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僕らが聴いてきたギター音楽 60~80年代を過ごした渋谷あれこれ
青春時代を渋谷で過ごした中年サラリーマンです。 昔のことを思い出そうとしたブログですが、最近はギター演奏が主体です。          旧タイトル「僕らの過ごした渋谷」
フィードバック奏法とリフが格好良い「アイ・フィール・ファイン」
中3の冬、ビートルズに憧れたから、高校入学祝いには、
ジョンが弾いていた、リッケンバッカー325をコピーした、
グレコのギターを買ってもらおうと、一人その気になるが、
受験の前に、下見に行ったら、もう売切れてしまっていた。

御茶ノ水の石橋楽器が、グレコに特注した限定品なので、
他の楽器屋へ行っても、当然置いてなくて、ポールが弾く、
リッケンバッカーのベースは、他のメーカーのがあったが、
石橋楽器も、ジョンのモデルは、今後作る予定がなかった。

高校へ入学する意味がなくなった、受験もやめようかなど、
家に帰るなり、大騒ぎ、担任の先生にも、同じように話して、
心配した先生が、母親に連絡するほどで、あきれたように、
父が、「本物を買ってやるから。」と言って、何とか収まる。

リッケンバッカーの輸入代理店、御茶ノ水の黒澤楽器まで、
見に行ったら、ジョンが弾いた325は、その頃は製造中止、
トレモロアームがなく、Fホールの空いた320が飾ってあり、
グレコは売り切れたが、本物が手に入ると、楽しみにする。

黒、青、赤のモデルがあって、ジョンは黒をメインにしたが、
写真集を見ると、青のモデルを抱えた写真も多かったから、
どちらが良いだろうかと、何度も雑誌や写真集を眺めては、
もちろん、受験勉強もして、入試が終わる日を待ちわびた。

入試の帰り道、御茶ノ水に回り、色を再確認しようとしたら、
黒も青も売り切れていて、赤の320が1台残っているのみ、
この際、赤でも良いから、あとでペンキで塗ろうかと思うと、
最後の1台は、店頭見本に残すから、売れないと言われる。

また次に、いつ入荷するか、わからないし、輸入代理店に、
リッケンバッカーが1本もないのは、まずいのでと説明され、
黒か青が入ってくるのを待とうにも、それさえ、時期は未定、
結局は、本物さえも、手に入らないと、半べそになって帰宅。

黒澤楽器の渋谷店が、当時、山手線のガードの先にあって、
主にフォークギターを扱って、エレキは置いていなかったが、
駅前を配達して回る父が、顔見知りだったので、頼み込み、
本店に連絡を入れてくれ、赤の320を売ってもらえることに。

母に連れられ、御茶ノ水へ行くと、売り場のチーフらしき人が、
「とうとう、こいつも出て行っちゃうんだなあ。」と、感慨深げに、
展示してある壁面から、赤の320をおろすと、「ビートルズが、
そんなに好きなんだね。」と言いながら、自分に渡してくれた。

とにかく嬉しくて、コードも弾かず、ただ抱えて、眺めていたら、
「これは、知ってる?」と、ギターを取り上げて、ビートルズの、
「アイ・フィール・ファイン」のリフを弾いてくれ、好きな曲だが、
弾けないと言ったら、その場で、弾き方を詳しく教えてくれた。

バレーコードのFフォームで、10フレットのポジションを押さえ、
小指を使って、リフのラインを弾き、同様に、8、3フレット上で、
繰り返せば良いと、ゆっくりと弾いてくれたので、すぐに覚えて、
早速、友人に聴かせたり、謝恩会でもチューニング中に演奏。

自分の唯一の檜舞台と呼べる、中学校卒業時の謝恩会では、
やはり高校入学祝で、ギブソンSGを手に入れたジョージ役と、
二人きりのビートルズ・コピーバンドで、体育館の舞台に立ち、
周囲を巻き込み、大騒ぎして、入手した320を、お披露目した。

「アイ・フィール・ファイン」では、ジョンは、アコギのJ160Eを、
アンプにつないでいて、リッケンバッカー325ではないのだが、
自分の思い出もあって、今回の演奏は、320を使うことにし、
このあたり、機材も含めて、完コピする達人と、自分との違い。

まあ、機材に関したら、ビートルズと同じなのは、320くらい、
アコギは、モーリスのエレアコで、ベースは、ジャズベースの、
コピーモデル、それもフレットレスだから、ポールのヘフナー、
リッケンバッカーの2台の、どちらとも出てくる音色は異なる。

イントロのフィードバック奏法は、ポールが弾くベースの音を、
ジョンのアコギが拾って共鳴し、アンプに立てかけていたから、
さらにスピーカーから出る音で、ハウリングし、音が鳴り続け、
面白いと思ったジョンが、何度も試して再現、イントロにした。

ジミ・ヘンドリックスやザ・フーより、先にレコードに録音したと、
ジョンは自慢げに語っていたようだが、ジミやサンタナの弾く、
フィードバック奏法は、倍音のようになり、音が伸び続けるが、
この曲では、ギョーンという感じで、ちょっとニュアンスが違う。

フィードバック奏法など知らない、中学校の頃に聴いた時は、
伸びている音が、下敷きに口を当て、歌うような音に聴こえ、
開放弦をはじいて、爪の甲かピックを、弦に軽く当てたりして、
ンニョーンとばかりに、音を震わせているのだと思っていた。

店員さんに教わった、曲を特徴づけるリフは、最近知ったが、
ジョンが気に入っていた曲から、拝借したそうで、YouTubeで、
そのボビー・パーカーの、「ウォッチ・ユア・ステップ」を聴くと、
メロディやコード進行は違うものの、リフは、かなり似ている。

バックのドラムが、ラテンリズムっぽく叩くのまで、同じだが、
リフはメロディーでなく、あくまでも伴奏だから、アルペジオ、
スリーフィンガーや、コードストロークの、リズムパターンが、
似ていても許容されるのと同じで、著作権はセーフなのか。

ちなみに、ボビーのリフは、「アイ・フィール・ファイン」以外に、
レッド・ツェッペリンの「モビー・ディック」にも、使われたそうで、
ジミー・ペイジも確信犯なのか、ジョンのように公言しないが、
ほとんど同じままに弾いて、コード進行まで一緒に聴こえる。

ジョンが弾くリフは、やたらとポジション移動を繰り返すから、
今回の録音で、歌入れも終え、最後のミキシングしていたら、
キュッキュッと、弦をこする音が、数小節ごとに大きく響いて、
あまりの雑音のひどさに、弾いた自分でさえ、聴くに耐えない。

巻き弦のこすれる雑音は、クラシックギターでも悩みの種で、
バレーで押さえた左指を、ポジション移動する際に、いったん、
弦から浮かせ、素早く移動して、また押さえれば良いのだと、
よく解説されているが、言うは易しで、これが昔からできない。

ポジション移動のたびに、指を浮かせると、音は途切れるし、
ギリギリまで音を伸ばして、サッと移ると、つい弦をこするし、
演奏の音の響きを取るか、雑音のないのを取るかの選択肢、
これは伴奏だから、音が途切れても、雑音がないようにする。

ジョンの演奏は、ヘッドフォンで聴いてみても、スライドによる、
雑音はしないし、アコギでエレキより太い弦で、セーハしても、
しっかりと、全部の音が、ミュートされず、鳴り響いているから、
リズムギタリストとして、本当上手かったんだなと、実感する。

途中、ドラムがブレイクして、ジョンとジョージでリフを弾くのが、
すごく息のあった演奏で、シャッフル気味に、はねているから、
リズム音痴の自分では、はねるタイミングが、前後にバラけて、
自分の弾いたギターに重ねるのに、全然合わなくて苦労した。

この二人のリフの絡みは、まったくのユニゾンで弾くのでなく、
片方がコードを刻んだり、低音だけにしたりと、複雑なうえに、
ジョンは、アルペジオのように、音を残したり、隣の弦も弾き、
和音にしたりと、けっこう自由にやっていて、それが格好良い。

「フォーセール」の録音に追われながら、シングル盤は別だと、
しっかり名曲を出してくるビートルズ、イントロのフィードバック、
2本のギターがからむリフ、サビのコーラスと、完成された曲、
「アイ・フィール・ファイン」を、リフの思い出をこめて弾きました。



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ギターマジシャンさん こんばんは。

320赤、大変な経緯のうえ入手されて愛着のある楽器なのですね。
“アイ・フィール・ファイン”抜群です。
私はこうも上手く弾けません。
コーラスも難しくなかなか表現できません。
いつも大好きなビートルズを聞かせて頂きありがとうございます。
マサジョン | URL | 2014/09/22/Mon 19:08 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさん こんばんは。
320赤、大変な経緯のうえ入手されて愛着のある楽器なのですね。


1人で騒いでいただけなのですが、ビートルズ好きの店員さんから、
託されたような気がして、色も塗りなおさずに、大切にしています。



> “アイ・フィール・ファイン”抜群です。
私はこうも上手く弾けません。
コーラスも難しくなかなか表現できません。


ジョンのドライブ感あふれるリフ、ジョージとの息の合ったところは、
なかなか再現できないのですが、いつか、また挑戦してみたい曲です。



> いつも大好きなビートルズを聞かせて頂きありがとうございます。


こちらこそ、いつも、演奏を聞いていただき、ありがとうございます。
ギターマジシャン | URL | 2014/09/22/Mon 19:39 [編集]
読みどころ、聴きどころ満載です
こんばんは。
ついにこの曲ですね!
まずは、今回の演奏は、オリジナルとは少し違う独特のムードで、すごくいい感じです!
好まれる方は多いのではないでしょうか。

この曲は何と言ってもバレーを押えながらメロを弾くことにありますよね。
ジョンはJ160Eで弾いていたんですか。大きいからやりにくいはずでしょうけど。
さすがですね。

320を買われるいきさつも大変興味深く読ませていただきました。
ST Rocker | URL | 2014/09/23/Tue 19:35 [編集]
Re: 読みどころ、聴きどころ満載です
いつも、コメントありがとうございます。



> こんばんは。
ついにこの曲ですね!
まずは、今回の演奏は、オリジナルとは少し違う独特のムードで、すごくいい感じです!
好まれる方は多いのではないでしょうか。



ジョンと同じJ160Eか、アコギで演奏するべきところを、
リッケンバッカーなので、感じが違ってしまったと思いつつ、
ライブでは、ジョンもリッケンだから、弾き方なのでしょう。



> この曲は何と言ってもバレーを押えながらメロを弾くことにありますよね。
ジョンはJ160Eで弾いていたんですか。大きいからやりにくいはずでしょうけど。
さすがですね。


J160Eはアコギだから、弦が太く、張りもきつくなりますが、
バレーコードの音が、しっかり出ているから、ジョンは見事です。



> 320を買われるいきさつも大変興味深く読ませていただきました。



とにかく、大騒ぎして、いかに我慢できない性格だったか、反省です。
ギターマジシャン | URL | 2014/09/23/Tue 21:44 [編集]
ギターマジシャンさんのリッケンバッカーは、
思い出の詰まったとても大切なギターである事を
今回の記事で知りました^^

ジョンレノンの演奏もライフスタイルもかっこいいですね!
ただ、なぜあの奥さんなのかが謎です^^;
リッチーエリックボーン | URL | 2014/09/24/Wed 13:13 [編集]
こんばんは^^

>高校へ入学する意味がなくなった、受験もやめようかなど、
家に帰るなり、大騒ぎ・・・

はっはっは。
その気持ちよ~くわかりますよ^^

実はおいらも高校に合格できたら「エレキ買ってやる」って言われ
本気でで勉強した口ですからね^^>

でも235に拘りを持ってたなんてさすがですね。

楽器店の店員さんのお話も微笑ましいです。
ギターマジシャンさんにとって本当に想い出深い曲だったのですね♪

そういえば、ずいぶん昔にこの曲を演奏したくて練習していたのですが
おいらは手が小さいので3Fでのリフがどうしても出来ず、

たしか、グレコ製325のコピーモデルを買った記憶が蘇りました^^;

ここのところ締め切りが迫っていてなかなかコメントできません。
「ミスタームーンライト」「ビコーズ」仕事の合間に拝聴し
リラックスさせて頂いておりました♪
Mr・へぼい | URL | 2014/09/24/Wed 18:21 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> ギターマジシャンさんのリッケンバッカーは、
思い出の詰まったとても大切なギターである事を
今回の記事で知りました^^


中3の頃、受験をはさんで、大騒ぎして手に入れたギターなので、
最初に買ったギターとは、また別の意味で、思い出深いギターです。



> ジョンレノンの演奏もライフスタイルもかっこいいですね!
ただ、なぜあの奥さんなのかが謎です^^;


ヨーコについては、ジョンの感性に合ったとしか、言いようがないです。
ギターマジシャン | URL | 2014/09/24/Wed 18:31 [編集]
Re: タイトルなし
いつも、コメントありがとうございます。



> こんばんは^^

>高校へ入学する意味がなくなった、受験もやめようかなど、
家に帰るなり、大騒ぎ・・・

はっはっは。
その気持ちよ~くわかりますよ^^
実はおいらも高校に合格できたら「エレキ買ってやる」って言われ
本気でで勉強した口ですからね^^>



ギターを弾いていた中学生のほとんどが、おそらく今の子でも、
合格のお祝いにと言われて、受験勉強に耐えたのだと思います。



> でも235に拘りを持ってたなんてさすがですね。
楽器店の店員さんのお話も微笑ましいです。
ギターマジシャンさんにとって本当に想い出深い曲だったのですね♪



単純に、憧れたジョンと同じギターが欲しいという、ミーハーでしたが、
その際に、店員さんに、リフを教わったのは、すごく大切な思い出です。



> そういえば、ずいぶん昔にこの曲を演奏したくて練習していたのですが
おいらは手が小さいので3Fでのリフがどうしても出来ず、
たしか、グレコ製325のコピーモデルを買った記憶が蘇りました^^;



325は、ショートスケールなので、3フレットでも何とかなりますよね。
グレコの325が楽器屋にあれば、自分は、あんな騒ぎにもならなかったです。



> ここのところ締め切りが迫っていてなかなかコメントできません。
「ミスタームーンライト」「ビコーズ」仕事の合間に拝聴し
リラックスさせて頂いておりました♪



多忙な中、お聴きいただき、コメントまで、ありがとうございます。
Mr.へぼいさんの、「アンド・アイ・ラブ・ハー」「恋におちたら」は、
高音が出て、歌唱力があれば、弾き語りで十分だと、つくづく感じました。
ギターマジシャン | URL | 2014/09/24/Wed 18:42 [編集]



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