僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
ヒットしたお礼を込めてファンに向け歌った「サンキュー・ガール」
ビートルズがデビューした当時は、歌手はあくまでも歌手であり、
プロの作詞家・作曲家が作った曲を、プロに演奏してもらうという、
いわば分業体制のようなものが当たり前だったが、ビートルズは、
自分で曲を作り、自分で歌って演奏までするというスタイルを貫く。

ただ、デビュー曲の「ラブ・ミー・ドゥ」を録音する段階で、どれくらい、
使える曲をストックしていたか、62年1月のデッカ・オーディション、
同年12月のハンブルグ・スタークラブのライブ音源で聴けるのは、
それぞれ3曲と2曲に過ぎず、その後、録音されたのは2曲のみ。

中山康樹「これがビートルズだ」で、「ラブ・ミー・ドゥ」を酷評していて、
「なぜこのような凡曲を望んで、デビュー・シングルに選んだのか」と、
疑問を呈し、さらに「すでにこの時点で、『プリーズ・プリーズ・ミー』や、
『アイ・ソウ・ハー・スタンディング・ゼア』といった傑作はできていた。」

逆に考えると、せいぜい、それらの曲と、前述の音源で聴ける曲くらい、
ものになる曲は、そうそう、なかったのではないか、かなり後になって、
録音される曲、「ワン・アフター・909」、「アイル・フォロー・ザ・サン」、
さらに「ミッシェル」も、さわり程度はできていたが、まだまだ未完成。

デビューシングル、さらに2枚目も、A・B面ともにオリジナル曲となり、
自作曲で勝負したいというメンバーの意向を、マーティンは尊重するが、
デビューアルバムとなると、LP全14曲のため、さすがに曲は不足し、
ライブで鍛えられ、すぐに録音できるカバー曲を、半分近い6曲にした。

そうした中、ツアーを一緒に回っている人気歌手のヘレン・シャピロに、
「ミズリー」を提供しようとして却下され、結局、自分たちでやることにし、
デビューLPに収録したのだが、かわい子ちゃん歌手が歌ってくれれば、
作曲活動に弾みがつく、自分たちの励み、自信にになると思ったらしい。

まだ、自分たちのレパートリーも少ないし、ようやくデビューした段階で、
他人への楽曲提供を考えていたとは驚きだが、これは、才能にあふれ、
いくらでも曲が作れ、余って困るということでなく、バンドとしてダメでも、
職業作家としてやっていけないか、模索していたと、意地悪い見方も。

藤本国彦「213曲全ガイド」に、ポールのコメントで、「B面でもいいから、
録音してもらえれば、僕らの作曲活動にプラスになると思って。」とあり、
この後も、ビートルズとしてはレコーディングされないまま、提供した曲は、
けっこうあって、必ずしも、出来が悪い没の曲を使いまわしただけでない。

デビューして力をつけたという言い方は安直だが、LPの発売前後から、
ジョンとポールの作曲能力は、飛躍的に伸びたというほどの爆発力で、
「プリーズ・プリーズ・ミー」に続いて、「フロム・ミー・トゥ・ユー」を出すと、
「シー・ラブズ・ユー」「抱きしめたい」と、怒涛のヒットシングルを連発する。

「フロム・ミー・トゥ・ユー」は、ファンへの感謝をこめて作ったとされるが、
まだデビューアルバムが発売される前の録音で、2枚のシングル盤を出し、
それらの曲を買ってくれたり、ラジオへリクエストしてくれるファン、さらに、
増えていくファンレターで、自分たちが売れる手応えを感じていたのだろう。

「フロム・ミー・トゥ・ユー」のB面、「サンキュー・ガール」も題名からして、
ファンへの感謝をこめた曲で、もともと、こちらの方が先に作られたそうで、
A面の候補にもなっていたが、さらなる傑作、「フロム~」ができてしまって、
B面に甘んじたようで、よい曲ではあるが、シングルヒットしたかは疑問。

ジョンのハーモニカから始まり、ジョンとポールのユニゾンからハモリへと、
自在に変化するメロディは、初期のビートルズの曲の代表的なパターンで、
こういうのが、リバプールサウンドであり、バブルガムミュージックなのかと、
後追い世代の自分としては、ちょっと分類したくなるが、そう簡単ではない。

今週もオケ作りが遅れがちで、得意のビートルズで、お茶を濁す手に出て、
初期の一発録音に近い曲、それでも、ジョンのハーモニカは翌日ダビング、
テイクの編集もしたそうだが、自分は単純に「サンキュー・ガール」演奏して、
ポールの高音がきつくて、お粗末な歌声で、お聴きいただく方へ感謝です。



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勉強になります
今回の記事を読んでなるほど・・・と思いました。
初期のビートルズに関しては余り詳しくないので、勉強になります。デビュー前のライブ活動がハードだった事位しか知らなくて本当に面白い話です。

確かにこれからデビューする若かりし日の彼らは、自分たちの行く末を思案していたんでしょうね。まさかあそこまでの成功を収めるとはとは、自信はあっても現実としては考えていなかったのでしょうね。

デビュー曲の地味さは確かに次々と出される曲に比べると、インパクトに欠けますね。どんな意図があったのかは謎ですね。

ビートルズのカバーに関しては完全にギターマジシャンさんのテリトリーなので安心して聴けます。毎週のアップ本当にお疲れ様です。

私も負けずに、早朝からギターの練習をしています・・・(笑)。
kamiyo.m | URL | 2017/08/13/Sun 06:05 [編集]
Re: 勉強になります
いつも、コメントありがとうございます。



> 今回の記事を読んでなるほど・・・と思いました。
初期のビートルズに関しては余り詳しくないので、勉強になります。デビュー前のライブ活動がハードだった事位しか知らなくて本当に面白い話です。


ビートルズは後追い世代ですし、この10年くらいのビートルズ本からの、
受け売りの知識ばかりですが、いろいろ調べ、自分も楽しく書いています。


> 確かにこれからデビューする若かりし日の彼らは、自分たちの行く末を思案していたんでしょうね。まさかあそこまでの成功を収めるとはとは、自信はあっても現実としては考えていなかったのでしょうね。


当時のインタビューで、あと5年くらい続くかなと言っていたようです。



> デビュー曲の地味さは確かに次々と出される曲に比べると、インパクトに欠けますね。どんな意図があったのかは謎ですね。


用意された曲を断ってまでの、オリジナル曲での勝負ですが、
その後の曲に比べ、あまりに地味な曲で、本当に不思議です。


> ビートルズのカバーに関しては完全にギターマジシャンさんのテリトリーなので安心して聴けます。毎週のアップ本当にお疲れ様です。


いつもながら、ボーカルには難ありですが・・・。


> 私も負けずに、早朝からギターの練習をしています・・・(笑)。


自分の練習レベルと、kamiyo.mさんのレベルは、かなり違っていて、
人前で演奏できると判断されるのも、かなりのハードルだと思います。
先日、河合楽器の生徒の有志で集まり、30年振りの人もいましたが、
楽器を続けている人は、自分とは比べ物にならない程のレベルでした。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/08/13/Sun 06:43 [編集]
まいどです
彼らのデビュー用にマーチン側が用意した「How Do You Do It」に
比べれば、Love Me Do の方が、遥かに瑞々しくて将来性を感じる
と思うんですが、まあ人それぞれ、感じ方は随分違うものですね。

マーチンにしてみれば、マネジャーも含めて常にポールに対して
多数決が1対4になってしまうバンドの悪しき特徴を見抜き、
敢えてポール側に肩入れすることで、バンドのバランスを
とろうと考えたらしく、そう云う意味で、デビューシングルの
A/B面共にリードヴォーカルがポールになったことは、逆に
大歓迎なのに、あっさりHow Do〜押しを、渋々取り下げる
振りを演じながら、シメシメ…と思ったことでしょうね。

さて、Thank You Girl…。From Me To Youのシングルを敢えて
かった記憶もないし、オリジナルアルバムにも入ってない…。
頼みのオールディーズにも未収録…。やっとキャプトル盤の
セカンドアルバムに収録されてますけど、これも敢えて購入した
記憶もない...そうしたわけで、たぶん、自分的にはビートルズ
全曲中、I'll Get Youと並んで、最後の頃に知ることになるレア曲
だったかもしれません。

あと毎度しつこいようですけど、合えた角川駆らないですけど、
2009年ミックスの不細工なステレオに偏らず、ほぼモノラルな
極上仕上げは、もはや涙ものの出来で、さすが分かって
らっしゃる!と感激しております。

何しろ今週もおつかれさまでした。

pipco1980 | URL | 2017/08/13/Sun 15:38 [編集]
Re: まいどです
いつも、コメントありがとうございます。



> 彼らのデビュー用にマーチン側が用意した「How Do You Do It」に
比べれば、Love Me Do の方が、遥かに瑞々しくて将来性を感じる
と思うんですが、まあ人それぞれ、感じ方は随分違うものですね。


おっしゃるとおり、「How Do You Do It」は、ビートルズに不向きで、
この曲を蹴って正解ですが、当時すでにライブでも演奏していた自作曲、
例えば、アスク・ミー・ホワイの方が、売れ線だったような気がします。



> マーチンにしてみれば、マネジャーも含めて常にポールに対して
多数決が1対4になってしまうバンドの悪しき特徴を見抜き、
敢えてポール側に肩入れすることで、バンドのバランスを
とろうと考えたらしく、そう云う意味で、デビューシングルの
A/B面共にリードヴォーカルがポールになったことは、逆に
大歓迎なのに、あっさりHow Do〜押しを、渋々取り下げる
振りを演じながら、シメシメ…と思ったことでしょうね。


ブライアンは衛星放送でも、ジョンの曲を採用したくらいですし、
どちらかというとポールが孤立しがちな構図はあったのでしょうね。
マーティンの提案で、ラブ・ミー・ドゥのリードボーカルが変更し、
ポールは戸惑ったと述懐していますが、その後のポールの活躍も、
プロデューサーとしてのマーティンの方向性があったのでしょうね。


> さて、Thank You Girl…。From Me To Youのシングルを敢えて
かった記憶もないし、オリジナルアルバムにも入ってない…。
頼みのオールディーズにも未収録…。やっとキャプトル盤の
セカンドアルバムに収録されてますけど、これも敢えて購入した
記憶もない...そうしたわけで、たぶん、自分的にはビートルズ
全曲中、I'll Get Youと並んで、最後の頃に知ることになるレア曲
だったかもしれません。


おっしゃるとおり、自分も国内編集盤で集めていたので、この曲をはじめ、
アイル・ゲット・ユー、イエス・イット・イズあたりが、LPに未収録で、
米国編集盤を持っている友人から借りたり、ラジオから録音していました。



> あと毎度しつこいようですけど、合えた角川駆らないですけど、
2009年ミックスの不細工なステレオに偏らず、ほぼモノラルな
極上仕上げは、もはや涙ものの出来で、さすが分かって
らっしゃる!と感激しております。



前期の曲は、本来、すべてモノミックスにした方が良いようですし、
ただ、音が団子になるので、センターから多少左右に振っています。



> 何しろ今週もおつかれさまでした。

お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/08/13/Sun 17:30 [編集]



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