僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ゲイリーがブルースに回帰した「スティル・ゴット・ザ・ブルース」
年末に駅前の楽器店で、絶版の楽譜が売れ残っていないか、
棚を探したときに、ゲイリー・ムーアのバンドスコアを見つけて、
これは出版元のシンコーでも在庫なしだったと、慌てて買うが、
この2月に、1曲を追加した新装版が発売と知り、損した気分。

シンコーでは、人気がある楽譜は、何年かすると再発するが、
曲を入れ替えたり追加するので、もう持っている楽譜の場合、
曲が増えると待てばよかったと後悔し、持っていない楽譜から、
好きな曲が変更になると、早く買えばよかったと地団太を踏む。

普通に耳コピできる人や、あまり楽譜を買わない人からしたら、
何をそんな悩むのかと思われそうだが、楽譜頼みの自分には、
けっこう一喜一憂することだし、それはCDや書籍類でも同様で、
何だかんだ言って、ちょっとしたコレクターのようなところもある。

ゲイリー・ムーアの命日が2月6日で、そのあたりも意識したか、
シンコーからは2月5日に、ゲイリーのDVD付教則本まで出るし、
バンドスコアは2月16日とやや遅く、それなら、発売になる前に、
手持ち楽譜から演奏すれば、先に買った甲斐があるというもの。

昨年バンドスコアを活用し、「スパニッシュ・ギター」を演奏したが、
たて続けに演奏しようとした、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、
もともとCDもテープも持っていなくて、ほとんど聴いたことがなく、
スコアに出ている曲を聴こうと買ったベスト盤で、一番気に入る。

ゲイリーが亡くなった時、kamiyo.mさんが追悼記事で紹介され、
泣きのギターですごく良い曲だと思ったが、CDを買うこともなく、
YouTubeで、「パリの散歩道」などと一緒にライブ映像を見ては、
それで満足して、レンタルすることもないままスルーしていた曲。

それだけに、さあスコアと音源を手にしましたと言ったところで、
メロディも、うろ覚えで、ただでさえ下手な歌は音程を外しまくり、
ギターにしても、昔のように初見はできず、ゆっくりから練習して、
少しずつ形になったが、週末の更新には時間切れで没になる。

伴奏はほぼ完成しているので、今回のリベンジで1週間あれば、
メロディも把握でき、ギターも暗譜できるくらいに弾けてしまうさと、
これまた、いつもの安直な考えで、今週の曲に決めてしまったが、
いざ取り組むと、歌も難しければ、ギターもニュアンスが出ない。

8分の6拍子でリズムをとるか、1拍3連ととるか、どちらにしても、
ワルツっぽいノリで、その裏からイントロのギターは始まっていて、
間奏やエンディングのソロも同じパターンだから、出だしからして、
タイミングを外してしまうし、裏の食い方も毎回違って覚えにくい。

それでも、ギターは弾けば弾くだけ上手くなるというか、指が覚え、
今日の本番の録音も、イントロだけで、1時間以上は繰り返したが、
少しずつ良い感じになるのがわかり、さすがに最後は煮詰まるが、
同様に間奏も仕上がって、まあ、エンディングは完コピは断念した。

歌の方は、原曲を繰り返し聴いて、メロディを把握するも、実際に、
マイクに向かうとメロディは伴奏につられたり、何より高音が出ず、
こればっかりは、やればやるだけとはいかず、3回歌ったあたりで、
声が枯れてきてしまい、犬のケンケンのような無声音になってくる。

ゲイリーが最初のソロLP「バック・オン・ザ・ストリート」を出した時、
レビューで、朗々と歌い上げる「ドナの歌」に触れて、このあたりが、
ギタリストの歌の限界だみたいに書かれて、高音域が辛そうだが、
けっこう聴かせると思ったし、チャーや山本恭司よりは上手いはず。

産業ロックとまではいかないが、売れ線が多い「大いなる野望」は、
キャッチーなギターソロはあるが、歌がメインの曲が多くなったし、
かなりの高音域も歌い上げて、さらに、ブルースに回帰してからは、
間奏ギターソロも延々と弾くが、インストは少なくボーカリスト並み。

そのゲイリーのブルース回帰時代の一番のレパートリーでもある、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を歌うのは、素人ギタリストである、
自分には荷が重いというか、まさにギタリストの歌の限界となって、
ダブルトラックどころか3回歌を重ねたが、下手の3乗になっただけ。

リバーブを深くしたり、イコライザーでトーンをいじっても下手くそで、
3声のバランスをいじったりしても同様、どうせ聞き苦しいのだから、
厚化粧は気味悪いだけだと、一番ましそうな歌のトラック1個にして、
リバーブも適度にとどめて、その分、伴奏をあげて、ごまかしておく。

ギターは、ゲイリーと同じレスポールにして、やはりストラトに比べて、
音がガツンと出る分、上手くなったような錯覚になるが、ストラトより、
ビブラートやチョーキングがやりにくいし、何よりハイポジションでは、
左手が不安定なので、かなりガチガチの音でリズムもよれてしまった。

エンディングのギターソロは、途中ピックアップがフロントからリアに、
切り替わって、音色が変化するので、最初は別々のトラックに録音し、
イコライザーでも調整するつもりでいたが、音を伸ばしている段階で、
セレクターをいじっているので、同じようにするしかなく、同一トラック。

ゲイリーの指癖で、ペンタトニックの早弾きが、チョーキングと交互で、
しかも、リズムの切れ目でないところで、急に早くしたり、伸ばしたりで、
そのタイミングも難しければ、ペンタトニックも、自分の指癖と違うから、
完コピできなくて、忠実に弾くよりは、勢いで弾いてしまえと開き直る。

ミキシングして気づくのは、チョーキングの音程がかなり甘かったり、
ビブラートを自分では派手にかけたつもりでも、思ったほどでないし、
イントロ、間奏とも、後半になると、ビブラートを忘れてしまっていて、
音がぬぺーっと無機質に伸びているのが顕著で、まだまだ練習不足。

高校の頃、ロックギターをマスターしないまま、クロスオーバーに走り、
さらに、ジャズギターまで学んだから、無意識にビブラートするとか、
自在にチョーキングするのは、今も不得手で、その点、プロとはいえ、
ジャズ・ロック路線のゲイリーなのに、見事すぎるビブラートの達人。

だいたい、ロック畑からのクロスオーバー・フュージョンのギタリストは、
ジェフ・ベックにしても、ルーツはブルースで、ビブラートはお手の物で、
日本でも、和田アキラ、森園勝敏、高中正義と、チョーキングがうまく、
自分は、ベック命といいつつ、表面だけ、コピーしていたのかなと反省。

ジェフ・ベックのフォロワーと言われ、ジャズロック路線のバンドにいた、
ゲイリー・ムーアが「大いなる野望」以降は、ハードロック路線だったが、
突然、「スティル・ゴット・ザ・ブルース」を出して、ブルース回帰となって、
自分は、ジャズロック路線に回帰してほしいと、だんだん聴かなくなる。

そもそも「回帰」と言うが、アマチュアのギター少年だった頃はともかく、
プロとしてデビューしたバンド「スキッド・ロウ」は、ブルースではないし、
その後は、コロシアムⅡやシン・リジイへの参加、そしてハードロック、
いったい、いつに回帰するのかと、突っ込みをいれたいくらいだった。

そのタイトル曲、「スティル~」は、すごく好きだし、こうして演奏するが、
これは、ブルースのコード進行ではなく、マイナーブルースとも違って、
2小節ずらすと、「パリの散歩道」と同じになる、いわゆる循環コードで、
決してブルースではないが、回帰する決意と捉えれば良いのだろうか。

ところで、この曲、自分は「ブルース」と表記し、昔もそうだったのだが、
ベスト盤では「ブルーズ」で、アルバムもリマスターあたりから同様で、
ベスト盤に関わった伊藤政則らロック評論家は、それが正しいのだと、
解説文でもしつこいくらい多用して、どうも強引すぎて引いてしまうが。

ゲイリーが亡くなって、もう7年もたってしまったのかと、今さらながら、
月日の経つのは早いものだと実感するし、自分が夢中になったのは、
もっと昔の35年前、当時ほどではないが、CDをAmazonで買ったり、
図書館で借りて、自分には新譜扱いのブルースアルバムも聴き込む。

ブルースを聴くと、やはりクラプトンは神だったなあと、これまた古い、
ブルースブレイカーズ時代の曲が聴きたくなるし、ロイ・ブキャナン、
ジョニー・ウィンター、マイク・ブルームフィールドと高校の頃聴いた、
ブルース系のギタリストのLPまで、CDで買い直したくなったりする。

それこそ、自分には、回帰するブルースの土壌なんてないのだし、
純粋なブルースより、ロベン・フォードみたいな方が好きだったりで、
ゲイリーのブルースは自分にも良いのかなと、買った「スティル」に、
借りた「アフター・アワーズ」、「ブルース・アライブ」が愛聴盤になる。

ゲイリー・ムーアの追悼というより、持っているバンドスコアの活用、
新装版が出る前に1曲演奏しておこうと、罰当たりな発想のアップ、
「スティル・ゴット・ザ・ブルース」は、いつもの歌は勘弁してもらい、
イントロと間奏は、けっこういい感じで、エンディングはすみません。







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イアン・マクドナルドのフルートが活躍する「風に語りて」
このブログを始めたのは、2010年夏にNHKで放送されていた、
「中高年のためのらくらくパソコン塾 ゼロからはじめるブログ」が、
きっかけだが、ほんの数年前なのに、たまたまテレビで見たのか、
書店でテキストを手にしたのか、どちらが先かの記憶はおぼろげ。

図書館でも入門書を数冊借り、アメブロ、ココログなど出ていたが、
これまた、何がきっかけでFC2ブログを選んだかは覚えていなくて、
ただ、これも縁というか、このブログにしたから、訪問者リストから、
様々な交流が生まれ、今でも訪問しあう方々と知り合いになれた。

他のブログでは、足あととかが同じ機能なのか、FC2ブログの場合、
訪問者リストに履歴が残り、その人のブログへとリンクされるから、
どういったブログをやっている人が、こちらを見に来てくれたのか、
覗きに行けるから、同じ趣味だとか興味のある内容だとかわかる。

ブログを始めた当初、いろいろ参考にしようと、ランキングの画面で、
自分と同じジャンルのブログを中心に、あちらこちら訪問していたら、
足跡から来ましたと、思いがけず、コメントをいただき、こちらからも、
訪問先に恐る恐るコメントを書き込んだりして、交流先が増えていく。

ただ、自分は今でも何とかブログを続けているが、1年以上長い間、
更新が途絶えていたり、休止の宣言をされる方もいらして、さらには、
悲しい知らせに触れることもあり、あの3月11日の犠牲になった方、
闘病しながらもバンド活動を続けた方と、この7年間でお2人の方が。

そして、今でも信じられずにいるのが、いつもコメントいただいている、
pipco1980さんが1月12日にお亡くなりになったと、先方のブログに、
友人の方が報告されているが、pipco1980さん自身の記事更新は、
1月10日で、こちらの訪問履歴には1月11日の足跡が残っている。

自分も同じ1月11日にブログを訪問して、コメントを書き込んだところ、
いつもは、すぐにお返事いただけるのが、翌日になっても、ないため、
体調でも崩されたのか、以前のように入院されたのかと思っていたら、
思いもしなかった訃報で、悲しいというより戸惑ってしまったのが本心。

pipco1980さんは、学生時代からプロギタリストとして、アイドル歌手の、
バンドリーダーや編曲を担当、その後は、会社の役員などをされたが、、
数年前に帰郷、「ぼちぼちと生きてくよ!秋田編」のブログが始まって、
撮影された写真や音楽紹介の記事で、自分も15年夏からお邪魔する。

こと音楽に関しては本当に博学で、記事で紹介されるミュージシャンは、
半分以上は、名前さえ知らなかった人たちで、いろいろ教えていただき、
知っているミュージシャン、曲についても、かなりマニアック情報ばかり、
さらにアイドル歌手については当時の裏情報などと、とても楽しかった。

おそらく一番好きなミュージシャンは、ブログのプロフィール欄の写真に、
アルバムジャケットを拝借しているフランク・ザッパで、海賊盤も含めて、
何百枚ものCDやDVDを集められたそうだが、自分は1枚も持ってないし、
楽譜があっても、演奏可能なレベルでないので、手を出したことさえない。

2番目になるかは確信がないが、キング・クリムゾンもかなり蒐集されて、
マニアックな内容の記事もあったり、自分が昨年クリムゾンを演奏したら、
「クリムゾン関連だと話が長くなりますので、以下省略です。」のコメント、
かなり細かいことも教わって、本当プログレに詳しいなあと思っていた。

キング・クリムゾンのスコアは、自分はデビュー作のしか持っていなくて、
たぶん、他のアルバムにしても、過去に発売されたのも見ていないから、
耳コピの苦手な自分は、この中から、まだやっていない「風に語りて」を、
演奏しようと思うが、pipco1980さんは「宮殿とレッド以外が好きです。」

自分がキング・クリムゾンを聴いたのはリアルタイムどころか、ずっと後、
80年頃だったか、FM東京「真夜中のポップス」で、キング・クリムゾンの、
デビューアルバムを全曲かけると知り、エアチェック、それもタイマーで、
起きてから聴くと、「21世紀~」で目が覚め、全曲が想像を絶していた。

すぐにではなかったが、他の曲も聴きたくなったので、LPを買うことにし、
「宮殿」はテープで持っているから、2枚組ベスト盤「新世代への啓示」と、
ラストアルバム「レッド」、ベスト盤に入っていない「太陽と戦慄パート2」、
「21世紀」をライブ演奏している「USA」を、解説のある国内盤で買う。

それにしても、「ひばりの舌のゼリー」が、「太陽と戦慄」になっていたり、
「青少年のための管弦楽入門」を意識したようなベスト盤のタイトルが、
「新世代への啓示」となるなど、邦題のつけ方で、「プログレ=難解」の、
イメージが拡大されたようで、レコード会社はあえてそれを狙ったのか。

プログレだと、ピンクフロイド「狂気」や、ELP「恐怖の頭脳改革」だとか、
意訳を通り越して、仰々しいタイトルばかり多くて、どうかと思うのだが、
かつてのビートルズの曲名に、「こいつ」「嘘つき女」「浮気娘」があって、
それに比べれば、難解で箔がつくプログレのタイトルはましな方だろう。

「新生代への啓示」は、単なるベスト盤にしたくなかったのか、それとも、
セールスを考えての未発表音源収録だったのか、「風に語りて」だけは、
デビューアルバムとはまったくの別テイク、ボーカルもグレッグではなく、
フェアポート・コンベンションの歌姫、ジュディ・ダイブルが担当している。

フォークロックバンドの女声ボーカルを起用しているせいもあるのだが、
サウンドも、フォーク、アイリッシュ・トラッド、ケルト風で、クリムゾンより、
その前身のジャイルズ・ジャイルズ&フリップに近くて、グレッグの歌と、
イアン・マクドナルドが活躍することで、クリムゾンが誕生したと言える。

今では、クリムゾンも何度か再結成して、第○期の分類も多々あるが、
当時は、デビュー作の「宮殿」からライブ盤「アースバウンド」が第1期、
「太陽と戦慄」から解散の「レッド」(解散後のライブ盤「USA」を含む)が、
第2期という分類で、自分には、第1期は、「宮殿」だけでも十分だった。

第2期にしても、アルバム「レッド」のうち、ベスト盤収録の「スターレス」、
「レッド」があれば十分で、要するに「新世代への啓示」があれば良いと、
それだけテープに録音して、テープの余りに「USA」からの「21世紀」と、
「太陽と戦慄」をいれて、CD時代まで、ウォークマンで繰り返し聴いた。

「ディシプリン」の再結成は、90125イエスと同様、別のバンドに聴こえ、
日本公演のエアチェックくらいはしたが、ほとんど聴かないに等しくて、
CD4枚組「紅伝説」を買ったときも、解散前のCDばかりを聴いていたし、
その後、様々なライブ盤が出た時も、デビュー時とUSA時だけ買った。

よくよく考えてみると、グレッグ・レイクと、ジョン・ウェットンの在籍時で、
どことなく声質の似たこの2人の歌声が好きなのであって、フリップが、
「これは、クリムゾンだ」と宣言して、別メンバーで名乗っても意味がなく、
2人の歌声を聴きたくて、ELPやUK、エイジアのアルバムに手を出した。

ジェネシスの元ギタリスト、スティーブ・ハケットが、セルフカバーになるか、
ジェネシスの楽曲をリメイクしたアルバムを出した際、ジョン・ウェットンに、
イアン・マクドナルドを率いて来日して、ジェネシス以外にクリムゾンの曲、
「クリムゾン・キングの宮殿」、「風に語りて」をやった時は、もう狂喜した。

ジョン・ウェットンが、クリムゾン在籍時は、決して歌うことなかった2曲を、
本家のマクドナルドと共演し、単なるプログレ同窓会ではないクオリティ、
ウェットンがエイジアで演奏するクリムゾンの楽曲よりも、本物っぽくて、
デビュー作は、マクドナルドが大きな役割を果たしていたのがより明確に。

「風に語りて」は、フルートのハモリから始まり、歌の伴奏では、ピアノと、
オルガンが交互に和音を鳴らすが、対位法のようにメロディと対峙する、
フルートやクラリネットが曲を引っ張っていて、間奏とエンディングとでは、
バッハのようでもあり、ジャズの要素満載のアドリブが延々と奏でられる。

ドラムもそれに呼応するように、ロックよりは、ジャズに近い叩き方をして、
当然ながら、シャッフル、スイングの4ビートではないが、手数を多くして、
アクセントをずらし、タムやシンバルを挟んできたり、かなり自由に叩き、
後任ビル・ブラッドフォートにも負けないくらい、テクニックもセンスも十分。

そのドラムをMTR内蔵のリズムマシンで再現するのは、ほとんど無理で、
バンドスコアを頼りに入力するが、弾けるようなスネア、タムの音が出ず、
スコアで省略されているリピート時のオカズは、雰囲気程度は耳コピして、
せめてもと、シンバル、ハイハットと別トラックにして、イコライジングした。

フルートはギターシンセで演奏して、キーボードのシンセで演奏するより、
強弱のニュアンスがつけられるが、早いフレーズのトラッキングに苦労し、
シンセのピックアップのマグネット部に、弦がひっついて雑音が出たりと、
ギターシンセの演奏は、かなりストレスがたまり、やっぱり生楽器が一番。

グレッグのボーカルにしては、かなりソフトに歌い、マーキーのライブでは、
いかにもグレッグという歌いまわしとハスキー声で、それを真似てみたが、
自分の声ではお粗末すぎて、レコードの歌い方に戻し、ダブルトラックで、
風呂場エコーとリバーブをかけたが、相変わらずボーカルがネックのまま。

キング・クリムゾンは、ピート・シンフィールドの歌詞もその存在は大きくて、
渋谷陽一は「ロックに対する深い洞察力が曲作りの需要なファクター」とし、
この「風に語りて」も、多くの訳詞ブログで、深読みされるような内容らしく、
単純にボブ・ディランの「風に吹かれて」をもじったと思った自分と大違い。

村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」は、プログレとは無関係だろうが、
劇中に出てくる作家、ハートフィールドの小説「火星の井戸」を紹介して、
宇宙を彷徨う青年に風が囁く場面が描かれ、再び静寂が訪れたとあり、
何となくシンフィールドの詩の世界にも通じると、勝手に結び付けている。

キング・クリムゾンのデビュー作から、イアン・マクドナルドのフルートが、
大々的に活躍する「風に語りて」を演奏しましたが、歌の出来はひどいし、
「毎度です」とコメントをくれるpipco1980さんは、シンフィールドの詩より、
パーマー・ジェイムスを評価されていて、どんな感想を持たれたろうか。










早弾きの連続で教則本のようなヴィニー・ムーア「N.N.Y」
あと数年もすれば定年退職という、いい年をした大人というか、
もう中年から老人へと向かっているので、少しは落ちつくべきと、
いろいろと自制はしているが、ことギターということになってくると、
ますます盛んになっているし、早弾きへの憧れは尽きることない。

最初に早弾きを意識したのはいつのことだろうか、中学時代は、
ビートルズばかり聴いていて、もちろんリードギターを練習したし、
「タックス・マン」や「ジ・エンド」は、早いフレーズで難しかったし、
すごく格好良いソロと思ったが、早弾きという感覚ではなかった。

高校に入り、同級生にギターの上手い連中がゴロゴロしていて、
ディープパープルの「ハイウェイ・スター」を弾いて見せてくれて、
それに圧倒されたのが、早弾きを意識した最初になるのだろうか、
ドレミファソラシドを、ひたすら早く弾いて見せる友人にも驚いた。

ビートルズを全曲コピーするまでは、他の曲には脇目もふれず、
なんて思いつつ、ウイングスのジミー・マックロウのギターソロに、
感動して練習していたが、もっと上手いギタリストを聴かないと、
ビートルズばかりでは、ギターそのものが上達しないと方針転換。

ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンは、友人たちが得意にし、
何だか真似するみたいで、それにギターがうまくなりたいのなら、
歌もので短いギターソロでなく、全面弾きまくるインストが良いと、
ギター誌のレコード評で目星をつけ、ジェフ・ベックのLPを買った。

その「ギター殺人者の凱旋」は、16ビートの早い曲ばかりだったし、
変拍子のリフをひたすら早く弾いていく「スキャッターブレイン」が、
アドリブも早弾きの連続で、一方スローな「哀しみの恋人たち」は、
泣きのギターに、盛り上がっての早弾きと、とにかく大満足だった。

77年のクロスオーバーブームでも、ギタリスト中心に聴いていたし、
リー・リトナーの「キャプテン・フィンガー」の早いユニゾンのリフ大会、
ラリー・カールトンでは、クルセイダースでの「スパイラル」の早弾き、
翌年出た「夜の彷徨」でも、「ポイント・アップ」の32分音符に興奮。

和田アキラのプリズムがデビューし、バンド名をタイトルにした曲を、
雑誌プレイヤーのラジオ番組で聴いたときは、もう大興奮していたし、
その和田アキラが薦めるギタリスト、しかも「ベックより良いかも。」と、
自分が食いつく名前も出たアル・ディメオラもLPを買い、大ファンに。

アラン・ホールズワース、ゲイリー・ムーアというジャズロック出身や、
ジャズからフュージョンへと道を切り開いたジョージ・ベンソンに加え、
純粋なジャズギタリスト、ジョー・パスとハーブ・エリスのギターバトル、
早いと有名なタル・ファーロウやパット・マルティーノのLPまで集めた。

クラシック音楽のフレーズ、バッハやパガニーニのフレーズを使って、
これまでにないくらいスピードの早弾きで、圧倒的テクニックを誇る、
イングヴェイ・マルムスティーンが出てきた時も、すごく嬉しかったし、
それを真似て大量に出てきたギタリストのアルバムも、かなり買った。

イングヴェイをスウェーデンからアメリカへ呼び、デビューさせのが、
マイク・ヴァーニーという人で、シュラプネルレコーズを立ち上げると、
トニー・マカパイン、ヴィニー・ムーア、ポール・ギルバートらを発掘、
多少の違いはあるものの、ほとんどイングヴェイに近いスタイルの、
ギタリストを次々とデビューさせ、ネオ・クラシカルブームを作り出す。

早弾きギタリストのオンパレードで、自分にうってつけだったのだが、
イングヴェイと比べると、シングルコイルとハムバッキングの違いか、
シュラプネルのギタリストは、誰もが、音が歪みすぎて、すごく汚いし、
音色もエッジがきつくて、イングヴェイの太く甘い音色には及ばない。

そうやって、イングヴェイと比べられるのが、嫌だと思うのは当然で、
ほとんどのギタリストは、よりフュージョン系のインスト路線になるか、
クラシック色のないメタルや、よりポップな歌ものと変わっていったし、
日本でも有名なマーティ・フリードマンは、演歌と共演するようになる。

何でも昔が良かったとなる自分は、イングヴェイでも、最初に聴いた、
グラハム・ボネットと組んだバンド「アルカトラス」や、初ソロアルバム、
「ライジング・フォース」が一番気に入っていて、シュラプネル関連でも、
トニー、ヴィニーに、ポール加入の「レーサーX」ともファーストが良い。

特にヴィニーのファースト「マインズ・アイ」は、バンドスコアを入手して、
渋谷河合楽器のアンサンブル・コンサートで、いくつかを演奏したので、
イングヴェイよりも練習した曲で、インギーは半音下げチューニングで、
いちいち下げるのが面倒で、それもあり、ヴィニーばかりを弾いていた。

それと、イングヴェイのアドリブは、5・7・11連符という奇数の連符が、
けっこうあり、独特のタイム感覚で、弾こうとする音程を詰め込むから、
結果的に楽譜にすると、端数になるのも多いだろうが、それに比べて、
ヴィニーはフレーズも機械的、教則本のスケール練習みたいのが多い。

ジャズギター教室のテキストだった、バークリー教本に出てくるまんま、
やはり教室で特訓した、バッハの無伴奏バイオリンにも似ていたりで、
これは、習ったまんまだよと、当時だと、けっこう初見で弾けたのだが、
今スコアを出してくると、指がもつれるし、まったく楽譜に追いつけない。

高校になった時、ビートルズばかりだとギターが上手くならないと思い、
ジェフ・ベックとかを聴くようになったのと同様、近年宅録をやりながら、
ビートルズや歌ものばかりやっていたら、早弾きの方がどんどん衰え、
初見にも弱くなったり、クラシックギターのレパートリーも弾けなくなる。

今でもビートルズについては、やはり一番好きだし、全曲のコピーは、
何とか達成したいし、単に毎日のギターの練習をさぼっていただけで、
ビートルズのせいでも、歌もののせいでもなく、ギターに気合を入れて、
かなりの難曲にも、めげずに取り組もうと、新たに決意し直した次第。

ヴィニー・ムーア「N.N.Y」は、メインのリフから教則本的フレーズだが、
ハモリが5連符だったり、ドラムやベースとユニゾンの11連符まであり、
けっこうやっかいで、なめていた教則本フレーズも、かなり練習が必要、
この1週間練習したものの、まだまだ指がもつれ、ハモリもずれてます。









「パリ~」に次ぐゲイリーの泣きのギター「スパニッシュ・ギター」
7年前の夏、NHK「中高年のブログ入門」を見て、ブログを始め、
コメントいただく方々に背中を押される形で、ギター演奏もやり、
すぐに調子づく自分は、今度は何を演奏しようかと楽譜を集め、
気づけば、枕元はAmazonの箱だらけで、70冊は超えたろうか。

まあ、単純計算してみると、毎月1冊買っているより少ないから、
節度ある買い方と言って良いだろうが、昔の楽譜も大量にあり、
ブログのレパートリーに困らない以上に、一生かけても弾けない、
積ん読状態に近いだろうし、自分のレベルを超えた楽譜も多い。

それでも、今も、ちょこちょこ、シンコーやリットーの新刊を探して、
最近の音楽にはついていけないが、昔の曲が再販されないかと、
こまめにチェックすると、けっこう見落としていたり、出た当初は、
さほど興味なかったのに、急に欲しくなると、売り切れていたり。

シンコーミュージックは、以前は直販をやっていたが、数年前に、
Amazonに委託したようで、購入は、Amazonへのリンクになって、
そのうえ新刊でなく、中古の出品ばかりになっている楽譜も多く、
廃刊本がメーカーHPに残り、古本にリンクするのはどうなのか。

先日は、イエスなんかも1冊くらいあって良いかとクリックすると、
古本のみで定価の倍以上していて、さすがに買う気にはならず、
近所の楽器屋は、棚の上の方に、古い楽譜が背表紙が変色して、
売れ残っていることがあるので、覗いてみるがイエスはなかった。

カーペンターズやゲイリー・ムーアの古いバンドスコアもあるなと、
目をつけて、早速シンコーからAmazonを見ると、どちらも出品のみ、
そんなに欲しいわけでなかったが、せっかく、新品があるのだから、
買っておく方が良いなと、ある意味、変な理屈で買ってきてしまう。

シンコーは、人気のスコアは数年たつと、曲目を変え再販したり、
最近では、中高年向けか、「ワイド版」と称してサイズを大きくして、
再販するので、イエスが出ないか、見ていたが、その気配はなく、
逆に、定価以下の古本が出品されたので、そっちで買っておいた。

そうこうするうちに、イエスの新刊が出てしまうと、悔しくなるから、
さっさと演奏して、ブログにアップすれば、買った甲斐もあるさと、
大曲は避けて取り組むが、それでもドラム入力が大変な曲ばかり、
妥協して(?)、「ロンリー・ハート」なら楽だろうと、ドラムは簡単。

オケもそこそこ作れたが、よくよく考えると、昔の曲にしたところで、
「ロンリー・ハート」にしても、ジョン・アンダーソンはキーが高くて、
けっこう口ずさんでいた曲も多いが、いざ歌うと難しく、それに加え、
風邪で喉を痛めて、当分の間はイエスの曲は保留することになる。

同じ理屈で、カーペンターズは、余程のことがなければ歌えないが、
ゲイリー・ムーアは、「スパニッシュ・ギター」や「サンセット」といった、
歌のないインスト曲がバンドスコアに載っているので、これだったら、
声が出なくても平気だし、無理やり買った楽譜をすぐ有効活用できる。

ゲイリー・ムーアは、1969年、10代で、スキッド・ロウでデビューして、
ゲイリー・ムーア・バンドでアルバムを出したり、ジャズロックのバンド、
コロシアムⅡや、盟友フィル・リノット率いるシン・リジイに参加したり、
知る人ぞ知るギタリストだったが、自分が知ったのはソロデビュー時。

78年「バック・オン・ザ・ストリート」が出た時に、雑誌「ロッキンF」では、
丸々1ページを使って、対談形式のレコード評が掲載され、その中で、
「ジェフ・ベックみたいな」という言葉があり、これはビートルズと並ぶ、
自分にとっての、キラーフレーズ、殺し文句で、すぐ食いついてしまう。

高中正義のセカンドアルバムは、ヤングギターのレコードレビューで、
「ベックに聴かせたい」と書いてあり買ったし、アル・ディメオラにしても、
和田アキラがロッキンFで、「ベックよりすごいかも」とあおってくるから、
買ってしまうという、高校時代の自分には、ある意味、神のようだった。

運良く、ゲイリーの曲が、NHKFM「軽音楽をあなたに」で数曲かかり、
そんなにベックみたいとは思わないが、「甘い言葉に気をつけろ」では、
レッド・ツェッペリン「貴方を愛しつづけて」のマイナーブルースみたいで、
気に入って、LPを買うと、まさにベックのようなインスト曲が何曲もある。

ベックというより、もろにジャズロックで、当時、クロスオーバーギターに、
やたらと夢中だった自分には、ものすごくぴったりだったが、その路線で、
ゲイリーが参加していた「コロシアムⅡ」は、国内盤どころか輸入盤さえ、
入手不可能な状態で、もっとインスト曲が聴きたいと、飢餓感を覚えた。

その後、ゲイリーは、シン・リジイでアルバムを出すと脱退して、80年に、
「Gフォース」を結成するも、すぐに解散、グレッグ・レイクと組んでみたり、
「ギターを抱いた渡り鳥」と揶揄される状態だったが、ファンが多いのか、
おそらく日本限定のベスト盤「モア・クレイジー」が、81年に発売される。

そこには、自分が聴きたくて聴けなかった、コロシアムⅡの曲も4曲あり、
さらに、日本未発売のシングル盤「スパニッシュ・ギター」まで入っていて、
この曲は、歌入りとインストの2種類あるそうだが、インスト版だったので、
ディメオラみたいなフラメンコ調の早弾きには、夢中になって聴きまくった。

このベスト盤は、限定盤だったのか、すぐにジャケットと曲目を変更して、
別のベスト盤が出たが、大人の事情というか、ゲイリーが参加していない、
タイガーズ・オブ・パンタンの「タイガー・ベイ」を勘違いして収録したので、
なかったことにしようと、慌てて廃盤にしたのではと、つい勘ぐってしまう。

後にシン・リジイやホワイトスネイクにまでも加入する、ジョン・サイクスは、
ゲイリーのファンで、タイガーでそれっぽく早弾きして、デフ・レパードの、
フィル・コリン(ジェネシスのフィル・コリンズではない)も、ガール在籍時に、
やはりゲイリーばりのソロを弾き、ゲイリーがゲストで弾いたと言われた。

それだけのフォロワーがいるゲイリーは、ベックのフォロワーとよく言われ、
「ベックのように弾きたいという少年の心のまま、プロになって~」などと、
馬鹿にしたような言い方までされたり、ジャズロックのバンドにいたから、
同じに見られがちだが、そんなに言われるほど、似ているとは思わないが。

2人ともブルースに根差して、泣きのギターと早弾きのどちらも得意として、
レスポールとストラトを使い分けるなど、共通点は多くて、こうしたところは、
ゲイリーがベックを意識したかもしれないが、ゲイリーの方が無茶苦茶に、
弾きまくって、あだ名の「クレイジー」どうりで、チョーキングもしつこいほど。

この後、大ヒットする「大いなる野望」は、ハードロックの売れ線の曲となり、
これは、ベックとは方向性も違うだろうし、その後のブルースへの回帰も、
ブルースでもひねってくるベックに対し、正統派ブルースロックと言ってよく、
一時期影響はあっても、単なるフォロワーからは80年代に脱却している。

せっかくゲイリーのスコアを買ったから、スマホでゲイリーの曲を聴こうと、
とりあえず、CDの2枚組ベストをAmazonで買うが、買ったその日のうちに、
国内盤なのに500円も値下がりして、輸入盤にしても、為替レート以上に、
変動が激しいことがあり、朝と晩に値段をチェックする癖がついてしまった。

追悼盤として出た「メモリアルコレクション」は、コージー・パウエルのソロや、
コロシアムⅡの曲も含んだマニアを納得させる選曲で、当然のことながら、
「スパニッシュ・ギター」も入っているが、これはボーカルバージョンで、単に、
インストに歌をかぶせたと思ったら、後半のギターソロが一部違っている。

もともと、編集でつないだのではという感じで、インスト版でも、アドリブ中に、
ギターの音色もリバーブのかかり具合も変わって、わざとらしすぎるのだが、
その部分が歌入りとインストでは、さらに間に数小節分加えた形だったり、
フェイドアウトの長さが違い、元々A・B面だから、あえて差別化を図ったか。

実は昔からすごいファンだった、ゲイリー・ムーア「スパニッシュ・ギター」は、
アルペジオのバッキングとエレキのメロディを、2回演奏し左右に振ったが、
けっこうずれてしまって、譜面があっても、安定しない演奏だと反省しつつ、
最後のアドリブは気合を入れて、フェイドアウトを伸ばし、弾きまくってます。








バンドマンの孤独な心情を見事に歌い上げた「早く家へ帰りたい」
サイモン&ガーファンクルは、64年にデビューしたものの、
LPの売り上げも良くなく、失意のポールはイギリスに渡り、
ライブハウスを回る地道なソロ活動、アートは大学院へ進み、
S&Gは活動休止というか、実質は解散状態になってしまう。

ポールは、デビュー以前にも、イギリスやヨーロッパを回って、
現地のミュージシャンと交流していて、この時も「アンジー」や、
マーティン・カーシーが編曲した、「スカボロー・フェア」などを、
教わったので、イギリス滞在は必ずしも無駄にはなってない。

LPの中の1曲にすぎなかった「サウンド・オブ・サイレンス」が、
もともとの弾き語りに近い二人の歌に、エレキギター、ベース、
ドラムをダビングして、流行のフォークロックサウンドに変身し、
シングル盤として発売されると、大ヒットして、やがては1位に。

イギリスを回っているポールとは、連絡がつきにくかったため、
本人が知らない間に編曲され、そのうえヒットまでしたのだが、
一説には、ふと立ち寄った店で、雑誌を手に取ったポールが、
自分の曲がチャートインしているのに驚き、連絡を入れたとか。

急遽、ポールはアメリカに呼び戻され、アートも召集がかかり、
曲がヒットしているうちに、2枚目のアルバムを作ることになり、
レパートリーの不足を補うために、ポールがイギリスで出した、
ソロLP「ソングブック」の大半の曲を、S&Gとしてリメイクする。

そんな話を聞いていたから、3枚目のLPに収録されている曲、
「早く家へ帰りたい」は、歌詞もドサ周りをしている内容だから、
「ソングブック」からのリメイクと、ずっと思いこんでいたのだが、
「ソングブック」は未収録で、これまた、いつもの早とちりだった。

ただ、2枚目のLP「サウンド・オブ・サイレンス」が発売された、
ほぼ同時に、「早く家へ帰りたい」のシングルは出ているから、
録音自体は引き続いたか、LPの未収録曲をシングルにしたか、
どちらにしても、イギリス時代のレパートリーに間違いないはず。

「ソングブック」のアルバムジャケットに、ポールと一緒に写って、
「キャシーの歌」のモデルにもなった、当時のガールフレンドの、
キャシーに向け、君が待つ家に早く帰りたいと歌ったらしいが、
故郷への郷愁、母国アメリカへの思いも重ねていたのかと思う。

「切符を手に、駅に座っている。スーツケースとギターを持ち~」
「どの町も同じに見える、映画館と工場ばかり。」といった歌詞は、
バンドマンの孤独を歌っているように感じ、ようやくアマチュアの、
端くれになったくらいの自分なのに、わかるなあと共感していた。

ただ、実際の経験がなくても、本からの知識はそこそこあるから、
例えば、ビートルズが、アイドル時代、世界ツアーに明け暮れて、
ホテルとコンサート会場の往復だけで、今自分はどこにいるのか、
他の国へ行っても、同じ繰り返しという感覚に近いのかなと思う。

多少ニュアンスが違うかもしれないが、あのジミ・ヘンドリックスは、
ライブでギターを振り回して、大歓声に包まれれば包まれるほど、
ホテルの部屋に1人戻ってから、より一層の孤独を感じていたと、
そんな聞きかじりとオーバーラップして、わかった気になっていた。

この曲は、自分がS&Gを聴くきっかけとなった、NHKで放送の、
「ポール・サイモン・ショー」でも、ギターの弾き語りをしていたから、
テレビから録音したテープで、かなり聴き込んでいて、曲の途中、
一端ギターを弾く手を止めるところが、すごく印象に残っている。

大きくため息をつき、観客を和ませてから、また歌い始める演出、
テープを聴きながら、思い浮かべるポールの姿は、ライブLPの、
ジャケットに写る、白いスーツ姿なのだが、YouTubeで見つけると、
オレンジの服で、口髭もはやしていて、まったく記憶と違っていた。

YouTubeには、インタビューを交え、この曲を演奏する映像もあり、
じゃあやってみようかという感じで、人差し指にフィンガーピックを、
はめていて、サムピックだけではないんだと、今さらながら気づき、
「グレイテストヒット」の楽譜でも、フィンガーピックと書いてあった。

S&Gのレコードは、「グレイテストヒット」しか持ってなかったので、
この曲は、そこに収録の弾き語りライブバージョンに親しんでいて、
テレビでも弾き語りだったから、CDの時代になり、ベスト盤を買い、
スタジオ録音のバンド演奏バージョンを聴いたとき、すごく驚いた。

もちろん、フォークロックのアレンジを施して、劇的に変化となった、
「サウンド・オブ・サイレンス」ほどではないが、ギターだけとっても、
アコギとガットの2台による、8分音符のアルペジオから始まって、
ライブの16分音符主体のスリーフィンガー奏法とは、感じが違う。

昔からやっている弾き語りバージョンで、いったん録音してみるが、
ただ、自分の場合、実際の弾き語りにすると、ミスが多くなるので、
ギターと歌は別々に録音していて、それでも伴奏がギターだけだと、
ボーカルの稚拙さが目立ってしまい、ドラムとかが入る方が良い。

バンドスコアには、8分音符がシャッフルとの指定となっているが、
そんなにはねていなくて、サビでテンポが倍テンになるところでは、
シャッフル気味になり、それでもおかずに入る16分音符のスネアは、
はねずにストレートに近く、ドラムマシンでは、再現は難しかった。

Aメロの最初に、ピアノだかオルガンの音がポンっと短く入っていて、
サビで入るオルガンは、もともとは、ずっと演奏していて、あとから、
Aメロ部分をカットした際に、音が残ったのだろうかとか、その逆で、
ピアノ伴奏が入ったのを、消すことにして、たまたま音が残ったか。

ちょっと不思議な感じで、ビートルズの場合、失敗や録音のミスも、
これは面白いと、結果オーライでそのままにすることも多いので、
同じようなケースかと思ったり、それともS&Gは、効果を考えて、
すべてやっているのか、いつもの癖で、あれこれと詮索したくなる。

文藝別冊「総特集・サイモン&ガーファンクル」のアルバム解説で、
「冒頭に二音だけ入っているピアノの音が郷愁を誘う」と書いてあり、
オルガンではなくピアノ、それもポロロンという哀愁を帯びた音色を、
どうやら意識したようなので、それなら演奏しなければと音を入れる。

3枚目のアルバム、「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」に収録、
「早く家へ帰りたい」を、自分もミュージシャン気取りで、演奏するも、
昔からのスリーフィンガーでない分、ギターの演奏にも戸惑いがちで、
いつもながら、キーの低いはずのS&Gでも、高音がきつかったです。







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