僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
2本のギターが呼応しあう伴奏で都会の孤独を歌った「ボクサー」
サイモン&ガーファンクルの曲を初めて聴いたのは、高1の頃、
76年7月に、NHK「世界のワンマンショー」の枠で放送された、
BBCの「ポール・サイモン・ショー」の中で、他の番組になるが、
久々に2人が共演した映像が、回想シーンのように挿入される。

共演の場面をすべて流したのか一部なのかは、わからないが、
アートが拍手喝采の中登場すると、まずは「ボクサー」から始め、
続けて「スカボロー・フェア」を歌ったところで、画面は切り変わり、
BBCでのポールのステージへと戻り、ソロ曲の演奏が再開した。

結果的には、「ボクサー」が、自分にとって初のS&Gの曲であり、
それ以前も、名画名場面特集とかで、「卒業」は見ているけれど、
必ず放送されるラストシーンは覚えていても、音楽まで流れたか、
主題歌の「サウンド・オブ・サイレンス」さえ、まったく記憶にない。

中2か中3で買ってもらった、LP5枚組の映画音楽大全集には、
サントラでなく、イージーリスニングのオーケストラ演奏であるが、
「卒業」は入っていて、曲目は「サウンドオブ・サイレンス」なので、
S&Gとは意識せず、メロディくらい聴いていたのは間違いない。

だが、例えば、「燃えよドラゴン」や「80日間世界一周」のように、
サントラ盤で聴き込んだり、テレビ放送をカセットテープに録音し、
主題歌も繰り返し聴いた「イージーライダー」や「シェーン」と違い、
口ずさみもしなければ、「卒業」と映画音楽は切り離されていた。

ただ、厳密にというか、こだわるというか、こじつけっぽくなるが、
「ポール・サイモン・ショー」では、再結成の場面を紹介する前に、
S&G時代の曲、「早く家に帰りたい」を、ポールが弾き語りして、
これを先に聴いているが、2人のデュオで聴いたのは「ボクサー」。

テレビでは、ポールがスリーフィンガーを中心に伴奏をしていて、
その後の何度かの再結成でも、ポールの演奏は変えていないが、
レコードは、印象的なイントロを始め、ガットギターが入っていて、
楽譜の解説によると、少なくとも4本のギターが多重録音だとか。

バンドスコアには、左チャンのガットに、右のアコギが載っていて、
これが一番正確な感じで、高1の頃買った「グレイテストヒット」の、
全曲ギター譜も、95年のムック本の「アコースティックギター3」も、
2本に分かれてはいるが、アルペジオのパターンが異なっている。

ポール・サイモンは、アコギの半音下げチューニングで、開放弦の、
Cのコード主体で、スリーフィンガーを弾くが、「グレイテスト~」や、
「アコギ3」では、16分音符の繰り返しとなり、バンドスコアの方は、
1・3拍目は、タタタタでなく、タンタタで、おそらくレコードはこっち。

ガットギターのイントロは、昔から2カポにし、クラシックギターでの、
カンパネラ奏法のように、4~6フレットのハイポジションを押さえて、
開放弦を組み合わせ、音を響かせるが、バンドスコアは、4カポで、
確かに、伴奏になってからは、高音を使うことが多くて、4カポが楽。

ただ、バンドスコアのTAB譜のとおりでは、イントロの響きが出ず、
これは、「アコギマガジン創刊号」に載る、4カポで3~7フレットを、
押さえながら、開放弦を組み合わせるのが、かなり近い響きになり、
自分は、4カポにし、これで弾き、伴奏はバンドスコアに沿って弾く。

ガットギターはポールでなく、ナッシュビルのベテランミュージシャン、
フレッド・カーターJrが弾いたそうで、スリーフィンガーで弾きながら、
オブリガードのように、スライドや和音を加えて、変幻自在の伴奏で、
「ライブ1969」でも、レコードに近い見事な演奏を聴かせてくれる。

「グレイテスト」のギター譜では、「4本のギターをミキシングで」とされ、
2本の伴奏に、「ガットのアドリブと12弦のサイドを加えると完璧」と、
注釈になっているが、フレッドが伴奏しながら、アドリブを加えたのを、
あまりにも流麗なので、別々に弾いていると判断したのかもしれない。

所々に入ってくるバスハーモニカも、カントリー音楽のベテラン奏者で、
チャールズ・マッコイという人、アクセントのつけ方もすごく見事なのが、
ギターシンセのハーモニカの音では、アコーデオンのような音になって、
話にならず、バリトンサックスの音色だと、多少ましになって妥協した。

この曲の歌詞は、ニューヨークという大都会にやってきた少年が感じる、
都会の孤独をモノローグのように歌い、真冬の寒さが身に染みてきて、
故郷へ帰ろうかと歌うのだが、最後、唐突に、ボクサーの話へと変わり、
「もうごめんだ」と言いながらも、戦い続けるという歌詞になって終わる。

ここを、映画のラストシーンのように、語り部であった少年の視線から、
最後は、彼が成長し、ボクサーになった姿を映し出すという説もあるが、
それよりは、都会で孤独と闘い続ける少年、さらにそうした人々の姿を、
ボクサーの姿に例えて、誰もやめないと語ったように自分は解釈する。

自分が最初に聴いたと、ちょっとこじつけているS&Gの「ボクサー」は、
ガットがエレガットで今一歩、エコードラムは、ジャングル風呂のようで、
バスハーモニカ、テルミンの音色も、ギターシンセで再現できないまま、
ちょっとオケ作りもまずいまま、歌は相変わらずというハスキー声です。




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混乱こそ我が墓碑銘とグレッグが歌うキング・クリムゾン「エピタフ」
ブロとも、エレギ師さんへ









イギリス民謡に歌詞とメロディを加えたS&G「スカボロー・フェア」
ポール・サイモンというより、サイモン&ガーファンクルの曲を、
初めて聴いたのが、NHK「世界のワンマンショー」枠で放送の、
ポール・サイモン・ショーで、途中で、「先日やったものを」との、
コメントに続いて、別番組での一時的再結成の演奏が流れた。

ものすごい歓声の中、アートがステージに現れて、ポールが、
「できるかな?」と尋ねて、「たぶんね。」と観客の笑いを誘うと、
ポールがギターを弾き始めて、「ボクサーは?」「そうだな。」と、
2人で歌い出すところは、何だか和やかな雰囲気で良かった。

続けて、「スカボロー・フェア」を演奏する際、ポールがアコギに、
カポタストをつけ、イントロのアルペジオを弾き始めたのだが、
開放弦をまじえた不思議な響きの和音で、左手のポジションも、
上のフレットに移動していて、すごいなあと、ただただ見とれた。

ベスト盤「グレイテスト・ヒット」と、その弾き語り曲集を手に入れ、
テレビで見た「ボクサー」に「スカボロー・フェア」、同じくテレビで、
ポールがソロで歌った「早く家に帰りたい」を、まずは練習するが、
LPのどの曲も、アコギのお手本のような曲ばかりで、役立った。

「スカボロー・フェア」は、レコードでは、ドラムこそ入っていないが、
ベース、エレキギター、ハープシコードに、グロッケンまで伴奏し、
歌も2声でハモるだけではなく、対位法になるのか、別のメロディ、
カウンターメロディも途中から加わって、複雑なハーモニーをなす。

「スカボロー・フェア」は、もともとイギリス民謡だそうで、ポールが、
S&Gが売れなくて、イギリスのライブハウスで活動していた頃に、
民謡を採取したのかと思ったが、交流したマーティン・カーシーが、
演奏していたそうで、「アンジー」と同様に、仲間から教わっていた。

小学館「クラシック・イン」は、CD3枚と解説がセットのシリーズで、
89~91年にかけ全13巻が出て、目ぼしい巻だけ買っていたが、
「巨人」「春の祭典」の巻に、「世界の名歌集」も一緒になっていて、
出して見ると、「スカボロー・フェア」もイングランド民謡として収録。

スコットランド民謡、アイルランド民謡、イングランド民謡があって、
単にイギリス民謡ではないのか、大英帝国は、連合国なんだなと、
変なところに感心するが、例えば、スペイン民謡や黒人霊歌とか、
ロシア民謡に比べると、どれもイギリスでかまわない気がしてくる。

S&Gは民謡のメロディを忠実に歌い、歌詞は「クラシック・イン」で、
歌われる1から7番のうち、1・2・4・6番、最後に1番を繰り返して、
ハモリは、1番はつけず、毎回、少しずつ変化させていき、追加の、
カウンターメロディと歌詞は、ポールが作った独自のものになる。

もともとの歌詞で、呪文のように何度も出てくる、「パセリ、セージ、
ローズマリー&タイム」は、パセリは野菜だが、あとは何だろうか、
「ローズマリーの赤ちゃん」なんて映画があるから、人の名前か、
4人一緒に、スカボローの市に買い物へ行くのかと、思っていた。

ある時、スーパーの調味料コーナーに、セージやタイムを見つけ、
どれも、ハーブとかの名称だったと知って、びっくり、この呪文は、
市場での物売りの声を模したらしく、「きんぎょーえ、きんぎょー」、
「竹やあ、竿だけ」のようなものか、これもまた自分の早とちりか。

歌詞は、その呼び声とも、おまじないともつかないリフレインの中、
「縫い目のない、上等の麻のシャツを仕立ててくれ。」、「塩水と渚、
その間に土地を見つけてくれ。」と、無理難題を恋人へ課していて、
どことなく、かぐや姫の求婚話の「蓬莱の玉の枝」などにも通じる。

ポール・サイモンが加えた歌詞は、フォークは反戦だと言うのか、
「戦いを告げる進軍ラッパ」とか、「将軍は殺せと命令する」という、
戦争の情景を描写していて、イギリスで録音したソロアルバムの、
「サイド・オブ・ヒル」の歌詞、メロディを、一部引用しているらしい。

S&Gに、「7時のニュース/きよしこの夜」という曲があり、これは、
きよしこの夜に合わせて、ニュースが読みあげられ、反戦集会や、
キング牧師のことが語られ、それでもクリスマスだという皮肉さで、
民謡に戦争の歌詞が重なるのも、何かしら深い意味でもあるのか。

ライブでは、自分がテレビで見たのと同様に、ギターだけを伴奏に、
2人で歌うから、カウンターメロディ、詠唱の部分は省略しているが、
YouTubeには、人気TV番組の「アンディ・ウィリアムス・ショー」に、
2人が出演した際、アンディも一緒に、詠唱を再現した演奏がある。

おそらく、S&G現役時、何度かの再結成を通じて、コンサートでも、
他のテレビ番組でも、ただ一度も再現されたことのないと思われる、
詠唱を含んだ極上のハーモニーを聴かせてくれて、アートにしても、
アンディにしても、本当見事な歌で、ギター1本の伴奏も素晴らしい。

まだビートルズやロックどころか、洋楽も聴いていない小学生の頃、
母が時々「アンディ・ウィリアムス・ショー」を見ていて、ドーナツ盤か、
ソノシートをかけていたから、カルピスのオズモンド・ブラザースと、
アンディ・ウィリアムスくらいが、顔と名前とが一致した外国の歌手。

「アンディ・ウィリアムス・ショー」は、「ザ・テレビ欄」で調べてみると、
NHKで日曜の夜に放送して、途中から日曜の昼になっているから、
昼の放送を何回かは母と見たのだろうが、ほとんど覚えていないし、
その時間帯は、「歌のアルバム」「がっちり買いましょう」を見ていた。

せっかくバンドスコアがあるから、レコードのハモリ、詠唱も再現して、
伴奏もギター1本ではなく、ベース、エレキギターも弾き、グロッケン、
ハープシコードの音もギターシンセを使って、なるべく音をぶ厚くして、
歌唱力の無さをカバーするし、ハモリも重ねることで、さらにごまかす。

このシンコーのバンドスコアは、珍しく、ものすごく丁寧に採譜してあり、
エレキギターなんて、よく聴かないと、入っているのもわからないのに、
繰り返しで変わる部分まで、括弧書きで併記され、それはグロッケン、
ハープシコードでも同様で、ビートルズの全曲バンドスコアとは大違い。

スコアの間違いや、省略があると、耳コピや確認で時間を取られるが、
スコアがしっかりしていると、オケ作りは、楽譜どおり弾けば良いから、
1~2日ですんで、あとは歌とギターを、週末まで毎日やり直せばよく、
まあ、歌は何回歌おうが、そう変わらないが、多少でも完成形に近づく。

S&Gの3枚目のLP、「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」の、
タイトルが歌詞から取られた、「スカボロー・フェア」を、伴奏を再現して、
音を厚くしましたが、アコギのアルペジオは、危なっかしくて、何よりも、
アートだけで歌う部分が、情けない歌声で、ダブルトラックにしています。






ロック初のひきこもりの歌詞と言われるS&G「アイ・アム・ア・ロック」
76年、高1の夏に、NHKで放送した「世界のワンマンショー」で、
ポール・サイモンを見て、サイモン&ガーファンクルの演奏もあり、
S&Gのファンになり、本人たちが選曲・編集した正式ベスト盤、
「グレイテスト・ヒット」を買い、さらに楽譜も買い、弾き語りもする。

その後、土曜日の深夜、FM東京で、ソニー提供の番組だったか、
ビートルズの全曲を放送したのと同様に、S&Gも全曲放送され、
2~3回に渡って録音したが、デビュー直後、ポール・サイモンが、
イギリスに渡った際に録音した、ソロアルバムもオンエアされた。

デビュー作が売れなくて、失意のまま、ポールはイギリスへ行き、
クラブを回って、ライブをしながら、現地のフォークシーンと交流、
アートは大学院へと戻り、S&Gが休止状態となっていた65年に、
ポールは、ほとんど弾き語りの「ソングブック」をイギリスで発売。

このLPは、アメリカでは発売されず、イギリスでも廃盤となって、
ラジオからテープ録音したのは、貴重だが、40年前のテープは、
今では聴けないし、逆に、こうしたレア盤は、今はCDになったり、
YouTubeで聴けるから、昔のテープが駄目でも、そう惜しくはない。

ただし、例えば、FM東京の「ゴールデンライブステージ」のような、
来日コンサートを放送した番組は、おそらく海賊盤を探さないと、
その演奏を聴くことは不可能なので、せめて、ライブ番組だとか、
テレビの演奏を録音したテープは、復活できないかと思っている。

S&Gの全曲をテープ録音したものの、初期の曲やソロの曲だと、
弾き語りばかりなので、ちょっと飽きてしまうところもあり、後期の、
バンドが入った曲も、ちょうどハードロックとかを聴き始めた頃で、
やっぱりフォークだなあと、だんだんS&Gは聴かなくなっていく。

81年に再結成して、セントラルパークでコンサートを行ったのは、
テレビで見たし、翌年に日本公演もあって、何かと話題になって、
ラジオでも懐かしい曲がかかったりし、またテープを聴いていると、
83年の夏、シンコーから「サイモン&ガーファンクル詩集」が出る。

ちょうど就職した年で、自分は、いったいどこへ向かっているのか、
深刻ではないが考えたり、渋谷河合楽器のジャズギター教室には、
通い続けて、プロをあきらめられずにいた頃、立ち読みした詩集は、
どれもが、自分の気持ちを代弁しているようで、すぐに買い求めた。

英語の歌詞だから、それまで、LPの訳詞も、ろくに読まなかったが、
「雨に負けぬ花」は、タイトルだけでジーンして、「木の葉は緑」は、
「今、僕は22歳。だけど、それも長くない。」とあり、自分も22歳で、
「パターン」は、「ぼんやりと写る、僕の人生のパターン」とまである。

「家へ帰りたい」は、ギター1本を抱えて、ドサ回りのように旅する、
バンドマンの寂しさを歌っていたし、とにかく、自分の身にしみて、
後から考えると、これらは、イギリスに行っていた頃の作品であり、
ポール自身が、いろいろ悩みながら、歌詞を書いていたのと気づく。

先日、S&Gの「アメリカ」を演奏して、また、この詩集を手に取ると、
若い頃、自分のことのように感じたなんてのは、青くさかったかなと、
恥ずかしい反面、今でも、心にしみいる歌詞が多くて、だんだんと、
S&Gの全曲が聴きたくなってきて、CDを買おうかという気になる。

サイモン&ガーファンクルは、オリジナルアルバムは5枚なので、
全部持っていてもよいし、今はいろいろなアーティストの旧譜が、
「オリジナルアルバム・クラシック」シリーズで、輸入盤のみだが、
3枚組や4枚組で2千円程度と、安価で手に入るから、検索する。

すると、オリジナルアルバムに加え、「卒業」のサウンドトラック、
「グレイテスト・ヒッツ」(今は、ヒットでなく、ヒッツの邦題だそうだ)、
67年、69年に、81年再結成、03年再々結成のライブ盤も付き、
12枚組7千円弱というお得で、かなり迷い、「あとで買う」にした。

いつものことだが、毎日見ていると、「残りあと2点」となったので、
クリックして、どうせなら、他の曲も演奏しようと、楽譜も検索して、
全曲集はないようなので、3種類ある現行の弾き語り譜面のうち、
いちばん曲数も多くて、ソロの「アメリカの歌」も入ったものにする。

弾き語りだから、1日あれば、何曲も録音できると、安易に考えて、
今週は、CDを聴きながら、どれにしようかと、のんびりしてしまい、
昔からの得意だった、「家に帰りたい」や、「キャシーの歌」ならば、
一晩で完成と、昨夜録音すると、出来のひどさに、自分でも愕然。

ギター1本の伴奏は何だか頼りなくて、ポール・サイモンのように
緩急をつけて、表情豊かに弾くのはなかなか難しいし、何よりも、
歌がひどくて、弾き語りにせず、別録音で、さらにハモリも加えて、
ごまかせると思ったが、ダブルトラックにしても、あまりにも貧弱。

自分の場合、バックの伴奏に、ドラムやベース、シンセが加わり、
演奏そのものも厚みが出て、ごまかしたうえに、その伴奏により、
歌唱力不足のところをカバーして、全体として、聴けていたんだと、
あらためて、認識して、今日一日で、伴奏が作れそうな曲を探す。

「アイ・アム・ア・ロック」は、おそらく、デビュー作の弾き語りだった、
「サウンド・オブ・サイレンス」に、後からバンドをダビングしたのと、
同じように、もともとの弾き語り編曲に、単純にリズム隊を加えて、
フォークロック風にして、ヒットを狙ったと思える、シンプルな伴奏。

この曲は、やはり、詩集を読んだときに、すごく感動していた曲で、
「僕は岩、僕は島、岩は痛みを感じないし、島は決して泣かない」、
「友情なんていらない、苦しみをうむだけ」、「僕は誰にも触れない、
誰も僕を触れることはできない」など、他人を拒絶するような内容。

人と関わらなければ、自分が傷つけられることもない、というのは、
それは、寂しすぎるんじゃないかと思いつつ、共感する部分もあり、
「僕には本がある、守ってくれる詩もある」は、この詩集を読んだり、
昔、中原中也、立原道造に夢中だった自分に、すごく通じたりする。

ポール・サイモンに憧れて、ペンネームを「柴門(さいもん)」とした、
柴門ふみが、この曲を、「ロック初の引きこもりの歌」といったそうで、
確かに、ジョンの「ひとりぼっちのあいつ」よりも、原曲は早いから、
何だか先を越されたようで悔しいが、サイモンの歌詞は素晴らしい。

今日もまた、この歌詞を何度も読み返したり、YouTubeを検索して、
若き日の二人が、ギター伴奏で、見事に歌うのを何度も見たりと、
ますます、週末更新に赤信号が点るが、ポールのギター伴奏は、
本当に見事で、自分は、やはりバンド版でないと、様にならない。

S&Gの2枚目、「サウンド・オブ・サイレンス」の大ヒットを受けて、
急いで作ったLPから、「アイ・アム・ア・ロック」は、歌詞が見事だし、
フォークロック調の伴奏も良いのですが、今回、伴奏も即席のうえ、
ハモリがうまく覚えられず、S&Gファンには申し訳ない演奏です。






解散直前に加入したティモシーの置きみやげ「言い出せなくて」
イーグルスを聴いたのは、あの「ホテル・カリフォルニア」が、
大ヒットした、高1から高2へかけての、77年の春先のこと、
LPを買うと、他の曲も気に入り、どの曲も捨て曲なしという、
ビートルズのアルバムのようで、すりきれるくらいに聴いた。

次の作品を楽しみにしていたら、いっこうに発売されなくて、
クリスマスソングのシングル盤が、申し訳程度に出たくらい、
79年秋、ようやく「ロング・ラン」が出た頃には、もう興味は、
フュージョンへ移って、エアチェックもレンタルもしなかった。

それでも、ヤングギター80年4月号に、「ロング・ラン」から、
第3弾シングルとなった、「言いだせなくて」の楽譜が載って、
間奏こそ8小節だが、エンディングが、30小節以上に渡り、
延々とギターソロが続くので、ラジオで録音して、練習した。

この曲のボーカルは、新メンバーのティモシー・シュミットで、
「ホテル・カリフォルニア」のヒットにより、ツアーが続くことや、
音楽性の違いなどを理由に脱退した、ランディ・マイズナーの、
穴を見事に埋める、ランディ同様の透明なハイトーンボイス。

そもそも、ランディがイーグルス結成前に加入していたバンド、
ポコから脱退した際、後任となったのがティモシーだったから、
その縁もあったのだろうが、どことなく、キング・クリムゾンでの、
グレッグ・レイクとジョン・ウェットンのような関係にも似ている。

初代ベーシスト、グレッグ・レイクに対して、ジョン・ウェットンは、
ピーター・ジャイルス、ゴードン・ハスケル、ボズを挟んでいて、
すぐの後任でないが、クリムゾンのベース、ボーカルと言えば、
自分にとっては、グレッグとウェットンが思い浮かび双璧を成す。

プログレ出身ミュージシャンによる、スーパーバンドというのか、
AORの売れ線で結成したようなエイジアが、来日する直前で、
ウェットンが、首だかやめるかして、急遽、代役で来日したのが、
グレッグで、声も似ているし、ベース同士だからかなとニンマリ。

ジャズやクラシックでもあるのだろうが、ロックは、どこかしらで、
人脈が繋がるというのが、けっこう多く、さらにプログレとなると、
狭い世界と言ったら語弊があるが、すぐ、くっついたり離れたり、
解説本の人脈図・相関図も複雑になり、矢印だらけになっている。

「言いだせなくて」に話を戻すと、イーグルスの94年の再結成、
MTVのライブでも演奏されて、そのCDは買って、聴き込んだし、
リンゴ・スターのオールスター・バンドが、92年にモントルーで、
演奏していて、テレビで見たから、何かと、この曲には親しむ。

リンゴのバンドでは、ニルス・ロフグレンが、ギターソロを弾いて、
ニルスはエレキでもサムピックをはめ、人差し指や中指も使って、
フィンガーピッキング奏法も駆使するが、クラシックギターでいう、
技巧的ハーモニックスを加ることで、自分なりの味を出していた。

フレーズ自体は、ほとんど完コピに近くて、普通なら、このあたり、
自分なりにアドリブしたくなるコード進行だが、本家ティモシーが、
歌っている以上、レコードに忠実を心がけて、多少は音を歪ませ、
ハーモニクス奏法、コーラス、ディレイを使い、見せ場を作った。

話が、どんどん脱線するが、高1の頃、「ギターライフ」の記事で、
クリス・スペディングが「ギター・ジャンボリー」という曲で、多くの、
ギタリストの物まねフレーズを弾いていると出ていたが、なぜか、
自分は、同じページのニルス・ロフグレンと混同してしまうことに。

ニルスの新譜「クライ・タフ」のジャケット写真があって、この方が、
スペディングのアルバムと思い込んで、しかも、そのジャケットが、
ストラトを抱えたうえ、ジミ・ヘンドリックスを思わせる風貌だから、
黒人ギタリストなのだろうと、二重・三重の勘違いをすることになる。

高校で、ジャズコンテストで優勝したことのある黒人のギタリストが、
ロックのアルバムを出して、いろいろなギタリストの物まねをしたと、
知ったかぶりで話し、友人は友人で、それはジョージ・ベンソンだと、
コンテストとグラミー賞を混同して、どんどん遠ざかっていくことに。

高校時代、そんな感じで、うろ覚えの情報を、皆で、ああでもない、
こうでもないと話していて、今のように、すぐネット検索できないが、
逆に楽しかったし、そうしたギタリストのレコードを必死で探しては、
ようやく見つけた時には、YouTubeの手軽さにはない喜びがある。

その後、ギター雑誌を読み返し、クリス・スペティングだとわかって、
そのアルバムを買ったが、ほとんどスペディングが歌う曲ばかりで、
ギターソロも短く、ギターの聴かせどころは、その物まねの曲くらい、
ただ、それは半端なくすごく、ジミのフレーズなど、本当見事だった。

スペディングは、ブライアン・フェリーのバックで来日し、NHKでも、
ヤング・ミュージック・ショーで放送され、けっこう話題になったから、
ジャズロック時代のアルバム、「無言歌」が再販されて、とびつくが、
これは、フリージャズを通り越し、実験音楽のようで、ソロも今一歩。

ジャズフェスで優勝したという、ジャズギターの演奏は本当なのか、
何を聴けばいいのかと思いつつ、スペディングが在籍したらしき、
ニュー・クリアスやバタード・オーナメンツという、LP解説にあった、
謎のバンドのレア盤など見つけたとして、高額で買えなかったろう。

そんな70年代に活躍したミュージシャン、自分の憧れだった人も、
この数年は、訃報に接することが多くて、イーグルスではフライが、
昨年の1月、クリムゾンのグレッグ・レイクは12月に、ウェットンが、
つい先日、3人ともが60代で、あまりに早すぎて、呆然としてしまう。

「言いだせなくて」は、そのグレン・フライが、ギターソロを弾いたと、
ヤングギターには書いてあるが、当時のレコーディング風景のまま、
PVにしたとされる映像は、YouTubeでは、一部のみで判然とせず、
再結成では、フライはエレピを弾いて、実際はどうだったのだろうか。

レスポールよりは、335のようなセミアコ系を、軽く歪ませた音で、
スライドやチョーキングで歌わせているフレーズは、本当に見事で、
なかなか、本物のニュアンスは出せなくて、ギターもストラトよりは、
レスポールのほうが近いだろうという程度で、妥協した演奏になる。

解散直前のアルバム、新加入のティモシーにとって、1枚のみで、
バンドはなくなるが、逆に、この名曲は、彼の置きみやげのような、
「言いだせなくて」は、透明感あふれる歌が特徴ですが、例により、
危なっかしい音程のハスキー声で、演奏のほうに力を入れてます。








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