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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
バルセロナギターフェスの「聖母の御子」
バルセロナギターフェスティバル」が、
91年に、NHKで放送されました。

巨匠、ナルシソ・イエペスを見ようと、
何となくつけると、クラシック以外の、
そうそうたるギタリスト達が、出演。

イエペスは、なぜかCDを持ってなくて、
嫌いでもないのに、今考えても不思議。

もともと、荘村清志山下和仁のLPを
買い集めていて、曲がだぶっているからと、
あえて別の演奏者で、買わずにいたせいか。

イエペスは、セゴビアと対照的な硬い音で、
機械的に演奏するなんて、イメージが、
いつのまにか、自分の中で形成されていたが、
この演奏を見たら、勝手な思い込みでした。

フラメンコのパコ・デ・ルシアも出演。

アル・ディメオラとの共演で話題の頃、
」だったか、ファリヤの曲集を聴く。

すごく気に入って、自分でも弾きたいと、
恋は魔術師」「三角帽子」から編曲した、
全音ギターピースの、楽譜を探したり、
J・ウィリアムスのCDを聴いてみるが、
パコの演奏とは、全然違っていた。

パコ流に、かなりアレンジしていたり、
アドリブソロの部分も多かったのでしょう。

バルセロナフェスでは、若手ギタリストと、
数曲演奏していたが、右手もさることながら、
左手で、かなり弦をチョーキングなみに、
押し下げているのに、すごく驚いた。

チョーキングなど、普通やらないだろうが、
握力が強くて、自然に弦が、たわむのか、
音程を微妙にコントロールしているのか、
このあたりも、異端児たるゆえんか。

両手タッピングで、一躍注目を浴びていた、
スタンリー・ジョーダンも、なぜか登場。

デビューLPは、すぐに輸入盤で買ったが、
実際の演奏を見るのは、初めてでした。

アレンジした演奏だと思っていたが、
アドリブしているように、見えたし、
かなり強く、タッピングしているのか、
音はクリアで、雑音もなく、感心した。

渡辺香津美は、山下洋輔とのデュオで、
息の合ったプレイを聴かせてくれた。

現地で活躍しているという、鈴木一郎は、
声楽歌手の伴奏の形で、カタロニア民謡、
聖母の御子」を、高らかに演奏した。

74年のNHK「ギターをひこう」で、
荘村清志のミニミニコサートで聴き、
レコードや譜面を探し回った曲のひとつ。

その後、小原聖子が、同番組の講師の際、
テキストに楽譜が掲載され、弾けることに。

今は、「クラシックギターのしらべ」や
名曲てんこもり」にも載っているのだが、
どれも和音などが、微妙に違っている。

編曲の違いなどもあるようで、一般には、
リョベート編カタロニア民謡とされるが、
演奏したセゴビア編という説もある。

イエペスのCDは、「セゴビア編」とあり、
セゴビアのCDでは、「トローバ」とある。

この記事を書くために、調べたのですが、
「トローバ」とクレジットされているのは、
セゴビア・ギターマジシャン」というCD。

ひええ、自分のニックネームに、なんと、
おそれ多い名前をつけてしまったんだ…。

自分の場合は、ギターの魔術師ではなく、
手品とギターの好きな一般人の意味です。

それで、フェスの鈴木一郎の演奏ですが、
すごく歌声が、ホールに響き渡っていて、
こういうのもいいなあと感動した。

同じNHKで、ペーター・シュライヤーが、
ギター伴奏で、シューベルトの歌曲、
水車小屋の娘」を歌うのを、以前見た。

そのときも、感動して、レコードと、
ギター伴奏譜を、すぐに買ってきた。

ソロギターも好きですが、ギター伴奏も、
奥が深くて、取り組む価値があります。

さすがに、弾き語りで「聖母の御子」を、
演奏しようとは、思いませんが…。





ヴィラ・ロボスの練習曲って、練習のレベルか?
ヴィラ・ロボスの曲を聴いたのは、
高1の頃に、NHK「ギターをひこう」で、
芳志戸幹雄が、前奏曲1番を弾いたとき。

ディミニッシュの響きが、不気味で、
現代音楽のように思い、敬遠しました。

その後、ジャズを聴くようになり、
テンションコードに親しんでくると、
そんなに、気にならなくなってくる。

ラリー・コリエルがライブLPで、
前奏曲4番を、アコギで演奏。

これが、格好良くて、ころっと、
ヴィラ・ロボスのファンになった。

手持ちの楽譜など調べてみると、
東京音楽アカデミーの通信講座に、
前奏曲の1・4番が、掲載されている。

それだけ、有名な曲だったのでしょう。

早速、弾いてみるが、技術不足で、
左右とも、運指がわからないうえに、
どう見ても、ミスプリントがある。

輸入楽譜を買えば、解決かと思うが、
運指はなく、ミスプリもそのまま、
さらに、1曲ずつのばら売りなので、
割高に感じて、ためらってしまった。

40歳過ぎた頃、何回目になるだろうか、
またクラシックギターに、気合が入って、
練習曲、前奏曲、ブラジル組曲などが
一冊になったギター全曲集を、見つける。

一緒に、全曲演奏のCDも購入したが、
初めて聴いた、練習曲集に驚いた。

1番は、繰り返すアルペジオの響きが、
まるで、ショパンの幻想即興曲のよう。

2番は、パガニーニのような、高速で、
2オクターブ半にわたる、アルペジオ。

当然、この楽曲を作曲者から献呈された、
セゴビア本人の演奏も、聴きたくなる。

全曲の演奏はしていないようだが、
7番の早弾きフレーズを確認したくて、
収録されているCDを、探し回った。

運指が解説されている、別冊現代ギター
ヴィラロボス特集号も、取り寄せた。

それでも、自分のレベルでは、
とてもじゃないが、最初から無理。

鈴木巌の「クラシックギター教本」で、
練習曲1番、2番の、前段階のような、
練習パターンがあり、まずは、そこから。

今でも、練習曲を弾くための、練習という、
情けない事態になっているのです。




山下和仁がらみの楽譜を探しに、現代ギター社へ
ちょっとしたことが、きっかけで、
クラシックギターを、基礎からやり直し、
調子づいて、難曲の楽譜まで買ってしまう、
そんなことを、数年おきに繰り返しています。

昨年は、近所のツタヤで、ヤマハの
さらりと弾けるクラシックギター」を、
見つけて、何となく買って帰る。

やはりクラシックが基本だと、もりあがり、
帰ってきた・てんこもり1&2」」や、
タルレガ全集」を買って、1ヶ月ほど、
クラシックギターばかり、弾いてました。

持っていて、弾けないままの楽譜を、
どうにかしようという、発想はなく、
収集癖のほうが、上回ってしまいます。

その前は、2004年ころだったが、
図書館に、山下和仁のCDがあるのを知り、
はちすずめ・インドの歌・小品集2」、
悪魔のカプリッチョ」を、借りてくる。

はちすずめ」や、「熊蜂」といった曲が、
山下の演奏では、すごいんじゃないかと、
期待したとおりの、ものすごい速さ。

もともと「はちすずめ」や「熊蜂」は、
ギタルラ社のピースを買って弾いていたし、
ジョン・ウィリアムスの演奏も、聴いていた。

「はちすずめ」は、TVのCMで見ていた、
村治佳織のCDも買い、端正な演奏に感心。

ところが、山下は、好き嫌いはあろうが、
わが道というか、別次元の演奏という感じ。

ただ、そんな早弾き大好きの自分でも、
「タランテラ」の、トレモロ奏法以上の、
超スピードには、すごく違和感を感じた。

セゴビアや、渡辺範彦の演奏を聴いていて、
最初の印象にこだわる、自分の癖なのか。

何はともあれ、気に入った「悪魔の奇想曲」、
「タランテラ」などの楽譜が買いたくなり、
現代ギター社まで、出かけることにした。

クラシックに気合が、入っていたので、
ホマドリームのセゴビアレパートリーや、
ヴィラロボス全集なども、一緒に購入。

そのときに、「タランテラ」について、
「あんなに、早く弾いていいんですか」と、
お店の人に、疑問点をぶつけた。

すると、「タランテラは、リズムだから、
そのリズムになっていれば、いいんですよ」

トレモロの連続音符では、なかったのか、
そもそも、タランテラなんて、蜘蛛のこと、
タランチュラだとばかり、思っていた。

そんなやりとりをしてると、月謝を払いに、
かわいらしい女の子が、店に入ってきた。

がんばっているんだなあ、なんて思ったが、
つい最近、現代ギターの表紙でお目にかかる。

記憶に間違いがなければ、そのときの子が、
コンクール優勝し、CDを出した「朴 葵姫」

ただ、AKB48が、みんな同じ顔に見える、
中年ですから、ギターを弾く娘というだけで、
同一人物だと、思い込んだのかもしれません。




山下和仁のCDでも、やっぱり楽譜を探してしまう
ハンガリー狂詩曲」以降は、
山下和仁の新作を、買うこともなく、
楽譜の収集(?)も、一段落しました。

山下の新作=楽譜とセットの模範演奏、
という図式だったせいでしょうか、
準拠した楽譜のない新作は、買わないし、
だいたい、弾けないままの楽譜だらけで、
もう十分だ、という気持ちだったような。

もちろん、渋谷河合楽器の教室で、
ジャズギターの練習は続けていたし、
無伴奏バイオリンのポケットスコアを、
持ち歩き、暗譜につとめていました。

時代は、レコードからCDに移行して、
平成になった頃には、とうとう我が家の、
4台目のレコードプレーヤーも壊れかけ、
さらに、レコード針も製造中止になる。

クラシックギターの曲も、CDで買おうと、
菊池真知子・イスビンらの「ギター名曲集」、
ジョン・ウィリアムス「ギター名曲集」
ブリームアランフェス&コパカパーナ協奏曲
さらに、山下の「ミュージック・オブ・スペイン」。

この山下のCDは、ベスト盤とは少し違うが、
旧譜の「コンポステラ組曲」「内なる想い」や、
妹とのアルバム収録のソロ曲で、構成されている。

デビュー作の「禁じられた遊び」に続き、
菊池真知子、ジョンの「名曲集」にも収録の
定番曲「アルハンブラの想い出」も演奏。

コンポステラ組曲」は、前奏曲の冒頭を、
リー・リトナーが、The Rit Variationsに引用、
かなり早いパッセージで、原曲を聞きたかった。

山下の演奏は、セゴビアの演奏とくらべると、
どの曲も、かなり早く弾いているような印象。

演奏時間では、両者には、そう差がないから、
緩急をつけているのか、山下は早弾きばかり、
という、自分の先入観によるものなのか。

さらに、レシタティーヴォ、ムニュイエラは、
展覧会の絵」に入っていそうな錯覚まで。

ロドリーゴ「祈りと踊り」は、すごく気に入った。

冒頭のハーモニクス、何度となく出る主題、
早いパッセージや、トレモロ奏法。

当然のように、楽譜を買うことにしました。

山下のせいで、弾けない譜面がたまる一方。

コンポステラ」は、後年、シリーズ化された
セゴビアアーカイブ版を、買ったのですが、
昔見た、セゴビア編の運指と違っていた。

わざわざ、旧版と違う運指にしたようで、
弾く弦も、音色から無理があるような。

これなども、いつもの、自分の悪い癖で、
先に見たほうに、慣れていたせいか。

内なる想い」は、イエペスで有名な曲。

セゴビアたち巨匠が、演奏したきりの、
うもれた曲を、よみがえらせたかったのか。

山下は、ソルジュリアーニなどの古典も、
積極的に取り組んでいるように、感じました。

山下は、こうやって演奏しているが、
セゴビアは、どうだったのだろうと、
山下が弾く、セゴビアレパートリーから、
セゴビアのCDと、楽譜を買い集める、
そんな逆転現象にもなりました。

あいにく、大曲のマネン「幻想ソナタ」は、
セゴビアによる演奏は、いまだに聴いていない。

楽譜も、輸入版の購入を保留して、
ホマドリーム「セゴビアレパートリー」
続編を待ち続けるうち、数年たってしまった。

また、むきになって書いてしまいました。
バッハセットや、小品集は別にします。




山下和仁の新譜は、いつも楽譜を買った
同い年の天才ギタリスト、山下和仁

78年、ダイレクトカッティングによる、
デビュー作は、なんと「禁じられた遊び」。

最年少で、コンクール優勝をはたした天才が、
今さら「禁じられた遊び」だって?

なんだか、拍子抜けして、LPも買わず、
次の作品への、興味を失っていたのです。

79年の「アランフェス協奏曲」のときは、
「10代の録音は史上二人目」という宣伝文句に、
同い年だからなあと、つられて購入した。

有名な第2楽章は、NHK「ギターをひこう」で、
75年3月、荘村清志が講師の最終回の演奏会で、
生徒がピアノ伴奏で弾いていて、いい曲と思う。

その後、名曲アルバムでも、荘村自身が演奏。

他の楽章は、山下のLPで、初めて聴きました。

第1楽章、冒頭のラスゲアードに始まり、
オーケストラの一員となり、オケにからんでいく、
一つ一つのフレーズに、すぐにとりこになった。

第2楽章の、ギターソロの部分は、初めて聴き、
早弾きから、何から、すべてに魅かれました。

オーケストラ演奏も、オーボエやホルンなど、
すごく気に入って、ポケットスコアを買った。

運指が自己流になってしまうので、あとで、
アンヘル・ロメロ運指のピアノ伴奏版も手に入れた。

その後、ブリームや、イエペス、ウィリアムス、
イスビンから、村治佳織、木村大まで聴くが、
最初に聴いたものに、こだわる性格の自分は、
この山下和仁の演奏が、何よりも一番なのです。

B面の「テデスコ・ギター協奏曲」も気に入り、
音楽の友社から出ていた、ピアノ伴奏譜、
セゴビア・クラシックアルバム14」を、
渋谷河合楽器で見つけて、購入した。

山下が演奏しなければ、出会えなかった曲で、
絶版となる譜面も、手にすることもなかった。

シャコンヌ・山下和仁プレイズバッハ」は、
80年発売だが、自分が購入したのは、81年。

無伴奏バイオリンのスコアを、練習し始めて、
ギターの演奏も、参考にしたかったため。 

自分には、バイオリン以上の演奏に聴こえ、
山下のように弾くことが、目標となりました。

山下が弾いたシャコンヌは、セゴビア編だが、
見つからず、ベーレント編の全音ピースを買った。

B面は、チェロ組曲6番だったのが、これも、
弾いてみたくなり、最初からギター版を探し、
小船幸次郎が、全曲を編曲した楽譜を買う。 

その後、82年の「現代ギター臨時増刊」は、
ソナタ、パルティータ全曲のギター編曲だが、
低音のつけかたなどが、山下とは、かなり違う。

それならば、ペペ・ロメロのように、原曲どおり、
余計な音をつけずに、演奏するようにした。

81年「展覧会の絵」は、よくわからないが、
すごい快挙なのだろうと、楽譜も同時に購入。

多重録音してるんじゃないか、という演奏で、
編曲のすごさ、それを弾く技術に圧倒される。

実は、「展覧会の絵」は、オケもピアノも聴かず、
プログレのELPの演奏でしか、知らなかった。

山下の演奏を、先に聴きこんでしまったので、
ピアノ編曲を聞いても、山下のギターの方が、
オーケストラ演奏を再現して、すごいと感じる。

楽譜はあるから、全曲弾いてやろうか思うが、
最初のプロムナードから、ストレッチが届かず、
自分流というか、和音をへらしてみたり、
運指や、ポジションを変えて、弾いていた。

小人」の早いフレーズは、ゆっくりから始め、
徐々に早くしても、山下のように聞こえない。

左右どちらも、思い切り早く動かしてみると、
それらしく聞えるが、ただのごまかし。

バーバーヤーガの小屋」「キエフの大門」も、
最初の何小節かを、何となく弾いて、自己満足。

82年、「ベートーベンに、ギター協奏曲?」とは、
バイオリンから編曲した「ギター協奏曲」。

セゴビアは、ギターのレパートリーを増やそうと、
編曲に取り組んだり、同時代の作曲家に委嘱して、
民族楽器から、ギターの地位を確立させたという。

山下和仁も、セゴビア以降、安住したかように、
進展の少なくなった、クラシックギター界を、
切り開こうとしていたのだろうか。

ただ、この曲は、ギターに向く、向かない以前に、
あまり自分の好みでは、ありませんでした。

もともと、クラシックは苦手で、オーケストラ曲などは、
小品であっても、テーマだけで、飽きてしまいがち。

ギターテクニックの向上のため、教則・練習曲として、
クラシックギターに、向かい合っていた部分が大きい。

山下のLPにしても、楽譜の模範演奏として購入し、
輸入楽譜など入手困難な曲のLPは、買っていない。

今では、クラシック全集や、ピアノ名曲101などで、
そこそこクラシックに親しんでいるし、ギター曲も、
曲として楽しんで、鑑賞できるようになりましたが…。

この「ギター協奏曲」は、そんなこともあって、
特別、ギターで弾けるようにとは、思わなかったが、
それでも、原曲のポケットスコアは購入しておいて、
楽譜にあわせて、山下の演奏を聴いていた。

83年「ハンガリー狂詩曲」は、超絶技巧が、
期待どおりの演奏で、山下編の楽譜も購入。

楽譜は2冊になっていたが、「家路」は、
下校の音楽じゃないかと、買わなかった。

楽譜「狂詩曲」には、「カプリース24番」と、
白鳥」の収録で、これは、ありがたかった。

「白鳥」は全音ピースで、練習していたが、
山下編のほうが、伴奏に厚みが増していた。

「カプリース」は、早弾き大好きな自分には、
うってつけの曲であり、エレキにも活かせた。

84年に、ラリー・コリエルと共演した、
ギターオデッセイ~四季」は、二重奏に、
興味がなく、楽譜も出たが、買わなかった。

逆に、ラリー・コリエルの「シェラザード」は、
楽譜とLPを購入して、そこそこ練習した。

同い年で、思い入れが強いため、むきになって、
ひとりよがりの文を、延々と、書いてしまいました。

CD時代の感想などは、また、別の機会に。




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