僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
いかにもボズのバックバンドというTOTO「ジョージー・ポーギー」
TOTO・トトの名前を始めて知ったのは、高3の時、78年で、
雑誌「ヤングギター」で、ボズ・スキャッグスのバックの人達が、
バンドを結成してレコードを出したという内容だったが、それは、
囲み記事だったか、LPのレビューだったか、もう記憶が曖昧。

TOTOのメンバーは、正確にはボズのバックバンドというより、
LPのレコーディングに集められた、スタジオミュージシャンで、
あの名曲「ウイ・アー・オール・アローン」を含む、76年の名盤、
「シルク・ディグリーズ」で、キーボード、ベース、ドラムを担当。

ボズの次のアルバム、77年の「ダウン・トゥー・ゼン・レフト」は、
ギターのスティーブ・ルカサーも参加し、「ア・クルー」という曲で、
名演と呼べるギターソロを聴かせて、複雑なコードチェンジの中、
自在に歌わせるソロを組み立てていく才能が、すでに見られる。

当時は、AORなんて呼び名もなく、自分も洋楽には疎かったが、
シングル盤「ハード・タイムス」は、日本でも洋楽チャートの上位で、
「ぎんざNOW!」の洋楽コーナーで、何週か連続で、生演奏され、
後半のギターソロが格好良いなあと、すごく印象に残っていた曲。

「ぎんざNOW!」は、素人コメディアン道場が有名だが、バンドも、
けっこう無名時代に出ていたし、洋楽コーナーのカバー演奏では、
後にスペクトラムへ発展するMMPなどの、実力派も多く出ていて、
このボズのカバーも見事だったが、バンド名までは覚えていない。

そのボズのバック出身という情報のTOTOだが、自分にとっては、
興味を引いたのは、ボズということよりも、ギターのルカサーが、
ラリー・カールトンの愛弟子らしいとか、ドラムのジェフ・ポーカロが、
これまたラリーのアルバムで叩いていたという、フュージョン関連。

一流スタジオミュージシャンが、バンドを結成したのであり、しかも、
クロスオーバー・フュージョン出身だから、インストが中心だろうか、
ギターも弾きまくっているのではと、勝手に想像はふくらんでいき、
カールトンから、アル・ディメオラ、ジェフ・ベック路線まで期待する。

デビューアルバムは、原題は、バンド名のみの「TOTO」なのだが、
曲名の邦題が、直訳どころか意訳とも、かけ離れているのと同様、
「宇宙の騎士」とつけられていて、おそらく、アルバムジャケットが、
宇宙らしき背景に、中世の騎士が使うような剣を描いているから。

曲を聴いたのは、シングル曲をラジオのAMで聴いたのが先だか、
NHK-FM「軽音楽をあなたに」で、数曲を特集してくれた時だか、
どちらにしても、自分が想像していたフュージョンインストではなく、
それどころか、ギターソロも少なく、売れ線のポップス、洋楽だった。

唯一のインスト曲、「子供の凱歌」も、ギターはテーマをなぞるだけ、
シングルカットした「愛する君へ」は、メロディもリフもキャッチーだが、
ギターソロは短いうえ、まるでベイシティローラーズのように思えて、
その後、全曲を聴いても、延々と弾きまくるギターソロはなかった。

このとき「軽音楽をあなたに」では、TOTOのバンド名の由来として、
オズの魔法使いに出てくる犬のトートーだと、説明していたのだが、
かつて言われた東洋陶器はギャグだとしても、ボーカルのボビーの、
本名がトートス、ラテン語で「すべて」を意味すると、諸説あるらしい。

「軽音楽をあなたに」は、高校に軽音楽部がないから、帰宅部となり、
ほとんど午後4時前に帰宅していた自分にとり、ロックやポップスの、
名曲や新曲が聴ける貴重な番組で、DJの山本さゆりの解説も良く、
かなりエアチェックしたのだが、カセットが経年劣化して悔やまれる。

その後、「ヤングギター」に、若手注目ギタリストの特集があったとき、
スティーブ・ルカサーも、TOTOのデビューアルバムと共に紹介され、
「本気を出すとベンベラベラと弾きそうだが~」みたいに書いてあり、
じゃあ、本気で弾いてくれよ、あれじゃ物足りないよと、憤慨していた。

「宇宙の騎士」を冷静に聴くと、「ホール・ド・ザ・ライン」は、ロック調で、
早弾きを交えたソロで、「ガール・グッドバイ」のエンディングの決めは、
ディメオラも真っ青のユニゾン・フレーズ、「ロック・メイカー」の後半も、
ペンタトニックの6連早弾きと、さりげない小技があると、後で気づく。

79年にセカンドアルバム「ハイドラ」が出て、かなりロック色が強まり、
ギターソロも延々と弾きまくって、早弾きも、ものすごいことになって、
ああ、本気を出すとこうなのか、お見それしましたと、一気にファンに、
80年の来日は行かなかったが、テレビやラジオの放送を録音した。

洋楽に詳しい友人は、セカンドはつまらなくなった、1枚目のほうが、
名曲そろいの名盤だと言って、当時の自分は、ギターを弾かないと、
そういう感想なのかと思ったが、年をとったせいか、今の自分には、
「ハイドラ」は派手すぎで、「宇宙の騎士」のほうが、じっくりと聴ける。

「ジョージー・ポーギー」は、16分音符の裏拍から入ってくるピアノが、
イントロから繰り返される、いかにもボズのバックだったという曲調で、
逆輸入でもないが、後に出た「ミドル・マン」のオープニングナンバー、
「ジョジョ」は、ピアノをギターに換えたようなイントロで、ニヤリとする。

ボズを思わせるソフトな歌声は、ボーカルのボビー・キンボールが、
意識して真似ていると思ったら、ギターのルカサーが歌ったようで、
さらに、「ジョージー・ポーギー、プリンパイ」と、ソウルフルな感じで、
歌うところも、ボビーでなく、ゲストのシェリル・リンだと、後から知る。

メインボーカリストがいるのに、ちょっとひどいなあと、思っていたら、
「ロック・メイカー」は、キーボードのデビッド・ペイチが歌い、さらには、
もう一人のキーボードの、スティーブ・ポーカロも歌う曲まであって、
まるで4人全員が歌うビートルズのようだが、ボビーの立場はどうか。

何かのインタビューで、ボビーが、メンバーで一番高い声が出るので、
彼が歌うと、上のハモリをつけられる人がいなくて、ライブでは困ると、
語っていて、レコードでは、メロディもハモリもボビーなのかと思ったら、
メインボーカルから外され、ハモリに回る曲も多いようで、何ともはや。

「ジョージー・ポーギー」は裏ノリというのか、16分音符の頭が休符で、
そこから、つねに頭をずらして、1拍ずつ音を伸ばすフレーズが続き、
リズム音痴の自分の一番苦手なところで、16分の1ずれた部分から、
そこを頭だと思って弾くのか、いつも裏拍と意識して弾くのが良いのか。

ギターの場合、40年前にグレコギターのおまけについてきた教則本、
「成毛滋のロックギターレッスン」の、8ビートピッキングを応用する形、
拍子の頭を空ピッキングのダウンで、アップで和音を鳴らせば良いが、
ピアノ音をギターシンセで弾くと、空ピックの雑音まで、変換してしまう。

実際のピアノを弾く人は、自分で、このノリを覚えるしかないのだろうし、
自分も体をゆすりながら、何度もイントロを歌ったり、弾いたりしながら、
少しでも、イントロのニュアンスに近づくよう練習、途中から入ってくる、
ギターのリフも、空ピックにしても、なかなか本物のノリは出ずに苦労。

このメロディ、ピアノとユニゾンになるギターのリフは、昔のギター譜も、
バンドスコアも単音のリフだが、自分はずっとオクターブと思っていて、
PVでも、1番・3番では、マイクをつかんでいるルカサーが、2番のみ、
背中からの映像だが、オクターブ奏法のようにポジション移動している。

デビッド・ハンゲイトのベースは、PVを見る限りは、ほぼ全部に渡って、
チョッパー奏法で弾いているのに、YouTubeのカバーや演奏解説では、
指弾きの人ばかりなので、レコーディングでは、普通に指で弾いていて、
PVは見た目のインパクトから、チョッパーのあて振りにしたのだろうか。

音色を聴くと、派手なチョッパーのプルでベシベシ鳴らす音ではないが、
アタックが効き、ミュートもかけるので、親指を当て、弾いていると思うし、
自分の場合は指弾きだと、なかなかこのグルーヴ感は出せないから、
チョッパーにして、前のめりになるように引っ掛け、16分のノリを出す。

ドラムは、いつものことながら、MTRに内蔵されたドラムマシンなので、
ノリも音色も今一歩なのだが、ジェフ・ポーカロが叩いた見事なドラムは、
国内外を問わず、一流のミュージシャンでも再現するのは無理だろうと、
開き直って、普通に入力して、コンガの音を大きくして、メリハリをつけた。

TOTOのデビュー作から、ボズ・スキャッグスのバックで結成したという、
その証しのような曲調の「ジョージー・ポーギー」は、ノリが難しいうえに、
ギタリストなのに意外と上手いルカサーの歌には、けっこう苦労したし、
シェリル・リンの部分は開き直って、別物として歌い、何とかアップです。




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今回も私にはツボな選曲で、本当に嬉しい事です。ありがとうございます。

この曲のリズムは私達の仲間内では"トト・シャッフル"と呼ばれていました。ポーカロならではのこのビートは中々出来るものではありませんが、今回のカバーではかなり良い雰囲気ですね。脱帽です。

ギターマジシャンさんのヴォーカルの声質も、この曲にマッチしていて聴き応えがありました。

私達の年代では必須課題曲でしたから、とても懐かしく聴かせて頂きました。

余談ですが私の聞いた範囲では、ルカサーはどちらかと言えばカールトンより、グレイドンのとの交際が多かったと聞いています。カールトンの一番弟子はジノ・バネリのアルバムでプレイした、サウスポーのカルロス・リオスだったはずです・・・。私の勘違いかもしれませんが間違っていたら申し訳ないです。

この時期のトトは本当にいいバンドでしたね・・・ボズのバックで溜まっていたストレスを一気に爆発させた様な感じです。

ハード・タイムスは私も大好きでした・・・ギターソロでフェイド・アウトしてしまうのが何とも残念だった記憶があります。

今回も素晴らしい演奏でした・・・凄いです。聴かせて頂いて気持ち良かったです。
Les Paul L-5 | URL | 2017/04/16/Sun 17:22 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> 今回も私にはツボな選曲で、本当に嬉しい事です。ありがとうございます。


LesPaulL-5さんは、同じ学年ですので、ツボの曲も似通っていますよね。



> この曲のリズムは私達の仲間内では"トト・シャッフル"と呼ばれていました。ポーカロならではのこのビートは中々出来るものではありませんが、今回のカバーではかなり良い雰囲気ですね。脱帽です。


3連シャッフルとも違う、はねたような16ビートは、「トト・シャッフル」なんですね。
ドラムマシンでは、普通の16ビートでハイハットを刻むようにしか、できなかったので、
ギターやベースをはね気味にしましたが、ちょっとバラけてしまって、反省点も多いです。



> ギターマジシャンさんのヴォーカルの声質も、この曲にマッチしていて聴き応えがありました。


ルカサーは、後半のフェイクで高音Aまで楽々と地声で歌っていますが、
全体的にはキーが低いので、何とか自分の音域で歌うことができました。


> 私達の年代では必須課題曲でしたから、とても懐かしく聴かせて頂きました。


自分の場合は、ギター中心に偏った聴き方をしてばかりしていて、
TOTOもギター目当てでしたが、この曲も今は気に入っています。


> 余談ですが私の聞いた範囲では、ルカサーはどちらかと言えばカールトンより、グレイドンのとの交際が多かったと聞いています。カールトンの一番弟子はジノ・バネリのアルバムでプレイした、サウスポーのカルロス・リオスだったはずです・・・。私の勘違いかもしれませんが間違っていたら申し訳ないです。


そうでした、ルカサーはカールトンからの影響はあっても、師弟関係はジェイ・グレイドンですね。
ドナヒューのソロがすごいと松下誠に言われたときも、「ジェイならヒョイだよ」と言っていたり。

カルロス・リオスの「ブラザートゥブラザー」のソロは名演ですが、カールトンが多忙だったため、
推薦したようですし、ヤングギターとかのインタビューでも、お互いに語っていた記憶があります。



> この時期のトトは本当にいいバンドでしたね・・・ボズのバックで溜まっていたストレスを一気に爆発させた様な感じです。


バックとは違う自分たちの音楽ができるという喜びがあったのでしょうね。



> ハード・タイムスは私も大好きでした・・・ギターソロでフェイド・アウトしてしまうのが何とも残念だった記憶があります。


本当、もっと演奏を続けて欲しい感じです。



> 今回も素晴らしい演奏でした・・・凄いです。聴かせて頂いて気持ち良かったです。


お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/04/16/Sun 18:48 [編集]
東洋陶器株式会社!?
ギタマジさん、今日は。

AORやFusion全盛時、日本において音楽性ではなくバンド名!から一躍メジャーバンドとなったのは、ヤハリあの企業名と同名故だろうか?

ジャズ系スタジオミュージシャン・バンドではない、Rockロック系のソレと云うだけではなく、白陶器刻印!をバンド名にする事で私も興味持ちましたが、フェミニンで心地好い16拍子ロックに聴取頻度多かったですね。

当初此の楽曲聴いた時は、BozのLowdownに似ていると思った理由が、此のトピック読み当時の自分にOK!拍手しました。

またJ.ポーカロのドラミングも、小技利きつつメロディアスなトーキングドラムで、将来の名手を“推測”出来、結構好みのドラマーでした。
take10n | URL | 2017/04/22/Sat 11:03 [編集]
Re: 東洋陶器株式会社!?
いつも、コメントありがとうございます。


> ギタマジさん、今日は。
> AORやFusion全盛時、日本において音楽性ではなくバンド名!から一躍メジャーバンドとなったのは、ヤハリあの企業名と同名故だろうか?


覚えやすいバンド名というのは、ある意味メジャーになりやすい条件でもありますよね。
雑誌アドリブのインタビュー中、メンバーの1人が、「ちょっとTOTOへ行ってくる」と、
トイレに行ったという冗談めいた逸話もあって、本人たちも、後付けで意識したようです。


> ジャズ系スタジオミュージシャン・バンドではない、Rockロック系のソレと云うだけではなく、白陶器刻印!をバンド名にする事で私も興味持ちましたが、フェミニンで心地好い16拍子ロックに聴取頻度多かったですね。


おっしゃるとおり、ジャズ系のスタジオミュージシャンの売れっ子が全盛期の中、
ロック好きのメンバーが集まり、16ビートもよい感じで演奏する達人集団でした。


> 当初此の楽曲聴いた時は、BozのLowdownに似ていると思った理由が、此のトピック読み当時の自分にOK!拍手しました。


本当、とりわけ、この曲はボズの楽曲に似ていますよね。


> またJ.ポーカロのドラミングも、小技利きつつメロディアスなトーキングドラムで、将来の名手を“推測”出来、結構好みのドラマーでした。


自分は、すぐギターに目が行きますが、ポーカロを好む人は、かなり多かったようです。
お聴きいただき、ありがとうございました。
ギターマジシャン | URL | 2017/04/23/Sun 00:15 [編集]



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