくメロディックだし、ツインリードでハモるときも、単なる3度でなく、
これまたチョーキングのニュアンスも絶妙で、この曲でも見事な演奏。

この半音チョーキングやハモリは、師匠のジェイ・グレイドンが得意で、
もともとは、ボストンのトム・ショルツが、クイーンのブライアン・メイの、
ギター・オーケストレーションを、アメリカンロックにうまく取り入れて、
さらにジェイが洋楽・AORに広めていき、ルカサーも弾いたように思う。

ルカサーは、特に、歌ものの間奏で転調が伴う場合、うまく音をつなぎ、
メロディックにフレーズを作るのが見事、それは、まったくのアドリブか、
書割フレーズなのか、どちらにしても作曲能力がないとは言わないが、
他人が書いた名曲で、さらに曲をひきたてる名演が真骨頂だと感じる。

ルカサーの弾きまくりに期待し、「ハイドラ」に興奮していた頃、いっそ、
インストやフュージョンをやってくれればと思っていたら、ライブが出て、
ラリー・カールトンのバックバンドと組んで、かなり弾きまくっていたが、
曲がつまらないうえに、ギターソロも面白くなくて、一度聴いただけに。

同様に、日本のキーボード、奥本亮の作品も、スタジオの仕事が増え、
ロックがやりたくて、うずうずしていたTOTOのメンバーが爆発したと、
前評判は高いのに、これまた、つまらなくて、ジャズやフュージョンで、
ワンコードで弾きまくるのは飽きないのに、なぜだか、自分との相性か。

ついでに言うと、軽井沢で、ジェフ・ベックとサンタナ、それにルカサーと、
どういう組み合わせか、ギタリスト共演のライブがあり、テレビで見ると、
ベックの演奏に参加したルカサーは緊張したのか、アドリブが今一歩で、
スタジオミュージシャンは、ライブや一発勝負がダメなのかとさえ思った。

とまあ、悪口みたいになってしまったが、それに反し、TOTOの1枚目は、
捨て曲なしというほど、どの曲も見事で、ルカサーのソロもバッキングも、
曲をひきたてて、聴かせるところは聴かせるという、本当に素晴らしくて、
その後のルカサー・バンドになった(?)TOTOと比べても、何倍も良い。

今回、バンドスコアを見ていて、気づいたのは、大半の曲の作詞作曲を、
デビッド・ペイチが担当し、リードボーカルも数曲で担当という活躍ぶりで、
昔は、ポーカロ兄弟のスティーブがメインキーボードで、ペイチはライブの、
サポートくらいに思っていたが、ボズのバックの頃からペイチ主導だった。

そのペイチがリードボーカルを歌う「ロックメイカー」は、昔からの印象が、
すごくビートルズっぽいと思っていて、まあ、自分の場合、ロックの曲に、
ストリングスが入ればビートルズ、途中からドラムがフィルインで入れば、
ビートルズ、ウーランランとコーラスが入ればビートルズと、かなり極端。

それでも、「ロックメイカー」は、ビートルズの雰囲気がすると思っていて、
ただ、よくよく聴き直してみると、ビートルズと言うより、ウイングスの音、
マッカートニー・サウンドで、途中のホーンの入るところなど、まんまだし、
ギターソロも、ジミー・マックロウが弾きまくったら、こんな感じになりそう。

今回は、「ロックメイカー」を演奏しようと、スコアを見ながら聴いていくと、
今さらだが、ギターソロに合わせて、「ロックメイカー」と歌うのに気づき、
こんなところで歌のタイトルが出てくるのかと、妙に感心しつつ、いかに、
自分がギターばかりに、目が行って(耳が行って)いたか、改めて判った。

それにしても、ロックメイカーとは何のことか、邦題はカタカナ表記だし、
歌詞カードの和訳でも同様、英単語で検索しても、曲名しかヒットせず、
他の用例はないようで、直訳すれば、岩を作る人、まさか石のメーカー、
大谷石や御影石の会社とか、切り出す職人さんを意味するわけない。

オン・ザ・ロックを作るバ-テンさんでもなく、ロック音楽と解釈すれば、
レコード会社や、この曲を作詞作曲するペイチ自身とも取れるだろうし、
「make rock」には、「ロック史を塗り変える」という意訳があるので、
ロックミュージックを作った人、そう、ビートルズだと、我田引水できる。

歌詞にある「もう7年も会っていない」は、ビートルズ解散から約7年、
さらに、ビートルズの「アンド・ユア・バード・キャン・シング」を思わす、
「鳥かごに閉じ込められ」という歌詞から、ツインリードも意識したかと、
ますます、自分勝手な解釈は進むが、いくら何でも、考えすぎだろう。

バンドスコアはギターが2段書きになり、リードとリズムかと思ったら、
リズム、バッキングが2本で、片方がクランチで、空ピッキングを交え、
1~3弦を弾き、片方は、オーバードライブで、1~4弦を弾く指定で、
かなり細かく採譜してあり、バンドスコアかくあるべしと感動するほど。

ただ、どのバンドスコアでも同様だが、キーボードは2段使う譜面でも、
ピアノの右手と左手ではなく、ピアノ・エレピと、シンセに分かれていて、
一人で、エレピとシンセを同時に弾くには良いが、完コピにはならず、
鍵盤の人は、自分で耳コピしたり、経験で左手部分も弾くのだろうか。

自分は耳コピも苦手ならば、楽器もギターシンセなので、譜面どおりで、
イントロとエンディングのギターソロ前に流れる、シーケンサーらしき、
アルペジオフレーズは、採譜されていないので、コードを流しておいて、
音が薄くならないようにしたが、逆効果で煩わしい音になった気もする。

TOTOデビュー作の78年の段階では、まだDX7は存在しなかったが、
このピロピロっというシークエンスフレーズは、ムーグとかローランドで、
オートアルペジオを鳴らせたのか、イエスのリック・ウェイクマンのように、
反復フレーズも、根性で手弾きしたのか、どちらにしても自分には無理。

ルカサーが使うギターは、デビューした頃は、ライブでもスタジオでも、
レスポールがメインだったが、この曲は、シングルコイルっぽい音がし、
自分は、全部ストラトで弾いたが、1・2回目の間奏は、レスポールか、
ハンバッキング搭載でストラトタイプの、ヴァレイアーツかもしれない。

エフェクターは、ルカサーが使用して有名になったイーブンタイド社の、
ハーモナイザーは、この曲では使ったのか、ツインリードの厚い音は、
ユニゾンでギターを重ねるよりも、ダブリングの可能性もあり、他にも、
コーラス、ショートディレイをかますのだろうが、自分はリバーブのみ。

昔は、コンプ、オーバードライブ、ディストーション、コーラス、フェイザー、
フランジャー、2台のディレイに、イコライザーと、やたら繋いだが、今は、
MTR内蔵のエフェクトの、モデリングで歪ませ、リバーブをかけるくらい、
ディレイは録音後に修正できないので使わないか、ミックス時にかける。

ただ、MTRのミキシング時に使えるエフェクトは、リバーブ系が1個と、
コーラス・ディレイ系が1個なので、ギターソロを格好よく聴かせようと、
ロングディレイを選ぶと、歌や伴奏までロングディレイを軽くかけるか、
通さなくするしかないので、このことろ、歌優先で、ディレイはかけない。

それだけに、こういう曲のギターソロが、生音に近く、しょぼくなりがちで、
やはり、ラックのエフェクターを録音時に繋ごうかと思うが、面倒なうえに、
自分の手持ち機材では、音質が低下したり、ディレイで音象がぼやけて、
それよりは、ミックス時のイコライザーとリバーブを工夫すればと勉強中。

TOTOのデビュー作で、ビートルズ、それもポールを意識したのではと、
勝手に思っている「ロックメイカー」は、ペイチのボーカルで、いつもより、
キーが低いが、ボビーのハモリは厳しく、昔から弾いて楽勝のつもりの、
ルカサーのギターソロも、ちょっと指がもつれがちで、危なっかしいです。





ゆっくりやろうよとS&Gに励まされる「59番街橋の歌」
今週は、イーグルスの「駆け足の人生」を録音していたが、
何本も重ねてあるギターの再現に、手間取ってばかりいて、
妥協してオケを作り上げたのが、金曜日の夜遅くとなって、
こんな時間での歌入れは、近所迷惑かと、躊躇してしまう。

それでも、どうせ自分は、声量もないのだからと、開き直り、
とりあえず、コーラスと、仮歌程度はやってしまおうとすると、
この曲は昔からギターは練習したが、歌ってなかったから、
メロディも歌詞もうろ覚えという、全然、お話にならない状態。

伴奏にしても、まだまだ手直ししたいから、歌詞カードを見て、
歌うにせよ、もう少し、メロディをきちんと覚えないと駄目だと、
今週はあきらめることにし、そうなると、すぐに何が出来るか、
ソロギターか、弾き語りを、土曜日の夜で、ささっとやれるか。

それで、このところマイブームのサイモン&ガーファンクルで、
何かないかなと、楽譜を見ていたが、昔からやっているのは、
「グレイテストヒット」の曲だし、その中でもライブバージョンは、
弾き語りだから、すぐにできるだろうと、アルバムを聴き返す。

すると、「59番街橋の歌」が、いきなり、「ゆっくりいこうよ」と、
語りかけるような歌い出しで、そうだ、ブログの更新にしても、
演奏にしても、あせることもないよなあと、慰められたようで、
単純に、その曲を、「駆け足の人生」の代りに録音することに。

それでも、何となくやっつけ仕事で、かなりいいかげんな演奏、
しかも、もうブログ記事をきちんと書いているのも無理な状態
「ゆっくりやろう」と言ってもらったものの、週末のうちには、
何とか更新しようと、演奏もブログも、かなり手をぬきました。





いかにもボズのバックバンドというTOTO「ジョージー・ポーギー」
TOTO・トトの名前を始めて知ったのは、高3の時、78年で、
雑誌「ヤングギター」で、ボズ・スキャッグスのバックの人達が、
バンドを結成してレコードを出したという内容だったが、それは、
囲み記事だったか、LPのレビューだったか、もう記憶が曖昧。

TOTOのメンバーは、正確にはボズのバックバンドというより、
LPのレコーディングに集められた、スタジオミュージシャンで、
あの名曲「ウイ・アー・オール・アローン」を含む、76年の名盤、
「シルク・ディグリーズ」で、キーボード、ベース、ドラムを担当。

ボズの次のアルバム、77年の「ダウン・トゥー・ゼン・レフト」は、
ギターのスティーブ・ルカサーも参加し、「ア・クルー」という曲で、
名演と呼べるギターソロを聴かせて、複雑なコードチェンジの中、
自在に歌わせるソロを組み立てていく才能が、すでに見られる。

当時は、AORなんて呼び名もなく、自分も洋楽には疎かったが、
シングル盤「ハード・タイムス」は、日本でも洋楽チャートの上位で、
「ぎんざNOW!」の洋楽コーナーで、何週か連続で、生演奏され、
後半のギターソロが格好良いなあと、すごく印象に残っていた曲。

「ぎんざNOW!」は、素人コメディアン道場が有名だが、バンドも、
けっこう無名時代に出ていたし、洋楽コーナーのカバー演奏では、
後にスペクトラムへ発展するMMPなどの、実力派も多く出ていて、
このボズのカバーも見事だったが、バンド名までは覚えていない。

そのボズのバック出身という情報のTOTOだが、自分にとっては、
興味を引いたのは、ボズということよりも、ギターのルカサーが、
ラリー・カールトンの愛弟子らしいとか、ドラムのジェフ・ポーカロが、
これまたラリーのアルバムで叩いていたという、フュージョン関連。

一流スタジオミュージシャンが、バンドを結成したのであり、しかも、
クロスオーバー・フュージョン出身だから、インストが中心だろうか、
ギターも弾きまくっているのではと、勝手に想像はふくらんでいき、
カールトンから、アル・ディメオラ、ジェフ・ベック路線まで期待する。

デビューアルバムは、原題は、バンド名のみの「TOTO」なのだが、
曲名の邦題が、直訳どころか意訳とも、かけ離れているのと同様、
「宇宙の騎士」とつけられていて、おそらく、アルバムジャケットが、
宇宙らしき背景に、中世の騎士が使うような剣を描いているから。

曲を聴いたのは、シングル曲をラジオのAMで聴いたのが先だか、
NHK-FM「軽音楽をあなたに」で、数曲を特集してくれた時だか、
どちらにしても、自分が想像していたフュージョンインストではなく、
それどころか、ギターソロも少なく、売れ線のポップス、洋楽だった。

唯一のインスト曲、「子供の凱歌」も、ギターはテーマをなぞるだけ、
シングルカットした「愛する君へ」は、メロディもリフもキャッチーだが、
ギターソロは短いうえ、まるでベイシティローラーズのように思えて、
その後、全曲を聴いても、延々と弾きまくるギターソロはなかった。

このとき「軽音楽をあなたに」では、TOTOのバンド名の由来として、
オズの魔法使いに出てくる犬のトートーだと、説明していたのだが、
かつて言われた東洋陶器はギャグだとしても、ボーカルのボビーの、
本名がトートス、ラテン語で「すべて」を意味すると、諸説あるらしい。

「軽音楽をあなたに」は、高校に軽音楽部がないから、帰宅部となり、
ほとんど午後4時前に帰宅していた自分にとり、ロックやポップスの、
名曲や新曲が聴ける貴重な番組で、DJの山本さゆりの解説も良く、
かなりエアチェックしたのだが、カセットが経年劣化して悔やまれる。

その後、「ヤングギター」に、若手注目ギタリストの特集があったとき、
スティーブ・ルカサーも、TOTOのデビューアルバムと共に紹介され、
「本気を出すとベンベラベラと弾きそうだが~」みたいに書いてあり、
じゃあ、本気で弾いてくれよ、あれじゃ物足りないよと、憤慨していた。

「宇宙の騎士」を冷静に聴くと、「ホール・ド・ザ・ライン」は、ロック調で、
早弾きを交えたソロで、「ガール・グッドバイ」のエンディングの決めは、
ディメオラも真っ青のユニゾン・フレーズ、「ロック・メイカー」の後半も、
ペンタトニックの6連早弾きと、さりげない小技があると、後で気づく。

79年にセカンドアルバム「ハイドラ」が出て、かなりロック色が強まり、
ギターソロも延々と弾きまくって、早弾きも、ものすごいことになって、
ああ、本気を出すとこうなのか、お見それしましたと、一気にファンに、
80年の来日は行かなかったが、テレビやラジオの放送を録音した。

洋楽に詳しい友人は、セカンドはつまらなくなった、1枚目のほうが、
名曲そろいの名盤だと言って、当時の自分は、ギターを弾かないと、
そういう感想なのかと思ったが、年をとったせいか、今の自分には、
「ハイドラ」は派手すぎで、「宇宙の騎士」のほうが、じっくりと聴ける。

「ジョージー・ポーギー」は、16分音符の裏拍から入ってくるピアノが、
イントロから繰り返される、いかにもボズのバックだったという曲調で、
逆輸入でもないが、後に出た「ミドル・マン」のオープニングナンバー、
「ジョジョ」は、ピアノをギターに換えたようなイントロで、ニヤリとする。

ボズを思わせるソフトな歌声は、ボーカルのボビー・キンボールが、
意識して真似ていると思ったら、ギターのルカサーが歌ったようで、
さらに、「ジョージー・ポーギー、プリンパイ」と、ソウルフルな感じで、
歌うところも、ボビーでなく、ゲストのシェリル・リンだと、後から知る。

メインボーカリストがいるのに、ちょっとひどいなあと、思っていたら、
「ロック・メイカー」は、キーボードのデビッド・ペイチが歌い、さらには、
もう一人のキーボードの、スティーブ・ポーカロも歌う曲まであって、
まるで4人全員が歌うビートルズのようだが、ボビーの立場はどうか。

何かのインタビューで、ボビーが、メンバーで一番高い声が出るので、
彼が歌うと、上のハモリをつけられる人がいなくて、ライブでは困ると、
語っていて、レコードでは、メロディもハモリもボビーなのかと思ったら、
メインボーカルから外され、ハモリに回る曲も多いようで、何ともはや。

「ジョージー・ポーギー」は裏ノリというのか、16分音符の頭が休符で、
そこから、つねに頭をずらして、1拍ずつ音を伸ばすフレーズが続き、
リズム音痴の自分の一番苦手なところで、16分の1ずれた部分から、
そこを頭だと思って弾くのか、いつも裏拍と意識して弾くのが良いのか。

ギターの場合、40年前にグレコギターのおまけについてきた教則本、
「成毛滋のロックギターレッスン」の、8ビートピッキングを応用する形、
拍子の頭を空ピッキングのダウンで、アップで和音を鳴らせば良いが、
ピアノ音をギターシンセで弾くと、空ピックの雑音まで、変換してしまう。

実際のピアノを弾く人は、自分で、このノリを覚えるしかないのだろうし、
自分も体をゆすりながら、何度もイントロを歌ったり、弾いたりしながら、
少しでも、イントロのニュアンスに近づくよう練習、途中から入ってくる、
ギターのリフも、空ピックにしても、なかなか本物のノリは出ずに苦労。

このメロディ、ピアノとユニゾンになるギターのリフは、昔のギター譜も、
バンドスコアも単音のリフだが、自分はずっとオクターブと思っていて、
PVでも、1番・3番では、マイクをつかんでいるルカサーが、2番のみ、
背中からの映像だが、オクターブ奏法のようにポジション移動している。

デビッド・ハンゲイトのベースは、PVを見る限りは、ほぼ全部に渡って、
チョッパー奏法で弾いているのに、YouTubeのカバーや演奏解説では、
指弾きの人ばかりなので、レコーディングでは、普通に指で弾いていて、
PVは見た目のインパクトから、チョッパーのあて振りにしたのだろうか。

音色を聴くと、派手なチョッパーのプルでベシベシ鳴らす音ではないが、
アタックが効き、ミュートもかけるので、親指を当て、弾いていると思うし、
自分の場合は指弾きだと、なかなかこのグルーヴ感は出せないから、
チョッパーにして、前のめりになるように引っ掛け、16分のノリを出す。

ドラムは、いつものことながら、MTRに内蔵されたドラムマシンなので、
ノリも音色も今一歩なのだが、ジェフ・ポーカロが叩いた見事なドラムは、
国内外を問わず、一流のミュージシャンでも再現するのは無理だろうと、
開き直って、普通に入力して、コンガの音を大きくして、メリハリをつけた。

TOTOのデビュー作から、ボズ・スキャッグスのバックで結成したという、
その証しのような曲調の「ジョージー・ポーギー」は、ノリが難しいうえに、
ギタリストなのに意外と上手いルカサーの歌には、けっこう苦労したし、
シェリル・リンの部分は開き直って、別物として歌い、何とかアップです。








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