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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
村治佳織が、CMでさりげなく弾く曲は、難易度が高かった
村治佳織を知ったのは、雑誌ヤングギターに、
今、話題の、クラシックギター天才少女みたいに、
紹介されたときで、2枚目のCDが出た95年頃。

クラシックギターは、山下和仁など聴いていたから、
かわいらしい女の子だけれど、クラシック界では、
恒例の世代交代の話、くらいの印象しかなかった。

当時出ていた、2枚のアルバムにしても、曲目が、
ルネッサンス時期の、リュートからの編曲だったり、
古典的なレパートリーで、興味はわかなかった。

実際の演奏を聴いたのは、CMでの演奏だったが、
はちすずめ」だったか、「カプリース」だったか、
ほんのわずかだが、すごく印象に残る好演だった。

「はちすずめ」を含む、CD「カバティーナ」を買って、
その端正な演奏に、感心したし、1曲目に入っている、
「サンバースト」のポップなメロディと、随所に光る、
さりげないテクニックに、その実力を知らされた。

「サンバースト」が弾きたくて、その1曲だけのために、
収録している「クラシックギターのしらべ」を買うが、
開放弦を、どこまで鳴らすか、どこで消音するかで、
メロディの響きが変わってしまい、すごく難しい。

「はちすずめ」の楽譜は、細かい音符というだけで、
20代の頃に買っていて、右手が要求される速さに、
まったくついていけず、しまったままになっていた。

せっかくだからと、右手の基礎練習からやり直し、
少しは、クラシックギターのレパートリーを増やそうと、
がんばってみるが、壁にぶつかり、やる気がうせたり。

村治佳織が、現代ギターのインタビューだったか、
ギターを続けること、将来のこととか迷ったとき、
「そうだ、私はギターの音が、すごく好きなんだ」と、
気づいたと言い、これには、すごく納得してしまう。

その後、村治の新譜が出ると、ほとんど購入したし、
旧譜も、図書館などでレンタルして、聴きまくった。

それでも、最初に聴いのが、一番という癖もあってか、
「サンバースト」、「はちすずめ」、「カバティーナ」に、
「森に夢見る」「マイ・フェイバリット・シングス」と、
名曲ぞろいの「カバティーナ」が、一番気に入っています。



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ラリー・コリエルの弾くクラシック音楽は、山下和仁とは別物
ジャズギターにロックを取り入れた、革命児の、
ラリー・コリエルが、70年代後半あたりからは、
アコースティックギターでの演奏が、多くなった。

古くは、クロスオーバーギターの元祖とも言える、
ジョン・マクラフリンと、共演した「スペイセス」で、
火花散るアコギデュオを披露したり、モントルーに、
出演したときに、ヴィラロボスの曲を演奏していた。

ただ、これらは、LPに1曲収録された程度であり、
全曲を、アコギで演奏するようになったのは、
スティーブ・カーンと「トゥー・フォ・ーザ・ロード」で、
アコギの、デュオによるツアーとLP録音からか。

自分は、雑誌ギタープレイヤーの企画LP収録の、
一人二重奏による「スペイン」などを、最初に聴き、
そこから、コリエルのLPを探し回ることになる。

80年代に入ると、コリエルのトレードマークとなる、
オベイション製のアコースティックギターで奏でた、
二重奏、三重奏のアルバムを、次々と発表する。

そして、12弦ギターを使い、クラシック音楽の名曲、
ラベル「ボレロ」を、ソロギターにアレンジして演奏。

これが、話題となったことで、気を良くしたのか、
クラシックのオーケストラ演奏を、ギター1本に、
編曲して、3枚くらい立て続けにLPを出した。

その最初が、リムスコー・コルサコフ作曲による、
シェエラザード」で、コリエルが編曲した楽譜も、
現代ギター社から出版され、LPと一緒に買った。

オーケストラの編曲というと、それ以前に、やはり、
現代ギター社から、楽譜の出ていた、山下和仁の、
展覧会の絵」も、LPと一緒に買い、練習していた。

山下が、原曲である、ピアノ版や、オーケストラを、
いかにギターで再現するか、取り組んだのに対し、
コリエルは、自分の土俵というのか、オーケストラの、
雰囲気を取り入れた、ジャズギターソロという感じ。

また、クラシックギターの、右手の指による早弾きは、
自分には、技術的に難しく、ほとんど弾けなかったが、
コリエルは、ピック弾きによるアレンジだったから、
少し練習すれば、弾けるだろうと、安易にトライした。

冒頭から、アルペジオに、ハーモニックスを交える、
かなり高度な技術で、そこだけで、挫折しかける。

渋谷河合楽器のギター教室で、この特殊奏法は、
先生から、チェット・アトキンスが、演奏した曲で、
教わっていたから、何をやっているかは、わかるが、
だからと言って、弾けるかどうかは、別問題だった。

さらに、テーマの演奏で、何箇所も出てくる和音が、
握力を鍛えていない自分では、音がかすれてしまい、
押さえやすい細い弦にしたり、柔らかいナイロン弦の、
ガットギターで試したが、きちんとした音は出ない。

ポケットスコアを見ながら、クラシック音楽を聴く、
そんなクラシックマニアではないが、弾けないので、
レコードを聴く時の、観賞用ギター譜となってしまい、
いつか再挑戦と思いつつ、もう26年もたちました。





イングヴェイや、ヘッジスも取り入れた、クラシックの木村大
村治香織を知ったのは、デビューしてすぐの頃、
ヤングギターのインタビューで、メタル系統が、
主流のようなYGには、珍しいクラシック畑の記事。

やはりクラシックギタリストの、木村大の場合も、
ヤングギターで、イングヴェイと対談した記事。

昔から、イングヴェイのファンだったという木村は、
喜びを隠さず、対談したり、クラシックギターで、
コピーしたイングヴェイの曲を、本人に披露する。

ロックに、クラシックの要素を、大幅に取り入れた、
イングヴェイは、本物のクラシック演奏家が、
自分の曲を演奏するのを、どう思ったのだろう。

自分と同じ、イングヴェイのファンなのだから、
悪いわけがないと、デビューアルバムを買う。

山下和仁が、やたらと早く演奏して、時として、
早弾き大好きの自分でも、ひいてしまうのだが、
木村大も、「サンバースト」など、早すぎだと思う。

それでも、テクニック重視の早弾きは、気持ちよく、
コユンババ」のプレストなんかは、ぞくぞくした。

ムーンタン」は、マイケル・ヘッジスが得意とした、
右手のタッピングが効果的に、使われていて、
本人は、ホテルの部屋で、必死に練習したとか。

ヴィラ・ロボスの「ギター協奏曲」の中間部で、
ギターだけになる、カデンツァのみを演奏して、
これなんかは、緩急をつけた、堂々たるもの。

クラシックギターでも、すごい若手が出てくるし、
楽譜が欲しくなる、新しい曲も作られるから、
CDや楽譜が、どんどんたまっていくわけです。





クラシックギターで弾ける曲は、原点回帰というより、停滞中
このところ、「超絶養成ギプス」など、
教則本を中心に、楽譜を買っていたが、
いつのまにか、「積ん読」状態になる。

昔から、クラシックギターの楽譜も、
弾けるようになりたいと、買ってみては、
いつのまにか、ただのコレクション。

村治香織が、TVCMで演奏した、
サンバースト」「タンゴアンスカイ」は、
古典中心のクラシックギターのなかで、
比較的、最近の曲と呼べるレパートリー。

木村大が献呈された「ムーンタン」は、
マイケルヘッジスを意識したであろう、
タッピングを駆使して、難易度が高い。

渡された木村は、新しいテクニックに、
それこそ、ホテルに缶詰になるくらい、
必死で取り組んで、ものにしたらしい。

リベルタンゴ」なども、最後のあたりで、
チョッパーベースのような演奏をする。

こういうのが、気に入って、楽譜を買うが、
なにげなく、ギターにさわって奏でるのは、
アルハンブラなど、タルレガソルの作品。

昔ながらの曲で、自分も年をとったものだ、
若いもんの曲には、ついていけないわい、
なんて台詞が出てきそうな気配が漂うほど。

よくよく考えると、これらの曲は、70年代
中学時代に見た「NHKギターをひこう」で、
荘村清志が、演奏していた曲ばかりだ。

自分のクラシックギターの原点、
無意識に、そこへ回帰しているのか、
それとも、単なるノスタルジアか、
あるいは、技術面も含めて、昔から
進歩がとまったままになっているのか。

たまに、たちどまって振り返るもよし、
少しずつでも、新しいものを追い求め、
技術面もレパートリーも増やしていきたい、
意欲だけは、持ち続けているのですが…。


「名曲名演奏の手引き」収録楽譜の、模範演奏を探す
CD時代になってからの、山下和仁は、
ミュージック・オブ・スペイン」のあと、
さかのぼる形で、レコードをCD化した、
大聖堂・ギターリサイタル2」を買う。

これは、山下和仁の演奏というよりも、
「ギター名曲集」のミクルカの演奏に、
第一楽章がなく、聴きたかったため。

大聖堂」など、現代ギター社の、
名曲名演奏の手引き」の掲載曲は、
解説を参考に、収録LPを探し回った。

持っている楽譜の演奏を聴きたくて、
1曲のためにLPを買ったりしたが、
後年、「名曲~」は、完全準拠CDが、
毛塚功一の演奏で、発売して、拍子抜け。

さらには、楽譜とCDがセットになった、
名曲てんこもり」が出るにいたって、
なんで自分の頃には、なかったのかと。

もちろん、自分が買った通信講座など、
楽譜とレコードがセットになっていたが、
雑誌や練習曲集で見つけ、気に入った曲の、
模範演奏を探すのは、けっこう大変だった。

山下のCD「大聖堂」には、数年後に、
ハンガリー狂詩曲」でも再演される、
カプリース」も収録されていた。

再演のときと、微妙に編曲が異なるし、
福田進一編の村治佳織演奏とも違う。

こういうのを聴くと、パガニーニの、
原典にあたってみようか、楽譜や演奏を、
探してみようかと、興味もつきない。

蜘蛛の糸」や、「大序曲」も気に入るが、
楽譜をばらばらで探すのは、面倒だった。

クラシックギターの場合、楽譜先行で、
模範演奏を探すという、変な聴き方で、
曲を楽しむのでなく、技術向上ありきで、
無理していた部分も、かなりあった感じ。

今は、本当に楽しんで演奏を聴き、
そのうえで、弾けるようになりたい、
もっとうまくなりたいと、多少は、
落ち着いた音楽生活に、なれたようです。





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